二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼
- 日時: 2013/03/30 22:44
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
お久し振りです、又は初めまして!
流夢と申しますー。
前作に引き続き、またもや桜舞姫とリレー小説やることになりましたー☆
いやー。俺が脱線しても話を戻してくれる良い相方ですよ、もう。
—領地を無くした鬼は今も各地を放浪中。
ついでと言わず、別れた妹も探しちゃおう!
そんな放浪中に新選組と出会ってしまって…?
☆読む前にちょっと確認して下さい☆
・荒らし等作品妨害目的の方はお戻り下さい。
・この小説はリレー小説です。【流夢】と【桜舞姫】が行います。
・リレー小説や薄桜鬼、流夢、桜舞姫が嫌いと言う方は、どうぞお戻り下さい。
・2人とも、更新日は不定期です。
・スレッド管理は、流夢が行わせて頂きます。
☆以上です。全ての項目了承した方のみ閲覧下さい☆
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>>1 【オリキャラ設定】
>>27 宵明真琴 描いて頂きました(音羽 様)(2013/01/13 Sun 22:09)
>>3 0話「孤独ノ唄」 >>4 1話「京の都に出る鬼」
>>5 2話「都で鬼と人は出会う」 >>6 3話「眠たき鬼は楽しむ」
>>7 4話「鬼は人鬼に主張する」 >>8 5話「鬼と人鬼の漫才」
>>9 6話「放浪鬼の個室入り」 >>10 7話「出会イノ唄」
>>11 8話「見た目に落ち込む放浪鬼」 >>12 9話「鬼は邪魔を嫌う」
>>13 10話「朝食戦場化」 >>14 11話「周囲呆然、鬼は笑む」
>>16 12話「人は好奇心の塊なり」 >>17 13話「物好き同士」
>>18 14話「ここで一句」 >>20 15話「副長と総長」
>>21 16話「十六夜月夜」 >>25 17話「少女と真琴と唄」
>>26 18話「隠しごと」 >>30 19話「必然たる出会い」
>>33 20話「風は攫う」 >>35 21話「京の出会いと東北の友」
>>36 22話「その少女の名は」 >>37 23話「不安を願う矢先」
>>38 24話「鬼姫、来訪ス」 >>39 25話「行方知れず」
>>40 26話「鬼の目にも・・・」 >>41 27話「想イ唄」
>>42 28話「夜帷の鬼」 >>43 29話「長い時間は一瞬にして」
>>44 30話「その歓喜は希望を打ち砕く」 >>45 31話「空気の読める副長」
>>46 32話「来訪者に一同は」 >>47 33話「冗談の通じる鬼」
—————
—御客様—
音羽 様
—流夢と桜舞姫のリレー作品—
【完】薄桜鬼 背中合わせの志【完結しました】
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.8 )
- 日時: 2012/11/18 18:13
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
5話「鬼と人鬼の漫才」
「なんでだよ〜!じゃ、三味線くらい返してくれよ!」
「取り合えずお前、囚われの身ってこと忘れてんじゃねぇだろうな!?」
「あ、そっか」
「そっか、じゃねぇんだよ!!」
土方と真琴のやり取りは、本当に漫才の様で、部屋の隅っこで総司がお腹を抱えて笑っていた。
部屋に集まっていた幹部が呆れ顔を見せている。
「ゴホン!…で、だな。てめぇ、昨夜見たもんが何だか分かるのか」
「え…?ああ、アレ、でしょ?分かるよ勿論。だってあれは爺さんが…」
「あ゛ー!分かった分かった!取り敢えずてめぇは羅刹を知ってんだな?」
「うん。知ってる」
「昨夜見たもんを周りに公表されちゃ困る。だから、てめぇは新選組に一時留まってもらう。良いな?」
「やだ」
真琴は、「留まってもらう」という言葉を聞いたときに一瞬だがしかめっ面になった。
そして、疑問符で言われたので正直に、真顔で断った。
土方はとうとう眉間を歪ませる。
そして額に青筋が浮き出た瞬間、怒りが爆発した。
「…やだ、じゃねぇんだよ!!取り敢えずてめぇは昨夜の件で新選組に留まる!異論は認めねぇ!!」
「……」
真琴は暫く土方を真直ぐ見つめていたけれど、弌溜息を付くと、
「分かった。異論無い」
とすんなり認めてしまった。
周りはほっと安堵した雰囲気になった。
土方の怒りが最大限まで行かなくて良かったと思っているのだろう。
「じゃ、俺の三味線、刀、その他もろもろの持ち物。全部返して?」
「…おい、平助。持って来い」
真琴が改めて要求すると、土方が重たい声で平助に言った。
真琴の荷物は、直ぐ隣の部屋に全て置いてある。
平助は指名されると一瞬びくっと肩を震わせたが、立ち上がると障子から出て行った。
そして、手一杯に持って部屋に戻ってきて、真琴の前に置く。
「よいしょ…っと。之で全部か?ちょっと分かんねぇけど…」
「えーと、之ある。あ、其れもある…。うん、全部。有難う」
「いや、礼を言われるようなことはしてねぇけどさ」
三味線を肩に掛け、刀を腰に差す。
そして細かい持ち物を全て決まった位置にぱっぱと戻していく。
立ち上がると、障子を開けて振り返った。
「暫く此処で世話になるけど、宜しく頼む!あ、俺が閉じ込められてた部屋借りるぜ!」
とだけ言うと、凄い勢いで走っていった。
開けっ放しの障子から、良い風が入ってくる。
桜はもう散り、緑と桜色が混じってきている。
「あ、そういえば」
ふいに、平助が口を開いた。
皆、其方へ注目する。
「あいつ、名前なんて言うんだ?」
「「「あ」」」
一番肝心な名前を聞くのを忘れていた。
彼等はまだ、真琴がどんな人物なのか、知らない。
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.9 )
- 日時: 2012/11/20 18:07
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
6話「放浪鬼の個室入り」
だだだだっと今までいた部屋に戻ってきた。部屋に先程自分が置き
忘れた手拭いを見て、
「あーこの部屋だ。俺の記憶力も大したもんだなアッハッハ!」
模範的な自画自賛である。
「さ、てと…荷造りってのが必要だよね〜♪」
微妙に日本語の使い方を間違っている気もしたが、気にしないでおく。
さっさと用意を済ませ、縁側に三味線を抱いて腰掛けた。
「……はぁ…初日から忙しかったなぁ…。」
一言感想を呟いて、形のいい唇を静かに開いた。そこから流れるは、
澄んだ歌声。
「散りゆく桜を、風は攫う…何処へ攫うのか、誰も知らぬ事…♪」
景色を見て即作詞した歌詞が、三味線の音と共に響く。
「桜の花は、何を思う…散りゆく運命と、受け入れるか…♪……
…誰だっ!?」
「あ、す、すみません!!」
気配に気づき、真琴が廊下の隅を睨みつける。そこから謝りながら
飛び出してきたのは
「…え…?」
「す、すみません。歌声が聞こえて…つい!」
そこにいたのは、男装をした少女。そして、真琴の予想しない相手で
あった。
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.10 )
- 日時: 2012/11/29 21:20
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
7話「出会イノ唄」
「す、すみません。歌声が聞こえて…つい!」
はっとして、その「少女」はぺこりと頭を下げた。
真琴は固まったまま微動だにしない。
そして、喉の奥から「…あー、と…」と声を出すと
「うっわ!何この小さい娘!!取り敢えず可愛いんだけど!?凄い抱き締めたい!」
等と大声で言い出した。
その少女は何が何だか分からず、困り顔をしていた。
言いたい言葉だけを言い尽くした真琴は、そんな彼女を見て淡く笑った。
「ああ、御免!いや〜君すっごい小動物みたいで可愛いから、つい」
「そ、そうですか…?」
真琴は満面の笑みで返す。
少女は困り顔で疑問符で返した。
「俺は宵明真琴。んーと…ちょっと色々あって暫く此処で世話になることになったんだ。君は?」
「私は雪村千鶴と申します。私もちょっと此処で世話になっている身で…」
「…雪村?………どっかで聞いたことあるな…」
難しい顔をして、顎に手をやった。
ぶつぶつと何か呟いているが、聞き取れない。
今度は千鶴が心配した顔で真琴を覗き込んだ。
「 ?如何かしましたか?」
考えごとに夢中になっていたのか、真琴はびくっと一歩後ろに後退りした。
そして手をぶんぶん振って、
「何でも無かった!気のせい気のせい」
「そうですか。難しい顔されてるので、お腹でも痛くなってしまったのかと思いました」
真琴は気を取り直して三味線を構える。
そして千鶴を見下ろして言った。
「まぁ、出会いの一曲ってことで…如何?聞いていかない?」
「わあ!良いんですか!?先程の歌声素敵でした!是非!」
三味線をひと掻きすると、廊下から外を見る様に座る。
千鶴も真琴の隣に正座する。
真琴が歌い始めの息を吸った。
「温かい日差しの中で、君は何を思っているんだろう…君と僕が、離れてしまってから…途方もなく歩いてきたこの道には、笑顔と涙が幾つもありました……♪」
真琴は何時もにまして調子が良いのか、今日の青空のように澄んだ声で唄う。
千鶴も眼を閉じて、気持ち良さそうに真琴の歌を聴いていた。
「これは…君との別れではなく、束の間の旅路…君との思い出を振り返る時…君の笑顔と被る貴方の笑顔が、僕の心に呼びかけてくる…また何時か此処で会おうと約束した言葉を…僕は、忘れてないから、また何時か思い出の場所で…桜散る、あの大樹の下で……♪」
気持ちよく唄い終わった真琴の横で、千鶴が小さく拍手した。
「良い曲ですね…。凄く、素晴らしい唄だと思います。歌詞は元々あったものですか?」
「いや、即興だよ。俺の作った唄は殆どって言って良い程即興」
「でしたら尚更凄いですね。ちょっと感動しちゃいました」
千鶴はにっこりと笑って見せた。
その笑顔に、真琴は満足そうに笑った。
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.11 )
- 日時: 2012/12/01 17:04
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
8話 「見た目に落ち込む放浪鬼」
美しい音色を聞き終えた千鶴が、ふと真琴に尋ねた。
「随分お上手ですけど、いつ頃から?」
「うーんそうだなぁ…物心つく時にはもう…。」
「えぇ!?…失礼ですけど、御幾つですか…?」
物心つく時、といえば随分幼い時ということだ。千鶴は恐る恐る
尋ねて見た。
「俺?んー、幾つに見える?」
「え、と…二十歳くらい、ですか?」
控えめに出した千鶴の結論に、真琴はがっくりと肩を落とした。
「そっか…俺の見た目年齢も潮時か…そうか…」
「わあぁ何か御免なさいッ!!」
「いや、いいんだ。うん……はぁ」
襖に寄り掛かって「そっか…二十歳…」と、うわ言の様にくり返して
いる。
「おーい、え、と…新入りー!…?」
そこに声をかけてきたのは、藤堂平助だ。
「あっれぇ千鶴も一緒じゃん…って、どうしたんだよその暗い顔!!
腹でもいたいのか?」
「なぁ、俺幾つに見える…?」
「は?……十八、とか。」
その返答に、真琴の目がきらっと輝いた。ばっとその場に立ちあがり、
平助の肩をがくがく揺らす。
「本当か?なぁ!!」
「ほ、本当だって!つかやめろーー!!」
「あ、すまん。」
パッと手を離したせいで、平助は反動の威力でその場にひっくり返り
そうになった。
「平助君、真琴さんに何か用事?」
「あーそうそう。もうすぐ飯だからお前らこいよ。あとお前さ、俺らに
正式な自己紹介してないだろ。」
「あー、そういえば!」
「はぁ。とりあえず、広間で皆に自己紹介してくれよ。」
ポンっと手を打ち合わせ、「いやー悪い」と頭をかく。呑気な姿に
平助と千鶴で苦笑いしつつ、三人で広間に向かった。
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.12 )
- 日時: 2012/12/01 18:06
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
9話「鬼は邪魔を嫌う」
「土方さーん、連れて来たよ」
と、平助が障子を開ける。
土方は押し殺したような声で「おう、座れ」と声をかけた。
千鶴も後ろからひょこひょこと自分の席に座る。
真琴に一応声をかけて自分の席に座ろうとする平助が、他人の箸に気が着いた。
「っておい!!新八っつぁん!何俺の飯取ろうとしてんだよ!!」
「遅かったな平助。お前の魚は俺がもらったぜ!!」
新八は箸で魚をつまんでひらひらと平助に見せた。
負けじと平助は箸を握る。
「返せ!!」
飛び出したかと思うと、平助と新八が箸で同じ魚を掴んだ。
どちらも離す気配はなく、ぐぎぎぎ…と魚を引張る。
土方は眉間に皺をよせてこれを見ていると、ついに我慢ならなくなったのか怒鳴った。
「てめぇら!!いい加減にしやがれ!取り敢えず平助の皿に魚戻せ!!!」
その場は何事も無かったように静まり返った。
新八は無言で平助の皿に魚を戻す。
平助もまずいことをしてしまった、というように俯いた。
その様子を見た土方は、入り口に突っ立っている真琴のほうを見上げ、空いている席に座れと促した。
真琴は言われたままの席に座る。
斎藤の左隣、千鶴の右隣だった。
「てめぇの名と出身等、俺等はてめぇについて知らないことが多い。取り敢えず名前くらい言え」
真琴は心の中で「自己紹介しろ」とかいえないのか…。と思っていたが、顔には出さなかった。
「あーと、俺の名前は宵明真琴。真琴って呼んでくれればいいや。出身地は…東北。年齢は……えーと…うん、18!趣味は…唄と俳句・短歌。好きなものは俄然小動物のような可愛いもの!!あとは…旅、かな」
自己紹介として言えるものをだーっと言い切った真琴は、にっこりと明るい笑みを浮かべていた。
土方がぽかん、としているのを横目に、やはり総司が口を押さえて笑っていた。
「 ?…俺、なんか変なこと言ったっけ?」
「い、いや、何でもないよ…くくく…ぷ…」
「???」
「いや〜、面白い子が来てくれたじゃないか!良かったなトシ!」
「近藤さん…あんたなぁ」
「また楽しそうな奴が増えて良かったじゃねぇかよ、なぁ?土方さん」
「左之の言うとうりだ!」
「俺もそう思うよ。まぁ、飯には少し困るだろうけど」
「てめぇら…」
「副長、俺も反対ではありませんが」
「斎藤まで…!ったく」
幹部揃って土方を覆すような言い方をしたものだ。
土方は溜息をついて、面倒臭そうに箸をとった。
「…飯だ。食うぞ」
「いっただっきまーす!」
と、土方を先頭にして朝餉が始まった。
平助達のほうを見ると、やはり飯の取り合いをしていた。
今度は白飯だ。
真琴も自分の前に置かれた飯を着々と食べていた。
そして、右に居た千鶴に話しかける。
「あいつ等は何してんの?…何時ものことなの?」
「はい、何時もの事です…。真琴さんも自分のご飯を取られないように気をつけてくださいね!」
「あはは、俺?俺は大丈夫だよー……」
真琴がそう言った瞬間、真琴の朝餉にむかって手が伸びてきた。
後でみると、それは新八の手だった。
真琴の魚を取ろうとしていた、のだが。
カキィィン!!と澄んだ良い音と共に、新八がひっくり返った。
真琴は何時も通りに笑みを浮かべていたが、眼が笑っていない。
黒い光すら宿していた。
「新八さん、だっけ?悪いけど用なら後にしてよね。…それと、俺の飯の時間、邪魔しないでくれるかな」
今にも殺すといわんばかりの殺気を溢れさせていた。
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