二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- [inzm]because of you[参照100突破]
- 日時: 2012/08/19 20:06
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
桜の花弁と共に現れた〝あの子〟
微風の様に爽やかで
太陽に負けない位明るくて
引き付けられそうなオリエンタルブルーの色をした純真無垢な眼差し
君を初めて見た入学式以来 僕は可笑しくなった
君の所為さ
優しげな声で俺の名を呼ぶ
君の所為さ
其の笑顔が僕の頭の中から離れられない
君の所為だ
君の事を考えると胸が熱く苦しくなる
嗚呼、これはもしかして…———
another title/[季節が変わってもこの胸の熱さは変わらないだろう]
初めましてです。〝ソウゲツ レイル〟と読みます。
映像小説も書いています。名前は〝薔薇円舞曲〟です。
この小説は南沢が天馬(此処では女体化です)に恋してしまう御話です。
駄文ですが宜しくお願いします。中傷コメント・荒らし等禁止です。
- a title[気に食わない君の事] ( No.6 )
- 日時: 2012/08/07 13:44
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
各自主練が始まった。
コーンを並べドリブルを磨く特訓や二人一組で攻守を交代でやっていく等の練習メニュー等の数々。
天馬は一度も嫌な顔をせず、寧ろ楽しんでやっていた。
天馬にとってはサッカーは楽しいものだから、皆とやれば辛い事なんてへっちゃらだから、そう感じていた。
次々とメニューをこなしていく天馬の姿に感心する速水、浜野がいたが
ボサッとするな。と神童に注意を促される。
陰から見ていた南沢だが
「…チッ、」
直ぐに倉間とマンツーマンの練習に取り掛かってしまった。
another title/[アイツなんか…]
- a title[夕焼け模様で独り] ( No.7 )
- 日時: 2012/08/07 20:32
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
朱色の空が若干アイアンブルーに染まりかけた頃。
時計を見ればもう5時を過ぎていた。
時刻に気付いた神童はチーム名と全員に今日はここまでだ。と終了を促した。
「それじゃあ、またな天馬」
「お疲れさまですッ!神童先輩」
神童は一度微笑み手を小さく振って帰っていく。
男子更衣室の入り口を覗いて見たが人の気配が感じられない。
どうやら神童が最後の一人だったようだ。
天馬が扉を閉めに行こうとしたその時だった。
「男子更衣室覗いてたのか? 御前、見かけによらずかなりの変態なんだな」
後ろから馬鹿にした声が聞こえてきたので慌てて振り返れば、其処には南沢が天馬を見下しながら冷笑していた。
少し頭にきたのか天馬は
「先輩こそ此処で何していたんですか? ハッ!もしかして…」
「馬鹿じゃねぇの?俺がストーカーみたいな真似するかよ。そんな事してみろ。学校中に知れ渡ったら俺が笑い者になっちまうし、内申がガタ落ちになるだろうが」
感情に出さない南沢は冷静に言い返す。
何度言い合ってもキリが無いと察したのか天馬は別の話題を振ってみる事にした。
「…先輩ってサッカー上手いですよね」
「何だ突然」
「良いじゃないですか。今日初めての部活で感じた事を述べたまでですから」
「…別に」
「はッ?」
「俺は只、内申の為にサッカー部に入っただけだから。何の部活でも良い、部に入って誰よりも活躍すれば内申が上昇する。俺は将来の為にこうして頑張っているんだ。上手いも何もねぇよ」
視線を前方に向ければ両拳を震わせ俯いている天馬の姿があった。
「貴方は可笑しいです」
「ッ、」
「内申の為にサッカーやるなら退部したらどうですか?
サッカー部はサッカーが大好きな人が集まる楽しい部活です。それなのに貴方って人は内申の為、将来の為、そこまでして自分の将来が大事ですか?だったら今すぐ退部でもして勉強に専念したら如何ですか?」
「!!?ッ———」
怒りが頂点に達した南沢。
目を見開き天馬を近くの壁に強く押し付ける。
「御前に指図される覚えはねぇ。部活退部すれば俺の成績が左右されるんだよ。
御前は俺の人生を邪魔するのか?御前は俺の進路を妨げて楽しいのか?」
「…はぁ、ホント短気な人ですね。 成績・将来、己の人生の拘りに囚われた哀れな人」
天馬の胸倉を掴んでいた手を荒々しく離す。
南沢は一瞬天馬の方を見、舌打ちをし早歩きで帰っていった。
another title/[苛々する貴方のその表情(カオ)は]
- a title[夜中は空腹朝は満腹] ( No.8 )
- 日時: 2012/08/08 08:56
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
両親が寝静まった頃。
その時間、南沢は一人自室で机に向かって自習をしていた。
現代国語に理科、社会、地理や情報。どの教科もほぼ必須科目ばかりだった。
ひと段落ついたところで時計で時間を確認すればもう夜中の2時。
そろそろ寝なければ明日の授業は体力が持たない。
そう判断し南沢は眠りに就く事に決めた。
ベッドに潜ったのは良いが睡魔に襲われる気配が全く無い。
仕方なく台所でホットミルクをコップ一杯分飲み干し、再び潜ったがやはり駄目だった。
何が原因だろうか。南沢は考えた。
自習のやり過ぎか。進学校について調べすぎたか。
それとも…。
「いや、それは無いな」
頭の中に天馬を思い浮かんだが、首を数回横に振る。
「それにしても、今日は厄日か。 一年生に俺の将来を指図されるとはな…」
忘れたくても忘れられない南沢にとって〝邪魔〟な存在。
畜生ッ。と小さく吐き捨て掛けて荒々しく布団を覆い被さった。
another title/[心中の靄は何時晴れるでしょうか]
- a title[練習試合前のドリンクの味は] ( No.9 )
- 日時: 2012/08/08 11:59
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
翌日の部活にて。
「突然だが、今日は万能坂との練習試合だ」
突然、速水が歯をガチガチ鳴らし震え始めた。
調子が悪いんじゃないかと思う位に顔を真っ青にしながら。
「まッ、万能坂といえば天河原より以上過激なプレーとして名を馳せているアレですよねッ!?」
「そいつ等と戦った怪我人が絶えないんじゃね?」
「は、浜野君ッ!?不吉な事言わないで下さい!!」
「あーメンゴメンゴッ! …でもさぁー、天馬も選手として試合に出るんだろ?大丈夫ぅ?」
天馬はサッカー部の紅一点。
男とは身体のつくりが違い、丈夫な身体を持ち合わせていない。
そんな天馬を万能坂との試合に出れば如何なる事か。
二度とサッカーが出来なくなるようサッカー選手にとって命の次に大事な足を狙われるかもしれない。
考えただけで南沢以外背筋をゾクッと身震いさせた。
「天馬。 御前は試合に出るな。アイツ等は何をしてくるか分からないからな」
「大丈夫ですよッ! 私、今までサッカーの練習してきたんですから!あいつ等が何を仕掛けてこようが私はくじけません!」
「…ッ、分かった。 だが、無理はしないでくれ」
グラウンドに向かえば既に万能坂が中央で待機していた。
キャプテンの『磯崎研磨』は見下した目線で笑いながら挨拶をする。
初めての試合に緊張しているのか顔を少し歪める天馬。
気付いたのか磯崎は天馬に顔を近づけた。
「もしかして御前、女かぁ?」
「ッ、」
「まッ、そう怖がんなよ。 俺は女には優しいからなぁ。…アイツ等より倍痛めつけてやるからよ」
アッハハハ。と高笑いを上げながら磯崎と他は各自のポジションについていった。
天馬を心配していたチームメイトは気にするな等労わりの言葉をかける。
『今度こそ潰れれば良いのに』
誰よりも先にポジションについていた南沢がボソリと呟いた。
another title/[軽はずみの言葉で起こる悲劇の幕開け]
- a title[血みどろゲィム] ( No.10 )
- 日時: 2012/08/09 13:31
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
「本当に無理はするなよ」
「ッ、ハイッ!」
試合開始のホイッスルが鳴り響く。
先行は万能坂。
キャプテンの磯崎を中心にMF5人が果敢に攻めあがってくる。
なんとか『キラーホエール』で止め『波乗りピエロ』でボールをキープ。
「天馬ッ!」
浜野に託されたボールを天馬は得意の必殺技『微風ステップ』で次々と相手をかわしながらキープしていく。
「私が点を取りますッ!」
ゴール目前。
マッハーウィンドの体勢に入ろうとしたその時、DF陣に待機していた蒲石と大沢田が立ちふさがった。
蒲石、大沢田二人は『エレファントプレス』を天馬に食らわせる。
荒々しいDF技により思い切り前方へ倒れこんでしまった天馬。
彼女が倒れこんだ隙に南沢がボールを掠め取り、シュート技『ソニックショット』で点を入れた。
「いい様だな、松風チャン。 これで御前がどれだけチームの足を引っ張っているのかが分かるだろ」
「…お生憎様。私は諦めません。 足を引っ張る程弱いなら次は頑張れば良いだけの事でしょう」
「チャンスは一度きりしか無い。其れを逃せば御前は補欠扱いされる。 ま、精々頑張れよ」
南沢は皮肉染みたを吐き捨て即座に去って行った。
先行く彼を見詰めながら天馬は呟く。
「…本当は分かってますよ。南沢先輩」
another title/[貴方の言葉はまるで裏表コインの様]
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