二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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囚人・紙飛行機(完結しました!! サンクス!!)
日時: 2010/04/28 22:27
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)

こんにちわ、初投稿します!!

梨恋といいます。


今回は、VOCALOID「鏡音リン・レン」による、
「囚人」と「紙飛行機」という曲の小説を
書こうと思っています^^




@登場人物@

・レン
ワケあって投獄されている、14歳の男の子。
リンに恋をする。

・リン
かなり重い病気にかかっている同じく14歳の女の子。
父親が牢屋の看守をしており、よく仕事場に遊びに行く。






※注意※
・初心者なので、おかしなことをしてしまうかも
知れませんが、ご了承くださいませ;;
・曲の解釈は、梨恋によるものです。
おかしくてもお見逃し下さい;;






4/28 完結しました!!

   何かリクエストあれば書きます!!←

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Re: 囚人・紙飛行機 ( No.8 )
日時: 2010/03/30 08:33
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)



「僕とこっちに来て話そうよ」
けして、この思いが伝わることはない。

君の声は、もう一生聞けないかもしれない。
でも、僕は君との手紙があるだけで幸せなんだ。

いや———
君を見てることが、
明日へのささやかな幸せなんだ・・・

ここから出られなくても、
君がいるだけで、
僕はもう十分だ。

だから君は、ずっと笑っていてください。
ずっと、そのままの君でいてください。



僕は、次に起こる悲劇も知らず、ずっとそんな願いを、心の中で唱え続けた。

Re: 囚人・紙飛行機 ( No.9 )
日時: 2010/03/30 16:23
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)


6.


幾日幾月、
君と手紙を交わしたあの日から毎日、
君の紙飛行機が僕の生きがいだった。

遠くから、彼女が小走りでこちらへやってくるのをみると、今度はどんな手紙を書こうかと考えながら、彼女が紙飛行機を投げるのを待った。


そして今日も、同じように、彼女は牢屋の柵から少し離れたところに来て、僕に紙飛行機を投げた。
僕がうまく紙飛行機を受け取ると、彼女は決まって嬉しそうに笑う。

でも、今日の君の笑顔は———どこか悲しげだった。

僕は、少し嫌な予感がした。
彼女のその笑顔は、何を示しているのだろう・・・
僕は、不安に思いながらも、綺麗に折りたたまれた紙飛行機を、丁寧に開けていった。


『今までありがとう』

冒頭の大きな文を読んで、僕は目を見開いた。
顔を上げて彼女を見ると、彼女はまた僕に向かって笑いかけてくれた。

『私ね・・・遠くへ引っ越すことになったんだ。
 君と文通した日々、とても楽しかったよ。
 
 ———バイバイ。』

「———ッ!!」

彼女は、僕が手紙を読み終えたのを確認すると、牢屋と僕に背を向けた。

彼女が歩きだすのと同時に、僕の口は動いていた。

「——————」

彼女は、僕のその言葉を聞き終えると、また歩き出した。
一度も振り返らずに。


Re: 囚人・紙飛行機 ( No.10 )
日時: 2010/03/30 16:40
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)


牢獄の生活は苦しかった。
知っている人に会えなくて辛かったし、
寂しかった。
でも、今日ほど———
君との別れを宣告された今日ほど、泣いた日はなかった。

溢れ出る涙はとめどなく流れ落ち、僕の頬をいくら濡らしても、この悲しみがおさまることはなかった。


彼女がいれば、牢獄の生活も耐えられる気がした。
牢屋での話を、笑顔で君に伝えられる気がしたんだ。
君となら、そんなときだって笑いあっていられる・・・

名前も知らない君と出会って、未来が輝いた気がしたんだ———



でも、もう君には会えない。

君を呼ぶことも
追うこともできない。
ここから出られない———

僕には、何も出来ないんだ・・・



出口の塞がれた真っ暗なトンネルに閉じ込められて、
出口がないと分かっていながらも光を探す———

そんな絶望を、僕は耐えられるのだろうか。
一度光を見てしまった僕にとって、また闇に居続けることなんてできるのだろうか。


牢屋の隅に積もった紙飛行機を手で探る。
ひとつひとつ開いていき、君との日々を思い返す。

その時、僕は思った。

この紙飛行機さえあれば、僕はまだ耐えられるかも知れない。

この紙飛行機さえあれば、君が帰ってくる日まで、耐えられるかも知れない。


僕は、そう思いながら、そっと、その紙飛行機を抱きしめた———

Re: 囚人・紙飛行機 ( No.11 )
日時: 2010/03/31 15:03
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)



7.


「おい、なんだそれは」

いつものように働きに出る時、看守が牢屋の隅に積もった紙飛行機に目を付けた。
僕は一瞬冷や汗をかいたが、平然とした表情を保ったまま言った。
「紙飛行機を折っていたんです。
 捨てるのももったいなかったので、あそこに置いておきました」
僕の返答に、看守が少しだけ眉をひそめた。
「ひとつ、持ってきて見せてみろ」
看守は手のひらを差し出した。
僕は、予測していなかった事態にうろたえた。
その様子に、看守は更に僕を疑った。
「どけ」
看守は僕を乱暴に牢屋に突き飛ばすと、自分が牢屋の中へずんずんと入っていった。
そして、紙飛行機を一つ持ち上げる。

「待っ・・・」

僕が止めるより先に、いつの間にか他の看守も来ていて、僕の事をはがいじめにした。

「放せッ・・・ 放せぇぇッ!!!!」

僕がいくら足掻いても、大の大人二人に力強く手足を塞がれた状態から逃げ出すことはできなかった。

看守が紙飛行機を開ける。
そして、中の文字を見た途端———
看守の顔色が変わった。

「貴様・・・私にも無断で、文通をしているとは・・・
 こんなもの!!」

看守はそう言って、紙飛行機を破り始めた。

抑え込まれた僕の目の前に散る紙くず。

バラバラになった彼女の文字。



「てめえ——————!!」



ガツッと骨の当たる音と同時に、僕の右腕の拳は、看守の頬にめり込んでいた。

「こいつ!! おい、もっと呼んでこい!!」
僕を抑えていた看守が、もう一人に言った。




僕は大勢に抑え込まれながら、扉が頑丈で窓もベッドもない牢屋に放り込まれた。



そして、僕が殴った看守に告げられた。



「お前のことで、再び裁判が行われた。
 お前の刑は———
 

 死刑だ」


看守はそう告げると、重たい扉を閉め、派手な足音を立てながら去っていった。



Re: 囚人・紙飛行機 ( No.12 )
日時: 2010/03/31 15:47
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

初めまして、秋桜と書いてコスモスと読みます♪

いいですよねこの曲!私も好きですwww

私は「悪ノ召使」を小説化しています。よかったら今度遊びに来てくださいね♪

ボカロは難しいですよね……。でもめげずに頑張っていきましょうね♪

ところでこれってそろそろ終わりですか?もうちょっと読みたいなぁなんて思ってたりする私です。(我儘ですみません)なんせ神文なんで(笑)


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