二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 涼宮ハルヒの願望…そして誰もいなくなった…by主
- 日時: 2009/10/30 16:21
- 名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: qF9RkhdN)
どうもw
この小説を立てるのも五回目ですよ!!!
まぁ、がんばりたいと思いますw
一番最初に書いたハルヒの小説でちょこちょこアレンジ仕様です。
最後まで見守ってくださったら恐縮です。
———お客殿———(スレ立て前込み)
song様
森羅様 おたこ様
あむ様 *璃央*様
白兎様 工場長様
SHAKUSYA様
———めにゅー———
登場人物 >>1
プロローグ >>2
第一章 第二章
第一話 >>3 第六話 >>11
第二話 >>4 第七話-a >>14
第三話 >>5 第七話-b >>15
第四話 >>7
第五話 >>9
——一言コラムっぽいもの——
現在の活動場
h t t p://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=10957
「涼宮ハルヒの思惑」
h t t p://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=2980
リレ小練場「涼宮ハルヒの小説」
h t t p://www.kakiko.cc/bbs/index.cgi?mode=view&no=7062
「雑談・ティナノーグ´∀`」
↑
使用禁止ワード対象になってるっぽいんで探す時はバクスペでスペース削除してください。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
- Re: 涼宮ハルヒの願望 ( No.2 )
- 日時: 2009/10/16 12:35
- 名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
プロローグ
三月半ば。
北高では三年の卒業式が終わり卒業生は我が母校から旅立っていった。
通学中見たことあるような陸上部員が新聞配達をしていたり、
学校でも有名な野球部の部長が親父の職を継いでいたり、はたまた明るいキャンパスライフを送るべく大学に行く準備の最中の奴もいた。
様々な連中を見通して俺もあの立場にいたら何をしようか考えていた。
大学に入学し、別の連中と取っ組み合いしたりバカしたりすんのか? はたまた職についてなれないパソコンにかじりついて給料もらう日々なのか?
そんなもん、まだ分からねえに決まってるじゃないか。
まだ一年もあと半月じゃないか。
卒業すんのにまだ指折りでも数えられん。あわてることはねえ、か。
でも、一番平和に過ごしたいなら、
「大学も奴は変なサークルでも作るつもりか?」
奴、そう。涼宮ハルヒだ。
あいつの大学進路なんざ知ったこちゃねぇ、しかし気がかりなのは大学に行っても変なもん作って変な恰好で勧誘したりすることだ。
俺がもし一番平和に過ごしたいと考えるなら真っ先にハルヒと違う大学に進む、ああそうだ。
ちなみにこうして考えている時間、今は六時限目であった。
教師の口頭の教訓が含んでるが。俺はそれをマジ無視。右の耳の穴から左に受け流すようなもんだ。
「………」
俺の後ろの席で寝息を立てているこいつが羨ましい……、じゃなくて忌々しい。
にしてはあの教師、口ばっか動かして寝てる生徒も見つけられねーのか? 頼むからこの後ろにいる女を引っぺがしてここの窓から放り投げてやれ、
それでも俺の学習率なんざあがらねぇけどな。
さて、今日の学業を成し終えて普通の俺だったら普通に帰ってるとこだったしかし、放課後のチャイムが鳴ったと同時に奴の魔の手が俺のネクタイを引っつかみ前へ前へと引っ張る。
「キョン、急ぐわよ!」
つまり、こいつが俺の普通の生活を奪った女。涼宮ハルヒである。
「っ、放せ! ハルヒ! そんな慌てる事なのか!?」
「ええ、急ぐわよ。この世の楽しい道に突き進む術はとにかくその地まで急ぐことなの!!」
俺はよっぽどの事で豹変しなければ逃げねえしちゃんと行けるんだから、とっとと放せ。
もちろん無視。
自分の銘を遂げなきゃ誰の耳も貸さない女なのである。
学校の旧館にたたずむ部室まで俺のネクタイをずっと引っ張りやがった。
文芸部部室前。
ドーンといきなりドアの前で押されまるでゴミ置き場に身を捨てられかつ上げさせられるヤクザのようだった。
「問一!」
部室前に着いたその直後俺に問題をぶつける。
「あたし達、SOS団に足りないものそれは何でしょう?」
ネクタイをまだつかんだままで目の前にはすぐにハルヒの瞳の中がユラユラ動いているのが分かるくらいだ。
ハルヒはその瞳の中に動くオリオン大星軍のように煌めかせ、殺し屋のような笑みを浮かべる。
足りないもの? いっぱいあるだろ。お前の脳機能を復元させるためのネジやら、ここの存在意義を訴える証拠みたいな奴とか、……強いて言えば、
「常しき……ブッ!?」
俺の答えを聞いた瞬間何かが出そうなくらいの勢いで俺の腹にモンゴリアンチョップを繰り出した。
「——っ、ホントじゃねえかよ」
「バカキョン、常識なんて腐るほどあるわ!!」
証明してほしいな。
「そんなめんどくさいこといいじゃない! あんたの脳機能のネジこそ足りないわよ!!」
ほざくな、お前よりは一級品だ。
「あたし達に足りないもの、それは——、」
それは? もしやいつぞやの宇宙人未来人、超能力者とかではぐらかす気か?
「……当たりよ。何よ、分かってるじゃない。キョン」
やはりか。こいつはアホだ。
「SOS団を結成して早一年! それなのに宇宙人の尻尾だって見当たんないし、未来人の時の羅針盤だって、超能力者の曲がりきった鋼のスプーンすら見つかんないの! どういうこと!?」
俺に当たるな。
「何がUMA探索機関よ。それならあたし達を火星に派遣してくれればいいのに! あたし達の手で見つけるの!!」
相も変わらず何も変わんない分かりやすい奴だ。
しかしそんなふざけたことをさも真面目に答えるな。
明日の地球にすべての色どりが付けられたらどうする。
「必要な人材も取りそろえたのに」
長門以外は半拉致だろ、俺だって初めて女に胸倉つかまれてカツアゲされたこのざまだぜ。
と、こんな感じでこの横暴なハルヒに振り回される毎日なのだが……。こうも度が過ぎた発言はいちいち
慣れないね。? 何故って。俺もあまり語りたくないがな。
涼宮ハルヒ、願望を実現する人間。
長門はこう言った「自立進化の可能性」
朝比奈さんはこう言った「時間の歪み」
古泉はこう言った「神」、と
それぞれが、ハルヒのもちキャラ? を発言してから
一年。これまた平和に何も起こんないさ。
だが今こうして、ハルヒの頭蓋にある常識がどんどん
掻き回されてくんだよな。
「やれやれ……」
やけに序章が長いが、これから起こる。
チープな涼宮ハルヒの願望が起こる事を——。
俺はまだ、知らなかった。
- Re: 涼宮ハルヒの願望 ( No.3 )
- 日時: 2009/10/16 12:35
- 名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
第一章
第一話
「これより、SOS団緊急会議を始めるわ!」
突然おっぱじまった緊急会議、もちろん。この時間になるまでハルヒ以外の面子はみんな何が始まるのか分からなかった。ってか、いつもそうだよな。
ハルヒは高らかに叫び団長机に乗っかった。
「我々SOS団が結成してから早一年。市内探索も頻繁にやってる今日のこの頃、宇宙人や未来人や超能力者の一人も転がっていないとは! 何事でしょう!!」
だからな、ハルヒ。この惑星はそんな二次元的な事や
SF的な事なんて起こらないんだ。
この惑星は科学の国だ。いかに数百機のロケットや
衛星を飛ばしたってな。それらしいもんは見つかんないんだ。いいか、そんなけったいな奴らも馬鹿じゃないんだ。そう簡単に見つかる考えはやめ……、
「キョン! うるさいっ! 会議中は私語を慎みなさい! 耳障り!!」
俺のぼやき(極小)を聞き取ったのか、ハルヒは目を三角にして口を尖らせ怒鳴る。変なとこで地獄耳な奴だ。
「アンタのその消極的な性格。全っ然変わんないわね
周りをよっく見なさい!!」
と、ハルヒは大げさに腕を大きく輪を描くように俺に見せた。この様子じゃ、俺とその他の連中のスキルを自分で見分けろってことだ。ハルヒはここまで言いたくないらしい。面倒だからかもな。
おっしゃる通りに周りを見た。
まず俺の目はお茶を優しく淹れ皆に配膳する麗しき
メイド、朝比奈さんを見た。
ハルヒは茶飲み用のコップを俺の前に突き上げる。
「みくるちゃんはね、この一年本当メイドとして頑張ってくれたわ」
アホ。朝比奈さんはメイドとしてだけじゃねぇぞ。
「わかってるわよ! この茶っ葉を見なさい!」
ズコー!! 分かってねー!!
「すごい味が違うわ! みくるちゃんは正にSOS団の下の力持ちよ!」
勝手にことわざを変え、ハルヒは朝比奈さんを自慢の
愛娘のようニ「よーし、よーし」と朝比奈さんの頭部を
撫でている。一方の朝比奈さんは照れ気味で、
「そんなこと無いですぅ」とおっしゃる。
ま、俺も朝比奈さんの進化には同意だ。
次に俺は隅でハードカバー本を黙読している置物に程近い少女、長戸有希を見た。
「……」
ハルヒは俺の視線の先を指した。
「有希もこの一年で変わったわ。SOS団団員としての
自覚を持ってるわ! 言葉では発さないけど、あたし
にはわかるの!」
と、発言。そして俺の方を向いて鼻を鳴らす。忌々しい。
まぁ長門も変わったもんだ。無口には無口なりの意思表示つーかそんなもんが分かりやすくなったとか……。
感情が芽生えてきたんだよな。俺にも分かるさ、ハルヒ。
だがお前は知らんが長門は運命ごと決められている組織にも負けちゃあいないんだ。長門にとっても、SOS団は過ごし易い……アジトになってんだ。
そしてハルヒは「SOS団記録集」と書かれたノートを
広げ待ってるニヤケハンサム古泉を指差した。
「古泉君は団内で一番昇格の早い人よ。副団長として
人間としてとてもよくできる人材よ」
古泉はそれを聞いて「どうも」と会釈。そして俺に微笑みをかける。……なんだそんなに褒められたかったのか?お前は。
ちなみに、「SOS団記録集」というのは前回のSOS団会議で古泉が珍しく発言した意見が形となった奴だ。中身というのは所謂業務日記だ。
「足跡を残せれば、」と卒業シーズンのように答える学級委員長のような発言をしたが、ハルヒはそれに絶賛し、採用された。
しかし設立者が古泉なのに俺が週三で古泉が週二となってる。理由はハルヒ曰く「設立者の目下として人より多く働くの」と発言したからだ。理不尽な。
まぁ前のページから見ても俺が綴った日は大抵、
「朝比奈さんの淹れたお茶は今日も美味かった」
とか、
「大富豪で古泉に勝ったざまぁみろ。次は賭け金で勝負だ」など、
そういうのしか記録してねぇ。そもそも記録つったって行事や出来事だってさらさらないし、俺はただ淡々と日常を綴っただけだ。悪いか?
ハルヒは怒りを抑えんばかりに俺に怒鳴った。
「一言日記でもないし、朝顔日記でもないの! 日記
を書くことで、もっとSOS団の中という中が分かるの!! あといつまで経っても平団員だったら、次くる一年坊になめられるわよ? その育ちの悪いヘチマみたいな根性、あたしが叩き直してあげるわ!!」
結構。分かった。業務日記ももうちょっとグレード
アップしてやる。一年坊になめられるのはご免だ。
「ふんっ! わかりゃあいいのよ!」
そういってハルヒは「もういいわ! 会議終了!」
と放ち、会議が終了した。
さて? この微妙な空気で俺がやることは一つ、今日はSOS団業務日記の記録日だ。
何を書くか……。
『今日はSOS団緊急会議があった。議題は、宇宙人(略)についてだ。……といいたいが。俺の正論をハルヒが「消極的!!」なんて言い出し、そこから、話が変わってしまった。
俺は、そこで驚いたことがあった。
なんと、ハルヒは朝比奈さんや長門や古泉の長所を述べていたのだ。まさかあのハルヒが? なんて思ったが、どうも口頭弁論ではなさそうだ。
別に馬鹿にしてるわけではないのでが、教室でいつもむっすりしていて、相手の事など絶対離せないような見た目なのだがしっかりと見つけ出せてるからこそ述べたんだな、と俺は感心した。
一年前のような奴とはだいぶ違うんだな……。
相変わらず横暴だが、何よりもSOS団が好きな団長様
何だな。あんまハルヒに見られたくない文だな、今日はここまで……』
と俺が書きかけの業務日記をハルヒは引っ手繰って
目を拗らせている。
「ちょ! おい……」
「………」
おっ、これは……どんな感じなのか?
ハルヒのことだからこの団長様に王権の恥をかかせるような文は書くなー!! と、言うところだけど……。
「あんた、これ本当に思って書いたの? ……嘘……じゃない?」
嘘も何も俺がこんなおだてられる様なモンでも書くと思ったか。素だよ、素。
「まぁ……そうだな、お前の心情変化。って奴?」
「何よ……でも……」
ハルヒは目を丸めながらまじまじとノートを見つめる。
「ふーん」
「なんだよ?」
「何でもないわ。ホラ、」
そう言って業務日記を机に置いた。
よく見ると周りも、長門も顔を上げハルヒを見ていた。
「今日、帰るわ。じゃね」
そう言ってハルヒは部室を出てしまった。
この奇妙な反応に俺の心の片隅に嫌な予感がよぎっている。
「やっぱ何かありそうだな……ハルヒ」
- Re: 涼宮ハルヒの願望 ( No.4 )
- 日時: 2009/10/16 12:36
- 名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
第二話
この頃ハルヒの様子がおかしい。と、いうと三日前俺が業務日記書いたあの日からか?
教室では、ハルヒが頬杖ついて座っている。
「よう、ハルヒ。ここんとこ浮かない顔してんな」
「別に」
ハルヒはそれだけを言い、窓に浮かぶ風景を眺めた。
やはりまずかったのか……。
「ねぇ、キョン」
ハルヒから発言してきた。
「キョンはさ、あたしとみくるちゃんと有希とさ、どういう性格の方がいいの?」
なんだ? 恋愛相談か? 俺に?
「馬鹿。違うわよ。いいから早く答えなさい」
「それが人に聞く台詞か……。まぁ、そうだな、」
やっぱさ、優しくて、気が利く女子がよろしいと……。
「あんたさ、」
と、俺が二言目を言おうとしたがここでハルヒが制止させた。
「みくるちゃんの事考えていってる?」
「なっ————!」
なんて言うか、その時のハルヒの表情は一瞬だけ餌を欲しい目をしている猫のような目のようだった。何というか、何というか、何というか……。
「えっ、うぅ、あぁ……」
もちろんこの後どう第二声を繋げばいいのかも分からず、ハルヒはしばらく沈黙を置いた後、
「やっぱいいわ」
なんならこんな時間かけるで聞くのもないだろ。と思いつつ三時限の授業が始まる前にハルヒは足早に教室を出てしまった。
やっぱりハルヒの様子は変わりもしなかった。
放課後——。
はは、心配なさそうだ。
SOS団に顔を出すなりテンションもそれなりに戻ってる。
朝比奈さんの淹れたお茶を美味しそうに呑み、新着のコスプレ衣装を勧めたりと憂鬱そうに見えなかった。
まぁ、百面相な奴だからな。飽きっぽいし、何かを鬱気味に考えていてもそれはほんの一瞬かもしれないな。
さて、今日の記録日は俺だっけか?
『今日は至って普通に過ごした。
おなじみに古泉と将棋で対局して。俺が勝った。
長門は、読んでる本がそんなに面白いか? まぁ長門の趣味だし口出しはしないけどな。
ハルヒにいたっては相変わらずな奴で朝比奈さんで遊んだりメイド服を着せ写真を撮ったりと、楽しそう
な奴だ。 以上』
ふー。日記なんて小学生の時でもろくすっぽやってねぇからな。なんか良い感じもしてきたぜ。
「随分と書けてますね」
そう言って古泉は記録集を眺め微笑む。
「お前が案を出すなんて珍しいじゃないか?」
俺は記録集を持って問いかける。
「ええ、こういうのも良いかと思いまして」
「嘘だ」
なんで俺がこんな事を言うのか? わかるはずだ
すると古泉フッと肩を落として。
「さすがあなたです。気が付いてくれると思いました」
なめんな。いいからなんで考えたのか教えろ。
「具体的にそうですね。SOS団の記録のもなるし、」
「ハルヒの観察もできて一石二鳥ってか」
ここで俺は古泉が言おうとした台詞を言ってやった。
お前ならこう言うだろ。
「読まれましたか」
古泉はオーバーなリアクションをとる。
まぁ、機関の事だし何かの活動がてらそっからなんかセコい提案でも出るのかと思ってね。
「そうです。ようは証拠を残すんです。もしこの団になにかあったら、対処できそうになかったら。もういっかい読み直すんです。すると何かが起きたり……とかですね」
「言いたいことは別に反論はする気はないがどうも時系列的に今から日記をやるというのは俺はどうも卒業日記しかわからん。どうしてもっと早くからやらないんだ。曰くでもあんのか?」
すると古泉は喉の奥をクックッと鳴らしながら笑う。
「まさか。予知能力でも働かせたわけでもありませんよ。もっとも『機関』は涼宮さんの「魔」をバスターするだけであってそれ以外なんも超能力的な力は持ってませんよ。曰くって訳でもありませんが、上の方から……記録を残せってね」
社交命令ってやつか。
「涼宮さんの毎日をレポートするのと一緒です」
心なしか少し機関の行動に気味の悪さを感じる。
「まぁ、それを言う人も少なくはないんですけども、まぁ、とりあえず続けましょうよ」
証拠品ね……。本当に役にたつのか。
「いつかの話ですよ。本当に何もなければ何もないでいいじゃないですか」
まぁ、俺もそう願うがな。
そう願いたい。だが、こうして古泉と会話している時から歯車の食い違いっとか昼ドラの愛憎劇でよく聞いたりするが、本当に俺達の目の前で起きてしまうなんてな……。
そう、その事件は休み明けに起きた。
ちょうど俺が空欄か一言書きの業務日記をグレードアップさせて書き始めてから一週間経ったという訳だ。
三月もあと一週間半経ちそうなある日——。
三月の下旬だが、今年は割かし暖かいので桜もあちらこちら三分咲きまでになっている。
早く咲くのはよろしいが新入生が来るまでは葉桜になってんじゃねーぞ。
っと心の中で語りかけながら、何時もの坂。何時もの学校、何時もの教室へと向かった。
ここまでは何時も通りだった。……が、しかし。
「よう、ハルヒ」
と、何時ものあいさつ。これも日常的にはハルヒは無視して窓の向こうでも見てるだろうよ。
しかし、あいさつをしたや否やハルヒは俺の方を向いて教室だというのに特製SOS団スマイルをむき出し、
こう言ったのだ。
「おはよう! キョン!!」
「……あーおはよう、ハルヒ」
これは何の風の吹きまわしか、誰かが俺にあいさつしろよっ! みたいに言ってハンマーでぶっ叩いたのか、
「ハルヒ?」
「ん? 何?」
「珍しいな。返してくれるなんて。占いでもいい順位でも言ったのか?」
まぁ、大抵なら占いなんてうたい文句は信じない主義なんだがな。
「あいさつされたなら返すに決まってるじゃない。常識よ」
常識? こいつが?
「そうなのか? 俺はいつも無視するお前を目撃するのだが?」
そう言った時ハルヒは頭を傾げ、
「何の事よ? いつもあたしは誰に対してもあいさつするわよ?」
そう言った時教室に入って来た女子にハルヒは片手をぶんぶん振って、
「おはよう!!」
「おはよう、涼宮さん」
「おはよう」
など、返って来た。
はてさて、俺はこいつがクラスの女子と会話しているのを全く見てないはずだ。しかし、今こうしてこいつが一方的にクラスの女子に挨拶して、表情も——。
SOS団に見せる表情そのものだ。
————何か違う。おかしい。
「ハルヒ!!」
「な、何!?」
突然大きな声を出してしまったのか少しハルヒが驚き気味でいた。
「次の朝比奈さんのコスプレ衣装は何にするんだ!」
俺がこの質問をすれば、ハルヒだって「今は女王様を考えてるけどね」とか、「もうちょっとヒラヒラなメイド服!」とか、そんな変態的な事を答えてくれる筈だ。
しかし、————。
「みくるちゃんに? そんな淫らな事する訳無いよ!
何言ってんの?」
と、高笑いで受け流す。
嘘だ! あの奇人変人なハルヒだぞ。
「じゃあさ、一週間前に会議した宇宙人(略)については?」
すると、ハルヒは眉を顰めて言う。
「宇宙人? 未来人? 超能力者? あたしそんな事
話したけど……。なんか、興味無くなっちゃった!!」
……は?
「なんか人間離れな事考え過ぎたなぁ……って、
思ったの。今のSOS団は残すけど、皆には申し訳ないけど、活動方針をもう一回一から決めましょう。なんか、いっつも自分の意見ばっか貫いてきたから。だからね、キョン、ごめんね」
——と、謝罪を口にするハルヒ。何が起きたかいまいち分からん。え? 非日常に飽きたのか? そういう事なのか? ハルヒ!!
「お前、なんかおかしいぞ。どうした、そんな正気な
心構えになっちゃって……」
笑いながら誤魔化す俺。
「あたしは何時も正気よ。もうそんな非日常から逃げるの。現実だってまだ面白いし、……恋愛だって、してないし」
ここは、ハルヒの創った新世界なのか? 確認のため
に、俺はすぐ教室を出た。
「ちょっと! キョン。予鈴なったよ〜」
予鈴? 知ったこっちゃ無い!! 俺はすぐに隣の六組
に行き長門を捕獲。俺が状況を言う前に「九組へ」と
短い発言。お前も分かってたのか。
そして九組へ、教師がまだいなかったので、古泉を
捕獲。古泉は何時ものニヤケハンサムでは無くなってる。
眉を寄せ深刻そうな顔をしている。
そして二年の教室へ行く途中、泣きながら駆けてくる
朝比奈さんを見つけ、集合完了。
どうやら全員説明しなくてもいいんだな……。
この状況を。非日常を好まなくなったハルヒを……!!
- Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.5 )
- 日時: 2009/10/16 14:39
- 名前: みやっさん(´・ω・` ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
- 参照: [[[[ほ[[[[っ[[[[ち[[[[き[[[[ちゅ[[[[ 失礼、噛みました。
第三話
☆第五話
俺はこの状況を皆が理解しているのを確信し
まず、正確に応答してくれそうな奴に聞く。
「長門。ハルヒはいったいどうなっちまったんだ」
すると長門は、
「身体融合変化。および神経変化、精神不安定Lレベル.五」
どっ……どういう……。
すると古泉はやはり深刻そうな顔だが解説は何時も通りだった。
「涼宮さんの身体変化が予想以上に加速してるんです
身体融合。つまり心と身体は密接につながってるのをご存じですね?」
ストレスが頭に回って病気になるとか、そんなもんか?
「無難に言ったら。今の涼宮さんの神経や頭の中は新規の涼宮さんと、新しい涼宮さんとでせめぎ合っているんです。いまは新規の涼宮さんに非日常のの思考を破壊させようとしています。分かりますか?」
正直、ずらずらし過ぎて分からん。
「では、昔の涼宮さん、つまりつい昨日までいた涼宮さんが破壊されると言ったら、おわかりですか? 今はそれで神経レベルがMAX五、なんですよ」
じゃあ……、神人がっ……!!
出ません。今の涼宮さんは非現実を全て捨ててます。故に普通のどこでもいるような女子高生となっているのです」
すると、俺が体験した。宇宙人じゃない長門、
未来人でもない朝比奈さん、超能力のないハルヒの
彼氏の設定でいた古泉とか、そんな風になってるのか。
「そう」と長門がわずかに頭を動かす。
「しかし、あれはバグを起こした私のシュミレーション。しかし今回は、涼宮ハルヒの願望となってできた形」
「ハルヒの……願望……?」
「はい。おそらくどこかで涼宮さんの心を揺るがし、
このような状態に陥ったと……」
俺はとにかく考えた。
ハルヒはどこでおかしかったのか……。
「恐らくは、あなたの発言で涼宮さんの様子が変に
なったりとか……」
まさか、そんな事ある訳……。
「あるんですか!?」
泣きながらしかし強く朝比奈さんは俺に問いかける。
唯一なにかあったと言えば……、
「実は昨日、」
その時、
「コラァ!! 時間考えろ! とっくに時間は過ぎたぞ!!」
と険しい顔で怒る教師。しかし、今俺らのシチュエーションは、
泣きべそをかく朝比奈さん棒立ちの長門。険しい顔
付の古泉。朝比奈さんをなだめるかのように優しく
説明しようとした俺。
それを見た教師は、「あ……気を付けろよ」と言って。教室に戻る。
「時間が無いので放課後話しましょうか」
俺はそう朝比奈さんに告げ、朝比奈さんも「はい……」
と言い一旦お開きとなった。
教室に戻った途端ハルヒが寄って来て、
「どうしたの? 教師の怒鳴り声が聞こえたけど大丈夫?」
と少し心配した顔で問いかける。こんなハルヒは
滅多に見れないが、そんなことを言ってる場合では無い」
「ああ、大丈夫だ。ありがとよ」
ハルヒは、「そう……」と安堵のため息。
とりあえず、俺のすべきことは一つ。
これ以上精神を不安定にしない事……。
俺は、眉間を揉みながら、これからどうしょうと考えた。
放課後。文芸部室。
ハルヒの口からまたしても重大発表があった。
「えー、SOS団結成して一年。あんなことや、こんなこと、楽しいことがいっぱいでした! この部の真の目的は、宇宙人、未来人、超能力者を見つけ一緒に遊ぶことでした。でも、なんか思ったの。いつまで、非現実な事を考えてるの? って、みんなにも悪かったーって、だから今日を持ってSOS団の非現実模索は終了します! 今日から、卒業まで青春を楽しみましょう!!」
これがハルヒじゃないハルヒが下した結果である。
長門は本を閉じてうつむいてる様子。
たぶん、折角見つけた自分の場所なのに、こんな
終わり方でいいの? という脳内思考と、俺が一番
思うのは、「これで、私の仕事は終わってしまう——」
長門の情報統合思念体としての役割が終わってしまう
事に遺憾を感じるのか、今の長門の背中には「寂しさ」
が分かる。
朝比奈さんは眼に少量の涙を浮かべ。でも泣くのを
こらえる。きっと朝比奈さんも自分の予測する未来と
かけ離れてしまった「絶望」を感じているんだ……。
古泉もやはり、笑っていない。こういう時ぐらい
否定しろ。何時もは笑って、受け止めるがな、人間
反抗しなきゃいけないんだ。
ハルヒ、これは本当にお前が望んだのか? 俺が軽い
ジョークで「気の利くやさしい女子」なんて答えたが、
何もお前がなることはない、逆にそれはそれで困る。
変な世界が好きなんだろ——? 七夕に二つ願い書いたろ? お前は世界の中心的な存在になりたいだろ? まだ二十年以上もあるじゃないか?
これは、お前の望んだ願いじゃない。少なくとも俺は
この世界に期待してた。こんなヘンテコな世界もいいじゃないか? ここにいる奴らはそう思う。
俺は我慢ができなくなり、発言をしようとしたら、
古泉が俺を止め、静かに首を横に振った。
畜生。離せ、我慢できん。これがハルヒな訳ない。
俺の知ってる、ハルヒじゃない。
古泉はボソッと、
「まだ涼宮さんの心は不安定です。大丈夫です。まだ完全に涼宮さんの心は変わってないので、
「機関」の方も、引き続き様子を見ています。しばらくそのままにしてあげて下さい」
精神科の医師の様に話す古泉。
確かに今は様子を見るしか術はなかった。
しばらくこのままにしよう、そして、直ぐに解決させ
ないとな——。
- Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.6 )
- 日時: 2009/10/16 14:43
- 名前: みやっさん(´・ω・` ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
- 参照: 今日はいいお天気です。気温は四十六.三度に達し二年二組のクラス三十六分の十八人が熱中症でぶっ倒れ、十八分の五人が図書室の本棚が倒れ重症。十三分の四人が食中毒で入院。九分の七が新型インフルエンザで早退しました。残りの二人は今日も教室でEnglishです。
あげ。w
不定期更新なんですがぼちぼち頑張りたいと思います。
ちなみに↑はネタw
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
この掲示板は過去ログ化されています。