二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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テニスの王子様 BLは多分含んでないと思うw
日時: 2011/01/01 18:45
名前: 心綺 (ID: J7cEmcFH)

あけでとうおめまして
誕生日越前・千歳企画予定(1/1)

目次↓

第01話「吸血鬼」 仁王雅治  >>1->>2
第02話「片思い」 千歳千里  >>3->>6
第03話「修羅場」 白石蔵ノ介 >>7->>8
第04話「小白石」 白石蔵ノ介 >>9
第05話「忘れ物」 白石蔵ノ介 >>10
第06話「お電話」 千歳千里  >>11
第07話「俺のー」 立海大附属 >>12
第08話「財前光」 財前光   >>13->>14
第09話「黙ろう」 財前光   >>15
第10話「自転車」 白石蔵ノ介 >>16
第11話「保健室」 柳蓮二   >>17
第12話「黒い猫」 白石蔵ノ介 >>18
第13話「ボコる」 財前光   >>19-24,>>27-28
第14話「変☆態」 蔵×光+謙 >>31
第15話「赤い飴」 謙×光   >>32
第16話「ひかる」 謙×光   >>33
第17話「思春期」 謙×光   >>34

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Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.15 )
日時: 2010/11/06 14:03
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

財前好きだゎ。ツンデレふぅ〜↑↑



いつもの駅。

歩き疲れた重い足を引きずって電車に乗り込む。

あまり乗っていない車両に移ると、腰かけに座ってイヤホンをねじ込む。

お気に入りの曲に変えて向かい側の窓の景色を眺める。

今日は疲れた。

大きく息を吐いて、俺は窓から視線をそらした。

ガタンゴトン、と音を立てながら電車は走っていく。

揺れながらなぞる


今日のコト






○ハイテンションなヤツ○






「財前くんっていつも音楽きいてるね!」

「……」

休み時間。

早速女子が話しかけてきた。

「どんな曲?」

「……」

黙っていると女子は短く声を漏らして「言いたくなきゃ、いいけど…」といった。

けど、女子は俺の前からどかない。

「財前くんって頭いいよね!」

「……」

「わたしもがんばってるんだけど、うまくいかなくてさー…あ、今度教えて!」

いやだ。

そう思って視線を女子から手元に移す。

早くどっかいってほしい。

そう思っても女子はどかなかった。

「財前くんってすごいなぁ」

どこが?

「なんか、しっかりしてるし…ガンバリ屋さんだし」

何言ってんの。

そんな言葉が俺の頭の中に浮かんだ。

「わたし飽きっぽいからどれもすぐにおわっちゃうんだよねぇ…」

あっそ。

ってか早くどっかいけって。

それでも動かない女子に呆れて、自分から動くことにした。

がた、と音を上げて立ち上がるとポケットに手を突っ込んで教室をでる。

けれど、

「財前くんは人といっしょにいるところ見たことない!どうして?」

その女子は俺に付きまとってくる。

ほかの女子と仲良くすればいいのに。

なんで俺に…。

ひっつき虫みたいに俺の後をおってくる女子。

「財前くん、顔色悪いよ?昨日ちゃんと寝た?」

俺の顔を覗き込んでくる。

いい加減にしてほしいんだけど。

俺は階段を下りた。

「ね、どこ行くの?」

女子もおりてくる。

俺は学校の裏に回ると、穴のあいたフェンスをくぐった。

「わあ!こんなところに隠れ道!」

女子もくぐってきた。

そのまますたすたと草木が生い茂る道を進む。

モチロン女子も。

「まって〜!」

女子の声が後ろから聞こえた。

振り向けば、草に絡まっている。

俺は助けるわけもなく、視線を前に戻す。

と、女子が叫んだ。

「ひやあああ!蛇ぃい!!」

はあ、とため息を吐いて、女子の元にいく。

落ちていた木の枝を拾ってそれで蛇を掬いあげ、枝ごと遠くに投げた。

女子の腕に絡まった草を引きちぎって女子を助けてやる。

「ふう、ありがとう財前くん」

「……」

太陽みたいな笑顔を俺に向けて女子はお礼を言った。

ドウイタシマシテ。

目で語って俺はまた歩き始めた。

「財前くん、五時間目はじまっちゃうよ」

「……」

サボるために歩いてんですけど。

足を止めない俺に女子はまた走って俺のすぐ後ろにやってきた。

「サボるの?」

そうですけど。

「じゃ、わたしもサボろ」

は?

なんなんだよこの女子。

俺にばっかひっついてきやがって…!

他にもいるだろ謙也さんとかモテモテの人!

「どこにいくの?」

俺の隣に女子はやってきた。

その問いかけを俺は無視をする。

でも女子は黙らない。

「財前くん、さっきからずっと喋ってない…」

アンタのせいです。

「もしかして…」

俺の声が聞こえたのか、女子が顔を真っ青にした。

よし、これで女子は帰ってくれる。

そう思ったが俺の考えは甘かった。

「声でなくなっちゃったの!?」

はあ!?

そこはフツー「わたしといるのヤで喋りたくないんですか」的な感じでしょ!

「だいじょぶですか!?お薬とかは?先生に言ったの?親は?」

女子は勝手に妄想をはじめていく。

ヒートアップしていく女子の妄想にヒく。

「い、いそいで病院行こ!」

が、と掴まれた腕。

気づけば女子に引っ張られていた。

おいおいおい、勝手に妄想して勝手に行くな!

女子の手を振りほどくと女子は不思議そうな顔をして俺をみた。

「どうしたの?」

俺はそんな女子に溜息を吐いて今日初めて声を出した。

「喋りたくないの。アンタと」

こう言ってやれば女子は大体俺のことを嫌ってくれる。

でもこの女子は違った。

「あ、そうなの?じゃ、わたし喋らないようにする」

そしてニコニコしながら俺のそばから……離れない。

おいおい、そこは「じゃ、ばいばい」的な感じになるやろ!

本気で喋らない女子。

「…そうやない…そうやなくて」

ああ、もう!

髪を掻きむしって女子の手を引く。

もうこいつには常識が通じない。

「もう、しゃべってええで」

そういうと女子はまた太陽みたいな笑顔をして「わかった」といった。

「財前くん、どこにくの?」

「俺の秘密の場所。誰にも言うなよ」

「うん!やっと財前くんのことわかった」

「……」

「少しだけだけどね!」

そんな女子の言葉に舌打ちを打つ。




俺のことなんか知らないくせに



Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.16 )
日時: 2010/11/08 16:56
名前: 心綺 ◆GquI2y1Q72 (ID: tUnkNpYv)
参照: んん〜っ絶頂(エクスタシー)!

ん〜。なんの話がいいかな…。
ほんじゃ、白石の話ww
財前って白石のコトなんて呼んでるか知らんから
とりま『さん』付けで、


「か、かっこいい〜!」

自転車を押して音楽を聞いてるひとりの男子生徒。

彼の名前は知らない。

何年生なのかも知らない。

バス停までの道の途中にある男子校。

毎日毎日通るたんび、彼に出くわす。







○自転車王子○







いつ見てもかっこいい〜!

そう思いながら、校門の柱に隠れて見ていると、急に肩を叩かれた。

「ぎゃっ」

慌てて振り返るとそこにはチャラい男子生徒。

この学校の制服だ。

「あ、となりの中学校の子や。ここでなにしてるん?」

ぐいぐいと距離を縮めてくる男子生徒。

「え、いやあ…ちょっとここらへんにハンカチがぁ…」

苦しい言いわけ。

すぐそばにあった木を見上げて笑ってみる。

「そうなん?じゃ、俺も探すわ」

あれ?以外にやさしい。

チャラい男子生徒はカバンを下ろすと、しゃがみこんだ。

植物で生い茂っている中に手を突っ込んで、よごれることを気にせずに探す男子生徒。

なんか申し訳なくなってきた。

「あの…」

「どんなハンカチなん?」

ニッ、と笑った男子生徒。

「その〜…」

と、答えに困っていると向こう側の方から声が聞こえた。

ガシャン、なんてフェンスにぶつかる音も。

目を向けると、わたしのアイドル自転車王子がなにやら男三人に囲まれてた。

と、それを見たチャラい男子生徒が立ち上がった。

「あ、また白石さんつかまってる。」

白石さん?

男子生徒は制服についた土を払うと、カバンを拾い上げた。

「最近つかまるなぁ」

「た、助けに行かないんですか?」

そう聞くと、彼は首を振った。

なぜ?

わたしは自転車王子見た。

ああ!自転車蹴られた!

自転車は横に倒れた。

白石さんは「あー」なんて能天気な声を出して自転車を拾おうとしていた。

ああ!胸倉つかまれた!

がしい!なんて勢いで胸倉を掴まれた白石さん。

ポケットから携帯がおちた。

「ちょ、ほんとに助けに行かないんですか!」

ふるふる。

男子生徒は首をふる。

あ!

とうとう、自転車王子が殴られた。

わたしはカバンを隣に立っていた男子生徒に押し付けて、駈け出した。

白石さんをまた殴ろうとした男子生徒の腕をつかむと思い切り引っ張っる。

くらえ!

「うおりゃああ!」

背負い投げをお見舞いしてやった。

「ぐえっ」

変なうめき声をあげてヤツは動きを止める。(ちゃんと加減してやった)

他の二人はわたしを指差して何モンだ!って言ってきた。

あ、なんかドラマみたい!

わたしは自転車王子をかばうように立ってファイティングポーズをして言ってやった。

「隣の女子生徒じゃ!」

そう言って左側にいた男子生徒の頬にビンタをくらわす。

ベシーン!と痛そうな音が聞こえた。(けっこういい音だったよ)

お、おぼえてろ〜!となにもされてない男子生徒が二人の仲間を引きずって校舎に戻って行った。

ふう、なんかかっこいいよわたし!

なんて腰に手を当ててうんうん、と頷いていると後ろから声が聞こえた。

「……さんきゅーな」

振り返ると自転車王子が笑った。

わあ、きれい〜!

自転車王子は立ち上がると倒れた自転車を持ち上げた。

わあ、背ぇ高い…

彼は目をこするとわたしを見下ろした。

「……」

「?」

じーっと見つめてくる自転車王子。

と、

「白石ぃ〜!」

自転車王子の後ろから気の抜けた声が聞こえてきた。

「俺、テスト90点越えたばい!」

そう言って飛び込んできたのは自転車王子よりもさらに背の高い男子生徒。

「ちょ、千歳さん!そこは空気読んでください!」

なんて言いながらさっきのチャラい男子生徒が千歳さんと呼ばれた生徒を引っ張って校舎の方に戻って行った。

「わ、財前〜?」

そんな声がだんだんと遠くなっていく。

わたしの足元には自分のカバン。

きっとさっきの人が置いて行ってくれたんだ。

と、自転車王子が顔を覗き込んできた。

「さんきゅー」

そんな低い声でわたしの耳元でつぶやいた。

ぎえええ!やっばい〜〜〜!

「ど、ドウイタシマシテ…」

「ふふふ。」

自転車王子は笑うとわたしの頭をなでた。

「俺、蔵ノ介」

「へ?」

そう言って彼は落ちた携帯を拾い上げた。

すると、携帯をいじりだした。

「…きみの携帯かしてくれへん?」

「え、あ、はい…」

慌てて制服のポケットから携帯を取り出すと、それを彼に渡した。

彼はそれを受け取ると、なにやら真剣に文字を打っている。

そしてしばらくたってから携帯が戻ってきた。

「ほんじゃな」

「え、」

彼はそう言って笑うと、自転車に乗っていってしまった。







その日の夜だった。

わたしの携帯に見知らぬアドレスからメールが来た。

だれだろう…。

そう思って携帯を開くと、そこには≪こんにちは≫の文字。

「……誰?」

携帯のボタンを押しながらつぶやいた。

≪だれですか≫

するとすぐにまた返事が返ってきた。

≪蔵ノ介です≫

「え!」

自転車王子からメールきた!

≪こ、こんにちは!≫

またまたすぐに返事が返ってくる。

≪こんにちは≫

「え?」

挨拶が返ってきた。

と、またメールが届いた。

≪明日、朝7:30くらいに由梨ちゃんの家のまえにいるな≫

「ど、どうしてわたしの名前…」

ハテナを浮かべていると、電話がかかってきた。

非通知。

通話ボタンを押して携帯を耳にあてるとあの王子の声が聞こえてきた。

<俺、蔵ノ介です。すっごい前から言いたかったことあったから言ってええか?>

「はい…どぞ」

なぜメアドと番号知ってるのか聞くの忘れたけど、次の言葉を聞いてどうでもよくなってしまった。













<好きなんやけど>

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.17 )
日時: 2010/11/10 18:50
名前: 心綺 ◆GquI2y1Q72 (ID: tUnkNpYv)
参照: んん〜っ絶頂(エクスタシー)!

柳〜><教授〜><参謀〜><











「…柳くん?」


放課後、一番ケガする時間帯。

保健室で、委員会の当番をしていたら、同じクラスである柳くんが、右足を引きずってやってきた。

柳くんは保健室の扉を閉めると、口を開いた。


「すまないが、手当をしてほしい」

「う、うん。ここに座って」


自分が座っていたパイプ椅子に彼を座らせ、足を置く台を取ってくる。

その上に彼の右足を乗せた。


「あ、靴下脱いで貰っていいかな」

「ああ、」


柳くんはなめらかな手つきでくるぶしソックスを脱いだ。

うわ、細いな。

思っていたより、細い足首に驚く。

…あ、きっとここだ。

ひねったのだろうか。

彼の右足首は若干腫れあがっており、白い肌にアザが見える。


「…部活でひねっちゃったの?」

「ああ、不注意でな」

「そっか。」


湿布を取り出し、それをすこし小さめに切る。

それを右足首に貼ってから、その上に包帯を巻いた。


「はい、もうこれで大丈夫」


そう言って彼を見上げると、


「ありがとう」


とても綺麗な笑顔をくれた。

思わず、ドキッとしてしまうその笑顔に慌てて立ち上がって、患者名簿を記入し始める。


「3年F組、柳…蓮二……っと、」


彼は靴下をはき、上履きを履いた。


「あ、まって」

「?」


名簿を置いて、彼の足もとにしゃがんだ。

そして、湿布を貼ったところを撫でて彼に言う。


「今日はあまり無茶しないでね。あ、あと、今日は5時くらいに雨が降るようだから早めに切り上げたほうがいいかも。」


空いていた保健室の窓から湿った空気が流れ込んできた。

これは雨が降る証拠。


「それから、」


すっと立ち上がって彼の左手を取った。


「ケガは隠さないこと。」

「…気付いていたのか?」

「まあね。さ、そこに座りなおして」

「…」


彼はどうやらなんでも隠す癖があるようだ。

ちなみに、左手の人差し指のつき指のほかに、右足のひざにかすり傷。

結構ケガする子には見えないのだが、意外だ。


「軽いつき指ね。じゃあ、これで冷やして。」

「すまない、」

「いいよ。お仕事だから。」


彼に氷袋をわたし、今度は消毒液を用意。

そして、右足のひざのかすり傷に吹き付けた。


「これくらいなら三日後には治るかな。あ、左手のつき指は一週間くらいで治る」

「……」

「あ、左手かして」


うわー、こっちも細い。

細くて長い指にテーピングを巻き付けていく。


「はい、今度こそ終了」

「ああ、」


柳くんはそう言って立ち上がる。


「ケガとかは隠さないでね。いつでも手当してあげる」

「そうか、ならこれからずっと頼むとしよう」

「え、?…うん。ずっと……?」

「ふふ、ずっとだ」


彼は笑って頭を撫でてきた。


「では、そろそろ行くとしよう。」

「う、うん。気をつけて」

「ああ、」


そう言って彼は歩き出す。

が、何かを思いだしたのか足を止めて振り返った。


「五時に昇降口で待っていて欲しい。」

「え?」

「傘、忘れたのでな」


は、はあ。

わたしはコクリ、と頷いた。

「いい子だ」と、やわらかな声を残して行ってしまった。







五時に昇降口で待っていると柳くんがやってきた。

どこか緊張気味だったので、疑問に思っていたがその答えは五分後に知ることとなる。







"好きなのだが、"

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.18 )
日時: 2010/11/22 22:07
名前: 牙暁 ◆JFdpfyMRiA (ID: J7cEmcFH)
参照: んん〜っ絶頂(エクスタシー)!

名前変えたよ。

〜黒猫〜



「…あ」


放課後の帰り道。

いつもの長い長い坂を上っている途中、一匹の黒猫が目の前に現れた。

首輪をつけてないところからきっと野良猫だ。

ゆらゆらと揺れるカギ尻尾を水平に威風堂々と目の前を横切る。


「どこ行くのかな…」


家と家の塀の間へ姿を消していった猫を追いかけてわたしはその間へ入る。

ギリギリ入れるのだが…


「うんしょっと…」


しばらく歩くと広い道に出た。

と、黒猫がまた家と家の間に入って行った。

わたしもついていく。

なんだか猫になった気分だ。


「猫ちゃーん。どこいくのー?」


黒猫は一度も振り返らずにどんどん足を進めていく。

次第に歩いている道も草まみれになってくる。

いま気がついたのだが、空はもう真っ暗だ。

すると、


「あ」


また広い場所に出た。

いままでこんな丘の上にいったことがなかったわたしにしてみればここは異世界みたいなもんだ。

黒猫を探しながら辺りを見渡していると、街を一望できる場所に出た。

そこにひとつのベンチが置かれており、そこにひとつの影。


「…」


黒猫はベンチのほうへ行き、その人影の足にすり寄ってる。

真っ暗で見えないが…多分男の子。

すると、


「…なんや猫さんのあとを追って来たん?」

「……あ」


やっと見えた男の子。

銀色の髪を揺らして、猫を膝の上に置いて撫でるその左手は包帯に巻かれていた。

彼の顔はわたしの通う中学校でも有名だ。

美人でクールで優しい。

と、わたしの友人は言う。


「……白石くん」

「ん?同じ中学校の子なんか……って由梨さん?」


意外だ。

わたしの名前知ってるんだ。

白石くんは驚いた顔をして、そっとほほ笑む。


「暇やね、猫さん追いかけるなんて」

「…」


まあ、否定はしないよ。

もう進学先決まったし。

白石くんは黒猫をなでながらこっちを見る。


「ちょっとお話せーへん?」

「…うん」


彼の座るベンチに歩み寄って彼から距離を置いて腰を下ろした。

ニャーと猫が鳴き、わたしと白石くんの間にあるスペースに猫は伏せた。


「猫好きなの?」


野良猫に触れるなんてすごい。

白石くんはクスッと笑って「せやね」と答えた。


「オレ、猫飼っててな。エクスタちゃんってゆうんや」

「エ…エクスタちゃん……?」


なんか…不思議な名前だなー…


「せや。めちゃめちゃかわいいんや。今度見してやる」


………。

友人の言っていた美人っていうのは一理あるかも。

笑顔綺麗だ。

ここから見る横顔はそれなりにドキドキする。


「うん。楽しみにしてる」

「おう」


白石くんは隣にいる黒猫の顎を撫で始めた。

絵になるなぁ、

じーっと眺めていると白石くんがこちらを向いた。


「なんや?」

「え?ううん…綺麗な顔してるなぁ、と思っ…」


やば、つい本音が…!

慌てて口を押さえると白石くんが小首をかしげる。


「オレの顔が?」


まあ言ってしまったものは仕方ない。

わたしはコクリと頷いた。

すると白石くんは困ったように笑った。


「オレの顔なんか 褒めてくれてありがとさん」


その困り顔も綺麗だ。


「みんなそう言ってくれるんやけど…オレ全然やで?」

「…ああ、」


無自覚なのか。

まったく罪な男だ。

わたしは顔の話から世間話に変えた。


「そういえば、全国大会は残念だったね」

「そうやなー…でもええ思い出になったで」

「そっか」


白石くんの視線は空に浮かぶ月に向けられていた。


「……思たんやけどええ?」

「うん、どうぞ」

「こんなに話すんは初めてやな」

「…そうだね」


と、いうか初めて喋った気がする。

だって白石くんって有名人だから。

近寄りがたい、って感じ。


「なあ、…聞きたいことあんねんけど、……」

「?」


白石くんは手を左手の包帯をいじりながら言いにくそうにしている。

わたしは猫をなでながら、白石くんの言葉を待つ。


「……あんな」

「うん、」

「…好きなヤツおるんか?」

「…え?」

「ああ、べつに答えたくなかったらええねん。ちょっと、思っただけやから…」


好きな人。

いるにはいる。


「…いる…かな、」

「……やっぱりかー…」

「?」


白石くんはため息交じりにそう言ってベンチの背もたれにもたれかかる。

心なしか残念そうに見える。


「…自分めっちゃかわええもんな」

「え?わたしなんか全然……」

「ふふ、無自覚か」

「……」


謙也が似たもの同士って言ってた意味がわかった気がするわ。

と白石くんは笑いながら言う。

表情豊かな人。

ふと思った。


「由梨さん」


低くて綺麗な声がわたしの耳に入る。

白石くんは猫をなでるわたしの手を見つめてる。


「…もしよかったら、なんやけど」


付き合うてくれへん?


耳を疑った。

そりゃ疑うよ。

四天宝寺の超有名なイケメンボーイ白石蔵ノ介くんに告白されたなんて。


「…え?」


夢だろ。

わたしは彼に気づかないように自分の太腿をつねる。

あ、イタイ…


「オレな、前から好きやったんや」


ずっとずっと。

謙也にも相談のってもろたし。


なにそれなにそれ。


「…ま、」

「…」

「由梨さんにはもう好きな人がおったみたいやし…フラれてしもたな」


あはは、と苦笑を浮かべた白石くん。


「残念や」


そう言って白石くんは立ち上がると、背伸びをした。

ベンチにかけていたカバンを背負ってわたしを見下ろした。


「今日はありがとさん。猫さんも」


猫さんのおかげで話せたようなもんやし。

そう言ってあの綺麗な笑顔を浮かべてわたしに背を向け、歩き出した。

Re: テニスの王子様 BLは多分含んでないと思うw ( No.19 )
日時: 2010/11/26 18:49
名前: 財前光 ◆JFdpfyMRiA (ID: J7cEmcFH)
参照: まぁ、しゃーないっすわ///

ヒャッヒャッヒャ(((
サーセン。赤也になりますた。
2年フィーバー到来ッ☆
まぁでも名前は財前光。
財前も2年だからね。
さぁ、腐女子の世界へ。
二次BL とかないかn(ry
さぁ、軽く15禁&18禁が含まれるぜ。多分。

財前財前♪多分財前の話♪
リンチ⇒部活⇒あぁぁぁぁ… 的なw
コラそこ。小説の書き方が上手だったり下手だったりなんて言わない!財前視点





いっつもいっつも同じ毎日。
楽しいコトなんてあらへん。
朝起きて学校行って授業受けて部活やって帰る。
いつもこんな毎日。

そんな毎日が、変わる日なんてあるんやろか、

——事件の10分前—

丁度部活前最後の授業が終わったころ、窓には
綺麗な水色から、暗い灰色に変わっていた。
こういう日に限って嫌なコトあるんやな。


ん、早よ部活行かな。
にしてもやっぱ嫌な予感するんやけど…



………ん??

なんか後ろからめっさ痛い視線感じるんやけど。

バッと後ろを見ると見るからに悪そうなヤツ等が
俺をじろじろ見ていた。


……なんやねんコイツラ。



結構続くかもwwww
一応ここまで。


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