二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 戦国BASARA短編集!アンケート実施中…
- 日時: 2010/07/18 15:38
- 名前: るりぃ (ID: dbcsZi07)
- 参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E5%9B%BDBASARA
初めまして(いや、こんにちは?)!るりぃと申します!
このスレは私の思いつきなどを詰め込む場所です!
リクエストがあればその小説を書きます。
たまに私が抱えてる連載の番外編なんかも混じっているので。
番外編を見る際には、連載を読んでからにしてくださいね!(←誰が見るか)
一応、BASARAを知らない方にも楽しく読んでいただけるように書いてありますが、ねんの為にウィキ先生の検索結果を乗せておきます。
【注意事項・・・のようなもの】
・駄文
・時代背景無視
・キャラ崩れの可能性大
・英語が無理
・・・以上を踏まえたうえでどうぞ!
・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・
・ターフへお祝いの小説(台詞ばっか) >>1
・だって君が好きだから(学園BASARA・伊達政宗) >>2
・ターフリク♪『元親兄と妹ちゃんの一日』(学バサ) >>7
・小ネタ >>10 >>31 >>88 >>89 >>90 >>91 >>103 >>130 >>132 >>133
・ターフリク♪『紅蒼の仁義なき戦い』(学バサ)>>16
・るりぃリク♪『突撃!恋の夕ご飯!〜夕飯はもう少し〜』(ターフから) >>28
・(何故かは分からんが)ギャグマンガ日和パロ
内容は「名探偵うさみちゃん」(葱から) >>33
・戦国BASARAで勘違い乙女ゲーム(笑) >>42 >>47 >>54
・愛が殺せと叫ぶから >>75 >>77
・アンケート >>82
・小説鑑定の結果 >>85
・リレー小説番外編 >>94
・ずっと 傍に >>109 >>110 >>111 >>114
・ありがとう ごめんね >>112 >>113 >>115
・引き合う運命 >>116 >>118
・君の見すぎで目を悪くしました >>117
・雨音がやんだ >>121
・嗚呼 なんてすばらしき日 >>123
・名前 >>124
・愛が殺せと叫ぶから-警鐘- >>125 >>126 >>127
・お前ら正座しろ >>128
・最初で最後 >>134
・愛姫リク♪『楽しい結婚生活』 >>137
・魔王より恐ろしい >>138
・鑑定結果 >>140
・怪談 目次 >>141
・怪談 お断り >>142
・怪談 零 嗚呼、なんと綺麗な血 『賞美の弔い』 >>143
・怪談 壱 魅つめるほどに美しく 『魅惑の代償』 >>144
・怪談 弐 そして残るは残骸の跡 『地獄金魚』 >>145
・怪談 参 生きたい…… 『捕われた魂』 >>146
・怪談 肆 冷たい涙と体温に本当だと実感した 『涙色の紅』 >>147
・(長政先生のHRの時間) >>148
・『私の日常パロ』 >>151
・「総大将は女子高生!」番外編 主人公さん&作者さん質問攻めバトン >>153
・『崖の○のポ○ョの替え歌』 >>154
・『突発的に書きたくなった何か』 >>156
・『ドキドキアニマルパラダイス』>>157
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- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.143 )
- 日時: 2010/06/05 14:15
- 名前: るりぃ (ID: J6XHjCd3)
- 参照: http://アフォ小説家?
零 嗚呼、なんと綺麗な血
月が綺麗…
あの人とやっと逢える…
『賞美の弔い』
風に誘われるが如く…あの方の約束を果たすために今しがたと躊躇うこともせずに走った。
戦日の夜…もう出発をするかもしているのかもしれない。
まだ行かないでと想いをはせて御守りを握りしめる。
「ハァハァ…ッ……あ!」
「みちる…よく無事にきてくださいましたね。」
息を乱し、まだ落ち着かぬみちるをそっと光秀は抱く。
疑いも何も無い純粋さに笑みが溢れる。
「光秀様…久々に近くに着ていると聴き、私……」
「私も…久しく逢えていなかった貴方に逢えて良かった。」
唇をみちるに重ねる光秀…しかし。
何やら、いつもと違うのだ…
「光秀…様?」
「はい?」
やはり…違う。
他の方と話をしているよう…
「みちる…?」
怖い…
なんで愛しき人がこのように怖いのか?
異変にすぐ様気づけば目に入ったものを疑った。
「あ、光、秀様?…その後ろ手に持っているものは何ですか…?」
「嗚呼……これですか?」
自然と遠ざかる足。
グッと突然捕まれた腕に肩を震わせる。
恐ろしいほどの笑みに血の気が失せるかのようにその一言は聞きたくもなかった。
「貴方の血…見たくなりましてね。」
「ひッ……ぁ…あ…」
腰を抜かして動けないみちるに鎌を振り上げる。
勢いよく振り落とされた鎌に目を見開く。
バサッ……
「おっと…いけない……自分の腕が…。」
「キャアアアァァアァ!!」
腰を抜かしてたみちるは叫びながらに後ろを振り向かずに走った。
それはもう必死に…愛する人の腕が真下へところげ落ちた光景を信じられずに。
それを気にせずに、光秀は笑って追い掛けてくる。
「なぜ逃げるのですか……ククッアーハハッハッハ!」
「っ…ひ……い、いやー!!」
「待ちなさい…私が楽に殺してあげますよ?」
愛しい声も今は近づいてくる声に恐怖する。
叫んだみちるの目の前には火の灯がうっすらと見えた。
みちるは懸命に走り、灯りを持つ主に抱きついた。
「た、た助けて…!」
身体全体が震えている。
やっと人が居たことに安堵してみちるは涙を溢した。
あんな悪夢忘れてしまいたいと…
愛する人の逢瀬になぜあのような怖い思いをしなければならないのか震える声や手…が一瞬にしてピタッと止まった。
「みちる…?」
聞こえてきた声に絶句する。
汗が全身という全身に流れ出た。
「光秀…様……」
「これは…!!」
光秀は驚いた、何も知らずに約束した場所に待っていただけなのにみちるには返り血と傷ができている。
傷はいいにせよ返り血はなぜ浴びたのか?
理解など到底できまい。
「この血はどうしたのですか!?」
「あ…ああ……」
みちるには言葉など今は話せるはずなかった。
だけど少し違うのはこの光秀は本物だということ。
「みちる…ッ!」
きつく抱き締められる。
嗚呼…この人とあの光秀様は違うんだ優しさに暖かくなる。
けど……
ねぇ光秀様?
あ な た の 後 手 に あ る も の は 何 ?
ー終幕ー
(その夜は、綺麗な望月が照っていたとか)
- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.144 )
- 日時: 2010/06/06 14:15
- 名前: るりぃ (ID: JnydBXXF)
- 参照: http://アフォ小説家?
壱 魅つめるほどに美しく
魅つめる度…
眼が一度合う度に…
虜になっていた…
『魅惑の代償』
「…ァ…ッ……アニキ!!」
この頃、ぼーっとしている船長に一言注意する家臣…には見えない子分達。
一生懸命説明してもいつもこれだ。
最近はめっきり上の空…
子分達は皆、その様子を心配していた。
「おっと…すまねぇな。で、なんだったけか…」
「アニキ…ずいぶんと前からそうですぜ?」
「悪りぃ…調子が悪いんだ……」
その一言で家臣は皆で驚きわたわたと心配する。
元親もそんな子分達を見ては、すまないと思っていた。
「はぁ…」
海に何度も身を寄せて眺めても…
どんな宝を見つけても…
最後に浮かぶのはアイツの顔。
誰かも分からぬ人の女が俺に笑い掛けていた。
海の上……彼女とは会えない、探せない名前さえ分からない。
海が恋しくなるのことはあっても、陸が恋しくなるのは初めてに等しかった。
おかしい…自分は何故こんなにも頭に浮かぶ女に執着するのか。
「俺らしくもねぇ…でも逢いたくて仕方がねぇんだ」
暫くして、船は四国へと戻る。
その頃には意識など何処かへと飛んだように城内へと戻った。
名前さえ思い出せない人に恋こがれるのは…疑問などすぐに吹き飛んだ。
自室に襖を開けて入ってみれば女物の着物一枚が置いてあった。
ぐしゃぐしゃだが、名前はすぐに思い出した。
「 」
着物を手にとって、
少し破れた記憶の壁から名前が出てきた。
無理矢理引き出したに過ぎない名前…
「そうだ…アイツは……!」
思い出して部屋から着物を握り締めながら出た、
直ぐ近くの奴に聞く。
「みちるって知ってるよな?」
何故か確信があった。
此処に…一緒に側に居た気がする。
欠けた一枚は大きくて、
「アニキ…な、何言って……」
「ああ゛!?はっきり言え!!」
部下の肩を力一杯掴む。
その力は尋常とは思えなかった肩からは異常な骨の軋む音が聞こえる。
他の通りがかりの家臣が慌てて止めに入った。
「どうしたんです!アニキ!?」
「ア、アニキ!肩が…ッ!」
「……すまねぇ…ただ、みちるって女を知りたかっただけなんだ。」
その言葉に目の前の二人はまた固まる。
表情は哀しげだ…何をそんな瞳で見るのか……。
一人の家臣は生唾を呑み込み聴いた。
「思い…出したんですかィ?」
「………何を…だ?」
「その着物の女性を……」
二人目が言う。
真剣すぎる目に…何かあると元親は踏んだ。
着物…その単語に引っ掛かりがある。
頭に靄が掛る。
苛つく…。
「お前等何か…隠してんだろ?」
「アニキに隠し事なんて!!」
「滅相も無い!」
その慌て振りに何かあるとまた記憶が横切った。
”貴方様がいるならば…私は……“
”みちる…お前をずっと……愛…し………“
まるで…死に際の言葉が頭の中にふと、その後の言葉は…
「みちるは…死んだのか…」
「アニキ、思い出して…」
震えた声の家臣…元親はある場所へと向かう。
自然に足が進む。
その間に何があったのか、元親の歩いた後ろは家臣が倒れては唸っていた。
みちるの眠る墓…遺骨が剥き出している。
土は何度も掘り返した跡がなん箇所何度も見受けられる。
「邪魔をすんじゃねぇ…」
その墓の前にいる十数人の自分の家臣…
必死に止めようとしている。
「ヒッ…アニキもうみちる様は眠って…」
「いや、無駄だ…今年は止めさせて頂く元親様!」
「あ゛あぁぁああ!!」
それは狂乱した鬼のようだった。
誰がこの光景を信じるのだろう…
墓は真っ赤に染まり…、周りを囲うように自分の家臣が眠っている。
それは紛れもなく元親が斬った者達だった。
血は辺りを全てを包み、その中心には墓の前で骸骨を抱き締める元親が居た。
骸骨に口付けをする。
真っ赤に染まり果てた手で…
「みちる…やっと逢えた。」
逢えた喜びだろうか微笑み涙を溢しながら骸骨を抱いている。
周りから見たら尋常では無いが、周りには誰も居ない。
居る筈もない。
元親が斬ったのだから……。
元親の皆を斬る姿は怒り狂った鬼の様だった。
大切な年に一度の命日に元親は忘れる人がいる。
だが、その日必ず思い出し二人はまた廻り会う姿形は違っても…。
彼女は埋められた筈なのに遺骨は墓の上へと剥き出しになる。
それは命日に…
ー終幕ー
(妖に見初められた鬼は、ずっと骸骨にはり付けられる。)
- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.145 )
- 日時: 2010/06/06 14:12
- 名前: るりぃ (ID: JnydBXXF)
- 参照: http://アフォ小説家?
弐 そして残るは残骸の跡
貴方は血まみれで……
誰にも微笑まれた事のない私に微笑んだ
これは、運命?
私は貴方を血の池から掬い上げた。
『地獄金魚』
ゆらゆら
ゆらゆら
唯、漂う貴方に惹かれただけ…
真っ赤に染まりそうな大地に寝て白い髪をその血の上を流れる様に━━ー--
思わず身体が止まった。
声も出せない…
血が紅い…中にいるのは色白な……
見た事もない綺麗な人…
sida Akethi
少女が一人……
あまりに可愛い小鳥だから…
私は微笑んだ。
顔を紅くして私を見て固まっている。
なんと可愛いらしい…愛らしい小鳥に逢ったものだ…
私の命も短いと言うのに……
静かに流れ出る血が止まらない。
切った者達の血が回りに流れている。
自分の血と同じ色…
目に入る最後は小鳥。
最期にしては…嬉し……い
意識など既になかった。
sida Mithiru
死んだ…?
目がゆっくり綴じられた。
"助けなきゃ"
血だらけの池に足を踏み込む。
ピチャピチャ…ッ…
まとわり付く血…鉄の臭い。
真新しい死体が無数に転がる。
この人が斬ったのだろうか…だけれど私には関係なかった。
生きてまた見て欲しかった。
知らない人は…武士で位も高い人
私には手が届くはずない。
力の無い私はその人を引きずった。
歩けば血の道が後ろを綴った。
sida Akethi
鳥が鳴く……朝……
3年前…助けられたんですね。
永かった、永く待ち続けた…
昨日夫婦になり、…私がみちるを殺した。
あの時出来た血の道が私の後ろにもできている。
可愛く愛しく笑いかけたみちるはもう居ない。
「紅い…」
狂った。
前から狂っていた━━ー--
あの時家臣を殺そうとした前にみちるが飛び出した。
勢いよく振り落とした鎌は肩に半分以上刺さっていた…
気 狂 し た の は 血 の 性
だから
みちるだけでいいんですよ。
まわりの骸は汚すぎる。
城の部屋…廊下…………
骸ばかりが転がる…
sida Mithiru
見ていられなかった。
昨日私は死んだ。
死んでも涙は流れるのですね…光秀様。
家臣は無惨に殺されてく…
私を温かく迎えてくれた人さえも息をしてない。
嘆いていた私に声をかけたのは妖…
『あの男を止めてやろうか?』
『え…?』
哭いても…
後戻りできない…
『私がお前の体を借りてあの男の側に居てやろう』
『本当に?』
『ああ…』
中身が私じゃなくてもよかった
光秀様の側に形は違くても居たかったのに
私の涙は止まらなかった。
妖は…私の姿をかりて人を喰べた。
二人とも血だらけで光秀様はあのまま私の姿をした妖に抱きしめられてる。
私さえも狂ってしまったのかもしれない。
「光秀様…」
「みちる…愛してる。」
涙は止まることなく流れた。
そう呟いた光秀様の腕はその妖に喰われていたのだから…
ー終幕ー
(地獄の中の金魚は死神ではなく「人」)
- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.146 )
- 日時: 2010/06/06 14:11
- 名前: るりぃ (ID: JnydBXXF)
- 参照: http://www.nicovideo.jp/watch/sm3822749
参 生きたい……
目が…霞む……
まだ僕は…生きているのか……?
足の感覚も、この支えになっている刀の感覚さえ無い
音も…聴こえない…
まだ時間があるはずなんだ………
時間が…なければ意味がないんだ!
『捕われた魂』
ピチョッ…
冷たい……此所は?
意識を手放したのか僕は。
まさかね、死んだなんて有り得ないこの痛みは本物だ。
ズキズキと心臓の音と同時に痛む傷。
暗く、埃っぽい空気の中目を開けた。
「だい…じょう……ぶ?」
「…ああ。君が一人で此処まで運んでくれたのかい?」
頷く少女。
話すのがあまり得意ではないのだろうか…不思議だ。
日の光が微かに穴から漏れている…もう朝か、いや昼かもしれない。
「此所はどこだい?」
「私が住んでる…廃墟…寺……すぐ近くで…あなたが倒れてた」
まだ僕が心配なのかあまり明るい表情とは言えない。
何故、他人にそれほどに執着できる?
君とは会ったばかりだ…
なのに……
「お腹…空いてない?食べる…?」
無器用に握られたご飯が笹の葉の上に乗せられていた。
「君が作ったのかい?」
頷いてから僕に食べろと言っているかの様に視線を向けていた。
形は兎も角、彼女の優しさに甘えよう。
人の暖かさも良いかも知れないと…この時思った。
「…おいしいよ」
その一言だけで、彼女は笑顔になった。
明るく微笑み僕を見つめる。
何故か心が暖かくなった。
「よかった…貴方が死ななくて…」
「え…」
僕は食べていた手を止め彼女を見る。
「すごい血…だった……だから手当て…」
「してくれたんだね、ありがとう。」
初めてなのに、目の前にいる彼女は優しく無関係な僕を助けてくれた。
優しさとは、なんと暖かな物なんだろうね……。
僕が、君を殺すなんて思いもしないだろう。
彼女が窓を開けてくれた。
静かに流れる時間…とても長く感じた。
日も傾き、暖かな橙色の光が差し込み太陽が沈むにつれ紫へと空も変わる。
夜の闇が……僕の心とやろうとしている事すべてに、惹かれているようだった。
僕が浴びてきたのは人の血。
それは紛れもなく僕がやった。
罪の意識など何も無い。
新しい秀吉の時代を見るが為…。
だから…僕が、こんな風になっていてはいけない。
もう、命も短く誰の傍にも居なくなるのだから…。
「半兵衛…?」
先程教えた名前を小さな口から鈴のような可愛らしい声で呼ぶ。
色白で、目はぱっちりとしている彼女の名前は…
「みちる。」
一言呼べば、最高の笑顔を僕に向けた。
こんなに純粋な子が今まで回りに居ただろうか?
ああ、暖かい…
「半兵衛…もう少し…休む……」
「ああ…そうだね。今は、寝かせて貰うよ」
起きていた上半身を布団に埋め…目を深く綴じた。
何よりも暖かく、久しぶりだった。
人を冷たくあしらう事が日々続いてたからか、何故彼女は暖かいのだろう。
この様な感情など不要なはずなのに……
だからこそ、殺さなくてはいけない、
彼女の前から消えるだけでいい筈なのに、それが出来ない。
いつか君と幸せになるとしたらきっと僕が死んだ後だから…
ずっと朝などこなければ良いのに
この僕が…笑ってしまうよ、
まったく、小さな子供の我儘だね。
布団の中は自分の体温で暖かい筈なのに、やけに心だけが冷たかった。
心臓だけ体温が無いように…
冷めきっていた。
「三日か……」
秀吉が僕を探してるはずだ。
帰らなければならない…。
いや、帰らなければいけない……彼女を…殺さなければ…。
自己満足でも……昨日みちるがくれた花を手にとる。
立ち上がった時に、ふらついたもののちゃんと大地を踏みしめた。
最後の最後まで、こんな僕に暖かさをくれたから…
「!…半兵衛っ!!」
駆け寄る君に……刀を刺した。
「っ……かはっ…」
「すまない…みちるとはもう一緒に居れないんだ。」
刺した手も心も、冷たい
「半…兵衛…?」
「っ!!」
熱い…目が……彼女を刺した同じ腹部に痛みと熱さが同時にきた。
「これは……?」
「半兵衛に…命を半分上げた……だから死ぬ時は、…」
“ 一緒 ”
耳元で囁かれた意味もわからず意識が遠退く……
だが、これだけはわかる。
みちるも僕も…一緒に終わると言うこと。
目から涙…
腹部からは血…
口からは最後の言葉を…
“ 愛している ”
意識も何も無く、ゆっくりと倒れる。
みちるの手が僕の頬を撫で唇には…血と、重なるみちるの唇……
その翌朝……(sida Hideyosi)
「半兵衛……」
目の前に眠る友。
半兵衛の握り締めてる一輪の花を束にして…血溜りを吸い込んだ赤い土の上に花を置いた。
その顔は、永遠と幸せそうに眠る。
ー終幕ー
(1人の聡明な軍師は、永遠に捕われたまま)
参照は、気分転換でどうぞ。
- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.147 )
- 日時: 2010/06/09 18:00
- 名前: るりぃ (ID: wp9GSg6Z)
肆 冷たい涙と体温に本当だと実感した
冷え切った手と
紅い色
血にぬれた弐槍に
これは本当だと実感した
『涙色の紅』
「幸村様、幸村様。」
某を愛らしく呼ぶ声に、某は頬を緩めた。
「何でござろうか、みちる殿。」
某がそう答えると、みちる殿は嬉しそうに
「幸村様、私、良い人が出来ましたの。」
…今、何と?
「幸村様?どうかなさいましたか?」
不思議そうに首を傾げる彼女に、某は優しく微笑み、答える。
「いや、少し呆けていただけでござるよ。今、何と?」
信じたくない、嘘だと言ってくれ。
そう思っているのに、口からは、別の言葉が流れ出す。
そんな某に、みちる殿はクスクスと笑い
「もう、きちんと聞いていてくださいな、幸村様。
私、良い人が出来ましたの。
相手は、幸村様の所のさす…お忍様ですわ。
幸村様が私を城に招待してくださらねば、出会えなかっ たでしょうね。
有難うございまする。幸村様。」
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
ソンナハズハナイ。
ソンナノハウソダ。
ミチルドノハ、ソレガシノキヲヒコウトソンナコトヲイッテイル。
ソウニキマッテイル。
「幸村様?どうかなさいましたか?」
不安そうな目で某をみつめてくるみちる殿。
「何でもござらぬ、きにしないで下され、それにしても良かった。幸せになってくだされ。」
そう言って顔に笑顔の仮面を貼り付ける某。
そんな某に向かってみちる殿は嬉しそうに微笑んで
「はいっ!」
と、元気よく返事した。
…そうか、佐助か…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「旦那…なんで…」
驚きに目を見開いている佐助に某は冷たく言い放った。
「聞こえなかったのか?これは命令だ
『みちる殿に会うな、近寄るな、口をきくな』
某の命令が聞けないのか?」
某がそう言うと佐助は渋々頷いた。
「…了解いたしました。『幸村様』」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「最近お忍び様を見かけないんです、幸村様は、ご存知ありませんか?」
不安そうにその瞳を潤ませて某に尋ねるみちる殿。
「某も知らぬな…探してみるでござる。」
某がそう言うと、みちる殿は、パァッと顔を明るくし
「有難うございます!幸村様はおやさしいですね。では、これで…」
と言うと、某に背を向けた。
某はその無防備な背中に二槍を突き刺した。
ザグッ
「か…はっ…」
みちる殿の身体を見る見るうちに染めていく紅。
「ど…して、ゆきむ…さ…ま…」
信じられないと言うように見開かれた目を、某はそっと閉じさせた。
「みちる殿、そなたがいけないのでござるよ?某の思いに気付かず…佐助等に恋慕の情を抱くから…」
某はにやりと笑う。
「この涙色の紅のほうが、みちる殿にはお似合いでござる。」
そう言ってみちる殿の唇に、みちる殿の身体から出る紅を塗りつける。
すると、みちる殿はがばっと起き上がり、某に向かってこういった。
き さ ま に れ ん か の じ ょ う な ど も っ て は い な い
某の思い人は、死に際に、某の魂を持っていった。
ー終幕ー
(紅蓮の鬼はたった一人の女により亡じた)
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