二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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涼宮ハルヒの願望…そして誰もいなくなった…by主
日時: 2009/10/30 16:21
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: qF9RkhdN)

どうもw

この小説を立てるのも五回目ですよ!!!



まぁ、がんばりたいと思いますw
一番最初に書いたハルヒの小説でちょこちょこアレンジ仕様です。
最後まで見守ってくださったら恐縮です。

———お客殿———(スレ立て前込み)

song様  
森羅様  おたこ様
あむ様  *璃央*様
白兎様  工場長様
SHAKUSYA様






———めにゅー———
登場人物 >>1
プロローグ >>2
第一章    第二章
第一話 >>3 第六話 >>11
第二話 >>4 第七話-a >>14
第三話 >>5 第七話-b >>15 
第四話 >>7
第五話 >>9



——一言コラムっぽいもの——

現在の活動場

h t t p://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=10957
「涼宮ハルヒの思惑」

h t t p://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=2980
リレ小練場「涼宮ハルヒの小説」

h t t p://www.kakiko.cc/bbs/index.cgi?mode=view&no=7062
「雑談・ティナノーグ´∀`」

  ↑
使用禁止ワード対象になってるっぽいんで探す時はバクスペでスペース削除してください。

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Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.27 )
日時: 2009/10/19 21:11
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
参照: じっちゃんの名にかけて!!!!w

第九話

 「は……ハルヒ?」
ハルヒがいた。他の誰でもない。
だが、
 「うん。なんか、待ってた」
あのハルヒではなかった。
 「待ってた? ……俺を?」
 「……うん。あ、ダメだった?」
ダメな訳……ないに決まってる。
 「良かった!!」
とハルヒは俺の隣を歩いてる。
前にもこうして、肩を並べて歩いてたけど、こっちのハルヒとは格段別だった。
 「別人と歩いてるようだ……」
 「……どうしたの?」
 「や、なんでもない」
それにしてもびっくりするほどハルヒではない事が分かったもんだ。
不意に肩がくっ付くとハルヒはすぐに離れ「ごめん」と一言。
まるで初々しい彼女の様で、朝比奈さんに良く似ていて、こんなハルヒ初めてだが、片隅に、可愛いと思ってしまった。
 「どうして今日部活休んだんだ? お前にしちゃあ、珍しいな」
 「うん、ちょっと用事」
 「用事があったのによく俺を待ってたな」
 「うん、早く終わったし、キョンたち部活やってたから、待ってた」
 「朝比奈さんと長門でも良かったのに、何故俺なんだ?」
 「え……いいじゃん、別に」
時折ハルヒらしいとこを見せるハルヒだが、物静かな風格だった。
 「SOS団さ、ホントにいいのか?」
 「え、何が」
 「宇宙人、未来人、超能力者探し、そいで一緒に遊ぶ事」
 「あー……あれか」
ハルヒは一瞬躊躇ってた。だが、言うより、考える方が、早かった。
ハルヒは、一文字ずつ確認するように言う。
 「うん、いいの。難しい事を探すより、皆と楽しく過ごした方が有意義だなって」
 「俺は、あのままで、楽しかった」
 「え?」
 「あっ、ハルヒが嫌ならそれでいいんだ。別に全てが良しと言ってないし、」
 「もういいの」
ハルヒは俺の言ってる事を止めた。
 「ごめんね」
なんでまたハルヒが謝るんだ……。お前は単に神経の不安定で世界が揺れてるんだよ。
世界はお前と繋がってんだ。
 「じゃ、家もう近くだから」
そういってハルヒは去ってしまった。
 「……」
俺はホントに続けていいのか。
続けて、ハルヒは戻らないで、情報爆発になって、世界が完全に変わって、
長門も、朝比奈さんも、古泉も、みんなみんな普通の人間になって。
もしかしたら、バラバラになるかもしれない。
逆に、古泉は特進クラスでもあって、朝比奈さんは先輩という身分があって、
もしかしたら、この関係がなくなってしまうかもしれない。
 「新学期だから、変われってか。ちきしょう」
俺はハルヒが一瞬で理解してもらえる術は一つある。
ジョン・スミス
あの空の地上絵は『わたしはここにいる』
————『世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスだ』————
こんなにある。でもこれは、あのハルヒであって、こっちのハルヒでは、
何も感じないかも知れない。
 「えっ、あの時のジョン・スミス!? あの時は有難う!!」
しか、言わないかもしれない。
 「いや……、今やってる事は決して無駄じゃないんだ」
そうだ、


 長門を信じろ。
 朝比奈さんを信じろ。
 古泉を信じろ。
 ハルヒを信じろ——。
 「ふん、まだ神は見逃してない筈だぜ」
先ずはこの遡行旅行を全て終わらそう。
そこから、始まる。
 と俺は、家に向かう寸前だった。
 「……あれは、」
 「あ、どうも」
 家の目の前に古泉がいた。
待て、前もこうだったような……。
 「ついてきてください」

Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.28 )
日時: 2009/10/19 21:11
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
参照: じっちゃんの名にかけて!!!!w

第十話

 気がついたら、ついて行く事になってしまった。
 「タクシーで行くことは、無いんだな」
 「ええ、今回あなたに見せたい所は徒歩でも行けます」
 歩いてしばらく。
 「駅……」
 俺らは駅にいた。
 「ええ、もう分かってますよね。閉鎖空間です。そしてここが、発生地です」
 「いや、分かるが、今のハルヒは閉鎖空間を出せないんじゃないか」
 「ええ、そうなんです。しかし極最小な閉鎖空間です」
 「じゃあ何で俺を連れてきたんだ?」
 「……見れば分かります」
と、言って古泉は俺の手を握る。いきなり触るな。気持ち悪い。……前にもこれを言ったんだ。
 「すいません。数歩前進してください」
俺はゆっくり前進した。
1……2……3、4……5、
 「止まってください」
 「な……何だ……こりゃ」
 俺が見たものは、恐怖ではなく、驚愕だった。
暗くない。そして、狭い。
 「驚きましたか? これが現在の閉鎖空間です」
夕方でもあって、夕日が見える。
あの灰色ドームとは格段ちがう。
どちらかと言えば、スポットライトの下に立ってるような感じだった。
 「閉鎖空間はいつもの二倍小さいです。そして、もっとびっくりするものに遭遇できますよ」
と、俺らは、大きなビルを潜る。
それにしても、あの騒音がさっきから聞こえない。あの、巨大で、ビルを破壊して、
あの、……『神人』
 「これも、ちょっとした、スペクタクルですよ?」
 「……!」
 いた。
 巨大で、奇妙な色で、いつも何かを壊す奴。
しかし俺が見たのは、
 「す、座ってる?」
 「ええ、何にも破壊していません」
 「あれが、あの時と同じ、『神人』なのか?」
 「ええ、そうです。しかしびっくりですよね。ものを破壊するのがセオリーのあの神人が、この有様です」
 「これはやっぱり……」
 「涼宮さんと、繋がってるからです。涼宮さんも直に普通の人間に戻って、閉鎖空間は消滅してしまいます。我々の仕事も、終わります」
 「ま、待てよ!!」
俺は古泉を止めた。こいつの意見に反論するために。
 「お前も分かってるだろ! 今、俺と朝比奈さんと長門で、時間遡行してるんだ! お前らが、先に早まってどうすんだ! 俺らのやってる事は何なんだ!! お前らはハルヒのニキビ治療薬みたいなもんだろ!? あいつは神なんだろ!? 守護してるんだろ!?」
 「……」
 「俺らのやってる事は一か八かだが、向こうの組織は俺は、信じられてるんだ!! 今やってる事を精一杯やってるんだ!!」
 「……神はいなくても、この世界は奇跡的に残ります」
 「そんな問題じゃない!!」
感情が溢れて、俺は、あまりにも大きな声を出していた。
閉鎖空間じゅうにこだましている。
 「思うんだ、あいつがもし普通な奴に戻ってしまっても、俺らの記憶は消せないんだ。何故って? あいつは記憶を消すまでを望んでないからだ!!」
 「もしそうだとしたら、俺は嫌だ。こんな世界だったのにいきなり引っぺがして、全て無しか? 俺らを巻き込んでこの様か!? 今から、全部無しにするのか! ふざけんな!!」
 「あなたは……」

 「あなたは、洗脳されてしまったのですね」
 「洗脳じゃねぇ! ほんとにこの世界が良かったから言ってるんだ!!」
今なら、語れるぜ。
 「平凡な暮らしをしてた俺をいきなり電波世界に誘いやがって、ただで済まないぜ」
SOS団の活動。あいつは一番楽しくやってるんだ。
俺はやれやれなんて思ったりするが、こんな世界になったんだ。
もうどうしようもないだろ。
 「俺は、一度。別の世界にきちまった。その時分かった。
普通でも良かったなんて思った。でも俺はこういったんだ。
(———「俺は別世界の涼宮ハルヒに選ばれた。SOS団団員其の一だ」———)
 だから、俺はエンターキーを押したんだ。
 閉鎖空間でハルヒと閉じ込められたときは、元の連中のいる世界にいたいって言った。
 それは、俺がこの世界が面白くて、この世界悪くないなんて思ったからだ
俺は古泉の胸倉を掴んで。
 「ハルヒが戻らねぇとか、そんな事を二度と言うな! そして、」
俺は息を吸い込み、古泉に、頼んだ。
 「もうちょっと、頑張らせてくれ」
 「……すいません。僕がこんな事を言ってしまって、あなたに悪い事をしてしまいました」
古泉は俺に謝罪した。
 「やはり、『機関』として、そんな事を言ってはいけませんね……実は、我々もこの世界に少し興味を持ってるんです」
 「……」
 「あなたという固有人物が現れたからです」
 「三年前のあの日以来、涼宮さんの機嫌は一方に悪くなるばかりです。しかし、あなたと近づく度、我々のバイトはどんどん減ってきます。これは、とても感謝する事です。そして、あなたにそう言って貰わなきゃ、僕らは最期を見届けなきゃ、いけなくなりました」
 「じゃあ、なんでああ言ったんだ」
俺は勿論、古泉の言動を許してなどはいない。
 「涼宮さんの心を動かしたのはまずあなただったでしたからね」
 「……濡れ衣だ」
 「ええ、でもこれでいいんです。あなたの気持ちが分かりました。しかしあそこまで、必死だったとは、滑稽な叫びっぷりでしたよ」
 「黙れ」
 「ははっ、すいません。先ずああ言ってすいませんでした」
 「……わかりゃあ、それでいい。多分俺でも、お前は絶対こうは言わないと思ったからだけだ」
 「それでは、先ずこの空間から出ましょう」
 「ああ」
と、古泉は人差し指を天に突き刺した。
パキッ、
 気が付いたら、元の空間に戻ってた。
 「お付き合い有難う御座います。ではまた明日」
 こうして、駅前で古泉と別れた。

Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.29 )
日時: 2009/10/19 21:15
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
参照: じっちゃんの名にかけて!!!!w

第十一話

 朝、教室で。
谷口と国木田と、立ち話をしていた。
 谷口が突拍子に出した会話がハルヒについてだ。
 「涼宮、変わったな」
 「だよね、だよね。変わったよね」
 「まさかあの涼宮があんな性格になるとは」
 「噂では第二の朝倉涼子なんて言われてるんだよ」
 「キョンも残念。涼宮もやっと覚めたんだ。だってあれだろ。SOS団だっけか? 辞めたんだろ」
 「ああ、それもう全校に回ってるよね。北高の奇怪女、『涼宮ハルヒ、SOS団降りる』なんて、記者部が記事にしてたよ」
 「違う」
ここで、疎外感があった俺に反論のチャンスが持てた。
 「あいつは辞めたんじゃない。活動方針を変えただけだ」
 「キョン。まだ引きずってんのか? 涼宮が覚めてお前は洗脳されてさ、そりゃあ、好きなのは分かってたさ」
 「キョンは涼宮さんみたいな女の人が好きだもんね」
 「だから、誤解を招く様な事は言うな。しかも谷口。俺は洗脳されてない」
 「まぁ、あんな涼宮も悪くないな。キョン、逆にあんな女の方が将来幸せになれるぞ。お前、朝比奈さんや長門に囲まれて、朝比奈さんに至っちゃ、何いずれ親衛隊に命を狙われるぞ。この機会だ。涼宮と付き合ってすっぱり分けるんだ」
 「うん。それがいいね」
 「断る」
俺は話しに離脱して、教室を離れた。
 「好きじゃないって、否定しないんだ……」
 「……キョンも忙しいね」

 「やれやれ……」
 今日は少々疲れている。
なんせ、時間遡行を行い、閉鎖空間まで行ったんだ。
素人の体でここまで持つのはすごいな。
どうだ、俺に霊が見えたり、スプーンが曲げられたり、時間旅行できるんじゃないか?
なんて思いながら、廊下の窓の景色を見上げていると、
 「キョン! おはよ!」
肩に手を置かれハルヒは爽やかに挨拶する。
 「おーおはよ、ハルヒ」
 「んぅ?」
ハルヒは俺を訝しげに見つめる。
 「キョン、疲れた顔してるよ」
そんな事無い、なんて言うが、そうだ疲れてる。流石涼宮さん!
 「もう、昨日なんかしたの? 寝不足とか」
寝不足どころじゃないね。時間旅行だの、変な空間に行くわ。
疲れてるがな。
 「ああ、大丈夫。きっと俺はいつもこんな顔をしてるからだ。いつも変わんないだろ?」
 「嘘だ」
何で?
 「目がいつもより死んでる!」
とハルヒは俺の目の前までに顔を近づけて可笑しく笑う。
 「ちょ……、はは……」
 「早く、寝ればいいのよ!!」
ハルヒは楽しそうに笑いながら教室に入ってく。
 「……楽しそうだな」

Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.30 )
日時: 2009/10/19 21:24
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
参照: じっちゃんの名にかけて!!!!w

第十二話‐a

 今日は遡行二回目、やっぱり一日一回でしかできないのか……なんかコツは無いのか?
やっぱり素人だからか……?

 放課後。
 今日もハルヒと古泉は部活に来なかった。
 「それじゃあ、行きましょう」
朝比奈さんが仕切りの元。いざ遡行へ
 「今日は、俺の記録日の二日後ですね」
感じ的にいうと、確か前の日が古泉だったからな。
 「それじゃあ、いきますよ」
俺と長門は椅子に座り目を閉じている。
 「キョン君……」
ぐあ、————。きた。
——————————。
 視界がおかしい。
本来、人間の目は視界が立て向きの筈だが横になってるということは、俺は今横になってる。
 「あ、キョン君大丈夫?」
また俺は無様な姿を見せてしまった。
 「すいません俺ばっかり……」
 「大丈夫です。むしろ、そっちの方が、……」
朝比奈さんは何か小声で言っていたような…そんな気がする。聞こえなかったけどな。
 「え?」
 「あっ、何でもありません、それでは長門さん、お願いします!」
 「開始する」
 「——————」
ここで長門の口はピタッと止まり、ポツリと言う。
 「終了」
 「ありがとうございます」
ああ、またあの術式か、と思いながら現在地を確認する。
 「駅ですか?」
 「はい、飛んだら、ここに着きました」
 「すると今日は……」
市内探索の日だった。
 「あ、そういえば今日の俺はノートを学校に置いてった筈……」
 「えっ!? そうなんですか!」
 「すいません、でも今日の事は覚えてるので、今から学校行ってもいいですか?」
 「そうですね。そうじゃないとね」
 「それじゃあ、行きましょう」
 「はい」
 「……」

 時間が有るので、とりあえず学校まで徒歩で行った。
 「あの、朝比奈さん」
 「はい?」
 「あの。時間遡行についてなんですが、コツっぽいのなんてありますか」
 「本来、これについては禁則なんですが、キョン君に分かる筈です」
 「それが分かるのは、後々ですか?」
 「うん、分からないの。時間との闘い。キョン君がどれだけ分かってくれるかによってなの。
そして、それが重要な意味をするの」
 「そうなんですか」
 「はい」
 「……」
 「それって、今から関わるんですか?」
 「それは、キョン君自身の事。キョン君の気持ちが……すいません。これ以上、いえません」
 「そうですか。でも有難う御座います」
 「いいえ」

 「長門」
 次に俺は長門に話しかける。
 北高までの道のりをしばらく無言で進んだ。
俺は、言いたい事はいっぱいある。
長門の事、気になる事は沢山ある。
(————「私たちの目的は、終わる」————)
(————「私たちは涼宮ハルヒの身近にいて観察するだけ。観察対象が消えてしまえば、私の役割は、終わる。処分される」————)
 「くそっ、たった三年しか育ってないのに、捨てられるのか? 何なんだ、」

 情報統合思念体。
 宇宙人の組織。長門はそこで、生まれた。
宇宙人として、
確か、朝倉や、二年の黄緑さんもそうだ。
俺は、この組織は好きにはなれない。
長門は確かに、人間離れしてる奴だ。
現代の事は知らんし、人間離れした身体能力の持ち主だ。
そして、一番ハルヒの身近にいる奴だ。
長門の言葉からすると、「私は観察するために創られた」と、いえば正しい。
しかし、長門は、三年前からずっと、高校に入るまでの間を待機した。
ハルヒによっての情報爆発で、長門は創られた。
 俺は思った。
長門は、宇宙人だが人間と同じような性格に創らせてもいいような気がした。
SOS団では、いつも隅で本を読んでいる。
ハルヒを観察する。ただそれだけの理由でここにいる。

 違う。

 俺は、長門はそんな事を言ってたが、長門も、そうは思ってないと思う。
長門だって、普通にSOS団に溶け込んでるし、いろんな行事、事件に必ずいる。
きっと、無機質で無表情な長門だが、心の片隅に感情は必ずあると思ってる。
だが、長門の組織はなんだ。ハルヒという観察対象さえいなければ、処分される。
 飲み終わった缶ジュースのようだ。
 撮りきった使い捨てカメラのようだ。
つまり。目的の無い奴を処分という意味だ。
ふざけんな。
長門は、使い捨てな存在じゃねぇ。
情報統合思念体の輩は長門はどんなクオリティに創ったのかは分からんが、俺らにとっては長門は常人なやつだが、見た目は普通の女子高生とはなんの変りもしない。
くそ。胸糞がザワザワしてくる。
ハルヒの事といい、長門にも、そんな代償があるなんて、
 「必ず、戻してやる……!」
俺はすぐ目の前にあった缶を、力いっぱいに、踏んだ。

Re: 涼宮ハルヒの願望—不定期更新注意!!— ( No.31 )
日時: 2009/10/19 22:03
名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
参照: じっちゃんの名にかけて!!!!w

第十二話‐b

 学校も週末の放課後を控え、やはり、ハルヒのテンションもそれなりにあった。
 「明日は市内探索に出かけるわ! 久しぶりだからエンジン全開で加速していくわよ!」
そう言うハルヒ。他の輩はエキストラのように特に何も言わず、頷いただけだった。
俺はここで何か言って抑えようと初期のころは思った。
しかし、それはハルヒにとって火に油を注ぐようなもんだった。
 「いい? 異議でもあるんだったら今のうちに言っちゃいなさい! ……ま、でも通してあげるのは終わってからね!」
それ、結局意味無いじゃないかよ。
 ハルヒは満面の笑顔を見せ、
 「今日はもう帰るわね! 明日駅前九時集合! 遅刻は絶対罰金、無断欠席は、死の準備でもしてなさい!!」

バタンッ、

そう言って、竜巻のように去ってしまった。
荒れたのは土地ではなく、俺らの心だ。
別にうまい事でも言ったわけでもないんだがね。
 「いいんじゃないでしょうか? 久しぶりですので、何となくわくわくしていると思ったんですけどねぇ、」
 「子供か、」
俺はそう突っ込んだ。
 「そうですか? まぁ、涼宮さん自身、童心に戻っているような感じがしますよね、」
それはどうなのか。
 「遊び心があるじゃないですか」
遊び心というものではなく、自己中なS心ではないのか?
 「……まぁ、それはまた、独自の観点でしょうね」
古泉はそう言う。何が観点だ。まぁ、よくもそんなに見るもんだな。
 「ええ、だって……、」
古泉は朝比奈さんが入れたお茶をゆっくり飲みほし、
 「涼宮さんは、とても素敵な方だと思いますよ」
 「……もう勝手にしろ」
 おかげですっかり朝比奈さんの黄金茶は冷めてしまった。

 翌朝、自重する暇もなく、自重をしたかったのだが、それでも、集合時間三十分も前なのにまたしても先手を取られてしまった。
 「もうっ! おっそいわよ! キョン! アンタ、肉食の正解だと確実に丸焼きにされる側よ!!」
それを声を大にしてよく言えるよな、ハルヒさんよ。
 「もういいわ。キョンが奢りなのはお約束だし、」
熱湯をかぶるお約束みたいに言うな。好きに払っているようなもんだろ。
 「ま、とりあえず……今日はみんなで行動しようと思ってるの!」
そう言ったのはハルヒである。
 「いつもの、爪楊枝で決めるんじゃないのか?」
俺はそう言ったがハルヒは得意げに言った。
 「たっ……たまには息抜きよ。こんな、かたーくなったって、宇宙人共だって出ないし、ある意味、「誘き寄せ」よ!! いい? 普通のお出かけじゃないの! 気を引き締めて行くのよ!」 
と言った。
 ……まぁ、ハルヒもきっと普通のお出かけを楽しみたいんだろうなぁ、と俺は悟った。

この日は、遠出してショッピングモールにいた。
朝比奈さんを着せ替え人形代わりにして、試着三昧で楽しんでいたハルヒもいれば、
 「ふぇー涼宮さぁん、後何着切るんですかぁ、」
 「あたしが満足したら、ね」
そう言うが、変なノリみたいなものなのか、朝比奈さんの顔は明るかった。
そしていろんな服を着ているのを見て、俺はすでに心もいっぱいだった。
オー朝比奈さん! ベリーベリーゴージャスッ!!

 また、本屋に行けば長門にとっての夢空間でうつ病患者が歩いているような足取りで長門はフーラフラと行ってしまった。
 ……結果その場から長門を引っぺがすにも苦労していて、数十分でようやく活動を再開できる事ができた。
 「ずっとあんなところで立ち読みできるなんて、きっと有希しかいないわ……」
 「………」
まぁ、あれで楽しんでいればいいんだがな。
 その後も、オープンカフェで俺が奢ったり、ゲーセンでゲーム大会だったり、まとめて言えば、一高校生のお出かけに見えた。
これで楽しくないなんて言ったら罰あたりだって俺は思ってしまう。楽しかったぜ。

もちろんハルヒの考えも一緒だ。
 「楽しかったわ!! 案外こんなのもいいわね。あ、宇宙人未来人超能力者の事は忘れてないわよ!! きょ、今日は、いなかった様ね。いい? このサービスは今回までよ! 来週から、みっちり探していくわよ!!」
お前が忘れているんじゃないか? なんて思ったが、ここは静かにしとくか。
 ま、来週も期待するぜ。団長さんよ。
 「じゃっ、今日はこれにて解散! また月曜日、部活でっ!」
ハルヒの号令のもと、今日の市内探索……ではなく、お出かけは幕を閉じた。
 「あっ、そうそうキョン」
帰るところ、ハルヒに止められた。
 「確か記録集あんたじゃなかったの?」
……忘れたかったんだけどね。
 「ヤダッ、ちゃんとやんのよ! 今日の記録もしっかり書きなさい!」
そう言い、走って去ってしまった。
……さて、学校に置いて行ってしまったし、
学校に行った時に書けば、いいか。


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