二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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真魂日和 —壊れ行く世界—
日時: 2009/10/20 22:53
名前: 飛鳥 ◆FuqSlgQA2g (ID: 1Fo1.2G4)

無宙!なんか小説消えたよ!?
……ごほん、すいません。なんか来てみたら小説消えてて吃驚したよな飛鳥です。
消えた記念(?)に題名変えました。
でも間違えないでくださいこれはこないだまであった駄小説の乱戦日和です。
別にお前の書く駄文なんざ見たくねーよって方は即行バックプリィズ。
では注意書きレッツラゴー。


——注意——


・文字の羅列です。

・流血表現ありです。お気を付け下さい。

・日和キャラが戦います。ねーよ!って方は見ないでください。

・好きなキャラが死にかけるかも。死なないけど。

・駄文

・ド下手

・まそっぷ

・めしとったり

・きゃっほーいゴミ人間でーす死にた〜い


です。以上の事が大丈夫どんと恋の方はどうぞゆっくりして行ってね!

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Re: 真魂日和 —壊れ行く世界— ( No.7 )
日時: 2009/10/27 14:37
名前: 百合 ◆3EjkGuMGZc (ID: Rk/dP/2H)

リア友に「ベニショウガじゃないよ!」と言われる百合です・・。
(↑意味不・・。)

飛鳥さんwww
良かった〜
みっかったwww(笑
また?
消されたか〜
キョウは無事なんだねw
私も無事ww
応援してるよ〜♪
頑張ってぇぇぇ〜〜〜><

Re: 真魂日和 —壊れ行く世界— ( No.8 )
日時: 2009/11/01 20:48
名前: 飛鳥 ◆FuqSlgQA2g (ID: nujUYaTi)

のっりっじゃっねーかYO!
のっりっでっすっけっどっ!?

顔面スライディング土下座。どうも飛鳥です!
いまだに旧HNが体に染みていて「日和です」と書きそうになる飛鳥です!(どうでもいいからそんな事
更新停滞しててすいません……次の展開が思いうかばねーYO!
とりあえずコメ返し・小説更新。



 キョウ

「相変わらず下手だな」の間違いでは?
最近下書き無しではやってられなくなってきた……
メモ書き頑張れ!(`・ω・´)bグッ
私にとって日和は書きやすいんだけどなぁ。そもそも原作がストーリー形式じゃないから。
キョウにはセンスあるよ!頑張れ!
小説は時間出来たら見に行くね〜!


百合さん

紅生姜……もしかして「べにましこ」の事ですか?てかそれ俺(ry
また消されました……消されるたびに題名変える意味不な俺(殴
応援ありがとさんさんです♪(←黙れ
私も陰ながら百合さんの事応援してます!

執筆頑張ってください、師匠!





以上。





三章  二次元界へ










始まった閻魔大王の魂(左半身)探し。
"穴"は、空間を超え、世界を超え、はたまた時をも超えて行く——。








どこかの世界での夜。
古ぼけた図書館内で、ひとりでにゴォォ……という音がしたと思うと、中空にぽっかりと漆黒の穴が出来上がった。
漆黒の穴は、四人の「人」を吐きだした。


「いたたたたぁ……何であの穴はあんな空中に出来上がるの……」
「ご、ごめん……もうちょい下の方に設定しとけばよかったかな……」


太子が頭を摩りながら起き上り、閻魔が申し訳なさそうに起き上がった。
因みに何故かフィッシュ竹中は隣に華麗に着地していた。


「あ、あの……話すのはいいんですが早くどいてくれませんか……」

「のわぁぁ! ごめんなさいっ!」
「おわ!? 焼き芋! 何でお前はいつも下敷きになるんだ!」

「こっちが聞きたいよ!」


閻魔と太子が妹子の上からぴょんと飛びのいた。
妹子は悪態をつきながら立ち上がる。


「で、ここはどこなんです? 見渡す限りが本の所を見ると……図書館、でしょうか? こんな所に貴方の魂があるとは思えませんが……」
「穴開ける所……間違ったんじゃないのか?」


妹子と竹中が口々に言った。
閻魔が少したじろぐ。


「そっ……そんな事はない! 絶対ここら辺にあるはず……」

「じゃあどこにあるんです?」

「うっ……」


どうやら詳しい魂の位置は分からないらしい。
少し妹子の視線が冷たくなってきた。
それに気付いて太子が慌てて言う。


「とりあえずここら辺を探してみるでおま! ここに無いとは限らないだろ?」
「まったく……貴方のその能天気さはどこから来るんです?」


妹子の視線はどんどん冷たくなってきている。氷点下まで達しそうだ。
いやそれより太子と妹子の温度差がヤバい。しかも太子もその温度差を察してテンションが低くなってきている。
このままだと全員凍死してしまいそうな気がする。


「まぁ非常に不本意ですがここは太子の言う通りにしといた方がいいでしょうね」
「不本意言うな!」






とりあえず皆は図書館内を探し出した。図書館にただ一つだけあった扉の中だけを除いて。
扉の中は開けたらいきなり敵が襲ってくる可能性がある&閻魔が極端に怖がったため、一番最後にしようという事になったのである。

探し出して三時間後——



「これで図書館の中は全て探し終えた……後はこの扉の中だけですね」
「ふひぃ……ど、どんだけ広いんだよこの図書館……全体探すだけで一苦労だよ」
「さて……開けるか」
「ちょちょちょ、ちょっと待って! ほ、本当に入るの……?」


竹中が扉のドアノブに手をかけたのを、閻魔が慌てて制止する。
妹子が呆れて言った。

「何言ってるんですか。この扉の奥を見なきゃ意味無いじゃないですか」


太子も続けて言う。

「そうだぞー、閻魔大王がこんな扉一つにビビッてどうすんだ!」

「だ、だって……」


「開けるぞ」



竹中が有無を言わさず扉を開ける。
扉の先は、特に何の変哲もない、小さな物置だった。
一瞬、何も入ってないかのように思われたが、床に一つだけ、分厚い本が置かれていた。


「本……?」


太子が物置の中に入って本を手に取る。
題名は"二次元物語"。
変な題名だなぁ……と思いながら、太子は本を開く。


「無闇に変なものに触らないでください。たい……ッ!?」


太子が本を開いた途端、本が輝き始めた。
本の光は太子を包み込んだ。


「う、わぁ……ッ!?」

「太子ッ!」


太子を包み込んだ光は、太子ごと消えた。
後に残った本が、バラバラとページを舞わせながら落ちた。


「太子……!」
「どどっどどど、とうするの、これ……!?」


閻魔がうろたえる。

「……決まってるだろ」

竹中がため息をつきながら言う。
妹子が唇を噛みながら顔を上げる。


「……太子を、追いましょう!」




三人一緒に本を持ち、本を開く。
光を放ちながら三人は消え、後に残ったのは乱雑に落ちた本だけが取り残された——。


















雨が降っていて薄暗い森の中にある開けた場所に、淡い光が現れた。
光はだんだんと輝きを増し、やがてそれは人の形を模り始めた。
光が消えると、そこにいたのは座り込んだ太子。
何が起きたのかをまだ確認できていないようだった。


「ど、どこだここ……?」


太子はきょろきょろと辺りを見回す。だが見えるのは木や茂みばかりで、此処が何処かも認識できない。
とりあえず太子は立ち上がり、近くの木の陰に隠れて雨露から逃れる事にした。








暫く木陰で休んでいると、自分がさっき現れた場所にまた光が現れた。
さっきより数倍大きい光はそれぞれ人の形になり、光が消えると妹子・閻魔・竹中がその場所に座り込んでいた。


「おお! 妹子!」
「太子……!」


妹子は太子の傍に駆け寄ると、太子の首をガッと掴む。


「こんのドアホがぁ……変なものに触るなといつも言ってるだろうがぁぁ!」


ギリギリと、妹子は太子の首を掴んだ手の力を強めていく。
こいつは本気だ、本能でそう感じ取った太子は慌てて妹子を説得する。閻魔も続く。


「ままま待て妹子! 悪かった! 悪かったから首は止めろ! 首を絞めるな!」
「ちょっと! 落ちる! 本気で落ちるから首は止めようよ妹子君!」










数十分後。(妹子を思いとどまらせるのに時間がかかった)

「全く……で、此処はどこなんですか、太子」
「分からん。でも察するにさっき私が拾った本の中だと思う」
「へぇ、いくら馬鹿な太子でもそれくらい察せるんですね」
「馬鹿って言うな!」


閻魔が話に割り込む。


「あのさ、どうやらこの世界に私の体の一部があるみたい」
「え、如何して分かるんですか?」


妹子が不思議そうに顔を上げる。
閻魔も少し首を傾げながら言う。


「うーん……よくは分からないんだけど、なんて言うのかな……体がそう感じ取ってる感じがするんだよね……」


妹子は少し考えた後、言った。





「まぁ、本人がそう言ってるんだし信用します。とりあえず動きましょうか」


他の三人も納得し、取りあえず閻魔が感じる方へと四人は歩いて行くのだった。









                             続く











さっきの深い森とは違い、少し道が開け、日の光が差し込む分かれ道にて。

「まだですかー……?」

妹子が痺れを切らした様な声で閻魔に問う。
閻魔は道端の切り株に座り、人差指をこめかみに当てながら、必死に何かを思い出そうとしているような格好をしていた。


「まってね……この広い世界の中、探し当てるのは難しいんだよ……本の中とはいえ世界は広いんだから」


どうやらずっと前から自分の力の一部がある大まかな方向を探し当てるべく、一つの感覚を頼りに探索してるらしい。
竹中はこの先の道を見に行っている。太子となってはもうそこら辺にひらひら飛んでる蛾や蝶を追いかけたり追いかけられたりそのときめきをポエムにしてみようと試みていたりしていた。
その太子に今や突っ込む気力も無く、ただ黙って閻魔の必死の形相を見ているだけの妹子だった。そして、








「見つけた!」


竹中も戻ってきて、そう閻魔が嬉しそうに叫んだのはそれから三時間後の事だった。
因みにその頃には妹子はもう撃沈していた。


「あ、あれ……? 妹子っち……?」
「……寝てる、な……」
「しょーがない芋だなぁ……」


太子はそう言うと妹子を背負い、閻魔に体がある場所はどっちの方向かと問う。
閻魔が黙って岩山の方の道を指す。その方向に太子が歩きだすと、閻魔は不意に太子に言った。


「あのさ、冥界からずっと君たちの事見てたけど、何で太子っちは妹子っちといつも一緒に居るの? 太子っちはほら、摂政……だっけ? で、偉いんでしょ? 妹子っちは冠位、五位? で……太子っちよりずっと位が下な訳でしょ? なのになんで」


太子は閻魔の問いを全て聞き終えると、「うーん……」と深刻な顔をしながら考える。
暫く考えた後、言った。


「良く分かんないけど……私ってさ、世間の目から見ると馬鹿だったりアホだったりするわけでしょ? そのせいもあって、私は朝廷の誰からも相手にされなくなってしまった」


太子の脳裏には、妹子と初めて会った時の事が浮かんでいた。
遣隋使と言う仕事を二人で任され、隋に初めて行った時の事。
法隆ぢで竹中、妹子と一緒に遊んだこと。
そう言えば第一印象から妹子に見下されてたな……そんな事を考えながら、太子は言葉を紡ぐ。


「そんな時、あいつと出会った。……あいつはどんなに私が馬鹿で間抜けでも決して見捨てたりはしなかったよ」


太子は照れ笑いをしながら言う。


「……嬉しかったんだ」


その話を聞きながら閻魔は微笑む。


「私もねー、鬼男君に助けられたよ」


太子が閻魔に不思議そうな顔を向ける。
閻魔はそれこそ閻魔ファンが見たらキュン死しそうな笑顔をつくり、言った。


「私の秘書は……あ、鬼男君が秘書になる前のね? 私の秘書になった鬼は秘書になってすぐに発狂するんだ。地上界では鬼って凶暴で冷酷非道なイメージでしょ? でもね、本当は、繊細で、優しくて、とても純粋な心を持ってるんだよ」


閻魔は一瞬辛そうな顔をした。

「地獄行きを言い渡されて泣き叫ぶ死者達の悲痛な声に、その優しい心は耐えられなくてね。いままで何回秘書を変えたか分からない。私一人で仕事をやろうとした事もあったけど、私ってこんな性格だからさ。すぐに飽きて、ほっぽり出しちゃうんだよねー。……だから、秘書はいなくてはならない存在だった」
「閻魔は……辛くなかったのか?」


竹中が問う。
閻魔は誰がどう見ても無理な作り笑いをする。


「もう……馴れちゃったんだ」

「……ある日私は仕事を抜けだして、冥界の端っこまで行って星を見てた。そんな時だよ、子供の頃の鬼男君と会ったのは」

閻魔はその日の記憶を思い起こす。
子供の頃の鬼男が、脳裏に浮かぶ。


「鬼男君は鬼にしてはしっかりした心を持っていた。……昔も今も未来も、鬼男君以外に秘書は有り得ないだろうなぁ……」


そして少し閻魔は笑う。


「爪刺されてばっかだけどね」
「あー、私も妹子によく殴られる」
「それは太子が悪いんだろう」


そして妹子を除くその場にいた三人は一斉に笑う。
その時、妹子が丁度目を覚ます。


「あれ、僕、寝……」
「おう芋、起きたか!」
「妹子っちおはよ〜♪」
「まぁ何時間も起きっぱなしだったからな。眠くもなるだろう」


「それにしても……」


太子は周りを見渡しながら怪訝な顔をする。


「日が落ちる様子がないな。いくら本の中とはいえ、昼とか夜はあるだろうに」


気づくの遅くないですか、と妹子が太子の背中から降りながら言う(太子が「それにしても妹子重かったなー、この重男!」と言って妹子に殴られていた)。
閻魔は太子の問いに頷く。


「確かに……この世界に来てからもう十時間五十六分四十三秒経ってるのに……」


太子と閻魔の問いに竹中は考えこむ。(妹子が閻魔に「なんでそんな正確に分かるんですか!」と問い閻魔はそれに「体内時計☆」と答えていた)
そして、ふと空を見渡す。すると、竹中は何かに気付いた様に言った。


「いや、日は確かに沈んでいる……ようだ」
「え?」
「どういう事でおま?」
「見てみろ」

竹中は西の方を指差す。……そこには確かに、小さく紅く沈んで行く太陽があった。


「え、じゃあ今まで太陽だと思ってたものは……?」


妹子は目を細めながらもう一つの太陽——らしきもの——を見る。


……鳥?


「…………あれ?」

「ん、どうした芋」
「芋と呼ぶなと言ってるでしょうが。……僕らが今まで太陽だと思ってたもの、なんか、鳥っぽいです」
「鳥……?」


閻魔が怪訝そうな声を出して考えていると、竹中がいきなり叫ぶ。


「おい、降りて行くぞ!」


その輝くっぽいものは、ずーっと森の向こうに降りて行く。
見えなくなった途端、物凄い熱風が四人を襲った。
熱風が収まり、目を開けられるようになった頃には、もう辺りは黄昏に染まっていた。


「……なんだったんだ……?」







                             三章 二次元界へ 完






今更だけどなんで閻魔の二人称を「〜っち」にしたんだろう……(本当に今更だな!

Re: 真魂日和 —壊れ行く世界— ( No.9 )
日時: 2009/11/01 22:50
名前: 百合 ◆3EjkGuMGZc (ID: Rk/dP/2H)

飛鳥さん、

師匠・・
やっぱり師匠なんすか!?
飛鳥さんの方が師匠っしょ!!
神文だろがぁぁぁぁぁ〜〜〜(黙
すみません。取り乱してしまいました・・。

Re: 真魂日和 —壊れ行く世界— ( No.10 )
日時: 2009/11/02 19:47
名前: キョウ ◆K17zrcUAbw (ID: glXVlHlM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11088

飛鳥s
「相変わらず"超"神文だ!!」の間違いでしたw
下書きと言うか、最近は市販の小説からちょこちょこ神文をもらってきてるよ。その方が上手く出来そうだし、勉強にもなるからねッww
ありがとう! 飛鳥も頑張って♪ いつも楽しみにしてるから^^
あっ、そういう事もあるか…。確かにその点では書きやすそうだよね。ハガレン(分かんなかったらごめん;)とか絶対難しいよ。
無い無い! 絶対無いって; 自分でも時々訳わかんなくなるもの。ほんと、駄作ですみません……。
ありがとう♪ いつでも大歓迎だよ^^
あっ、宣伝すみませんでした…。

続き楽しみにしてるからね! 
飛鳥グッジョブb!!

Re: 真魂日和 —壊れ行く世界— ( No.11 )
日時: 2009/11/12 21:57
名前: 飛鳥 ◆FuqSlgQA2g (ID: uOaFJYbm)
参照: http://www.nicovideo.jp/watch/sm8769639

うっでっがっかっゆっいっ!(黙
えーと……なんか初めて動画を紹介してみます。
↑の動画面白いですよ!腹筋崩壊しました。日和好きにはたまらn(殴
私個人としてはおまけが面白いです……と、こんな感じでいいんだろうか(蹴
すいません、まじすいません……orz
と言う事で放置プレイすいませんでした。更新&コメ返し行きたいと思います。



百合さん

師匠————!
あたりまえです。百合さんは師匠です。それはもう決定事項なんですよ。
フッ……俺なんて……俺なんて……
クソ文だろうがぁ〜〜〜!
こちらこそすいません<(_ _)>


キョウ

「相変わらず"超"クソ文」の間違いでしょうw
私も買った小説読んで勉強してる!
そして……その小説と初めて書いた小説を見比べると……死にたくなります。
うん!頑張るね!キョウも頑張れ!
鋼の錬金術師か……ストーリーがあるのは入りこみにくいんだよね;
時間が出来ない;
パソコン十時から見れなくなった……(涙
そのうち親の目騙して見に行くね!








                四章 燃え盛る肉しみの中で




………魔が差しました。



                四章 燃え盛る憎しみの中で





「太陽の代わりになるほど強い、光を放つ鳥……」


得体の知れない鳥のようなものが落ちてから十分、太子達はまだ呆然としていた。
今は穏やかな気候とは比べ物にならない程の熱風。
その圧倒感に押され、動く事が出来なかったのである。
そして更に十分が経ったとき、漸く冷静さを取り戻した太子が呟く。
妹子と閻魔はあの鳥のような物が落ちた場所の方向に目を向けていた。


「あの鳥……私の体がある方に落ちて行った。もしかしたら……」
「その鳥が貴方の体の一部を持っている者の僕、かも知れないという事ですか」

閻魔の言葉を先取りして妹子が言う。
恐らく一同の頭の中に浮かんでいる言葉はただ一つだろう。

(そんな奴に勝てるのか……?)

一同の頭の中は恐怖が占めていたが、その恐怖を振り払うように太子が言う。

「と、とりあえずさ、あっちの方に行って見ない? 前進あるのみ、だよ!」
「そうだな、行って見るしかなさそうだ」

竹中も同意する。
妹子も閻魔も頷き、鳥が落ちた方に行って見る事になった。







北西の洞窟。
そこは町の近くにありながら、誰も近づかない所であった。
それは、恐らくその不気味さから呪われた洞窟と噂される場所だからだろう。
心霊スポットと呼ばれる場所には、必ず誰かふざけて入る人もいるだろう。現実界だろうと二次元界だろうとそれは変わらない。
だが、ここはそんな甘っちょろい考えで入る人はいない。この洞窟に入って、帰って来たものはいないから。
……その洞窟には、今まで入った者たちの死体が山の様に高く積み上がっていると言う……。

太子達は一時間前からこの洞窟に着いてはいるが、入ろうとはしなかった。
不気味な雰囲気を感じ取っているとか、そう言うのもあるだろうが、一番の原因は閻魔の怖がり症であった。



「不気味すぎるよ! 何この洞窟!?」


太子の後ろに隠れながら閻魔が叫んだ。


「何かお化けとか出そうじゃない!?」
「あれ、閻魔さんもお化けじゃないんですか? ……にしても、本当に不気味ですね」


妹子も竹中の後ろに隠れながら言う。
太子が笑って言った。


「これくらいの物にビビッてたら閻魔の体の完成なんて夢のまた夢でおま!」
「あんたは能天気すぎるんだよ!」


妹子が間髪入れずに突っ込み返し。
この中で一番この洞窟の雰囲気を感じ取っていそうな竹中が前に出た。(妹子も一緒について行った)


「……怪の類の気配を感じるな。陰の気が立ち込めている。中に入るのは危険そうだが、どうする?」


閻魔と妹子に悪寒を走らせたのは、"危険"という言葉ではなく、"怪の類"という言葉だった。


「ぎゃぁぁぁぁ!」
「ちょっと! 止めてくださいよ竹中さん!」


この二人は一体どこまで怖がりなのだろうか。
流石の太子もこれには呆れ果てた。


「なんだよおさつチップスのくせに幽霊が苦手なんて……」
「幽霊って言わないでくださいってか誰がおさつチップスだ!」


どこまでもお気楽な奴らである。
ここままではいつまでたっても物語が進展しないので妹子と閻魔には強制的に洞窟に入ってもらう事にする。


妹子「執筆者がこんなこと書いていいと思ってんのかぁぁ! この腐れ外道めが!」


黙れ、ほらほら作者命令だぞ☆


その日洞窟には、閻魔、妹子二人の断末魔が響き渡ったと言う……。






                       続いちゃうんだぜ!







「ちょ、ちょっと……マジで不気味ですよこの洞窟……」


真っ暗な洞窟に一筋の光。
松明を持ち、歩き行く一団の姿。
その中の一人、妹子が畜生作者の奴め……とか心の中で言いながら言った。
ここでもめても物語が進まないのでとりあえず知らぬふりをして先に物語を進める事にする。



「奥に進めば進むほど気配が大きくなってくる……何なんだ、ここは……?」



竹中が闇を見透かすように目を細めて道の奥を見る。
彼の目には一体何が見えているのだろうか……謎な人である。いやもう人かどうかも分からないのだが。
松明の光で辺りを照らしている中、太子が洞窟の壁を少し触る。
岩で出来たようなその壁は、黒光りしていて湿っていそうな外見とは裏腹に乾いていて、少し押しただけでも崩れてきそうな脆さだった。
太子は少し怪訝そうな顔をする。



「……しかし竹中さん、この洞窟、少し可笑しいとは思わないか? まるで……」




その時。

太子が言い終わらないうちに、暗闇に一つの影。
その影はものすごい速さでこちらに向かい、踵落としを繰り出して来た。
目にも止まらぬ速さ、そして突然の不意打ちに閻魔、妹子、竹中の三人は反応できなかった。
だがその踵落としの標的である太子は素早く反応し、刀の峰でそれを受け止める。



「——————ッ!」


一瞬で場の空気が静まり返る。
太子に踵落としをしたおそらく人間であろうその影は、もう一方の足で刀を足場にして後退する。
その勢いを殺さぬようバックステップを踏み、立ち上がり警戒したように手を前に構え、こちらを睨みつける。
理解に少し時間がかかったが、ハッとした閻魔が慌てて止めに入る。


「ちょっと待って! 君は、誰? 別に私達は君に危害を加えるつもりはないよ?」



その台詞に、その人影はいくらか安心したように手を下ろしたが、まだ完全に警戒は解けていないらしく、こちらを睨みつけていた。
妹子が松明を掲げてその人を照らしてみると、妹子と同じ位の歳の青年だった。
短い黒髪に綺麗な黒眼、そしてその黒髪、着ている服には赤黒い血がべっとりと付いていた。



「血、血だぁぁぁ」


閻魔が慌てて竹中の後ろに隠れる。
その横で妹子が「そんな吃驚すんなよ!」と突っ込みを入れる。
……どこかデジャウを感じるが、そこにはあえて触れないでおこう。



「あんたら、人間だよな」



そんなやり取りをあえて無視し、青年が問いかける。
そしてそんなやり取りを妹子ははたと止める。



「え、ええ、そうですよ。……閻魔さんと……竹中さんはどうか知りませんが……」



「失礼な! ちゃんと人間ぽいものだよ!」と騒ぎ立てる閻魔を無視し、妹子は頭を掻いた。
つーか人間ぽいものって何なのだろうか。
すると青年はやっと警戒を解き、明るみに進み出た。



「……そうか。俺は平田平男。さっきは悪かった。俺ァてっきりまたあいつの手下かと……」


「……手下? それに、またって……?」



妹子が怪訝そうな顔をしながら即座に反応する。
平田と名乗った男は一瞬迷った末、洞窟の横の方に移動し、「見てみな」と言った。
松明の炎を掲げたまま、妹子は前に出る。
薄暗い洞窟の奥を松明で照らすと、幽かに白いものが浮かび上がる。
よく見ようと目を細めた瞬間、妹子の体は硬直する。



「妹子……? どうした、妹……」





「!?」



心配した太子が駆け寄るが、妹子と同じ「それ」を見ると太子も言葉を失う。
平田は黙って目を伏せ、閻魔と竹中も二人の所に歩いて行った。



「どうし……ッ!?」

「……ッ!」





四人の視線の先には、文字通り地面を埋めつくさんとする程の人の死体。
死んだばかりの物、時間が経ち過ぎて白骨化してしまったもの、腐りかけの物。
それらが古い赤黒い血、まだ新しい紅い血の上に折り重なっている。
そして、地面に血が飛び散っているため酷く分かりづらかったが、四人の立っている場所から、地面の色がくすんだ白になっていた。
よくよく見ると、それは粉々に砕かれた何かの骨だった。
まさに地獄のような光景。

皆何も言えないのを見て、平田が口を開く。



「その死体全部、この洞窟に入った奴等の成れの果てだよ。一人でも洞窟に入ると刀持った骸骨が何千とこっちに向かって来やがる……たぶん又来るな。あんたらが入って来たから」


そんな時、洞窟の奥から何か乾いたものが擦れ合うような音が聞こえてきた。
それが何なのかは、もう言わずとも分かるだろう。
皆無意識に自分の武器を構える。(とはいっても武器があるのは二人だけだが)



「……噂をすれば、なんとやら、だな」



平田もため息をついて手を構える。
白い骸骨達が姿を現した。
古びた刀を持ち、手をこちらに付き出して向かってくる。
中には腕、足が一本無い物もいる。そして、目からは蛆虫が湧き出ていた。



「ギャァァァァ想像以上に気持ち悪いぃぃぃッ!」


青ざめた顔で閻魔が叫ぶ。



「緊張感無くなるような事言わないでくださいッ!」


「だって気持ち悪いじゃん! あんなの出てくるとか反則でしょ!」



なんかもうグダグダだ。
そんなくだらないやり取りを交わしている間、竹中は集中力を高め、水属性の力を使って骸骨達に向かって巨大な水をぶっ放す。


「行ってる場合じゃないぞ、イナフ!」


「わぁぁぁっ! 流石竹中さん! カッケェ!」



太子が目をきらめかせながら感嘆の声を漏らす。
水は骸骨に向かってどんどん大きくなり、最終的には大きな波になって骸骨達を襲う。
水に当たった骸骨は割れ、大小の骨片になって崩れ落ちる。
平常心を取り戻した閻魔は、出した黒霧を大きな槍と刀に変え、骸骨を薙ぎ倒していった。



「やっべぇ……皆かっけぇ……なあ妹子、私達にもあんなの出来るのかなぁ?」


「知りませんよ……僕に聞かないでください」



戦闘中とは思えないほどのお気楽な会話。
太子は腰から刀を抜き、じっと見つめた。
すると、刀身が光だす。
太子は喜びより驚きの方が大きかったらしく、パニクって妹子に助けを求めた。



「ギャァァァ! 何かキタ! 何か出た! 妹子助けてぇぇぇ!」


「知りませんよ! 僕に助けを求めるな!」


二人ともこんな事をしていていいのだろうか。
二人にも骸骨が迫って来る。
それに逸早く感づいた妹子は骸骨の頭に殴りを入れ粉砕し、太子は目にも止まらぬ速さで骸骨達を斬っていく。



「いつも妹子にバカとかアホとか言われてる日頃の恨み思い知れェェェェェェェ!」

「バカとかアホなのは事実だろうが! つかそれ唯の八つ当たりぃぃぃぃ!」






取りあえずこれが今まで書いた分です。では下書きするためにまた籠ります(>ω<)/


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