二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】
- 日時: 2010/04/22 22:42
- 名前: 鬼姫 ◆GG1SfzBGbU (ID: vUpeRMxD)
貴方のその背中を目指して走ってきただけなのに
いつの間にか貴方の背中以外のものが私の視界を埋め尽くしていた
綺羅々々した綺麗な沢山のものたちが私の世界の色を変える
私が目指すものは貴方しかいない
そう思っていたはずなのに
あの日私は貴方と道を分かつことになる
それは貴方以外の正義を私の中に見つけたから
私の正義と貴方の正義は違いすぎて今は別々の離れた世界にあるけれど
いつの日か再び貴方と同じ方向を向けるように
同じ場所で他愛なく笑いあえるように
今の私はただひたすらに己の信じる道を進みます
貴方と離れて他のたくさんのものに触れ
人に触れて心を感じ
力を添わせて新しい世界を切り開く
そうすることで貴方の信じる正義というものが見えればいいと思うから
相手を知ることでその人と同じ方を向けるから
分かち合えばまた笑いあえるから
それまで待ってて下さい
私が貴方の横に並べるくらい強くなったら
己に自信が持てるようになったら
今度こそ貴方の袖を捕まえます
- Re: 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】 ( No.14 )
- 日時: 2010/04/23 19:40
- 名前: 鬼姫 ◆GG1SfzBGbU (ID: kG84zh4.)
>>風様
お久しぶりです^^
しばらく来なかった間に時代は変わってますね←
最初に名前を見たときは正直"?"でした(笑
なんとかこれからはちまちまですが更新できそうになりましたので復活です★
時間が空き次第必ずお邪魔させていただきますねww
これからも宜しくお願いします!
>>天蘭様
はじめまして!
同じBLEACH小説仲間ですかっお会いできて光栄ですww
自分の文才なんて底が知れてますよ(苦笑
自分も市丸が好きなので市丸とナイス相性の子を作ろうと頑張ってます^^
応援ありがとうございます★
時間が空き次第こちらもお邪魔させていただきますねb
- Re: 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】 ( No.15 )
- 日時: 2010/04/23 20:25
- 名前: 鬼姫 ◆GG1SfzBGbU (ID: kG84zh4.)
【第八話】橙色と闇色と
黒崎一護はルキアを助けるために上空を走りながら双極へと急いでいた
自分のために犠牲になる人間など二度と見たくないと唇を噛みしめながら
僅かな時間と戦いながらとにかく急ぐ
そんな一護に突如今まで感じたこともない霊圧が襲いかかる
特に鬼道などの攻撃を仕掛けられたわけでもなく
得体の知れない斬魄刀の能力に当てられたわけでもない
ただ今まで向かい合ってきたどの死神よりも
濃く、重く、暗く、激しい霊圧は限界状態の一護の体に相当のダメージを与えた
「なっ!?誰だよこんな時に…クソッ邪魔されてたまるか」
全身を軋ませる霊圧から逃れようと意識を研ぎ澄ます
霊圧の出所は、自分のほぼ真下
何か嫌な予感がした
「破道の三十三———蒼火墜」
地上から聞こえたのはまだ幼い少女の声
それに戸惑う間もなく一瞬乱れた神経は攻撃を避けることはできなかった
無様にも直撃を受けて地上へと落下する
硬い地面に叩きつけられてうめき声を上げながら起き上がると
瞳に映ったのは壁の上に立つ一人の死神
幼い少女の姿をした死神の瞳は冷たく一護を見据えていた
「誰だよ…テメェ」
苛立ったような口調で言葉を投げつける一護
それにも答えないつもりで、少女———黒猫は一護を見下ろしたまま口を開く
「橙色の髪…身の丈ほどもある斬魄刀———お前が黒崎一護……死神もどきの人間か」
その声音は普段のあどけなさなど欠片もない冷え切ったそれで
苛立ちに熱くなっていた一護の頭もだんだんと冷えていく
今まで何人かの死神と渡り合ってきたが
ここまでの濃厚な、隠す気もない憎悪をぶつけられるのは初めてだった
憎悪は殺意の一歩手前
目の前の少女の心は殺意に塗りつぶされる寸前で思い留まっているようだった
「ここまでご苦労さんやったねぇ、少年」
視線を交差させたまま動けずにいる一護と黒猫の間に割って入る呑気な声があった
その声に一護はピクリと反応する
それは以前聞いたことのある声
折角開けた門を閉ざして瀞霊廷への侵入を阻んだ男の声
「テメェ、あの時の」
黒猫の背後に姿を現した長身の男———市丸を見て一護は今にも噛みつきそうな勢いで言葉を絞り出す
市丸に向けられる憎悪の視線に黒猫は冷たい表情を苛立ちへと変え、一歩足を踏み出そうとする
それを黒猫の肩を掴んで止めながら、市丸は笑顔で一護へ言葉を返した
「ほぉ、ボクのことなんか覚えとったんやね…嬉しいわぁ」
その緊張感の欠片もない言葉に一護の苛立ちは深まる
ついでのつられて黒猫の苛立ちまで膨らんでいた
両者の眉間皺が深くなる
「ふざけるな…どういうつもりだ」
一刻も早くルキアの元へ辿りつきたい一護は殆ど本気で怒鳴っているような声で市丸を問いつめる
早く片付けてしまおうかと刀に手をかけると黒猫の瞳が光った
「黒っ!———はぁ、ボクの指示なしで動いたらあかんで」
一護が己の刀を掴むよりも早く
黒猫は市丸の傍を離れると、制止も聞かずに一護へと一直線に突進する
かろうじて黒猫が動いたことまでを認識できた一護は自分の目と鼻の先の光景に驚く
黒猫は一護に飛びかかる寸前で追いついた市丸に後ろから襟首を掴まれていたのだ
丁度一護の首筋に黒猫の犬歯が届く寸前
後一瞬遅かったら一護の首は黒猫の歯の餌食になっていた
宙に浮くような体勢で市丸に掴まれている黒猫はそこで漸く大人しくなり、微動だにしない
それを確認してから市丸は黒猫を元居た場所に連れ戻して改めて一護と向かい合う
「もう少し、あと少しで全てが終わるんや…それまで大人しゅう黒と遊んでまっとってな」
笑顔でさらりとそんなことを言って手をひらりと振る市丸
その態度に一護は懲りることなく苛立った
「だから、テメェふざけんなよ!誰が待ってられるかっ———俺は先へ行く」
一護は市丸の言葉を無視して先へと歩み出そうとする
それを予測していたかのような余裕さで市丸は黒猫へ声をかける
「黒…遊んでえぇのはここだけやで?こっからあの子を逃がすのはあかん、殺すのもあかん」
黙ったままの黒猫に市丸は首を傾げる
「黒?…返事は」
ゆっくりと市丸を見上げた黒猫ははっきりとした口調で返事を返した
「はい、わかりました。ギン隊長」
次の瞬間
一護の目の前に小柄な少女が立っていて
瞬きする間もなく
その少女の手に握られた刀は一護の首筋へ向かっていて
息をつく間もなく
一護は元居た場所へと連れ戻されていた
そこに市丸の姿は影もなかった
そこにいるのは
焦りで冷静さを失っている一護と
瀞霊廷内で初めて刀を抜いた憎悪に瞳を輝かせた黒猫だけ
市丸の命のお陰で
黒猫の心は殺意に染まらずにいた
- Re: 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】 ( No.16 )
- 日時: 2010/04/24 18:56
- 名前: 鬼姫 ◆GG1SfzBGbU (ID: U.0LA5in)
【第九話】子猫は獅子を従える
早くルキアの元へ行かなければならないのに
それを拒む目の前の少女が一護は恨めしかった
黒猫の真意など知るよしもない一護がそう感じるのは仕方のないことで
一護を理解することができない黒猫の現在の行動もまた仕方のないことだった
一護は先程と同じように地面へと叩きつけられた後同じように起き上がる
さっきと違うのは既に刀を抜いているということと
黒猫を睨みつける瞳に確かな闘志が浮かんでいることだ
コイツを倒さなければ先へは行けない
そう理解した一護は手に入れたばかりの卍解を使う気ですらいた
対する黒猫も先程と同じように壁の上に立っていて一護を冷たく見下ろしていた
既に抜いてある刀はどう見ても脇差で
大きさも形状も市丸と似通った所がある
しかし、体の大きさの問題で黒猫が持つその刀は中刀程のものに見えてしまう
それを持った手をダラリと足の横につけながら一護を無言で見下ろし続ける
先に口を開いたのは一護のほうだった
「で、何もんだ…テメェ」
表情に一切の変化を見せぬまま黒猫は静かに口を開く
「俺の名は市丸黒猫…三番隊の三席だ」
三席という現在の地位は市丸に貰ったもので
表上はそれを明かしていないため本来ならば口にしてはいけない
だが市丸に敵にだけは告げていいと言われていた
席次の分かる敵ならばそれで少しは怖気づくだろうから
しかし実際、一護はすでに三席では斑目を
副隊長では阿散井を、隊長では更木を既に倒している
今更に三席ごときを名乗られて気が引けるわけがなかった
それでも、見た目は幼い少女があの斑目と同位という事実には内心驚いていた
どうやら軽く見てはいけないらしいと己を律する
警戒の色を濃くした瞳で改めて黒猫を見上げた時
一護は己の目を疑った
黒猫の背後に青白い靄が集まり始めている
それは次第に黒猫を覆い、形をなしていく
まるで彼女を守るかのように囲むその靄は獣の形をしていた
蛇が髑髏を巻くように黒猫を中心にして白い獣が控えている
それはよく見ると純白にしては青味がかっており
青色というにははっきりしないほど淡い色合いだった
雪というよりは冷たい大理石のような
霊圧以前にそれ自体が堂々とした威圧感を放つ獅子
小柄な黒猫がさらに子供のように見えてしまう
「な、何だよ…後ろのそれ」
気を抜けば地面へ倒されそうなその威圧感に顔をひきつらせながら一護は問いかける
その疑問に愚かな者でも見るような顔をして黒猫は首を傾げる
力なく降ろしていた刀を一護によく見えるように己の前に掲げて口を開いた
「普通の死神なら、自分の刀くらい具象化できるであろう」
否、黒猫のその言葉は間違っている
刀をそれ以外の形に具象化できるようになるには対話ができる以上のレベルにまで同調しなければらない
または卍解ができるほどに服従させて取り込まなければ具象化は困難だ
それを刀の名を呼ぶことなく自然に行えるということは、黒猫とその刀の同調性が非常に高いことを示していた
刀が黒猫に取り込まれているのか
黒猫が刀に取り込まれているのか
確かなことは分からないが両者はほぼ同一の存在になっていた
乱菊や狛村が見たら心底驚くような
冷たく豪儀な黒猫の態度
それは一護にすらいまや威圧感を与えていた
「———卍解『天鎖斬月』」
黒猫の言葉に反応を返すよりも先に一護は己の刀を解放した
形状の変化した死覇装を身に纏った一護の周りを漆黒の風が覆い爆風を上げる
それは始解どころでなく卍解
奥の手として残しておく余裕さえ今の一護にはなかった
青白い獅子を従える黒猫の存在に相当な脅威を感じている
「なんだ…もう卍解か」
卍解でさっきの倍以上の霊圧になった一護を見下ろして
その小さな体を弾き飛ばしそうなほどの爆風を受けてなお黒猫の表情は動かない
背後の獅子に体を預けて体勢を保ちながら漸く風が止まった頃を見計らって己の足で立つ
掲げた刀を真っ直ぐに見据えて薄く唇を開いた
「妖獅子」
小さく呟かれた言葉は彼女の斬魄刀の名前
呼ばれた獅子は黒猫の背後から消えて靄へと戻り刀に収まる
黒猫は青白く輝く脇差を再びダラリと降ろした
「一振り」
降ろした次の瞬間にその刀は既に上へ振り上げられていて
斬られるかと一瞬身構えた一護の体には何も起こらず
そんな間抜けな反応を示した一護に反応することはく黒猫は刀を振り下ろした
「二振り」
怪訝な顔をする一護など気にせず黒猫は刀を振り上げる
「三振り」
もう一度振り下ろされた黒猫の刀は背後へ爆風を浴びせた
その光景を見て一護はさらなる違和感を覚える
さっきまで短かった黒猫の刀は
現在一護の卍解をした斬月と同じくらいの長さになっているように見えた
「四振り…こんなものか」
小さく呟いて刀をぶらぶらと振る
漸く一護へと視線を戻した黒猫が呟いた「こんなもの」という言葉
しかし、視線が交差した瞬間一護は思わず崩れ落ちそうになる
最初会ったときは始解すらしていない自分と同レベルの霊圧だと思って油断した
卍解した後はその霊圧の差に余裕を覚えた
そして今、何でもないような表情で顔を上げた黒猫の霊圧は一護とほぼ同格にまで増幅していた
卍解時でなければ耐えられなかったかもしれないと本気で感じた
異常なまでの霊圧の上昇
一護の場合は抑えていたものを解放しただけ
しかし黒猫のものは明らかに異質だった
無から有を生み出したかのように最初は明らかになかったものが増えている
周りの霊圧を奪ったわけでも
一護のそれを奪ったわけでもない
訳の分からない相手には恐怖するしかなかった
つまらなそうな雰囲気のまま動かない黒猫に痺れを切らして一護は口を開く
「俺は早くアイツのとこに行かなきゃならねぇんだよ…そっちから来ないならさっさと行くぜ」
一方的な宣戦布告
刀を構える一護に黒猫は鈍く光る瞳を向けた
「ルキア姉様の元へは行かせぬ」
はっきりとした決意の滲む声
その声で紡がれた人物の意外さに一護は一瞬乱れる
それにも気づいていないのか、構わないのか
一護より先に戦闘態勢に入ったのは黒猫の方だった
明らかに長くなった刀を力なく持ったまま静かに呟く
「咬み千切れ『獣帝妖獅子』」
- Re: 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】 ( No.17 )
- 日時: 2010/04/26 15:31
- 名前: 風 (ID: SLr1s4QH)
- 参照:
時代は変わりましたねぇ…このサイトの時代も変わりました(苦笑
君が居ない間に此処に来ている子達も変わったし…模様替えもありましたしねvv
詰りギンの命令は半殺しって事ですね…手加減の利かない猫ちゃんには難しい注文では(苦笑
- Re: 【BLEACH】黒猫綺譚——onigoto——【再始動】 ( No.18 )
- 日時: 2010/04/26 21:40
- 名前: 鬼姫 ◆GG1SfzBGbU (ID: q9MLk5x4)
>>風様
市丸にしてみれば手加減ができるように成長させるためのものですかね(笑
案外とどめを刺しちゃっても怒らなかったりするかもしれません←
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