二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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囚人・紙飛行機(完結しました!! サンクス!!)
日時: 2010/04/28 22:27
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)

こんにちわ、初投稿します!!

梨恋といいます。


今回は、VOCALOID「鏡音リン・レン」による、
「囚人」と「紙飛行機」という曲の小説を
書こうと思っています^^




@登場人物@

・レン
ワケあって投獄されている、14歳の男の子。
リンに恋をする。

・リン
かなり重い病気にかかっている同じく14歳の女の子。
父親が牢屋の看守をしており、よく仕事場に遊びに行く。






※注意※
・初心者なので、おかしなことをしてしまうかも
知れませんが、ご了承くださいませ;;
・曲の解釈は、梨恋によるものです。
おかしくてもお見逃し下さい;;






4/28 完結しました!!

   何かリクエストあれば書きます!!←

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Re: 囚人・紙飛行機 ( No.3 )
日時: 2010/03/28 15:44
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)



3.


僕が投獄されてから一カ月ほど経った。
獄中の生活に快適なモノなどなく、苦しいばかりの毎日だった。
無期懲役———
その裁判官の冷酷な言葉が、今でも耳に残っていた。

いくら雑用をやったって、
いくら看守の暴力に耐えたって、
ここから解放されることはない・・・
改めて実感すると、涙がこぼれそうになった。


「———泣いているの?」


ふと、声をかけられて、僕は驚いて顔を上げた。
大きなつばのついた帽子をかぶり、白いワンピースを風になびかせながらそこに立つ彼女は、目に涙を浮かべている僕に、笑顔を向けた。




それが、僕の、セツナイ恋の始まりでした———

Re: 囚人・紙飛行機 ( No.4 )
日時: 2010/03/29 16:16
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)

「君・・・私と同い年くらいだよね?
 ・・・なんでここにいるの?親の手伝い?」

次々と発せられる質問に、僕はまどろんだ。

「えっ・・・と、僕は・・・」

言えない。
僕が、濡れ衣とはいえ大量殺人の罪でここに捕まっていることなんて。

黙りこむ僕を見て、彼女はポケットから紙を取り出し、僕の方を見た。
「ちょっと待っててね」
彼女はそう言うと、もう片方のポケットから鉛筆を取り出し、紙に何か書き始めた。

書き終えると、彼女はその紙を折り、紙飛行機にした。


「いくよ———ッ!!」


威勢のいい声と共に、牢屋の柵を越えて、僕の手元に紙飛行機が舞い降りてきた。
「エヘヘ、ナイスキャッチ!!」
彼女は楽しそうに目を細め、満面の笑みを浮かべた。

その表情が———とても可愛かった。

「中身、読んでみて」
彼女に促されて、僕は紙飛行機を開ける。
そこには、綺麗な文字が何行にもわたって綴られていた。

『初めまして!! 
 実は私、父がここで働いているから、遊びに来たの。
 君、もしかして14歳?
 ・・・そうだったら私と同い年なんだ!
 良かったら、また君に手紙書いてもいいかな?』

それを読んでいる内に、僕の目から大粒の涙がこぼれ、手紙に落ちた。

「えっ!? どうしたの?
 私、なんか酷いこと言ったかな?」
彼女は慌てて僕の方へ手を寄せようとした。
「待って!!」
僕はそれを止め、彼女の手紙の裏に、同封されていた鉛筆で、返事を書き始めた。
その様子を、彼女が嬉しそうに眺めているのを、手紙を書きながらでも感じた。

手紙を書き終え、紙飛行機を折る。

二人の壁越えていけるように、



トンデケ———


Re: 囚人・紙飛行機 ( No.5 )
日時: 2010/03/29 10:27
名前: 友麻 (ID: jSbdir3p)

おはようございます!!

小説お上手ですね!
あれ?でも、手紙に名前書いちゃっていいんですか?
囚人の最後には、
♪〜せめて、君の名前だけでも〜知りたかったー♪
ですけど、まぁ、作者によって変わりますが。
でも!私は応援しますね!

Re: 囚人・紙飛行機 ( No.6 )
日時: 2010/03/29 16:19
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)

≫友麻様

ありがとうございます!!

ぬおぉぉッッ!!!
私としたことが・・・orz
確かにそうですよねっ!!
すみませんッッッ(>д<、)
今すぐ変更します!!
ご指摘ありがとうございます^^*

Re: 囚人・紙飛行機 ( No.7 )
日時: 2010/03/29 16:39
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)


5.


それから毎日、僕は彼女からの手紙を楽しみにした。
牢屋の中に増える紙飛行機の数。
それを見るたび、僕の心は躍った。


そんなある日。
「面会だ」
看守がそういって、牢屋の鍵を開けた。
それを聞いて、僕は密かに期待を抱いた。

(もしかしたら、あの子かもしれない)

僕はわくわくしながら看守についていった。
面会室に入ると、そこには———
僕を犠牲にして罪を逃れた友人の姿があった。


「よお、レン」
友人の声かけに対し、僕は訝しげな表情を浮かべた。
「そんな顔するなよ・・・。
 今日はお前に、詫びにきたんだ」
僕は、しぶしぶ椅子に腰を下ろした。
「本当に、ゴメン。
 謝って済むことじゃないよな・・・。
 でも、きっといつかここから出られるよ!
 いつか自由になれるさ」
友人が笑顔を浮かべながら言う。

そんな気休めを言って、僕が許すとでも思っているのだろうか。

その後、友人は色々な話を僕にしたが、僕は何も言わなかったし、答えなかった。
答える気力なんて湧かなかった。
人を犠牲にして、自分だけ助かろうとした奴と交わす言葉なんてない。
僕は心底そう思った。

しばらくして、何も話さない僕を見て、友人は腰を上げた。
「じゃあな」
友人はそういって、面会室を出て行った。



いつか自由になれるというのも、
僕は嘘だと知ってるんだ。



彼女と自由に会うことすらできない。
彼女が僕に会いに来ることはできても、僕から彼女に会いに行くことは、一生できない。




友人との会話で、ぼくはその悲しみを痛感した。




でも———

君がいれば、どんな嘘だって

全て本当になる気がしたんだ。



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