二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマイレブン 『花騎士物語』
日時: 2011/08/22 13:23
名前: 薔薇結晶 (ID: r2A2j.BO)

こんにちは、薔薇結晶です^^

【薔薇の倉庫】で連載。
その後スレ化。
その作品が、『花騎士物語』です。
ブログとかでも花騎士の絵とか参考資料載せてたりするので、暇なときは見てください。


本編

オープニングテーマ・・>>82
エンディングテーマ・・>>83

〜第1部 『イグドラシルの野望』編〜

第1話 「2人の少女花騎士」・・>>01
第2話 「王国花騎士隊」・・>>02
第3話 「かつては」・・>>03
第4話 「王国の使者」・・>>04
第5話 「殺戮の前触れ」・・>>05
第6話 「乱入者アリ」・・>>06
第7話 「自滅的な【金木犀】」・・>>07
第8話 「激闘の果て、愛の言葉」・・>>09
第9話 「逃走」・・>>10
第10話 「『花騎士』全滅作戦」・・>>11
第11話 「大逃亡劇」・・>>13
第12話 「『幻獣衆』」・・>>14
第13話 「【菖蒲】VS【菊】」・・>>15
第14話 「【沈丁花】VS【杜若】」・・>>17
第15話 「不死鳥と天馬」・・>>18
第16話 「深淵に落ちた少女と少年」・・>>20
第17話 「【躑躅】」・・>>21
第18話 「【山茶花】の所有者」・・>>22
第19話 「破壊獣VS蝶々・前編」・・>>23
第20話 「破壊獣VS蝶々・中編」・・>>25
第21話 「破壊獣VS蝶々・後編」・・>>26
第22話 「2輪の記憶」・・>>27
第23話 「ラオン救出作戦!」・・>>28
第24話 「【鳳仙花】の所有者」・・>>29
第25話 「新たな出発、『花根衆』」・・>>30
第26話 「襲撃」・・>>32
第27話 「【ハイビスカス】VS【桜】【梅】」・・>>33
第28話 「決戦の前触れ」・・>>34
第28,5話 「情報局『輪廻』」・・>>51
第29話 「【杜若】VS【鳳仙花】」・・>>35
第30話 「次元が違う」・・>>43
第31話 「木野秋」・・>>53
第32話 「『紅の狼』」・・>>54
第33話 「『眠りの森』」・・>>55
第34話 「【————】」・・>>67
第35話 「平和な一時」・・>>68
第36話 「壊滅の危機」・・>>73
第37話 「『シリウス』」・・>>75
第38話 「アロマ」・・>>84
第39話 「予言の巫女」・・>>86
第40話 「『ベテルギウス』」・・>>87
第41話 「『デネボラ』の僧侶姉妹」・・>>121
第42話 「治癒と破壊」・・>>122
第43話 「集結」・・>>123
第44話 「戦争の幕開け」・・>>126


〜『花器』辞典(現在合計65器)〜

(☆花器(読み)
  ≪所有する人物(所属)≫)

★槍

☆魔槍【薔薇】(まそう【ばら】)
 ≪ジュリア・クラウン(『花根衆』)≫

☆幻槍【蒲公英】(げんそう【たんぽぽ】)
 ≪マーク・クルーガー(『花根衆』)≫

☆双槍【躑躅】(そうそう【つつじ】)
 ≪ジュリア・クラウン、マーク・クルーガー(『花根衆』)≫

☆心槍【秋桜】(しんそう【こすもす】)
 ≪絶対王国イグドラシル≫

☆光槍【石楠花】(こうそう【しゃくなげ】)
 ≪???≫

☆雪槍【蕗ノ薹】(せっそう【ふきのとう】)
 ≪吹雪士郎(『大犬小屋』)≫

☆鬼槍【鬼灯】(きそう【ほおずき】)
 ≪鬼道有人(『ベテルギウス』自警団)≫

☆繊槍【金盞花】(せんそう【きんせんか】)
 ≪???≫

☆珍槍【花桐草】(ちんそう【はなぎりそう】)
 ≪???≫


★剣、刀

☆美刀【桜】(びとう【さくら】)
 ≪サクラ・カーライト(『花根衆』)≫

☆聖刀【水連】(せいとう【すいれん】)
 ≪フィディオ・アルデナ(『花根衆』)≫

☆美刀【梅】(びとう【うめ】)
 ≪サクラ・カーライト(『花根衆』)≫

☆真刀【菫】(しんとう【すみれ】)
 ≪エドガー・バルチナス(『花根衆』)≫

☆美刀【桃】(びとう【もも】)
 ≪小原カノン(無所属)≫

☆大剣【百合】(たいとう【ゆり】)
 ≪ラオン・アザリア(『花根衆』)≫

☆炎剣【鳳仙花】(えんけん【ほうせんか】)
 ≪豪炎寺修也(『豪炎寺剣法道場』)≫

☆氷刀【沈丁花】(ひょうとう【じんちょうげ】)
 ≪絶対王国イグドラシル≫

☆風剣【桔梗】(ふうけん【ききょう】)
 ≪白銀十夜(無所属)≫

☆閃刀【杜若】(せんとう【かきつばた】)
 ≪豪炎寺夕香(『豪炎寺剣法道場』)≫

☆舞刀【朝顔】(ぶとう【あさがお】)
 ≪夢前(無所属)≫

☆舞刀【昼顔】(ぶとう【ひるがお】)
 ≪夢有美月(『花根衆』)≫

☆舞刀【夕顔】(ぶとう【ゆうがお】)
 ≪佐久間次郎(『ベテルギウス』自警団)≫

☆舞刀【夜顔】(ぶとう【よるがお】)
 ≪ディラン・キース(『花根衆』)≫

☆闘剣【鋸草】(とうけん【のこぎりそう】)
 ≪久遠道也(『ベテルギウス』自警団)≫


★弓

☆毒弓【鳥兜】(どっきゅう【とりかぶと】)
 ≪テレス・トルーエ(『花根衆』)

☆癒弓【雛罌粟】(ゆきゅう【ひなげし】)
 ≪藍原日奈乃(『大犬小屋』)≫

☆雷弓【向日葵】(らいきゅう【ひまわり】)
 ≪円堂守(『円堂弓道道場』)≫

☆思弓【勿忘草】(しきゅう【わすれなぐさ】)
 ≪月城氷歌(無所属)≫

☆刀弓【鉄線】(とうきゅう【てっせん】)
 ≪???≫

☆彩弓【撫子】(さいきゅう【なでしこ】)
 ≪キム・スーラン(『花根衆』、『輪廻』)≫

☆治弓【椿】(ちきゅう【つばき】)
 ≪瑠奈(『デネボラ』診療所)≫

☆破弓【芙蓉】(はきゅう【ふよう】)
 ≪流亞(『デネボラ』診療所)≫

☆綺弓【金雀枝】(ききゅう【えにしだ】)
 ≪???≫

☆麗弓【雲間草】(れいきゅう【くもまぐさ】)
 ≪???≫

☆愛弓【華鬘草】(あいきゅう【けまんそう】)
 ≪???≫

☆忘弓【紫蘭】(ぼうきゅう【しらん】)
 ≪???≫

☆予弓【金蓮花】(よきゅう【きんれんか】)
 ≪雷門夏未(『予言の館』)≫


★扇

☆絶扇【山茶花】(ぜっせん【さざんか】)
 ≪アゲハ(無所属)≫

☆輝扇【菊】(こうせん【きく】)
 ≪絶対王国イグドラシル≫

☆巨扇【菖蒲】(きょせん【あやめ】)
 ≪絶対王国イグドラシル≫

☆香扇【木蓮】(かせん【もくれん】)
 ≪仙葉寺鈴蘭(『輪廻』)≫

☆水扇【芍薬】(すいせん【しゃくやく】)
 ≪乱舞梨亜奈(『花根衆』)≫

☆浄扇【蓮華】(じょうせん【れんげ】)
 ≪???≫

☆雨扇【紫陽花】(うせん【あじさい】)
 ≪雨野舞姫(『紫陽花屋敷』)≫

☆龍扇【金魚草】(りゅうせん【きんぎょそう】)
 ≪???≫

☆放扇【月見草】(ほうせん【つきみそう】)
 ≪???≫

☆白扇【初雪草】(はくせん【はつゆきそう】)
 ≪久遠冬花(『ベテルギウス』自警団)≫


★玉(ぎょく)

☆嵐玉【マーガレット】(あらしのぎょく【まーがれっと】)
 ≪風丸一郎太(『風丸拳法道場』)≫

☆撃玉【マリーゴールド】(げきのぎょく【まりーごーるど】)
 ≪???≫

☆朱玉【チューリップ】(しゅのぎょく【ちゅーりっぷ】)
 ≪???≫

☆喜玉【スイートピー】(よろこびのぎょく【すいーとぴー】)
 ≪???≫


★奏(楽器)

☆秘奏【ガーベラ】(ひそう【がーべら】)
 ≪???≫

☆貴奏【君子蘭】(きそう【くんしらん】)
 ≪???≫


★銃

☆小型銃器【ラベンダー】(こがたじゅうき【らべんだー】)
 ≪ジュリア・クラウン(『花根衆』)≫

☆機関銃【フリージア】(きかんじゅう【ふりーじあ】)
 ≪『花根衆』≫

☆連発式拳銃【ヒヤシンス】(れんぱつしきけんじゅう【ひやしんす】)
 ≪花崎瑠海(『花根衆』)≫

☆即連発式小型拳銃【ハイビスカス】(そくれんぱつしきこがたけんじゅう【はいびすかす】)
 ≪花崎瑠海(『花根衆』)≫


★その他

☆光速短刃【金木犀】(こうそくたんば【きんもくせい】)
 ≪ジュリア・クラウン(『花根衆』)≫

☆薄刃【水仙】(はくば【すいせん】)
 ≪空羽琥珀(『花根衆』)≫

☆紅鎌【牡丹】(あかがま【ぼたん】)
 ≪???≫

☆夢笛【鈴蘭】(むてき【すずらん】)
 ≪スカーレット・ファントム(『花根衆』)≫

☆毒針【彼岸花】(どくばり【ひがんばな】)
 ≪水無月星夢(『輪廻』)≫

☆細針【山丹花】(さいしん【さんたんか】)
 ≪一之瀬一哉(無所属)≫

☆闇鎖【藤】(あんさ【ふじ】)
 ≪不動明王(『ベテルギウス』自警団)≫

☆奇杖【カーネーション】(きじょう【カーネーション】)
 ≪絶対王国イグドラシル≫


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Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.23 )
日時: 2011/03/24 16:36
名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)

第19話 「破壊獣VS蝶々・前編」




フェニックス「【カーネーション】って俺達が居ない間に入手したんだろ?」
フェンリル「えぇ。ですが、前の所有者は合っていなかったんですよ。」
ペガサス「ふ〜ん…。結構合わない所有者っているんだな。」
フェンリル「それはそうですね。『宝の持ち腐れ』ってヤツですよ。」


エクエス「…名は何と言う。」
アゲハ「アゲハと言います。貴方達は?」
エクエス「我が名はエクエス・ランダリア。」
アゲハ「そうですか。」


アゲハ「“花吹雪”っっ!!」
エクエス「!!」

【山茶花】の花びらが舞う。
だが、それは一瞬にして刃へと変わった。
“花吹雪”は扇ではかなりメジャーな技だが。

エクエス「こいつ…!!」

エクエスは別に何かを感じていた。


エクエス「“奇風・『暁』”!」

<<ボッ>>

花びらは一瞬にして燃え尽きた。

アゲハ「…あら、効きませんでしたか…。」

ならば、と言わんばかりに次の技。
美しく手を返し、蝶々。

アゲハ「“蝶々の宴”!!」

エクエス「…絶扇【山茶花】…。」


フェンリル「何でもアリですね。絶対の扇と言うのは。」
ユニコーン「『花器』を作った伝説の武器職人は言ったと言うよ。『絶扇は出来ない事のない絶対の扇だ』って。」
フェニックス「そうなんだ?」
ユニコーン「俺は、あ…間違えた。俺達は直系の子孫だからね。知ってて当然さ。」

「「…は??」」

フェンリル「言ってませんでしたね。僕達はクイーンも含めて伝説の武器職人の直系の子孫なんですよ。」
ペガサス「え!?お前ら兄妹なのか!?」
ユニコーン「まさか。家は違おうと血縁が同じなんだよ。」
フェニックス「げ…、マジかよ。」
フェンリル「えぇ。マジですよ。」


エクエス「“奇波・『曙』”!!」

波のようにうねりながら灼熱の熱波は蝶々を襲う。
だが、蝶々はフワフワとそれをかわしたのだ。

アゲハ「“蝶々の刃”!」

そして、蝶々はエクエスの目の前で刃と化した。

エクエス「ぁ…っ!!」


<<ブシャァッッ>>

フェンリル「クイーン!!」
フェニックス「エクエスッッ!!!」

エクエス「う…ぁあ……っ!」

エクエスの顔面からは物凄い量の血が滝のように流れ出ていた。
しかも、最悪の事態が。

ユニコーン「エクエス!!目が…!!」
エクエス「はぁ…ぁっ…はぁ…。」

そう。目をやられたのだ。
右目をかなり深く。
そして、かなり息が荒い。

フェンリル「…よくもエクエスをやってくれましたね…。」
アゲハ「…そっちが挑んで来たんでしょう?」
ペガサス「だからって此処までやる必要があんのかよ!!」

「フェンリル、ペガサス…!」

ペガサス「!! エクエス!」
エクエス「これ位やられても当然だ…っ、私達は『花器』を手に入れるために…、幾多の命を消してきた…。それと、同じだ。」
フェンリル「クイーン…!」



アゲハ「まだ立っていられるのですね。」
エクエス「この程度ならまだ立てる。奇杖は絶扇には向かんな…。フェンリル、【菖蒲】だ。アレを持ってこい。」
フェンリル「…、分かりました。」

エクエスはフェンリルが【菖蒲】を取りに行っている間に、自らが着ている十二単のような着物を脱ぎ始めた。
そして。

完全な戦闘態勢に入った。


そしてフェンリルから巨扇【菖蒲】を受け取った。




「アゲハ。我はお前を全力で潰す。儚く、消えてもらおう。」


アゲハは薄ら笑みを浮かべ、

「やってみてくださいよ。」


第19話 終わり

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.24 )
日時: 2011/03/24 16:36
名前: ☆♪☆♪☆マリン☆♪☆♪☆ ◆glAd0RaIuU (ID: 0L8qbQbH)

薔薇結晶さん
そうですか^^
あの…薔薇結晶さんって、ローゼンメイデン好きなんですか?

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.25 )
日時: 2011/03/24 16:37
名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)

第20話 「破壊獣VS蝶々・中編」




アゲハ「“蝶々の舞”!!」
エクエス「“台風の目(アイ・オブ・ストーム)”!!」

蝶々がエクエスを襲う。
上下左右、エクエスが見る事の出来ない右からも、容赦なく。
だがエクエスは巨扇【菖蒲】の特性を生かし、とてつもない風を巻き起こす。

その際にも、エクエスの顔からは血が流れ出ていた。


フェンリル「…クイーン、いくら貴女でもこれは無茶過ぎます…。」
フェニックス「まだ止血もしてないからな…。」
ペガサス「普通なら出血多量でもう死んでるぜ…。」
ユニコーン「まぁ…、それで死なないのが『破壊獣(エクエス)』なんだけどさ…。」


アゲハ「“蝶々の刃”っ!!」


「「「「!!!」」」」


ペガサス「エクエスっ!!!」
フェンリル「クイーン!!」

エクエス「“新芽の息吹”…!」


刃と化した蝶々を、土から出てきたばかりの新芽が捕まえる。
そして、エクエスの反撃が始まった。

エクエス「“突風の剣”っっ!!」

【菖蒲】で巻き起こした突風が剣へと姿を変える。
そして、剣はアゲハを捕えた。

アゲハ「ぁ…っ、“蝶々の籠”!!」

<<ガキイィィィンッ>>

扇で鳴る様な音ではなかった。
それは、剣が金属に当たる音だった。

アゲハ「“疾風・五月雨の刃”っ!!!!」


<<バキィィィンッ>>

“籠”が崩れた。
そして


エクエス「6本の蒼き剣よ、彼(か)の者に粛清を!!“菖蒲の…っっ!?」

最後の、止めの一撃の前だった。
エクエスの左腕に、激痛が走った。

エクエス「っ…ぁあっ…!!!」

そして、エクエスが後ろに倒れこむ。


フェンリル「クイーン!!」

フェニックス「今のは…アゲハの攻撃じゃない!!」
ペガサス「え…!?」
ユニコーン「今の一撃は間違いなく『弓矢』の攻撃だ、アゲハではありえない。」

エクエス「ぅあぁぁっ、…くっ……、これは…!!」
フェンリル「どうしたんですか、クイーン!」

エクエス「雷…弓、【向日葵】…だ。この電気を帯びた矢は…間違いない。」


そう。左腕に刺さった、否、左腕を貫通した矢は電気を帯びていた。
バチバチと。

アゲハ「…何で邪魔したの?兄さん。」

アレキサンドラ「いや、俺が邪魔しなかったらお前が殺られてた。」
アゲハ「…。」

アゲハの兄と思われる人物の攻撃だったらしい。
確かに、遠くに人影が見える。


エクエス「………奴か。」
フェンリル「見えにくいんですね?」
エクエス「我は左目の視力が良くはないのでな。」

右目を潰され、左腕を潰された。
普通の人間なら、間違いなく死んでいる。


エクエス「…続行だ。だが2対1では我は死ぬだろうな。ユニコーン、心槍を持ってこい。そしてお前が我と共に戦うのだ。」

ユニコーン「分かった、心槍だな。」


そして、また続行された。
エクエスは、怪我の手当てもしないまま。




アゲハ「これで、エクエスは相当不利な状態になった。」
アレキサンドラ「俺も参戦する、つまり…。」

「「私(俺)達の勝利だ。」」


第20話 終わり

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.26 )
日時: 2011/03/24 16:37
名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)

第21話 「破壊獣VS蝶々・後編」



ユニコーン「心槍ってこれだよな?」
エクエス「あぁ…。お前は【向日葵】の矢だけに集中してくれ。アゲハは我が。」
ユニコーン「分かった。」


だが、そんな簡単な事ではなかった。

アレキサンドラ「“雷の雨(いかづちのあめ)”!!」

5本の矢を一気に振り絞り、『アゲハに向かって』放ったのだ。
幻獣衆の2人を狙わず、アゲハを。

フェニックス「何だと!?」
ペガサス「じ、自爆か…!?」
フェンリル「いや、あれは…。」


するとアゲハは舞い始めた。
蝶々のような優雅さで。

扇の風圧で、矢の方向が変わった。


ユニコーン「そういう事か…!」
エクエス「なるほどな。一見自爆に見せかけてから扇で矢の方向を変えるのか。」

エクエス「ユニコーン、頼む!」
ユニコーン「あぁ!!」

心槍【秋桜】。

ユニコーンはそれで何をしたか。
【秋桜】に埋め込んである、『涙輝石【女神の涙】』と呼ばれるもので、結界を張った。

アゲハ「『涙輝石』…。」
アレキサンドラ「しかも『ゴッドシリーズ』だ。手強いな。」


その間、エクエスは先ほど脱いだ十二単のような己の着物の上から2番目の薄紅色の薄い生地を取り、簡単に帯を結んだ。

そして、巨扇【菖蒲】を手に取り、アゲハに向かって走り出した。


アゲハから2mほど離れた所に【菖蒲】を突き刺し、その上に乗った。

アゲハ「…何をする気なの…。」

エクエス「我は元はと言えば『花騎士』ではなかった。」


と、自らの過去を語りだした。

フェニックス「え!?そうなの!?」
フェンリル「……えぇ。もとはと言えばクイーンは…。」

エクエス「私はとある村で、神に仕える身であった。いわゆる、巫女だな。だが、そんな平穏な村に、王国軍が攻めてきたのだ。そして我とフェンリル、ユニコーンだけが生き残った。私はそれで『花騎士』になると決意した。王国軍、否、国王、イグドラシル15世に復習をするために。」



アゲハ「そうですか。私達も似たような事がありました。私達の一族の村は5年前に、『花騎士』によって壊滅させられましたよ。」
アレキサンドラ「そして俺達だけが残り、とある目標を立てた。」

「「『花騎士』への復習と言う、野望を。」」

ペガサス「お前達だって今は『花騎士』だろ!」
アゲハ「いいえ、何を言ってるんですか。私達は…。」


  「『蝶々』です…っ!!」

と、そう言うとエクエスに向かって風を巻き起こした。
だが、それはエクエスからしたら右。視えないのだ。

フェニックス「エクエス!!」

<<フワッ…>>


エクエスは宙に舞った。
風の風圧を利用して、美しく舞った。

そして、一瞬だけ【菖蒲】の上に立ち、それから一気に踏み切った。
その後に。

<<ドッッ>>

アゲハ「かはっ…!!」


アゲハの鳩尾にかなり速く、かなり強い手刀が入った。
右手の手刀。

それからエクエスは休む間もなく次の攻撃に移る。


アレキサンドラ「くそっっ!!」

<<バシュゥッ>>

3本の矢が放たれる。
だが、

 <<キキキィンッ>>

ユニコーン「残念!お前の相手は俺だよっっ!!!」

心槍【秋桜】VS雷弓【向日葵】。
その戦いは、心槍【秋桜】の使用者がユニコーンの時点で勝負がついていた。

技術の差が違い過ぎた。


<<ダンッ>>

ユニコーンがアレキサンドラの胸に右足を置き、頭の真横に【秋桜】を突き立てた。

ユニコーン「俺の勝ちだ。…よくもエクエスの左腕を台無しにしてくれたなぁ?」
アレキサンドラ「くそっ…!!」


<<ドサッ>>

エクエス「はぁ…はぁ…。」

倒れたのはアゲハ。
物凄い腕力で強力な手刀を何発も喰らったら立っていられるものではない。

アゲハ「…私達、の…負け…、ですね……。」

アレキサンドラ「…絶扇でも……、雷弓、でも…持って行け…。」


エクエス「…いや、もらうのは雷弓だけで構わん。ユニコーン、雷弓だけ回収だ。」
ユニコーン「了解。」

「「…は?」」

フェニックス「勝ったのに…いいのか?」
ペガサス「どういう事だ…。」

エクエス「アゲハ。」

アゲハ「…何ですか…。」

エクエス「王国軍がお前を狙ってくるかもしれん。気をつけろ。お前は絶扇に相応しい。それは忘れるな。」



エクエス「…近くに川はあるか?」
フェンリル「えぇ。1㎞ほどの所に。」
エクエス「休むぞ、我が死ぬ前にな。」
ペガサス「じょ、冗談じゃねぇ…。」

そして幻獣衆はその地を後にした。



第21話 終わり

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.27 )
日時: 2011/03/24 16:38
名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)

第22話 「2輪の記憶」



少年「此処は…。」
少女「何処かのお城みたい…。」

双槍【躑躅】を1本ずつ持った少年少女。
それは、マークとジュリアである。

彼らが見ている大きなお城。
それは紛れもなく、


      絶対王国、イグドラシルだった。





少年「…行こう、何かあるかもしれない。」
少女「うん。でも…何か、怖い…。」
少年「大丈夫だ。」


少年「俺が居るから。」

少女「…うん。」


そして2人は絶対王国に乗り込んだ。








門の手前。

少年「(後ろから思いっきり強く叩くんだ、いいか?)」
少女「(分かった。)」


<<サッ、ドゴッッ>>

少年「よしっ、先に進むぞ。」
少女「うん。」


<<タッタッタッタ…>>







そして、道に迷った。

少女「こ、此処…、何処?」
少年「俺に聞くなよ…、俺だって初めて来る所だし…。」

実際は初めてではない。

そんな時だった。


「今日でついにラオン・アザリアも終わりだな。」
「確か今日処刑だったな。」


「「(ラオン…?)」」


——何故だ、聞いた事のない名前のはずなのに…。

——何だか…懐かしい…?


 「侵入者だ!!捕まえろ!!」

「「!?」」

気づかれた、と思った。
だが、実際は違った。


少女「…び、びっくりした…。」
少年「俺達以外にも侵入者、居るみたいだな。」
少女「うん…、そうみたい。」


その、侵入者とは。

サクラ「ちょっと!気付かれてるじゃん、フィディオ!!」
フィディオ「し、知らないよ!!」

サクラとフィディオだった。
2人は走っていた。
ラオンの処刑、と聞いて、救い出そうと試みたのだ。


サクラ「全然見つからないよ!ラオ————ンっっ!!」
フィディオ「もしかして…『黒の監獄』かもしれない!」
サクラ「其処って…『監獄の摩天楼』の最上階でしょ!?」
フィディオ「ラオンならあり得る!!行こう!!」




マークとジュリアの方も、兵士に見つかっていた。

少年「そっちだ!!」
少女「うん!」


そして、其処は突き当り。

少女「嘘っ!!」
少年「くそっ、このままじゃ…。」
少女「其処のドア…開いてない?」

それを聞いてドアの取っ手に手をかけるマーク。

少年「開いてる。」

それを聞いたジュリアはすぐに入った。
その部屋が何処かも知らないまま。


<<カチャッ…>>

少年「よし…、これで、……?」
少女「何かある…。」

少し漏れてくる光を頼りに、それが何かを突き止めようとする。

そして、2本の大きな何かに気が付く。


何気なく、2人はそれに触れた。

<<キイイイイィィィィィィィンッッ>>


少女「えっ…?」
少年「何が…、!?」

色々な情報が頭に流れ込んでくる。



そして…。


??「魔槍…【薔薇】…。」
??「幻槍、【蒲公英】…!!」

ジュリア「…マーク?」
マーク「ジュリアだな…?」

「「記憶を…失ってたの(か)…?」」


ジュリア「……、決まりね。」
マーク「此処は…、」

ほぼ真っ暗で何も見えないため、手探りで探す。


ジュリア「刀が2本。【菫】と【梅】ね。」
マーク「大剣が1本、【百合】で間違いないだろう。」
ジュリア「…これは…【鳥兜】。あっ、あったわ!【金木犀】!」
マーク「拳銃3丁。【ヒヤシンス】、【ラベンダー】、【フリージア】だな。」

ジュリア「全部あるわ。じゃぁ、出ましょうか。」
マーク「俺が【百合】と【鳥兜】、拳銃3丁を持っていこう。」
ジュリア「だったら私が【菫】と【梅】ね。あと、兵士の薙倒し。」



<<バンッ>>

  <<<ダッッッ>>>



4人はそれぞれの場所に向かって、懸命に走る。



第22話 終わり


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