二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫 夢小説
- 日時: 2011/05/21 21:32
- 名前: 克哉 (ID: iqzIP66W)
ぬらりひょんの孫を見てて、小説を書きたくなったので、ひとまず。
主人公
如月 天狐 (キサラギ テンコ)女
白い髪に、灰色の瞳で、クールな顔立ち。
性格も、クール。ていうか、クールビューティ?
天狐という妖怪(男)と、皐月狐という妖怪のハーフ(女)の子供。
という訳で、人間の血が三分の一しかない。
学校は行っていないが、外に出れば、友人が居る。しかも大半が男。
昼から、妖怪になる。妖怪になっても、あまり変わらないが、
結構絶倫・・・らしい。
男になったり、女になったり出来る。
彼女いわく、種を作るためらしい。
父と母を食った。小さい頃は、とても可愛らしかったらしい。
酒に酔うと、色気が(ry
主人公説明終了。
落ちるのは猩影君です。
- Re: ぬらりひょんの孫 夢小説 ( No.15 )
- 日時: 2011/06/05 18:31
- 名前: 克哉 (ID: iqzIP66W)
全く、面倒なことになったものだ。
・・・この可能性を考えておかなかったとは・・・
「犬神さまぁ〜」
「ねぇ、こちらへきて?」
・・・狐共が。
犬神の最も近くにいた女狐の腕を引っ張り、キスをする。
香水の匂いがきつい。
唇を離してやると、とろんとした瞳でこちらを見る。
「私には、構ってくれないのか?」
そう、耳元で囁く。
すると、女狐は頭から湯気を出した。
「フッ・・・おい、お前ら。」
と、犬神に群がる狐たちを見下ろす。
すると、6,7匹が倒れた。
「・・・私には、構ってくれないのか?」
そして、眉を八の字にする。
すると、狐たちはすぐさま私に駆け寄ってきた。
「ごめんなさいね?新しい方が来たものだから・・・」
「そうそう、貴方を忘れていたわけではないのよ?」
と、私に擦り寄る。
私は、一人の狐の腕を引っ張る。
「そんなこといって、本当は忘れていたんでしょう?
・・・貴方に忘れ去られるなんて、悲しいことです。」
そういって、目を伏せる。
すると、その狐が私にキスを落とす。
「本当に、気分を害されたのならごめんなさい。
でも、私だって寂しかったのよ?」
と、私の着物の中に手を入れる。
今は男の姿だ。
犬神は、呆然として成り行きを見守っている。
「それは、すいません。今度から、あなた方を構いますから・・・
今夜は、私の部屋へいらっしゃい。犬神、お前は空狐に案内された部屋へ向かって、絶対に私の部屋へ来るな。空狐、お前は見張っていろ。」
狐の姿でいた空狐に目配せで言う。
犬神は、渋々といった様子で、居間から出る。
私は女狐共に視線を戻し、一人の顎をなぞる。
「さあ、誰から最初にやってほしい?
私は部屋で待っているから、5分後、用意をして一番目に来た者が最初だ。」
そういって、居間から出て行く。
その後に、居間からたくさんの足音が聞こえた。
部屋に入ると、布団が敷かれていた。
「・・・必要ないのに。」
「いや、必要あると思うんだけど。」
「趣味が悪いな、トラ。」
天井を見上げる。
そこには、金髪に黒のメッシュが入り、猫耳が生えた、男がいた。
服装は、トラ柄のシャツとズボン。
トラというのは、私の部屋の天井に住む猫又の名だ。
トラ猫のオスだから、トラ。安易だが、それで良いだろう。
「でもさあ、オイラが毎回毎回布団しいてやってるんだから、感謝しろよな?」
「誰もお前に頼んでない。」
「にゃんだと!?・・・まあいいや。つうかさ、何で犬連れて来るんだよお!」
「悪い、お前の存在を忘れていた。」
「・・・オイラ超悲しい。昔はあんにゃに可愛かった天狐が、オイラのことを忘れるなんて。」
「勝手にストーカーしてた奴が何を言う。
大体、行為を毎回毎回覗いてる貴様を覚えろと言うほうが無理な話
だ。」
「にゃ、にゃんでだよお!!」
「変態を一々覚える義理はない。」
「・・・襲うぞ?」
「悪いが、今日は用があるんだ。聞いていただろう?」
「まあにゃ。・・・一応、見とくから、俺にも見えるようにしとけよ?」
そういって、歯を見せる。
「嬌声だけで十分だろうが、この絶倫猫。」
「おぉ、それは褒めてるのか?
・・・まぁ、いいや。よろしく頼んだぜ?」
そして、天井のふたを僅かに隙間を空けて、閉める。
上着だけを脱いでいると、早速きたようだ。
「入れ」
「・・・」
無言で入ってきた狐は、羽織一枚だけを着た装いで来た。
そして、私に近づくと、羽織を脱いだ。
私は、彼女を押し倒して、行為をした。
背中に爪が食い込む。
乱れる狐。
声は大きく響く。
「ここが、いいんだろ?」
「はあっ・・・いっ」
「声、もっと聞かせろ。恥ずかしさなんて、捨てろ。」
そういって、もっと動きを激しくする。
すると、声はもっと大きく響く。
上からの視線が、狐を射抜いている。
私は、良いことを思いつき、耳元で囁いた。
すると、狐は目を大きく見開き、口の中に指を入れ、声を我慢する振りをした。
凄く淫らに見える。視線は、少し震えた。
行為を終えると、狐は戻った。
「トラ、大丈夫か?」
「大丈夫じゃねーな。誰かさんが、素晴しいもん見せてくれたおかげで。」
「お褒めに預かり光栄だよ。トラ、お前、何回いった?」
「放っとけ。俺を早漏扱いするな。」
「おや、違ったかな?」
そういう風に他愛ない会話をしていると、ふたが閉まった。
やれやれ・・・
「入れ。」
そしてまた、行為を再開する。
結局、朝まで狐たちは私の部屋で行為をした。
- Re: ぬらりひょんの孫 夢小説 ( No.16 )
- 日時: 2011/06/05 21:55
- 名前: 克哉 (ID: iqzIP66W)
番外編「休日の過ごし方。」
白い天井。
それは、いつも見ている天井だ。
だが、何か可笑しいところがある。
「・・・おい、トラ」
「んだよ、オイラ、まだ眠いんだけどぉ〜」
「そこにある、鼠の死骸、くれ。」
「ハァ!?何で分かったんだよ!」
「黙れ、さっさとくれ。今の時間が一番うめぇんだよ。」
そういって、立ち上がる。
「やだ!これ、オイラの獲物なんだよ!」
と、小さな鼠の死骸を見せる。
「うるせぇ。文句言うなら、今度から見せてやんねぇ。」
「うわっ!それだけは勘弁!やる、やるから。」
そういって、死骸を落とす。
まだ生暖かい。
私は、鼠の首を噛む。
犬歯の所で噛み切る。頭は、床に落として、首の所から出るドロリとした血を吸い取る。
グチャッバキッギリッ!
骨を折り、肉を噛み切り、血を吸い取り、皮を剥ぎ取る。
そして、シッポの所まで食った後、シッポだけを燃やす。
「やるよ、頭が一番うめぇ。」
そういって、頭を渡す。
「チッ・・・仕方ねぇにゃ、これで許してやるよ。」
「フン、今度から私の部屋で鼠は食べないことだな。」
「口の周りに血、ついてる。」
天井から降りて、口の周りの血を舐める。
「うめぇにゃ。」
「それはよかった。」
休日の過ごし方。
それは、数すくない友人と食事をすること。
意外にもこれが楽しい。
- Re: ぬらりひょんの孫 夢小説 ( No.17 )
- 日時: 2011/06/11 07:42
- 名前: 克哉 (ID: 1OHGFOUy)
朝、けだるい体を起こす。
やはり全員を相手にするのはきつい。
風呂に入ろうと、タオルと下着とシャツを持つ。
フラフラと歩いていると、庭に見慣れない犬がいた。
「よう、犬神。昨日はよく眠れたか?」
「・・・?・・・・・・」
犬神は呆然としている。
まさか声をかけられるとは思っていなかったのだろう。
私は、さっきまで犬神が向けていた杉の木に目を向ける。
「かれこれ、500年、か?」
幹に触れる。
すると、少しの違和感がある。
「だれぞある!」
誰でも良いから、きてくれ。
そう思って声を出すと、空狐が狐の姿で出てきた。
私はしゃがんで、耳打ちした。
すると、空狐は分かったというように頷いて、飛んだ。
「・・・どうしたぜよ?」
「この木の中心に、何かが住み着いている。
取り除いてやらんと、この木が枯れてしまう。」
「別に良いじゃないか」
「ダメだ。これはご神木なんだよ。
これを見に、客は来てくれるんだ。」
そう、一応狐は土地神なのだ。
稲荷神社。
それがこの家の人間名だ。
狐が祭られていて、この杉の木の葉を一つ取り、風呂に入れると腰痛などに効くので、金を巻き取るのに大切なのだ。
空狐が樹医の霊木を連れてきた。
霊木というのは、木の中身を透視したり、機の中の悪しき物を取り除く、いわゆる妖怪の木の医者だ。
空狐が連れてきたのは、黒い帽子を被った少年、レイ。
まぁ、私の数少ない友人だ。
「霊木、頼みがあるんだ。」
「ひっひっひ。言わなくても分かりますよ、天狐の旦那ぁ。
そいつの中に、おかしな者が住み着いているんでしょう?」
「流石、というところかな、レイちゃん?」
「げっ。・・・んでそういうことを言うんですかぃ!取り除いてやりませんよ!?」
「あぁ、悪かった、悪かった。許しておくれ。
久しくあったものだからな、ちょっと調子に乗りすぎてしまったようだ。取り除くというか、引っ張り出してくれるだけで良いから。」
「・・・相変わらず、お口が上手いじゃあないですか。」
霊木は少し怪訝な顔をしたが、私が褒めてやると、少し機嫌が直ったようだ。
調子の良いのは誰も一緒なのか?
私がキセルを取り出すと、管狐が火をつけてくれた。
「あぁ、ありがとうな。・・・で、してくれんのか?」
「報酬はきっちりもらいますからね?」
「私の髪だろう?調度良い、髪を切ろうと思っていたところだからな。」
長くなった腰までの髪を指差す。
霊木は、皺くちゃの手で髪を触る。
犬神が、その手を振り落とす。
「・・・天狐、コイツは誰ですかぃ?」
「私の犬だな。犬神、ありがとうな。だが、あまり乱暴はしないでくれ。・・・頼むから、な?」
そういって頭を撫でてやる。
すると、犬神は目を見開いた。
その場から硬直して動かない。
霊木は、少し機嫌が良くなったようで、私に向かって微笑を、犬神に向かっては、嘲笑を浮かべ、杉の木に手を突っ込んだ。
突っ込んだという表現は可笑しいかもしれないが、一応幽霊の類だから、不思議ではない。
霊木が、目を瞑っていると、杉の木にいる何かが大暴れしているようだ。
杉の木が揺れて葉が舞い落ちる。
籠を持った天狐が、葉をかき集める。
霊木が、もう一本の手を突っ込んで、中にいるものを取り出した。
中にいたのは紫色の赤子。
紫なのに赤というのも可笑しな話だが、仕方ない。
霊木は、それを私に渡して、成り行きを見守ろうと座った。
私は、赤子を見て、これが悪しき物だとわかった。
「豪華、華炎。」
持っている右腕の中に、桃色の炎を作り出し、赤子を落とした。
赤子は大声で泣き叫んだが、慈悲の心は生まれない。
逆に、赤子の声がわずらわしいと思う。
「黙れ、燃えろ。」
口の中に炎を突っ込む。
すると、赤子は泣き叫ぶのをやめて、赤子では有り得ない断末魔を叫び、消え去った。
霊木が拍手をする。
「いやぁ、いつもどおりすばらしい腕前だなぁ。」
「霊木、褒められてるのかけなされてるのか分からないんだが。」
「褒めてるんですよ。さ、報酬をください。」
相変わらず現金な奴だ。
「犬神。」
「・・・!・・・な、何だよ?」
「私の部屋からナイフを持っておいで。
天井の住人が教えてくれるだろう。
だが、住人は恥ずかしがりやでな?姿を見せるのを嫌うんだ。」
「分かったぜよ。」
そういうと、駆けていく。
霊木が、微笑を浮かべた。
「くっくっく。本当の犬みたいですなぁ。
ところで、天井の住人って、トラのことですかい?」
「正解だ。相変わらずストーカーしてくるから、嫌がらせのためにあいつを連れてきた。」
「天狐も人が悪くなったんだなぁ。世は嬉しいぞ?」
と、微笑む。
犬神が物凄いスピードで戻ってきた。
犬神の手には、ナイフがある。
「天狐、アレは何ぜよ!?」
「何が?」
「あの、よくわからない猫は!」
「・・・あぁ、トラか。」
そういった瞬間、トラが駆けてきた。
「おい、天狐!何で犬を入れて来るんだよぉ!」
「騒がしいぞ、お前ら二人とも。」
犬神の手からナイフをもらい、鞘から抜いて、髪を束にして、肩を少し越すぐらいの所で切る。
私はそれを、いつも結んでいる糸ではなく、違う色の糸で結び、霊木に渡す。
「これで良いか?」
「あぁ、これでいいぞ。・・・これで、又一つ。」
「・・・?どうした?」
「いや、別に?じゃあ、世は帰るぞ。」
「空狐、すまないが送っていってくれ。」
空狐の額にキスをして、行かせる。
空狐は機嫌が良くなり、真っ直ぐに行ってくれた。
「この二人もアレくらい真面目になってもらえないものか。」
「どういう意味ぜよ?」
「それ、俺をバカにしてるのかよぉ!」
各々の考えが出る。
「犬猿の仲って、本当にあるんだな。さて、トラ。」
「にゃ!?にゃんだよ!」
「私は今から風呂に入る。・・・覗くなよ。着いてくるなよ。
着いてきたら燃やすぞ。犬神、見張っといてくれるか?」
「ぐっ・・・」
「分かったぜよ。」
私は二人を置き去りにし、浴場へとまた歩を進めた。
その頃、霊木は髪を愛おしそうに眺めていた。
(これで又一つ。)
(一緒にいられないから、髪だけでよいのだ。)
(又、一つ。)
昔から伝えられない気持ちが又一つ、重い死のようにのしかかる。
- Re: ぬらりひょんの孫 夢小説 ( No.18 )
- 日時: 2011/06/15 06:27
- 名前: 克哉 (ID: /./DNVgg)
風呂に浸かっていると、怒鳴り声が聞こえる。
まぁ、犬神とトラ、だろうが。
だが、止める気は毛頭ない。
いつも風呂に浸かっていた髪が無いのが変だと思った。
ゆっくりと息を大きく吐き、風呂から出ようとする。
「あーーーっ!!!!!」
トラの叫び声が聞こえる。
いったい、何事だ?
そう思い、かけてあったタオルを体に巻きつけて、風呂から出る。
下には、黒と青の縞の短い紐が、二本。
「・・・貴様ら、この紐に何をした?」
糸を拾い、低い声で言う。
二人は、肩を震わせた。
トラが、恐る恐る口を開いた。
「おいら達が喧嘩してて、んで、俺の爪で、紐が、切れちまって。」
「ほう?お前は、この紐がどれだけ大切なものか、よくわかっていないらしいな?」
「わ、分かってる!分かってるとも!」
犬神がきょとんと舌を出している。
「犬神、お前には話していなかったが、これは、私のお気に入りの髪結い紐だったんだ。・・・見ただろう?」
そう聞くと、犬神は、頷いた。
さぁ、どうしてくれようか・・・?
私が紐を見ていると、空狐が入ってきた。
「天狐さま、リクオ様がこられました。」
「・・・今、行こう。犬神、お前も来い。トラは・・・空狐、縛って引きずっておいで。」
そういうと、空狐はどこから取り出したのか、紐でトラの手足を縛り、引きずる。
私が自室に入り、白い着物を着て、居間へと向かう。
そこには、妖怪の姿をしたリクオがいた。
「・・・随分、さっぱりしたじゃねーか。」
「褒め言葉なら、素直に受け取っておこう。・・・で?何のようだ。狒々様が助かった話なら、もう聞いたぞ?」
「違うな、今日の集会に、テメーを呼びに来たんだ。朧車もあるぜ。」
「用意周到だな。・・・犬神は、連れて行っても構わないか?」
「そうだな。お前の好きにしろ。」
私は頷いて、犬神の手を取る。
犬神の手は、少し冷たかった。
朧車に乗り込むと、後ろから空狐が着いてきていた。
トラは、空中に浮いて、涙目になっている。
「ところで、髪は結わないのか?」
「紐が切れちまったからな。・・・京都に、行かないと。」
「ん?何か言ったか?」
「別に、なんでもないよ、リクオ。」
そういって、犬神の頭を撫でる。
意外にふわふわだ。
犬神が顔を赤くして、うつむいている。
可愛い。
「まぁ、実際犬より猫派なんだがな。」
「なっ!?それって、あの猫か!?」
「違う違う、あいつみたいな変態じゃなくて、良太猫みてーな。」
「・・・良太猫?」
「うん。三毛猫の雄の猫又。」
「三毛猫の雄って、珍しいな。」
「アイツ、結構可愛いんだ。でも、犬神のほうが可愛いぞ?」
「何だよ、それ。」
不意とそっぽを向く。
私が首を傾げてリクオに向き直ると、そりゃそうだろうという感じで煙管を吹かしていた。
「・・・何か、文句でもあるのか?」
「別に?」
「じゃあ、何でそんな不貞腐れてるんだよ。」
「分からねーんか?」
「あぁ、分からないな。」
頬を膨らませて、リクオから煙管を奪う。
そして、煙を吸って、犬神の顔にぶちまける。
「ケホッ!・・・コホッ!な、何するぜよ!」
「はぁ?聞こえないねぇ。幾分、年を取ってやがるから。」
そして又、煙をぶちまける。
リクオはというと、煙管を見ている。
又咥えて、ゆっくりと煙を吸う。
そして、外に向かって大きくはく。
「なぁ、リクオ。」
「何だ?」
「何でコイツは不貞腐れてるんだ?」
「お前が後で、俺の相手をしてくれるなら、いいぜ。」
と、ニヤリと笑う。
犬神は、それに焦った様子で、頬を舌で舐める。
頬にざらりとした感触。
そして生暖かい。
「犬神、どうした?」
「不貞腐れてるんじゃ、ねーぜよ。」
「なら、何だ?」
「男なのに、可愛いって言われて嬉しい奴なんているのか?」
「・・・リクオ、お前はどうだ?」
「俺はいやだぜ。格好良いって言われるほうが良い。」
「成程ね。そんなことか。安心しな、犬神。」
「・・・?」
「私はお前を頼りがいのある奴だと思って、信用しているし、可愛いと思っているが、格好良いとも思っている。それに・・・」
瞼にキスを落とす。
犬神は、目を見開いた。
「お前は、優しいから、結構気に入ってるぞ?だから、安心しな。」
そういって、笑う。
犬神は、顔を赤くして、舐めた頬に、少しだけ歯形をつけて、キスを落とした。
「今の言葉、前言撤回とか、聞かねーからな。」
「私がいつ前言撤回などした?なぁ、リクオ—んんっ!?」
唇を奪われた。
それも、優しくじゃ無くて、激しく。
唾液が零れる。
唇が離れて、やっと解放されたと思ったら、また、唇を付けられて、角度を変えられて、口腔を侵された。
やっと唇が離れると、銀色の糸が光った。
少しだけ息が荒い。
「お前なぁ・・・」
文句を言おうとして、睨むが、多分効果は無い。
「・・・後で、相手してやるから、盛んな、バカ。」
そういって、乱れた着物を手直しする。
- Re: ぬらりひょんの孫 夢小説 ( No.19 )
- 日時: 2011/06/15 07:15
- 名前: 克哉 (ID: /./DNVgg)
あぁ、もう。
首元を覗くと、赤い花が、よりいっそう目立つ。
「馬頭、後で殴ってやる。」
「馬頭なら、いねーよ。」
「何で?」
「ちょっとな。」
意味ありげな笑みを零して、煙管を吹く。
朧車が止まる。
朧車の戸を開けて、地面に降り立つ。
くそ、酒飲みたい。
いらいらしながら廊下を歩く。
後ろで犬神とトラがにらみ合っている。
大体、機嫌が悪いのは・・・
後ろを振り向いて、トラの胸倉を掴む。
「にゃ、にゃんだよ・・・?」
「大体、元はといえばお前が私の髪結い紐を切るからだ!
あれ、気に入ってたのに・・・はぁ。」
ため息をついて、トラの胸元に寄りかかる。
「変態、絶倫、覗き魔、ストーカー。」
その他もろもろ、罵声を浴びせ続ける。
そして、気が済んだので、離れていこうとしたら・・・
「あ、天狐!」
「猩影か?・・・狒々様は、元気か?」
「当たり前だ。うるせぇくらいに元気だぜ?」
「だろうな。・・・で、この手は何?」
「あ、悪い。会えて嬉しかったものだから。」
そういって、さびしそうな顔で、手を離す。
すると、私はその顔を見て、いじめたくなった。
「・・・お前は、誰にでも会えたら、こう、するのか?」
こう、というところで、手を握る。
すると、猩影は、顔を赤くして、ためらった。
後ろでトラがくつくつと笑っている。
「いや・・・あの、その・・・」
しどろもどろに目線を手に向ける。
「別に、誰にでもする訳じゃねぇよ。」
「本当か?」
猩影は、頷いて、
「天狐だから、しただけだ。」
そういって、顔を赤に染める。
何だろう。
私は、手を離したくなくなって、何か、心が温かくなって。
何だ、これは?
「愛おしい?」
思わず、口に出す。
猩影は、きょとんとしていた。
私は、手を離して、廊下を歩く。
「あぁ、もう。からかってやろうと思っただけなのに、顔が熱い。
酒は飲んでないのに、体が熱いぞ?何でだよ・・・?」
顔を抑えて、体を抑えて、火照りを無くそうとする。
「本当に、何だ?私には、分からない。犬神?」
振り返ると、犬神が、猩影を睨んでいた。
あぁ、犬猿の仲か。
私はそれに思わず、噴出してしまった。
犬神が、怒ったように、
「何で笑うぜよ!?」
「いやあ、本当に犬猿の仲ってあるんだなあ、と思ってな?」
「それ、俺を猿扱いしてるのか?」
「ご名答。あ、火照りがなくなった。・・・夜風で冷えたか。
犬神、集会に行こう?許可をもらって、私の家にずっと住んで、私の手伝いをしてくれ。まぁ、許可をもらわなくても、私の家には済ませてやるよ。」
そう、語尾の部分は早口で言いながら、犬神の手を握って、廊下を走る。
居間にはいると、ざわめきが消えた。
私は小妖怪を追い払う。
だが、妖怪達は、ひるまずに、肩や頭に上ってきた。
「おい、お前らぁ・・・さっさとどけ。邪魔だ、後で話は聞くぞ?
犬神に噛まれないようにな。」
そういって、後ろの壁に寄りかかった犬神を見る。
犬神は、舌を直して、私のほうを見ていた。
「おい、天狐。」
「なんだ?」
「着物。直したらどうだ?」
「気にするな。こんなの、男になれば問題ない。」
そういって、体を男にする。
置いてあった、徳利を拾おうとする。
「ひょひょ、何しとる?」
「狒々か?無事でよかったな。怪我は無いか?・・・酒、飲ませろよ。」
「それが目的か?」
「うるせぇ。飲ませねーと、テメーの息子、食うぞ?」
「・・・聞こえんかったの。もう一度言ってみい。」
「あんたの息子の猩影、食うぜ?酒、飲ませろ。」
「いやじゃ。」
「あ、そ?」
そういって、総大将の近くにいって、酒をかっぱらう。
「オイ、その酒は・・・」
「何だよ。」
「知らんぞ。明日お前が抵抗力がなくても。」
「少しだけだ。」
一口飲んで、返す。
「で・・・なんで俺を呼んだんだよ?」
「お前が四国の犬を入れたと聞いてな。」
「それが、どうしたよ。」
「裏切り行為かと、思うんじゃ。」
「もう杯を交わしちまった。そんなことを言うのは、後の祭りだ。
そんなに、俺が気になるんなら、監視をつけようが、鞭で打とうが、何したっていいぜ?ただし、それをするのは俺だけで頼む。
他の奴らには、指一本触らせやしねーよ。」
そう、言ってやる。
「いいのか?」
「別に、構いやしねーぜ?俺を殺そうが、何しようが、アンタの思い通りにすりゃあいい。まぁ、祝言を挙げる、てのは無しでな。」
笑って、髪の毛を掻きあげる。
ぞくりとするほどの、妖気を放って、居間から出る。
後ろから、犬神がついてくる。
「・・・いーんかよ?」
「あぁ。これでいい。」
「何で、俺を助けた?」
「ただの・・・気まぐれだ。いやなら、俺の心臓に刃突き刺して、逃げな。俺は、逃げないから。」
そういって、犬神の手に、小さな刀を持たせる。
「いつだって、お前は俺を殺せる。
・・・俺の生死は、お前が握ってるからな。」
そう、耳元で囁いて、屋根に上る。
月が綺麗だ。
屋根に、人影がもう一人。
「犬神か?いいぜ、俺を刺しな。」
刀を鞘から抜いて、俺の後ろに現れたのは・・・。
「あぁ、総大将か?刺してみろよ。」
後ろの人影に、そう、問いかける。
人影は、私に走って、心臓を突き刺す。
刀を抜くと、人影は、その場に。
胸からは、血がどくどくと、零れだす。
だが、私は倒れない。
人影が、驚いて、背中を切る。
だが、倒れない。
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