二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- [inzm]because of you[参照100突破]
- 日時: 2012/08/19 20:06
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
桜の花弁と共に現れた〝あの子〟
微風の様に爽やかで
太陽に負けない位明るくて
引き付けられそうなオリエンタルブルーの色をした純真無垢な眼差し
君を初めて見た入学式以来 僕は可笑しくなった
君の所為さ
優しげな声で俺の名を呼ぶ
君の所為さ
其の笑顔が僕の頭の中から離れられない
君の所為だ
君の事を考えると胸が熱く苦しくなる
嗚呼、これはもしかして…———
another title/[季節が変わってもこの胸の熱さは変わらないだろう]
初めましてです。〝ソウゲツ レイル〟と読みます。
映像小説も書いています。名前は〝薔薇円舞曲〟です。
この小説は南沢が天馬(此処では女体化です)に恋してしまう御話です。
駄文ですが宜しくお願いします。中傷コメント・荒らし等禁止です。
- a title[特別デイズ] ( No.1 )
- 日時: 2012/08/06 11:43
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
窓から見える清清しい程澄み切った新橋色の空。
何時も見える光景に見飽きている筈なのに今日は少しだけ特別に思う南沢。
桜が咲き誇っているから?クラス中が何時もより騒がしいから?
今度は少し顔を真下へ覗かせてみれば見たこと無い生徒達が両親と一緒に歩いていた。
中には『雷門中』と刻まれ校門に飾られたプレートと遠くに見える稲妻マークを背景に写真を撮る者もいた。
〝嗚呼、そういえば今日は入学式だったな。〟
だから今日の景色は特別だったんだな。と数学のワーク上にシャーペンをスラスラ走らせる。
正直、南沢はそんな光景には興味が無かった。否、入学式自体興味が無い。
彼が執着するものは〝成績〟・〝将来〟・〝内申〟の3つのみだ。
南沢は一年の時から、幼い頃から将来に向け塾に通い、更には家庭教師を雇い英才教育を受けてきた。
両親の期待に応える為、将来一流企業に入り家庭を助ける為死に物狂いで受けてきたのだ。
今こうして必死に勉強をしているのは、有名な公立高校に合格する為。
他の高校と比べ施設設備が良く整っており大学に向けてのカリキュラムが組み込まれる反面、偏差値がかなり高く合格者は数少ないという。
有名校に入学する為、南沢は四六時中勉強に執着しているのである。
『もうすぐで入学式が始まります。 3年生全員廊下に整列し体育館に向かうように。 繰り返します…—————』
突然流れてきた放送に舌打ちをする南沢。
手早くワークに栞を挿みシャーペンをペンケースにしまって廊下へ向かう。
〝嗚呼、つまらない一日だな〟
南沢は心の中で一言そう吐き捨てた。
another title/[貴方に構っている暇は無いから失礼するわ]
- a title[桜舞台のシンデレラ] ( No.2 )
- 日時: 2012/08/06 12:36
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
他学年よりも早く体育館に着いた3年生。
ゾロゾロとパイプ椅子に足を揃えて座るが南沢だけは足を組んだままだった。
この姿勢で入学式にウンザリしているという事が分かる。
南沢の同級生で親友である車田や三国、天城はやれやれとお互いに顔を見合わせている。
丁度二年生が体育館に入って来てそれぞれのパイプ椅子に座り待機し始めた。
それから数分後、スピーカーから〝新入生、入場〟と聞き覚えのあるオーケストラの曲と共に指示通り入場してきた。
この間までランドセルを背負っていた新入生が今では立派な雷門中の新入生。
凛々しく歩く姿に三国達は頷くが、南沢だけは浮かない表情で其方を見詰めていた。
「うわぁッ!」
途中鈍い音が聞こえたかと思えば南沢の足元に一人の少女が倒れていた。
周りからクスクス笑い声が響いたり、虐げる様な視線が少女の方に向けられる。
ドンくさい奴。と想いながらも仕方なく南沢は手を差し伸べれば少女の手が南沢の其れを掴む。
「イッタタァ…。 あ、あのッ!有難う御座いますッ!」
少女の明るい笑みに一瞬南沢の胸がドクリと高鳴った。
〝何だ、今のは…〟
少女が行ってしまっても胸の熱さがまだ残っている。
〝ワケ分かんねぇよ…〟
其の日、南沢は教師の話を上の空で聞き流し、勉強に集中できなかったという。
another title/[私の胸中に硝子の靴じゃなく太陽の笑みを残して行ったわ]
- a title[ダ・カーポ] ( No.3 )
- 日時: 2012/08/06 13:10
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
放課後。
全ての荷物を纏め終えサッカー棟へ向かう南沢。
因みに南沢はサッカー部に所属しているがコレも内申の為だ。
中に入れば何やら騒がしかった。
けど南沢はそんな光景を尻目に一人着替え始める。
「御前、サッカー希望なのか?」
「私、サッカー部に憧れていて此処にやって来ました!」
何処かで聞き覚えのある甲高く爽やかな声。
視線を其方に向ければ、入学式の少女がサッカー部に入ります。と全員に頭を下げていた姿が視界に入った。
一瞬目を見開いた南沢。すると再び今朝と同じ胸の高鳴りが起こった。
〝何なんだよ、煩わしい…〟
「選手でポジションはMF希望です!」
MF(ミッドフィルダー)とはFW(フォワード)へパスを繋いだり守備へ参加したりする所謂チャンスメイクのポジション。
そんな貧弱そうで素人な女なんか入れたら如何なる?只の足手まといだ。と心の中で鬱々しく感じる南沢だが、ふと一瞬ある名案を思いついた。それは、
「オイ、新入生」
「あ、ハイッ」
「今から入部テストする。 御前の相手は俺と浜野と霧野と三国だ。
ルールはいたってシンプルだ。俺達から一点奪う、只それだけだ」
「南沢ッ…」
南沢の考え。
それは入部テストを実施し天馬を徹底的に潰し己の無力さを思い知らせる事だった。
彼にとって天馬は自分の将来への妨げになる存在。天馬を潰せば自分の人生の邪魔は出来なくなるという都合の良い名案。
早速グラウンドに向かい南沢他、各自ストレッチで入部テストに向けて準備をし始める。
誰も気付かない程度に南沢は口角を上げた。
『入学早々俺に潰されるなんて、可哀想な餓鬼だな…』
another title/[人生を妨げる害虫は早めに駆除しましょ?]
- a title[天才・微風・天真爛漫] ( No.4 )
- 日時: 2012/08/07 09:32
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
やれるものならやってみろ。と言わんばかりの表情を南沢は浮かべながら天馬に向けた指をクイッと己の方へ曲げる。
やっと憧れの雷門に入学出来、サッカー好きなら知っていて当然のあのイナズマジャパンのキャプテンとして活躍した円堂守が復活させたサッカー部に入れるのだから。
しかし、此処は名門校だ。他校とは違って只挨拶だけじゃ入部出来ない。
入部するにはある程度の実力を付け、入部テストを受けなければならない。
〝サッカーが大好きなんだもん!〟
何とか成る!そう天馬は自分に言い聞かせ気合を入れる。
ピィー!とテスト開始のホイッスルが鳴り響き、勢い付けて走り出した。
最初に守りを固めたのは南沢。
「来いよ。 一瞬で終わらせてやる」
しかし天馬は臆することなく寧ろ余裕の笑みを浮かべる。
「微風ステップッ!」
一気に加速したと思えば軽やかに南沢をかわす。
この調子で浜野の『キラーホエール』や霧野の『ザ・ミスト』も容易にかわして行った。
ゴールから少し離れたトコロから天馬は一気に加速しシュート体制をとり
「マッハウィンドッ!!!!!」
三国の必殺技『バーニングキャッチ』を発動するが天馬の放った風圧シュートに耐え切れず失敗に終わりシュートはゴールの中へ。
可憐な少女だとは思えないテクニックと能力に一瞬呆気を取られる全員だが我にかえれば〝凄い〟やら何やら歓喜の声を上げた。
「結果は合格だ。 フィールドに出ても可笑しくない」
「うわぁ!有難う御座います!」
「それじゃあ、ユニフォームを渡すからとりあえずサッカー棟に来い。其の後、部員紹介と自己紹介だ」
神童に続き、天馬、浜野、霧野達はサッカー棟に向かって行った。南沢を除いて。
一人この場に立ち尽くす南沢。両拳が爪が肉に食い込み震えるほど強く握り締めている。
「女のクセに、女のクセにッ…!」
同じ台詞を繰り返す度に胸が高鳴り続ける。
「まただ。 アイツの事を思い出す度、胸が締め付けられる…」
コレは一体何なんだ…。アイツなんてどうでも良いのに、何故…。
髪の毛を掻き揚げた南沢は積もりに積もった苛々をボールに込め力任せにゴールへぶち込んだ。
another title/[貴方は邪魔なの。あっちへ行って頂戴]
- a title[自己発表] ( No.5 )
- 日時: 2012/08/07 17:56
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
神童に進呈された8番のユニフォームを抱き上げ、クルクル回って喜ぶ天馬。
その姿は様になっていて、まるで絵に描いた美しさ。
浜野も倉間も、他の部員達も天馬の可愛さに見とれている。
「松風天馬さん、でしたよね?自己紹介を御願いしても良いかな?」
「あ、御免なさいッ! つい嬉しくなっちゃってッ…」
天馬はグシャグシャになってしまったユニフォームを一旦畳み直し傍にあったソファーの上に置き、一旦咳払いをした。
「…私、〝松風天馬〟です!ポジションはMF希望です!宜しくお願いします!」
天馬の自己紹介が終了すると、宜しくな。と次々に沸き起こった。
「俺は雷門中サッカー部のキャプテンを務める〝神童拓人〟。そして隣のヤツは…———」
次々と紹介していく神童。
神童の隣から順番に、霧野、速水、浜野、倉間、三国、車田、天城、錦、———
「そして、エースストライカーの南沢さんだ」
南沢の方を向けば、彼は〝フンッ〟と直ぐに天馬との視線を逸らした。
不安げに戸惑う天馬に浜野が優しくフォローする。
「ちゅーか、あの人はあーゆー人だからねぇー。 気にする事無い無い♪」
「そうですか…」
「御前等、自己紹介は終わりだ。 早速練習に取り掛かれッ!」
神童の掛け声で南沢と天馬を除くメンバーは駆け足でグラウンドに向かっていった。
取り残された二人。気まずい雰囲気。
天馬も皆の後に続こうとするれば南沢に強く肩を掴まれる。
『御前邪魔なんだよ。調子に乗るな』
苛々した口調で囁き、スタスタと練習に戻ってしまった南沢。
何の事か分からないまま天馬は南沢の後に続いて行った。
another title/[調子に乗られるとコッチが調子狂うの]
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