二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- レッドレイヴン —からっぽの人形—
- 日時: 2012/05/11 17:40
- 名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
- 参照: http://www,kuroneko.cc/novel
小説、書きまーす。
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- Re: レッドレイヴン ( No.94 )
- 日時: 2012/04/03 21:21
- 名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)
ホテルの一室にライアーを横たわらせたウォルターは、本部に報告をしに行った。
残されたアンディはライアーのケースをベッドの横に置いて近くの椅子に座った。
何かに怯え、それを隠すように小さくうずくまって横になるライアー。
手袋をはずしてやろうと、腕を持ち上げる。手首を隠すほど長い手袋をはずす。ふと、手に、冷たく硬い感触があることに気付いた。
少し袖をずらして見る。そして、目を見開いた。
そこには—手枷がしてあった。
罪人がするかのように、細くて白い手首を覆う手枷が光にさらされ、鈍く輝く。鍵穴はふさがれてあり、外せないようにしてあった。ライアーの手首が細かったから良かったものの、そうでなければ手首から先を切り落とさなければならなかっただろう。
アンディはそっと手首から手を放す。しかし、その手を握りしめられてしまった。
振り払うことができなかった。力はこめられてなかったが、振り払おうと思えなかったのだ。
- Re: レッドレイヴン ( No.95 )
- 日時: 2012/04/03 21:53
- 名前: ジロ (ID: bSF/F1B1)
そうなんですか!
私も本いっぱい読もうかな・・・
ライアーどうしちゃったんだろう(焦)
大丈夫かな(><)
- Re: レッドレイヴン ( No.96 )
- 日時: 2012/04/05 14:18
- 名前: 黒猫 (ID: jJL3NZcM)
「ライアーに他の力は、ないのか?」
ウォルターの肩に乗っているノアは、スッと目を細めた。普段、可愛らしく笑っているため、なかなか迫力がある。
「なんで知っているの」
「ユートリー一家を半壊させた時、あいつは俺たちといた。物体操作能力が届かない場所にな。だから、あの場にいなかったお前にライアーは何かしたのかと思って訊いてみたが…ホントにあったのか」
ノアは廊下に降りると、鋭いまなざしのまま、ウォルターを見上げた。
「4つ、質問に答えてあげる。私が知っていることならね」
ウォルターは廊下にしゃがみ込んで、ノアの頭をなでながら初めの質問をする。
「ライアーのもう1つの力はなんだ?」
「他者との資格を共有する力…私たちは視覚共有って呼んでいるよ。スキャッグスではなく、ライアー独自の力。簡単に言うと、超能力みたいなものかな」
ウォルターは顔をしかめた。嘘のような言葉だ。
「そんなの本当にあるのか」
「私は、リバースナンバーは超能者だと思っているよ。ライアーはそれが自発的に起こっただけ。ライアーと私は、特異体質の持ち主だよ」
言いたいことは分かった。確かに納得がいく説明だが、信じるには時間がかかりそうだ。
「ライアーは誰にでもその力が使えるのか?」
ノアは横に首を振った。
「相手に許可が必要かな。目をつぶって相手の目を借りる。基本、私にしか使わない」
「…つまり、お前が見たものをライアーが物体操作能力で動かすことも可能なのか?」
「そうだよ」
ウォルターは悩みながら、最後の質問をした。
「ライアーの本名は」
「知らない。…質問、終了!」
ノアはいつもの笑みを浮かべると、
「さ、部屋に戻ろう!ウォルター」
あまりの変わりように、ウォルターは思わず苦笑を浮かべてしまった。
- Re: レッドレイヴン ( No.97 )
- 日時: 2012/04/05 14:37
- 名前: 黒猫 (ID: jJL3NZcM)
アンディはシャツの下に隠した指輪を握りしめた。別に隠すつもりはなかったのだが、ウォルターのようにうるさい人がいたため、結果的そうなってしまったのだ。
(あの子、どうしているだろう…)
「…めん」
アンディはライアーが何か言っていることに気付いた。
「ごめん…ごめん、ネーヴェ」
ネーヴェ…女性の名前らしい。何度もライアーは繰り返す。
アンディは不思議な感覚に陥った。言葉にするなら、そう…
(守ってあげたい…?)
自分でもよく分からない。ライアーは自分に守られるほど弱くはないはずだ。何があっても平然としていて、若干、毒舌で偉そうで…。
けれど、今目の前にいるライアーはそうには見えなかった。何かに脅えている、ただの少女そのものだ。
アンディは自分の気持ちを否定するように、首を振った。
(まさか…ね)
- Re: レッドレイヴン ( No.98 )
- 日時: 2012/04/05 14:53
- 名前: 黒猫 (ID: jJL3NZcM)
暗闇の中、鎖で縛られている。
地面が液体のようになって、足が沈み始めた。
沈みきったら、おそらく出られないだろう。
(嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ)
『怪物』
『気持ち悪い』
『出ていけ!!!』
ずっと独りだった。自分の体をが、他の人と違うから。
人は嫌い。嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い。
でも、人にもいい人がいることを知った。
大切な人もいる。
だから…ここから出たい。
それだけが自分を支える。
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