二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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銀魂 * 我が愛しのロクデナシ
日時: 2011/04/04 17:39
名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)

初めて投稿させていただきます。燕と申す者です。
銀魂で二次小説投下します。
主人公の設定は下記をどうぞ。オリキャラは増えていくかもしれません。

※軽い流血表現、かるーい恋愛含むかもしれません。
※登場人物(特に攘夷ズ)の過去などは捏造過多でございます。



棗(ナツメ)
女性/165・48/18歳
鬼兵隊の一員で、高杉のお気に入り。
紅一点のまた子とは違って、鬼兵隊の闇として名を馳せている。通称“黒い引き金”。



壱、嘘をかぶりて斜に歌舞く >>41

弐、crocodile's tears >>42

 銀魂×つっこ/イメソン紹介と見せかけた妄想 >>26

参、古語をしましょ >>43
 
 銀魂×バクホン/イメソンと高杉の話 >>52

肆、鬼が笑う夜も泡沫の如く >>56

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Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.2 )
日時: 2011/02/26 11:42
名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)





 鬼の子に明日を





 この日の為に幕府の上の奴とも盃を交え、無様に馴れ合って、プライドさえ捨てた今日、今こそがわたしの晴れ舞台だ。
 
 一番隊隊長、沖田総悟。奴の下につけたとは幸運。とっつぁんもあのゴリラも、わたしを信用しすぎではないか。何だか上手く行き過ぎて拍子抜けだが、気を抜くな、棗。恐ろしいのは副長の土方、そして沖田。舐めてかかってはならない。


「・・・・・というわけで真選組に新しい仲間が加わりまーす!はい、棗ちゃーん!」
 わあ、と男共の歓声が上がる。
 舐めているのはこやつ等のほうか。これしきで祝宴。まさに馬鹿の集まり。こんな奴らに世の中を任せなければいけない人々を哀れに思う。
「しかし近藤さん、こんなお嬢さんが真選組の一番隊ってのは、ちょっと心配でさァ。隊長の俺がしっかりしなきゃってことだろィ?」
 はーん・・・上等だコラ、と口にしそうになったところを必死で抑える。これが普通の考え方だ。
「こんな女が真選組って時点で可笑しいんじゃねーのか?危険だと思わねぇか、近藤さん」
 鬼の副長、土方。御尤もだ。だけどいつまでもそんな軽口叩いてると斬るぞ貴様。
「まあまあお前ら落ち着け。上の連中のご命令だ。それに棗ちゃんは信用できるようだぞ」
「はぁー・・・、あんたがこんなだから皆あーなんだよ」土方がくいっと親指で指した方角には、酒にはしゃぐ隊士達の姿。「まぁいい。ヤベーと感じたら斬りゃいーんだ。なァ総悟。・・・・・・」
 沖田は泥酔。あの短い時間でここまでなるとは、変な話だ。というかこいつ未成年だろ。わたしもだが。


 花の宴も盃もクソもあったもんじゃない。凄い勢いで皆酔いしれて、ちゃんと目を開けているのは、わたしと、土方ぐらいだった。
 これでは隙だらけ。いっそここで時限爆弾でも仕掛けてやろうか。考えたが、やはり危険なので止めた。わたしは刻み煙草を詰めて、そっと一服した。

「・・・楽しそうだな、お前らは」
 煙草のにおいがやけに美味かったので、わたしは一言だけ言葉を添えた。それを逃さず、隣にいる男は、
「馬鹿な奴らだろう」
 呆れ笑いを含んだ優しい声を投げた。
 
 このキセルは高杉の物だった。勝手に盗んできた。怒られるかと思ったが、何も言って来なかったことから、気付いてはいるが気にしてはいないのであろう。
 ゆるゆると弧を描くように舞い上がる紫煙を、二人は目を細めて見つめた。
 こんなわたしにも明日は来るのだ。見たこともないような綺麗な月が、夜の街を見下ろしていた。

Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.3 )
日時: 2011/02/26 13:21
名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)





 嘘を吐くのはひつじたち




 何でもないように夜明け前の世界を見渡した。祝宴の席には、ぐうぐうと幸せそうに項垂れる男たちがいる。局長でさえ酔い潰れてしまい、朝までこのまま敵襲を怖れなければならないわたしと副長の土方がいる。敵襲を怖れる、なんてわたしが言えることではないが、わたしは今は真選組なのだった。


 気ままに浮かぶ二つの煙は、ゆらりと交わって部屋中をのろのろ踊っている。煙草のにおいは好きだ。隣に居る土方が、あの男に見えて仕方がなかった。夢見心地でうとうとと、疲れ果てた目蓋を閉じようかとしたとき、後方で声が聞こえた。

「あれ、土方さん・・・と、お嬢さんじゃねぇですか」
「おう総悟、」
 甘いマスクに優しげな声。お嬢さん。こいつが言うと割と様になるんだな。わたしは少しだけ感心した。
「煙たいでさァ、土方さんだけでも相当身体に悪いってのに」
 そんな嫌味も聞き流そうとしたけれど、ひとつ微笑みを残してわたしはキセルを仕舞った。
「あぁ、すまねぇなァ。いい女ですね、あんた」
 沖田は愛嬌を振り撒きながら顔を近づけてくる。振り向いていた顔を戻そうとしたけど、止められる。
「キレーな顔だ」
「おい止めろ」
 土方が軽く嗜め、沖田は渋々その手を私の顔から離した。「嫉妬ですかィ?」と残して。だがそんな文句にも土方はお構いなしだった。さすが大人だ。

 再び春の世界に視線を移せば、沖田もわたしの隣に腰を降下ろし、三人仲良く縁側で外を見つめた。



「沖田隊長、」

「なんでィ?」

 虚ろな夢のように、水槽の中の金魚のように、わたしはまだ醒めない夜の味をそのまま声にした。

「わたしを女のように扱うのは、止めて欲しい」
「そりゃまた、どーして」
「・・・・・・そう問われると難しいな。・・・わたしも、飢えた獣のようなものだ。女だからといって余計な遠慮をされるのが、大嫌いなんだ」
「・・・まぁ、言いたいことは解った」
 沖田は柔らかく笑みを浮かべて、瞳を閉じた。
「ねみー・・・」
 もうすぐ夜が明けるのに。土方は浅く溜息を吐いた。

「お前の覚悟がどんぐれーのもんかは定かじゃねぇが、半端な気持ちで真選組に居座ってくれんなよ。俺はお前を斬る覚悟なんざとっくにできてる」
 覚悟、か。
 後ろにいる奴ら、見てみろよと思った。だけどわたしとて、貴様を斬る為にここにいるんだ。

「———いい男だな、あんたは」

 わたしは静かに言葉を紡いだ。男は盛大に不愉快そうな顔を作り、やがて立ち上がり寝転がる隊士達を起こしに行った。

 いい男だ。ウチのと大違い。


「奴は確かにいい男でさァ、ただしシャイだ」
 沖田が笑みを残したまま言った。
「・・・ってなわけで、よろしくなァ。棗」

 柔く握手を交わし、物分りのいい男だと思った。お嬢さん呼びは懲り懲りだ。
 朝日が漏れ込んだ。当たり前のように朝が来た。

Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.4 )
日時: 2011/02/26 13:21
名前: MiNi ◆L/NsWzLsGs (ID: AHLqKRWO)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

初めまして、同じく銀魂小説を書いてるMiNiと申します^^

凄いですね!文才ありすぎです!!
棗ちゃん可愛い(*^^*)

タメとかOKですか?
私はOKなんで気軽にミニと呼んで下さい♪

更新頑張って下さい!!!

Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.5 )
日時: 2011/02/26 13:36
名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)

MiNiさん初めまして!
お褒め頂けて大変光栄です。棗ちゃん気に入って頂けたでしょうかv
わたしもタメOKですよ〜^^じゃあ次回からミニって呼ばせて頂きますね。
更新ゆる〜く頑張ります(笑)気軽にお声掛けていただけると嬉しいです。

Re: 銀魂/我が愛しのロクデナシ ( No.6 )
日時: 2011/02/26 14:11
名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)





 咽元突きつけた殺し文句は僕の息を奪ってしまう



 春のにおいを感じつつソファの上で二度寝。これって天国じゃない?天国に逝けない俺のゆるやかな天国。そんな俺だけの世界に現れた可愛くねー黒猫一匹。



「・・・てか何で居んの」
「久々に江戸を散歩しようと思ったら、此処に辿り着いた」
「はッ、腐れ縁ってのは嫌だねぇ。んで何?手土産のひとつも持ってねーの?」
「金なら余るほどあるぜ」
「おおっ!じゃあパフェな」



 その女物の着物じゃあ、目立つんじゃねーの?という俺の心配もお構いなしで、高杉はずんずんと足取りを進める。
 小ぢんまりとした喫茶店に辿り着き、洒落た雰囲気の店内に入ると、なにやら怪しげな雰囲気だった。
「なー、パフェとかぜってー無ぇだろ」
 とガッカリしていたところ、御品書きを眺めればあるではないか!これこそ天国。ストロベリーパフェひとつぅ!



 目の前の糖分を幸せ気分で食べていると、高杉がふいに口を開いた。
「銀時よォ、お前、まだガキとつまんねー正義ごっこやってんのかよ」
 その声に多少はムッとしたが、なんとも無いように答えてやる。
「俺もヅラも坂本も、今を生きてるぜ。高杉。お前の時間だけ、止まったまんまだ」
「・・・・・・こないだ、真選組に女を一人送ってやった」
 話を逸らすようにそいつは言う。
「女って、お前の?」
「そーいう意味じゃねえよ。解りやすく言やぁ、駒だ」
「っつーと、来島って奴か」
 やけにパンチ効いた奴。高杉はもっと面食いになればいいと思った。
「違う。別の奴だ。・・・ありゃあ、イイ女だぜ、銀時。お前に紹介してやりてーよ」
 興味ねぇなあ。ウチにはじゃじゃ馬姫とダメガネで結構。
「んで・・・そいつに真選組を潰させると?」
「ああ。まあちょっとした遊びみたいなもんだ。成功するとは思わねーが。こういうの、楽しいぜ」
 俺はなんだか眠たくなって頬杖をつき眼を閉じた。すると隙あり、というように高杉が俺のパフェの最後の一口を口に運んだ。


「・・・・っあ゛ぁあああああ!」


「っるせーよ馬鹿。迷惑だ」
「っテメ何してくれとんじゃあ馬鹿杉!ちびすけ!」
「テメーが話し聞かねぇからだろ。俺はお前を誘う途中だっつーのに」
「・・・あのねえ、今の俺も見てくださいよ」

 奴は俺をじろじろと見る。観察するような不快な眼つき。そして溜息を吐く。

「丸くなったお前には興味ねーよ」
「あー?そんな太ってねえだろ」
「そういう意味じゃねえ」

 お前さあ、誘っても俺が来ないこと知ってて、なんでわざわざ金だけ使うようなことすんの?まあ有り難いけど。そう言ってみると、
「暇つぶし。お嬢さんがいねーから、退屈してんだ」
 
 珍しく機嫌のいい声で返された。俺はこいつが其処まで女に執着するところを見たことが無かったので、その女紹介してくれ、と呟いた。
 奴は貼り付けたような笑みを浮かべるだけで、何も言わなかった。


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