二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- モンスターハンター・バロル 完結!!
- 日時: 2010/11/27 21:56
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。
その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)
人物紹介
ソニック 17歳 男・・
身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型
超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。
仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。
ミルナ 18歳 女・・
身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール
片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)
スターク 20歳 男・・
身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ
太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。
性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。
始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。
サラ 15歳 女 ・・
身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)
自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。
性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。
だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。
シルバ 31歳 男・・
身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン
主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。
普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。
クルト 24歳 男・・
身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート
竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。
丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。
1話>>26 2話>>27 3話>>28 4話>>29 5話>>30
6話>>31 7話>>32 8話>>33 9話>>34 10話>>35
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31話>>62-63 32話>>64 33話>>65 34話>>66 35話>>4
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41話>>73 42話>>76 43話>>83 44話>>87 45話>>94
46話>>102 47話>>105 48話>>108 49話>>111 50話>>114
51話>>119 52話>>124 53話>>127
エピローグ>>134
モンスターリスト>>25
番編(シルバ)1話・2話>>2
番外編(ミカ・ミク)>>3
質問コーナー 参>>67 四>>69
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- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.31 )
- 日時: 2010/02/15 18:19
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
6話
脅威の四刀流
地に舞い降りたリオレイアはこちらの存在に気がつくと
いきなり耳をつんざく咆哮をしてきた。
「ぐ!バインドボイスか。耳が!」
ソニックは耳を抑えてうずくまっているが、その前にいる
スタークは平然とリオレイアに向かって突き進んでいる。
「なんで、あいつ・・・」
ソニックが不思議がってるいると
「こいつは高級耳栓といってなぁ。モンスターの咆哮から
守ってくれんだよ。ハンターならそれぐらい知ってろ!」
スタークがこちらの考えを見抜いたように説明してくれた。
・・・最後のは余計だが。
「!!スターク!あぶねえ!」
ソニックが叫ぶ。見るとリオレイアが向かってくる獲物めがけて
ブレスをはいてきた。それはイャンクックのそれとはまるで別物だった。
スピードも威力も。しかしスタークはそれをよけ、リオレイアに斬撃を
いれる。が、それは緑色の固い鱗によってはばまれる。
「は!さすがにかてえな。ならこいつはどうだ」
そういうとスタークはリオレイアから少し間合いをとり両脚に巻きつけてあった
包帯を取り外した。
するとなんとそこから刃が出てきた。すね全体に
モンスターの牙のような刃が装着されている。
「な、なんだよそれ・・・・」
ソニックが驚愕する。
スタークは鼻で笑い
「これがこの俺の真骨頂。『獅子燕刀(ししえんとう)』だ!」
すると途端にスタークはリオレイアに近づくとその4本の
刃でリオレイアを攻めていった。
「は、はえ〜」
ソニックが驚くのも無理はない。
スタークはりオレイアの周りを縦横無尽に飛び回り、攻撃するが
その攻撃スピードが桁外れなのだ。
頭を攻撃したかと思うと、すぐに足、翼、背中、尻尾と
次々にきざんでいく。リオレイアも必死に反撃を試みるも、
すべて空振りに終わる。スタークの攻撃は鱗をどんどん剥ぎ落とし、
徐々にダメージを蓄積させていく。
陸の女王もついに耐え切れなくなったのか、空に逃げようとする。
「逃がすかよ!」
スタークは頭めがけて突っ込む。
と、その時
—ニシッ—
笑った。リオレイアが笑った。それはソニックにしか分からない心の笑い声。
ソニックは嫌な予感がして
「スターク!罠だ。そいつから離れろ!」
「はあ?」
だが、遅かった。リオレイアは飛ぼうとした振りをして
そのまま体を一回転させた。
「サマーソルトか」
スタークが呟く。リオレイアの攻撃が当たろうとした瞬間、
スタークの4本の刃が赤み帯びた。
「あれは、気刃斬り?だが・・・」
気刃斬りは斬る瞬間に刀に溜まった練気ゲージを消費し繰り出す、
太刀使いの最大奥義。しかし今スタークの刀はまだ斬る素振りを見せていない。
「まさか、鬼人化!」
尻尾は突然、宙を舞い地面に落ちる。
リオレイアも自分の尻尾が突然なくなったことに動きを止める。
「ジ・エンドだ。リオレイア」
リオレイアの真下にいたスタークがそういって、飛ぶ。
先ほどよりも刀は、赤みが増していた。
「はあああ!気刃乱舞!」
「す、すげえ」
ソニックはその言葉しかでなかった。
あのリオレイアはいとも簡単に倒してしまったのだ。
リオレイアを倒し終わったスタークが、ソニックの元に戻る。
「よう、おわったぜ」
いつもと同じ調子でいう
「なあ、あんたの刀どうなってんだ・・・」
ソニックがいう。スタークが少しめんどくさそうな顔で
「どうって、簡単なことだ。双剣の長所、鬼人化と、
太刀の長所、気刃斬り。この二つの性質を合わせ持つのが
俺の武器。獅子燕刀だ」
スタークはそれ以上説明はしなかったが、それがどれだけ
すごいかということはソニックにも理解できた。
〜ギルド〜
「あ、お帰り、ソニック」
一番初めに気づいたのはやはりミルナだった。
そしてその声に気づきエルディも
「あら、お帰り。どうだった?」
ソニックは得意そうな顔で
「ほい、ばっちり成功だぜ」
報告書をエルディに渡す。
「ふふ。あなたなら成功するだろうと思ってたわよ」
「ま、少し危なかったがな」
と、ソニックがいうと
「少しじゃなくて、かなりの間違いだろう?」
スタークに口出しされる。
「ど、どちだってかわんねえよ。ようは成功さえすればいいんだから」
ソニックが顔をスタークのほうからそむける。
するとミルナが耳打ちで
「ソニック。スタークが人をからかうのはね、その人のことが気に入ったって
ことなの」
「そうなのか」
ソニックも小さい声でいったが
「おい、おまえら。何か俺のことをいわなかったか?」
「「いってません」」
二人そろって笑いながら答えた。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.32 )
- 日時: 2010/02/15 18:20
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
7話
ソニックの休日
試練クエストから1週間。ソニックはその間に休みもかねて武具を
新調することにした。武器はバスターブレイドから2段階上のブレイズブレイド改にするつもり
だったが、改にする際にドラグライド鉱石が足りなかったが、ミルナが恵んでくれて、何とかなった。
防具に関してはさほど決めていなかった。村の工房は双子の竜人族がやっており
腕はピカイチ。わざわざほかの村の人が足を運んでまでこの2人に頼むことがよくあるほどだ。
だからその人に防具を造ってもらおうとしたら、急に今来ている服を見せろと、言われた。
「あなた、これどこで手に入れたの?」
竜人族の女性が興味津々に聞いてきた
「どこって変な商人から貰ったんだよ。これ、売れ残ったものだからあげる。とかいわれて」
「これ、竜人族の者が造った防具よ。かなりの上物だわ。一体誰がこれを・・・・」
「・・・・・」
「ブツブツブツブツ」
「ね、姉さん」
ぼやいている女性に向かって、もう1人の竜人族が男が言った。
「あっ。ごめんなさい。めずらしい防具みると夢中になっちゃうんです」
「ちゃんとしてください、姉さん」
男がため息をつく。
「わかってるわよ。うるさいわねえ。え〜とお客さん、これを強化してもいいですよね」
女性が聞く。
「あ、ああ。だが素材は・・・」
言いかけたとき男のほうが
「いりませんよ。と、いうか、ないと言った方が正しいですね」
「どういうことだ?」
ソニックが尋ねる。
「竜人族の造ったものは、普通の武具とは違うんです。
素材でどうこうなるものじゃないですから。僕たちにお任せください」
男がニコっとわらった。
「そんじゃあ任せるぜ。え〜と・・・」
ソニックが言葉を詰まらせているのを見て女性のほうがクスっとわらい
「私はミカ。こっちは弟のミク」
「そっかミカにミクな。俺はソニック。よろしくな」
「「こちらこそ」」
姉弟はそういうと工房の奥のほうにいってしまった。
「さて。暇だからギルドにでもいくかな。ミルナに用もあるし」
〜ギルド〜
「あら。ソニックじゃない」
エルディが皆に飲み物などを配っていた。
ここではクエストを受けるほかに、飲食もできるので
いつもここは、ハンターでにぎわっている。
エルディは仕事を他のものに任せて、ソニックの元に来た。
「おいおいいいのかよ。仕事を人におしつけて」
一生懸命働く、ウェートレスを見ながらいった。
「いいのよ。私の仕事はクエストの受付だから。なんか飲む?」
「ああ。じゃあディルクで」
「オーケー。すぐ用意するわね」
そういうとエルディはカウンターの奥のほうに行ってしまった。
ちなみにディルクというのは、エルディが作ったオリジナルの飲み物だ。
他にも多くのエルディ作のものがあり、どれも普通のよりもうまいので
なかなかの人気がある。が、失敗のもあり、それを飲んだものが
医療所送りになることもしばしばある。
しばらくすると、エルディが現れた。
「はい。これ飲んだらクエスト受けるの?」
ソニックと向かい合わせになるように、座る。
それを飲みながら
「いや、1週間くらいは休もうと思ってる。武具も新調したいしな」
「じゃあなんでここに?あ、もしかして私に会いに?」
「なわけねえだろ」
冗談でいったエルディに対し、マジで返すソニック。
エルディが軽くへこむ。
「ん?どうしたんだ?」
へこんでいる原因が自分だと知らずに聞く。
「な、なんでもないわよ。じゃあ、なんでここに?」
あらためてエルディが尋ねる。
「ミルナに会いたくてな。ここにいねえのか」
ソニックが辺りを見渡す。
「ミルナならクエスト中よ。もうすぐ帰ってくると思うけど。
それにしてもソニック。ミルナに会いたいって彼女のことが気になるのぉ?」
エルディはからかったつもりだったが
「ああ」
「!!」
ソニックのストレートな答えに、言葉がでない。
「俺の師匠みたいなもんだし、それに言いたいこともあるしな」
(あ、そういうことか)エルディが、つまんなそうにため息をつく。
「どうした。さっきから変だぞ」
ソニックがエルディの変化に尋ねる。
「な、なんでもないわよ。あ、それより帰ってきたわよ」
エルディが指を指したほうに向くとミルナの姿があった。
ミルナはこちらに近づいてきて。
「ソニック。きてたんだ。あ、エルディ。これ」
ミルナがエルディに報告書を渡す。
そして、ミルナはソニックの横に座る。
「なんでここにいるの?クエストいけないのに」
ミルナがエルディが持ってきた飲み物を飲みながらいった。
「ふふ。ソニックがどうしてもあなたに会いたいって言うのよ」
エルディがニコニコしながらいう。
「私に?なんで」
ミルナがソニックに向く。
「前の時にいおうと思ったけど。言いそびれちまったからな。
それを伝えに」
いまだ、エルディはニコニコしている。
「なにを?」
ミルナがソニックの言葉を待つ。もう一人のニコニコしているひとも。
「ありがとう」
ソニックの言葉にミルナが固まる。
「1ヶ月間ずっとミルナと狩りして、俺最初、狩りなんて楽勝だなって
思ってたんだ。でも試練クエストで1人で狩猟して、そんな考えが馬鹿らしいって
事に気づいて、でも何とか倒して、俺わかったんだ。
ミルナがいたから俺は、ここまで成長することができたって。
ミルナが俺の師匠で、いや、俺ミルナに出会えて本当に良かった」
ソニックの言葉にミルナは
「私もあなたに出会えて良かったっておもうよ」
といって笑った。
「だからってわけじゃねえけど、俺とパーティー組んでくれないか?
お前とならどこまでもいける気がするんだ」
ソニックがそういうとミルナは手を差し伸べた。
「これからもよろしくね。ソニック」
ソニックも笑い、手を差し伸べた。
ソニックとミルナ。さらに残り2人のパーティーが、とんでもない
偉業を成し遂げるのは、しばらくたったあとのことでした。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.33 )
- 日時: 2010/02/15 18:22
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
8話
最悪だぜ。ババコンガの捕獲
「お〜い。ミカ、ミク。出来たか?」
あれからすでに1週間が経ち、武具をもらおうと
ソニックが工房に訪ねた。
「や〜ソニック。久しぶりね」
中からミカだ出てきた。
「よっ、久しぶり。で、どうだ。出来たか?」
「もちろんよ」
そういって微笑み、奥からミクが武器と防具を持ってきた。
「や〜ソニック。久しぶりだね」
「プッ!」
ソニックが思わず吹いた。
「ど、どうしたんだい?」
ミクがソニックの反応を見て尋ねる。
「いや〜。おまえら俺と会ったときの第一声がまったく同じだから。
言い方までそっくりだ」
「「こいつと一緒に(しないでください)(しないでよ)」」
「ブフッ!」
「「笑うんじゃない(笑わないでください)」」
「ははは。分かったから。ミク、武器と防具は?」
これ以上いうと、はらわたがねじれそうなので話しを戻した。
「・・・。これですよ」
そういって、ミクはソニックに武具を渡した。
「防具の方は、やっぱりかなりの物でした。たぶん、今の防御力だったら
ランボスぐらいのモンスターなら服に傷一つつきませんよ」
と、自慢げにいう。それほど満足のいくものになったということだろう。
「だけどさ・・・」
ミカが突然、口を開いた。
「ベースはただの布から作ってあるのよね。それをここまで
仕立て上げることが出来るんだからきっとこれ、まだまだ
力を隠しているわよ。今の私たちじゃあこれ以上は無理だけど」
「な〜に。これだけすごいものなら、それ以上望まないさ。
ありがとうな、ミカ、ミク」
ソニックはそういうと、さっそく新しい防具と武器を装備し
ミルナが待つ、ギルドに向かった。
〜密林〜
ソニックとミルナは密林に出ていた。
目的はババコンガの捕獲。モンスターの研究科学者たちからの依頼だ。
捕獲とは殺さずに、生きたままギルドに出すことである。
そうすることで、モンスターの生態がよりわかるようになり、ハンターたちの
役に立つのである。
だが捕獲は討伐よりも困難で面倒なので、それなりに優秀なハンターでなければ
受けることができない。
今回はミルナの同行としてソニックもクエストを受けることになった。
「ババコンガかぁ・・・」
ミルナの顔色が少し悪そうに見える。
「?。どうしたんだミルナ。ババコンガって奴はそんなに強いのか?」
ミルナの様子を見て、ソニックが尋ねる。
「ううん。強さだけなら、ソニックでもいけると思うよ」
「じゃあ、その強さ以外の何かが厄介ってことか?」
ミルナの言葉がやけに引っかかる言い方をしているので、さらに尋ねる。
「うん。ちょっと厄介なんだよね。会えばわかるよ。さ、いこう」
それからしばらく探していたら、洞窟の中にそれらしいモンスターがいた。
「あれか?」
モンスターに気づかれぬよう、声をひそめ、ミルナにささやく。
「そうだよ。今回は捕獲だから、やりすぎないように、気をつけてよ」
「わかってるよ」
ソニックがそういい、ババコンガに突っ込んでいく。
が、それよりも早く、ミルナの矢が一本ババコンガに突き刺さる。
すると辺りに、固有の匂いが広がる。
ソニックが鼻を動かし、匂いをさぐる。
「この匂いはペイント玉の匂い・・・」
「ペイントビン。ペイント玉と同じ効果があるの。それを撃ったの」
するとミルナは違うビンにを手に持った。おそらく矢の威力を増加させる
強撃ビンだろう。ミルナが弓を引き絞り構える。
ソニックもババコンガに向き直る。
ババコンガはすでにこちらに向かって突進してきていた。
しかし、スピードは大したこともなくソニックはなんなくよける。
そして、がら空きの胴体に新調した大剣、ブレイズブレイド改で攻撃する。
すると、一撃でババコンガの厚い毛を裂き血が出てきた。
ババコンガは、いきなりのダメージに動きを一瞬止めたが、すぐに距離をとる。
「へー。バスターブレイドに比べるとなかなかの切れ味だな」
感心していいるの束の間、ババコンガは怒って体からガスのようなものを噴き出した。
そして、尻尾で茶色の物体を持つと、こちらに向かって投げてきた。
「お、おい。あれって・・・もしかして・・・」
飛んでくる物体の正体に気づき、ソニックの顔がどんどん、青ざめていく。
「う、うわああああ!」
普段、ほとんどしない緊急回避をして、その物体から全力で逃げる。
そしてそれはべチャと嫌な音を立てて、地面に落ちた。
「おい、ミルナ。あれってまさか・・・」
「私にいわせないでよ・・・。たぶん、想像してるので当ってるから・・・」
ミルナも顔色はあまりよくない。
「はは。まじかよ。てことは、おまえ。前に・・・」
ミルナがババコンガを異様に嫌っていた理由。そして、今の攻撃でのこの反応。もしかして・・・。
「それ以上、いわないで。思い出したくもないから・・・」
「あは。あはははは・・・・」
もはや、笑うしかソニックのとれる手段は、なかった。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.34 )
- 日時: 2010/02/15 18:23
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
9話
捕獲成功。深まる絆
「はあ、はあ。おい。あんなの反則だろ?」
ババコンガから一時逃げた二人は木の影で休んでいた。
あれからの戦いは最悪のものだった。
汚いものを投げてくるわ、屁は体から放出するはで、
ソニックは近づけず、ミルナも何を思い出したのか気分が悪そうにして、
ほとんど攻撃ができなかった。
「う〜。気持ち悪い」
ミルナはソニックの話しは全然聞いていない。
「おい!ミルナ!」
ソニックが叫ぶ。
「え!な、なに?」
「おまえな〜」
ソニックが呆れる。
「お前。なんでそんなに嫌いなのに請け負ったんだよ?」
断ることぐらいできただろうに。
ミルナは少し顔を曇らせて
「い・・一流のハンターなら、どんなモンスターも狩れるようにしないと・・・」
「一流のハンター・・・」
ミルナの言葉がとても重く感じられた。
「そういえば、なんでお前はハンターになろうとしたんだ?」
ソニックの問いにミルナは少し、悲しそうに見えた。
「そ・・それは・・・」
言葉を止める。
そして、決心がついたのか話そうと口を開いたとき
「!!」
「!!」
二人とも感ずいた。もうすぐここにババコンガがやって来ると。
「ソニック」
ミルナの呼びかけに、ソニックは見向きもせずに、
「いいたくねえなら、言わなくていいぜ」
「え?」
ミルナが目を丸くする。
「お前とはまだそんなに長い付き合いじゃねえが、お前がいおうとしていることが
自分にとって辛いことだってことは分かる」
ソニックがミルナに目を向ける。鋭く、怖く、とても優しい目で。
「ハンターになった理由が何なのか、俺には分からねえが・・・・」
—ドシン!—
ババコンガが現れた。しかしソニックの目はミルナに向けられたままだ。
「ハンターは、楽しく生きるものだぜ!!」
ソニックが武器を取り、ババコンガに突っ込む。
ミルナは突っ立ったまんまだ。
「なあ、ミルナ。狩猟仲間ってのは、なんでいると思う?」
「え?そんのなの・・・」
「助け合い、競い合い、一緒にモンスター狩って、成功する確率を高くするためか?」
ソニックが動きを止める。ここがチャンスとばかりにババコンガが鋭利な爪を
振り回し、襲ってくる。
「ソ・・ソニック!!」
ミルナが叫ぶ。だが
「それだけじゃねえだろ。仲間ってのは・・・」
ババコンガがもうすぐそこまで迫っていた。
「ソニック!!」
鋭利な爪がソニックを裂こうとした時、ソニックはババコンガを見た。
大剣が一気に赤い闘気に包まれる。
「溜め切り・魔紅閃(まこうせん)」
ソニックが消え、ババコンガの腹の辺りに赤黒い光が横に走る。
ババコンガがあまりの衝撃に倒れる。
すると、ソニックの姿がミルナの目に写る。
「ソ・・ソニック・・・」
ミルナが呟く。そして
「仲間ってのは、辛くて崩れそうになったとき、支えてもらうためにもいるもんだろ」
「!!」
「お前がなんであんな悲しそうな顔したかわかんねえけど、そんなに気張るなよ。
お前の心が崩れそうになったら、おれがちゃんと必死になって支えてやるからよ」
ソニックはそういって笑う。
—フゴオオォオオォオォォ!!—
ババコンガが起き上がる。その顔は真っ赤で、完全に頭に血が上っていた。
「なんだ、もう起き上がってきたのか。まあ、峰打ちだったからな。死なれちゃあ困るし」
ソニックが改めて構えたとき。
—ヒュン—
一本の矢がババコンガに刺さる。見るとミルナが弓を構えていた。
その目は先ほどまでの弱い目ではなく、強い力を感じた。
「ありがとう、ソニック。私、あなたのおかげで・・・」
「さっきもいったろ」
ミルナの言葉を塞ぎソニックが言った。
「『お前の心が崩れそうになったら、おれがちゃんと、必死になって支えてやるからよ』ってよ」
「そうね。お礼なんていらないか。当たり前なことをしただけだもんね」
ミルナがいつものような屈託のない笑顔を見せた。
ソニックもうれしくなって、笑う。
「へへ。そういうこと。じゃ、とっととこいつを捕獲しちまおぜ」
「うん」
このあと二人は、難なくクエストを成功させる。
しかし、二人にとってはそんなこと以上に大切なものが、心に残った。
『仲間がいるから。ソニック(ミルナ)がいるから、このさきも決して心が崩れることはない』
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.35 )
- 日時: 2010/02/15 18:24
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
10話
破壊の龍と創造の龍
「おや?お前さんたちは・・・」
「お!村長!」
村の前にまたも村長が立っていた。
「こんにちは」
ミルナが丁寧に挨拶をする。
「おや?ミルナどうした。随分すっきりした顔をしてるな?
なんか嬉しいことでもあったのか?」
「あ、いえ」
手を顔の前で振って誤魔化す。
「まあよい。後で二人共、わしの家に来てもらえんか。話したいことがある」
そういって村長は村に戻っていった。
「「話したいこと?」」
ソニックとミルナは二人そろって、首をかしげた。
〜村長の家〜
「おお。来たか二人共」
家の前で立っていた。村長がいった。
二人はあの後すぐに、エルディにクエストの報告書を提出した。
そのとき、エルディが
「あら、ミルナ〜。あなたなんか良いことでもあったの?」
と、村長と同じことをいっていた。
(さすが、付き合いが長いことだけはあるな)
ソニックはそんなことを思っていた。
「まあ、中に入りなさい」
そういって、村長は家のドアを開けた。
中は案外普通であった。ソニックが住んでいるところと、大して差はなかった。
「ま、適当に座んなさい」
ミルナが礼儀正しく正座する。一方ソニックは完全にあぐらだ。
「それで、お話しとは?」
ミルナが呼ばれた理由をきいた。
村長は、うんと頷き話し出した。
「大した用ではないんだが。ちょっとした、昔話しを聞かせてやろうと思ってな」
「は〜!村長そんなことのために俺ら呼んだのかよ」
ソニックがあきれ果てる。しかし、村長は
「まあ、まあ。お前もきっとおもしろいと思うぞ」
と、笑っていう。
「わかったよ。ちゃんと聞くよ」
ソニックはあきらめた。
「よし。では、はなそう。それではソニックよ。この世界はどうやってできたと思う?」
「・・・・は?」
村長のわけのわからぬ質問に、呆気にとられる。
「ふふ。いきなりこんなこといわれても困るか」
村長が笑う。しかし、また口を開く時には真剣な顔になっていた。
「竜族に伝わる言い伝えがあるんだ」
そういうと、村長は目を閉じ、語りだした。
—この星がただの巨大な隕石だったころ—
—すでにこの星には生物がいた—
—人ほどの大きさの小さな黒い龍—
—山ほどの大きさの巨大な白い龍—
—息もできないこのの星で生きていた—
—あるとき白い龍がある力に目覚める—
—体が大地に触れれば草が生え—
—口を開ければそこから空気が漏れる—
—それからどれだけの時が経ったか—
—世界は自然で満たされていた—
—生き物が草の生えた地を歩き—
—多くの湖にたくさんの魚が泳いでいる—
—恵まれた自然で豊かだった—
—しかし唯一それを憎んでいるものがいた—
—ちいさな黒い龍だ—
—なぜあいつだけだけがあんな力を—
—同じ時に生まれたのになぜあいつだけ—
—小さな黒い龍は憎んだ—
—それからさらに月日が流れる—
—白い龍はある異変に気づく—
—空が暗い—
—原因はなにか空を見上げる—
—白い龍が驚愕した—
—空にいたのは自分より遥かにでかく大きくなった黒い龍—
—黒い龍は憎しみに身を任せ力を増大させていった—
—そしてついに己の力に目覚めた—
—それは白い龍の力とは逆の力—
—黒い龍はついに己の力を解放した—
—体中から黒いイカズチが地におちる—
—地は砕け生き物は跡形もなく滅する—
—ほんの一瞬で楽園を地獄に変える—
—だがそれでも黒い龍は力を出し続けた—
—この世のすべてがなくなるまで—
—その力のまえに白い龍はなす術もなく—
—イカズチが白い龍を襲う—
—すべてを破壊した黒い龍は力尽き地に落ちた—
—白い龍もまた地に落ちていた—
—白い龍は目に映った残酷な世界に—
—悲しみ一粒の大きな涙をこぼした—
—その涙が地面におちた瞬間—
—それは地面に奥深く埋まり—
—黒い龍の体は朽ち残った憎しみの邪気もまた—
—地中に潜った—
—こうしてこの世界の始めての生物は滅んだ—
—のちにこの2匹の龍は伝説となり—
—2匹になかった名前がつけられた—
—白き龍の名は『白阿神・ジルスト』—
—黒き龍の名は『黒吽神・ジスペル」と—
—だがまだどちらも生きている—
—いつかまたこの地に復活するため—
—己の力と共鳴するものが現れるのを待つため—
—今も地中に生きている—
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