二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター・バロル  完結!!
日時: 2010/11/27 21:56
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。


その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)





人物紹介

ソニック 17歳 男・・

身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型

超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。

仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。



ミルナ 18歳 女・・

身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール

片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
          
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)



スターク 20歳 男・・

身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ

太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。

性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。

始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。


サラ 15歳 女 ・・

身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)

自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。

性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。

だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。


シルバ 31歳 男・・

身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン

主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。

普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。


クルト 24歳 男・・

身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート

竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。

丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。






1話>>26   2話>>27   3話>>28   4話>>29   5話>>30 

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36話>>7  37話>>10  38話>>16  39話>>19  40話>>70  

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51話>>119  52話>>124  53話>>127

エピローグ>>134


モンスターリスト>>25


番編(シルバ)1話・2話>>2

番外編(ミカ・ミク)>>3

質問コーナー 参>>67  四>>69

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Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.36 )
日時: 2010/02/15 18:25
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

11話
   鳥竜大行進





「黒吽神・ジスペル・・・」

村長の話しを聞いていたソニックが呟いた。

「ん?どうしたの、ソニック?」

ソニックの様子が変わったことに気づき、ミルナが聞く。

「い・・いや。なんでもない」

ソニックが早口でいう。明らかにおかしい。
だがミルナはこれ以上追求するのはやめた。

「どうじゃった?この話しをきいて?」

村長が呆然としている、二人に尋ねる。

「なんか、よく分かりませんが、その話しを聞いてなんか、
嫌な予感がしました」

ミルナが答える。だが、ソニックは依然おかしなままだ。

「ソニック」

村長が呼ぶ。ソニックは今、意識を取り戻したような感じで顔を上げる。

「ああ、すまん。で、なんだっけ?」

「・・・いや、なんでもない」

村長がいう。

「そういえば、村長。なんで私たちにこんな話しを?」

ミルナがソニックも気になっていることを聞く。

「ああ。おまえも言っただろ。嫌な予感がするって。
わしもそんな気がしてならなかった。だから、誰かに話しをきいてほしかったんだ」

「そうですか・・・」

ミルナがいう。

「うむ。ソニックよ。何を思ったが知らんが、気をつけろよ」

『気をつけろよ』。この言葉の意味が何なのかソニックにはよく分からなかったが

「ああ、サンキュー、村長。いこうぜミルナ!」

ソニックが元気にいって、外に出る。

「あ!ちょっと待ってよ。ソニック!」

その後を追って、ミルナも外に出る。

一人になった村長は

「気をつけろよ、ソニックよ。己の力に飲み込まれて自分を見失い、
自分の大切な者たちを傷付けるようなことがないようにのう」

と、呟いた。その声はソニックたちには聞こえはしなかった。



外に出た二人はそこにいた人物に驚いた。

「「スターク!!」」

「ふん!ずいぶんと、おもしろい話しをしてたじゃないか」

声をそろえていった二人に対し、冷たく言い放つ。

「なんで、ここに?」

ミルナが尋ねる。スタークは早口な口調で

「二人がじじいの家に入っていくのをみかけてな。じじいの家に入るなんて珍しいことだしな。
気になって近寄ったら、話し声が聞こえたってことだ」

そういうと、スタークはギルドの方に向かって歩いていった。

「スタークはあの話しどう思ったんだろうな」

ソニックが聞く。

「さあ。でも自分に興味のない話しは聞かない人だから、最後までいたってことは
話しに興味を持ってるってことでしょ」

などと話していると、ギルドの方からエルディがこちらに向かって走ってきた。

「ソニック!ミルナ!良かった。ここにいたのね」

エルディが息を切らす。

「ど・・どうしたの!?そんなに慌てて」

「とにかくきて!大変なことになってるから」

そういって、エルディはまたギルドに戻っていった。
ソニックたちも仕方なく、ギルドに向かって走り出した。



〜ギルド〜
「な・・なんだ?」

ギルドの中はいつも以上に人数がいた。
いったい、なんなんだ。ソニックがそんなことを考えていると
エルディが出てきた

「みんな、落ち着いてよく聞いて。今この村が大変な危機を向かえているの」

周りが少しざわめく。

「静かにして。簡単に説明するとね。今この村にものすごい数の小型、中型の
鳥竜種が向かってるの」

小型の鳥竜種・・・・

「ランボスとかか?」

「ええ?数はおよそだけど、5000体ぐらいいるわ」

「「「!!!!」」」

ギルドにいるみんなが驚愕する。あのスタークでさえ、汗を流している。
5000って・・・ありえないだろ。

「考えはあと。このままいくとあと30分でこの村につくペースぐらいなの。
だからギルドからの命令でギルド全員がこの群れを狩ることになったわ。
詳しいことは、動きながら説明するわ」



〜村周辺の野原〜
エルディが説明した作戦はこうだ。これには、塊が3つある。

まず一つ目は、前陣で敵の数を一気に減らす役割を持つもの。
ここは、大剣や、ハンマーなどパワーに自身のあるものが集められた。
もちろんソニックはここにいる。スタークも一緒だ。

二つ目は、前陣でこぼれたモンスターたちを、動きの早い片手剣、太刀、双剣
使いが村と前陣を挟んだ場所で動く。

最後の3つ目は村周辺を囲むボウガン、弓の部隊。村に一歩も入れさせないためだ。
だが、万が一のことも考え、中には数人の剣士たちと、軽めのボウガン、
ライト・ボウガンを持った、ハンターが数人いる。
弓と片手剣を両方使えるミルナはここに配置された。

村人たちは全員、ギルドに非難している。

配置完了してから、10分後

「ソニック、聞こえるか?」

スタークが呟いた。

「ああ、みんなも気づいているぜ」

ソニックがあたりを見渡す。ほとんどが同じ方向を目を凝らして見ている。
続いて起きる、地鳴り、豪快な足音、モンスターの鳴き声。
エルディが言ってた通り、本当に5000はくだらない、鳥竜種たちの群れが
こちらに向かって進んできている。

スタークが震えている。おそらく今までにない、モンスターの数をみて、
恐ろしいのだろう

「な〜んてことがあるかよ。スターク、速くその武者震い引っ込めとけよ」

「ば〜ろ〜。こんな時に簡単に引っ込むか、興奮しておさまんねえよ」

とすごく、嬉しそうにいう。好戦的なんだな・・・
地鳴りがすぐそこまで来ていた。みな武器を構えだした。

「よっしゃ!やるぜ!!」

スタークが叫ぶと同時に皆も叫んだ。
しかし、ソニックだけは向かってくる、モンスターたちを見ても恐怖も興奮もしなかった。
なぜだが、逆に心が落ち着いていくのを感じられた。
この、妙な気持ちに浸っていると

—ザシュ!—
何かを切る音だした。一番初めにきた、ランボスがスタークに突っ込み
切り倒されたのである。

「さあ、はじまりだ!」

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.37 )
日時: 2010/02/15 18:27
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

12話
   激闘の末の末路〜前編〜





—ワアアアァアァアアァ!—

辺りはすでに大混乱になっていた。
鳥竜種の大群が次から次へとやってくる。
剣を一振りするだけで5体は倒せる。

そんな中、ソニックは戦っていた。
辺りは鳥竜種の残骸で足場がなく、体は返り血で真っ赤であった。

「くっそ!きりがねえ」

愚痴を吐くが、その声は誰にも届かない。聞こえるのはモンスターの鳴き声と、
両方の攻撃音だけだ。

その時、2匹がソニックに向かって、襲ってきた。

「じゃまくせえ!」

ソニックは大剣を一気に振り下ろし、一匹を片付ける。
もう一匹の攻撃をかわし、攻撃。

「はあ、はあ」

気を抜いた瞬間に、また二匹襲ってきた。
次は中型の鳥竜種が2匹だった。

「しまった!」

反応が少し遅れたために、防ぎようがなかった。
くらう! そう思ったとき

—ドシャ!ドン!—
何かが、激突する音がしたと思ったら、目の前の2匹はくらくらしていた。
いったい誰が? ソニックが辺りを見渡す。すると

「ドルドーニ!!」

少し離れたところに、ハンマーを持って立っていた。

「気を抜くんじゃねえ。俺より強くても、まだまだ甘いな、お前は」

そういい、2匹を片付けたら、また乱戦の中に消えてしまった。


(それにしても、なんでこんなに、たくさんのモンスターが)
辺りのモンスターを倒しながら思った。
どう考えたって、おかしい。これほど多くのモンスターがいっぺんに集まるなんて。
しかもこいつら・・・

「俺らを無視して、進んでやがる」

中には襲ってくるものも、いるがほとんどが、ハンターを無視して走っている。
まるで、何かからか、逃げているような・・・

(集中しろ。モンスターの声を聞くんだ)
・・・
・・


—あ・・・—
—・・・り・・—
—は・・・・ろ—

だめだ。いろいろ混じりすぎて、とてもじゃないが、聞こえない。

(くそ。意味がわからないぜ!)ソニックが心の中でそう思った。
確かに、この状況はわけが解からないが、それ以上に、この状況下でソニックは自分の心の
落ち着きに悩んでいた。

この、生と死の境のような戦場で、自分は何を落ち着いているんだ。何を喜んでいるんだ。と、
考えれば、考えるほど頭がおかしくなってくる。

「くっそおおおお!!!」

ソニックが吼えた。そして、ここで、ソニックの記憶は途絶えた。


    
気がついた時、ソニックは立っていた。辺りは所々に鳥竜種の残骸の山ができていた。

「勝ったのか?」

ソニックが呟いた。しかし、自分以外、そこには立っていなかった。
他のハンターも皆、同じように、倒れて、動かなくなっていた。
あの、ドルドーニも、スタークも・・・

「ミルナは無事なのか?。ん、あれは・・・。もう一人いた」

自分以外に生きているものがいた。ソニックはその人の元にかけよる。
すると、向こうも、かけよって来た。
よかった。向こうも気づいたんだ。ソニックは喜んで走っていった。

しかし、近くまで行くと、絶望に変わった。
確かに、もう一人、そこに立っていた。
鏡に映った自分が・・・

「なんだよ。くそ!」

そういって目の前の鏡に触れる。向こうの自分も同じ様に触れる。
その時、ソニックはある異変に気がつく。

自分も返り血で真っ赤だが、鏡の中の自分はさらに真っ赤だった。
顔も髪、大剣まで血で赤く染まっていた。
さらに、さっきまでしなかった臭いがしてきた。モンスターの血の他に
もう一つの臭いが鏡の自分のほうから。
この臭いは・・・人間の・・・血?

鏡の中は皆の傷はモンスターにやられた感じじゃなかった。
もっと鋭く、でかい、そう、ちょうど自分が持っている大剣ぐらいの・・・。
ソニックは後ろを振り返り、みんなを見る。しかし、みんなに同じような
傷跡はなかった。

また、鏡に振り返ると、鏡の中の自分がケラケラと不気味に笑い出した。
そして、自分の方に向かって左手を前に出した。
左手には何か持っていたが、よく見えない。

よく見ようと、顔を近づけると、鏡の中の自分は、ちゃんと見ろといわんばかりに、
先ほどよりも、気味悪く笑いながら、持っているものを、前に差し出した。
持っているものがはっきりと見えた。
それは、ミルナの・・・

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.38 )
日時: 2010/02/15 18:28
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

12話
   激闘の末の末路〜後編〜





「うわあああああ!!」


ガバッ!ものすごい勢いで、ベットから起き上がる。
すぐ横にはミルナの顔があった。こちらをものすごい心配そうな顔で見てくる。

「そ・・ソニック。大丈夫?ものすごい、うなされてたよ」

気が動転していて、ミルナの声も耳に入らない。

(な、なんだ。今のは?夢・・・なのか)

ソニックは息を切らしている事も忘れて考えている。
と、そこにエルディがやって来た。もちろん、ソニックはそのことに気がつかない。

「あら、ソニック。起きたじゃない」

いつもの様に、お気楽な感じで言うが、ソニックの状態をみてミルナに

「どうかしたの、ソニック?」

しかし、ミルナも首を横に振り

「わかんない。さっきから、呼んでもまったく反応しなくって」

ミルナが心配そうに、ソニックを見つめる。

「そう。それじゃあ、起きたらギルドに来てくれるように伝えてくれる?」

「わかった」

ミルナの言葉を聞いた後エルディは走ってどっかいってしまった。
それから、ソニックがミルナの存在に気づいたのは、すぐの事だった。

「よかった。やっと、正気を取り戻したのね」

と、ミルナは嬉しさ半分、心配半分で言った。

「あ、ああ。悪かった、ミルナ。もう大丈夫」

ソニックが笑って言う。だが、その顔が無理をしているのは、
誰からの目からもはっきりとわかった。

「それで、どうなったんだ?」

まだ、はっきりとしない意識でソニックが聞いた。

「鳥竜種の群れのこと?」

「ああ」

一呼吸おいた後で、ミルナは笑顔で

「大丈夫。村には一匹も入ってきていない。
それに、重傷者もいるけど、誰一人死んでないよ」

ミルナの言葉にソニックは

「はぁ〜。よかった」

と、心の底から安心した。

「それで、さっきエルディがきて、ソニックが起きたらギルドに来てくれって。
動ける?」

「ああ、大丈夫だ」

ソニックがベットから立ち上がろうとしたが、力が入らず崩れそうになってしまう。
だが、ミルナが素早く肩をかした。

「わりー。ミルナ」

「気にしないで。私たちは、『仲間』、でしょ」

ミルナが仲間という言葉を強調して、笑った。
そんなミルナを見ていて、ソニックも笑う。


〜ギルド〜
「あ、きたきた。ソニックはもう平気なの」

エルディがやってきた2人に向かっていった。

「この状態を見て、平気なの?なんてよく聞けるな」

ソニックがエルディに少し呆れる。
ソニックは今も、ミルナの肩をかりている。

「あ〜ら。ごめんなさいね」

と、悪ふざけにいう。
(こいつ。わざとか)と心の中でつぶやいた。

「それで、なんで俺をギルドに呼んだんだよ?」

ソニックが本題を聞く。

「そうそう。あの鳥竜種の大群だった理由をね」

「やっぱし、ただの集まりってわけじゃなかったってわけだな?」

ソニックがあの激戦の中、思ったことを口にする。

「ええ。最近だけど、モンスターたちが来た方向の地に大きな
クレータのような跡がいくつも見られているの。
それが、あの大群の原因だと、ギルド本部は考えているの」

「クレータ?どれぐらいの大きさなの?」

ミルナの問いにエルディは少し顔をしかめさせ

「現時点での、最高のもので直径100メートルほど。
でも、その大きさはどんどん大きくなっているみたいなの」

「100メートル!?そんなこと・・痛!」

ソニックが急に動いたとき、体に激痛が走った。

「ソニック!大丈夫!」

ミルナが心配そうに見つめる。
ソニックは軽く笑って

「ちょっぴり、きついな」

ソニックの言葉にエルディは近くの椅子をひいて、ソニックに座らせた。

「ふう。話し戻すが、そんなことできるモンスターなんているのか?」

「さあ。でも現実に起きているんだから、真実として受け止めなきゃね。
それで、あなたたちを呼んだ理由はね、この事件の調査と解決を頼みたいの」

「どういうことだ?」

エルディの話しの進みについていけない。

「さっきも言ったじゃない。100メートルものクレータをつくるモンスターなんて、いるのか?って。
現時点ではそんなモンスターは存在しない、つまり新しいモンスターってこと。
まだ、姿すらわからない」

「つまり、その姿・生態を調査して、あわよくば討伐してくれってこと」

ミルナがいう。

「そういうこと。そんな依頼が本部からいろんな町に送られているの。
で、私はあなたたちを推薦するってこと。どう?」

エルディは自分たちの言葉を待っている。
ソニックとミルナは顔を見合わせる。
そして、

「わかった。その任務請け負うぜ」

ソニックがいった。

「そう。それじゃあハンターカードを出して」

エルディにそう言われ素直に従う。
エルディは受け取ると、それになにか印のような物を押し付けた。

「はい」

2人に返す。

「これは?」

「昔からある、未知のモンスターが現れた時に、それを討伐する事を任とする者に与えられる称号。
『全狩猟区・特別狩猟許可書』。通称・・・」

「封印のハンター」

エルディがいう。
その瞬間は2人は胸が高鳴った。

「これが、あればギルドを通さずにモンスターを狩ることが可能よ」

「なんでそんな」

ソニックが尋ねる。

「だって、旅の途中でそのモンスターに会っちゃまずいでしょ」

と、明るく言う。

「それじゃあ、3人で頑張ってね」

「「3人?」」

自分たちは2人、あと一人は・・・

「俺だ」

後ろからの声で振り返る。そこにいたのは

「「スターク!!」」

こうして、ソニック、ミルナ、スタークの3人は『封印のハンター』として
謎のモンスターの討伐をする、旅に出ることになった。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.39 )
日時: 2010/02/15 18:42
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

13話
   妙な大男





あれから一週間。ソニックの容態も万全になったので、ソニック、ミルナ、
そしてスタークは、『大壊龍・ガルドロス』を追って、
大きなクレータがあった場所を目指して、旅をしていた。
ちなみに、『大壊龍・ガルドロス』とは、ギルドが未知のモンスターに
つけた名前である。

「なあ、スターク」

ソニックとミルナの後ろを歩いていた、スタークにソニックがいう。

「なんだ?」

「スタークはなんで、ガルドロスの調査・討伐の任を受けたんだ?」

スタークはこのようなめんどくさい、仕事は受けなさそうだが。

「別に、ギルドからの命令だ。めんどくせけど。それに、
エルディに頼まれたんじゃ、断るのもなんだしな。」

確かに、エルディに頼まれると何となく断れない。
それに、うんというまで家に帰してくれそうにない。

「とか何とかいっておきながら、ガルドロスが気になってしょうがないんだぜ。絶対。
はは。わかりやすいやつ」

と、ソニックはミルナに小声で話す。
すると、ミルナは、やばいと言う顔で

「あ、だめだよ。ソニック。スタークは・・・」

「そうそう、気になってしょうがないんだよなあ」

と、スタークはそういって刀を抜いた。

「お、おい。スターク。やめろって。な」

ソニックの顔から、冷や汗がたっぷりでる。
それほど、今のスタークの顔は恐ろしい。

「てめーの頭の中がどうなってるかがよ!!」

刀がソニックの顔をかする。

「ちょ、待てって!かすってる。まじでかすってるからあ!!」

ソニックが必死になって、スタークの斬撃をよける。

「スタークは元々聴覚が鋭い上に、地獄耳だから気をつけてね」

と、ミルナがいう。

「だから、そういうのは、先にいってくれよ!」

今もよけながら、ソニックが大声でいう。
そんな、平和(?)な時間を満喫(?)していると。

—ギャウ!ギャウ!—

二匹のドスランボスが現れた。

「ああ、なんだ?って。うわ!」

ドスランボスの攻撃がソニックにかする。

「ソニック!なにやってる。いくら雑魚どもでも油断したら死ぬぞ」

さっきまで、自分に斬りかかっていたスタークがいう。

「たく。誰のせいだと思ってるんだよ」

と、ぶつくさいいながら、目の前の二匹に集中する。
そのとき

—ギャア!!—

二匹が突然動きを止めた。体をよく見てみると、ナイフが刺さっていた。
ってことは

「麻痺ナイフか。でも誰が?」

ソニックはミルナに振り返る。ミルナは自分じゃないと、顔を横に振る。
スタークの方を向くと

「俺じゃない。あいつだ」

スタークは顎で草むらを示した。
すると、そこからまたナイフが、10数本出てきて、ドスランボスに命中した。
二匹はそのまま、地面に倒れた。

「おい。そこにいるや奴。出て来い」

スタークが静かにいう。
しばらく、反応がなかったが、草むらから男が出てきた。
見た目は30歳くらいだろうか。大柄で、マントを羽織っていた。
そのマントの下にはなにやら、光る物が隠されていた。

「なにものだ。おめー」

スタークが大柄の男にいう。
男はサングラスをしていたが、自分たちを警戒しているのは一目瞭然だった。

「それはこちらのセリフだ。ここは今、自分の狩場。他のものが入れはしないはず。
場合によっては・・・」

そういって、男はマントに隠していた、光るものを取り出した。
それは、先ほどドスランボスを倒したの同じ、投げナイフだった。

「へ〜。俺とやろうってのか。おもしれー」

スタークも太刀を抜いて、戦闘態勢にはいる。

(このままじゃ、まずい!)ソニックはそう思い二人を止めようとするが
無駄だった。

—バコッ—

ミルナがスタークの頭をどついたのだ。

「いってー。なにすんだミルナ!」

スタークが怒鳴る。しかしミルナは

「こっちの事情も教えないで、この人をのしちゃったら、完全に
私たちが、悪者よ!」

と、怒鳴り返す。それでスタークは文句を言いながらもおとなしくなった。
なにげに、ミルナもこの男に酷いことを言っていると思うのは
自分だけどろうか?

「ごめんなさい。私たちは、大壊龍・ガルドルスの調査・討伐を頼まれてここにいるの。
私たちを、あなたの行ってるギルドに会わせてもらえばわかるはずよ」

「おい。ミルナ。そんな奴にわざわざ俺たちのことを・・」

「スタークは黙ってて。話しがややこしくなるから」

「ち!」

(ミルナ、強いな)ソニックはこの状況をみて、そう思った。

「それで、どうすんの。私たちをあなたたちのギルドに連れてく?」

男はしばらく、黙ったが

「いい。お前は嘘をついていないと、空気が語っている。行っていいぞ」

そういって。3人の前から消えてしまった。

「なんだ?あいつ」



〜3日後〜
「ふう。着いたわね」

ミルナがいう。目の前には大きな村がある。

「あ〜。最近野宿ばっかだったかたな」

ソニックが嬉しそうにいう。

「そんなことより、ギルドに行って情報をもらうんだろ。さっさと行こうぜ」

スタークは、スタスタといってしまう。

「まったく。ぜっかちだな。あいつ」

2人はスタークを追って、走り出した。



〜ギルド〜
「あの〜」

中に入った3人はまず、カウンターの人に尋ねる。

「ん?見かけない顔だね?」

色黒の凛とした女性が、3人をみて聞いた。

「はい。封印のハンターの称号を持っているんですけど、実は・・・」

「その前に、ハンターカードを見せな」

ミルナの言葉を止めいった。
3人は不思議な紋様が押されている、自分のギルドカードを見せた。
すると、女性は笑って。

「うん。本人みたいだな」

と、いった。ミルナは一安心して。

「それで、何かガルドルスについて、新しい情報とかありませんか?」

ミルナの問いに女性は少し困ったような顔で

「ごめんよ。まだ、何もきていないんだ」

「そうですか」

ミルナが少しがっかりしていると、横に大柄の男性が入ってきて、その女性に一枚の紙を渡した。

「ああ、ちょっとごめんよ」

そういって、その男性の所にいき、受注の準備を始めた。

(それにしても、こいつ)とソニックは思った。誰かに似ている。
最近、どこかで・・・・あ!

「よう、また会ったな」

スタークがいった。その男はスタークをみる。
やっぱり、あの時の

「なんだい、あんたら。シルバと知り合いだったのかい?」

と、女性は少し驚いたようにいった。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.40 )
日時: 2010/02/15 18:42
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

14話
   絶対の掟





「・・・・」

男は黙ったまんまで、何もいわない。

「お前、何か喋ったらどうだ」

スタークがいう。しかし、男は一向に話す気配を見せない。
そして、そのまま喋らず向きを変え、どこかに行こうとした。

「おい!」

スタークが叫ぶ。が、少し反応したが、そのまま行ってしまった。

「呼んでも意味ないよ。シルバはどんな時でも、話さないんだ」

カウンターの女性がため息をしていった。

「だが、この前会った時は普通に喋ったぞ?」

ソニックがおかしいと言わんばかりにいう。
その言葉に女性は少し驚いたようにして

「本当かい!?あいつは、クエストは必ず一人で行くからね」

「そういえば、さっきあいつ、シルバっていったな。シルバは何のクエストにいったんだ?」

ソニックが聞く。
女性は、さっきシルバが出した紙を見せて

「これさ、『漆黒の鎧を纏いし龍の狩猟』。グラビモスの亜種の狩りに言ったのさ」

「グラビモスの亜種を!一人で!?」

ミルナが驚愕する。

「なんなんだ?グラビモスって。しかも亜種って?」

ソニックが尋ねる。

「亜種ってのは、モンスターの色違いのことだ。例えば、イャンクックの色はピンクだが、
亜種は青色の鱗を持っているようにな」

スタークが答える。その後の説明はミルナが引き継いで

「グラビモスっていうのは通称、鎧龍。その名の通り、体が鎧、それ以上に硬い甲殻で覆われている
モンスターなの。熟練のハンターでも命を落とす可能性が高い、かなり強力なモンスターよ」

「へ〜。この世界にはそんなモンスターもいんのか」

ソニックが感心する。

「ん?ちょっと待てよ。あいつ・・・」

ソニックが考え込む。(何か違和感があったんだよな、あいつ)

「どうしたの、ソニック?」

「あいつが武器を持っていなかったことだろう?」

スタークが自分の考えを呼んだのか、自分が考えていた違和感をいった。

「そうだ!あいつ、武器を持っていなかった。この前もそうだったが・・」

「ああ。そのことか。私も初め、彼に会ったとき同じこと聞いた。
武器はどうしたんだ。武器がなきゃ狩りには出られないぞって」

女性が話しに入ってきていった。

「そしたら、なんて?」

「無口のままで、私に投げナイフをみせて、そのままクエストに行っちまったよ」

「そんな馬鹿なことがあるか」

スタークが鼻で笑い、いった。

「ドスランボス程度なら、投げナイフでも十分かもしれないが、グラビモスを相手に
挑むなんてありえないだろ」

「お前の4刀流もかなり、ありえないぞ」

と、ソニックがつっこむ。
スタークは冷静に

「お前の、大剣を片手で振る方がありえないだろ、それに
この前の鳥竜種との激戦の時、おまえ・・・」

スタークが何か言おうとした時

「まあまあ、シルバも投げナイフじゃ、無理だってすぐに気づいて、戻ってくるでしょ」

と、ミルナがスタークの話しを切った。
その言葉にカウンターの女性は、軽く笑い

「そうでもないぞ。あいつはあれでも、投げナイフ一本で、リオレウスも倒すほどの
腕前だし、この前グラビモスの幼体である、バサルモスを討伐してきた」

「本当に!?すごい」

ミルナが驚く。

「バサルモスのどこにナイフなんかが刺さる場所があるんだよ」

と、スタークはリアルな事を呟いた。

「まあ、どっか、刺さるんじゃねえか。口の中とか、目玉とか・・・」

と、ソニックは冗談半分、真面目半分答えた。だが

「「・・・・・」」

沈黙。

「あれ、どうかした?」

「おまえって、案外グロイ事を考えるんだな」

スタークの言葉が胸に刺さった、ソニックであった。



〜数日後〜

ソニックたちはまだこの村にいた。
目的はこれからの旅の準備。
準備するためには、お金が必要。ということでこのギルドでしばらく
稼ぐつもりでいた。

〜ギルド〜

中に入ると、あの女性がうろうろしていた。

「どうしたんですか?」

ミルナが話すと、女性はちょうど良かったという顔でこっちに走ってきた。

「あんたら。ちょっと頼みたいことがあるんだが、いいかい?」

「なにかあったんですか?」

女性の様子にミルナが尋ねる。

「シルバがね、戻ってこないんだ。あれからもう、何日もたっているんだが・・・」

女性が心配そうな顔で言う。しかし、スタークは

「はは!あの野郎、くたばったか?」

その言葉に女性は

「もし、そうならこっちにそうだと報告がくるはずだ!!勝手に決め付けないでくれ!!」

と、スタークをにらみつけていった。

「それで、俺たちに頼みたいことって、もしかして・・・」

ソニックが話しを戻す。

「ああ。シルバの行ったクエストにいってほしいんだ。ちょうどあんたらは、3人だし、
これなら、ぴったし4人でクエストにいったことになるだろ」

そう。どのクエストにおいても守らなければならない事がある。
それは、「必ずクエストにいくメンバーは4人まで」とういう決まりだ。
これは、ハンターを正式な職業にさせた、ココット村の英雄のハンター本人によって
決められたことだ。

噂によると、まだハンターが少なかったころ、ココット村にある危機を迎えていた。
それはあの伝説の龍、ラオシャンロンの出現である。ラオシャンロンの進むルートには
ココット村があったのだ。もし、ラオシャンロンが通れば、村はたちまち壊滅してしまう。
そこで、のちに英雄のハンターと呼ばれる男と、その仲間たち3人が討伐に向かった。

しかし、その時ある一人の女性が自分もラオシャンロン討伐のメンバーに入れてほしいといってきた。
その女性は英雄のハンターの恋人だった。もちろん彼は断ったが、彼女の強い思いに負けて、
5人で討伐に向かったのだ。

この戦いで見事、ハンターたちはラオシャンロンを倒した。しかし、そこには一人の犠牲があった。
彼女だった。ラオシャンロンの圧倒的な力の前に敗れてしまったのだ。

この後、ハンターを正式な職にさせたとき、彼はこの出来事から5人での狩りは災厄を起こす。
よって、必ずメンバーは4人までとする。というルールを作り、これを絶対の掟とした。


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