二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- 悪魔の心臓-FAIRY TAIL-キャラ募集中
- 日時： 2012/01/06 02:26
- 名前： 千度Ｒ （ID: G1Gu4SBX）
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私は今日、あの人と結ばれる事となる
…なるはずだった。
悪魔がこの町に来なければ
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FAIRY TAILの悪魔の心臓とオリキャラのちょっと暗めで切なげな話…の予定です。
主人公
エレシュ・パレントゥス
女 ２１歳
小さいころから消極的で自分の思いを口に出すことができない性格
少し夢見がちで、未だに本で見た物語を本当だと思い込んでいる
その他のオリキャラ
ダードラー・キルバルテ
23歳
悪魔の心臓の一人。
様々な弓矢を換装させる弓士<ザ・アーチャー>の使い手。
軽い様に見えるが根は真面目かつ心配性。
大魔法世界を求める理由は未だ誰にも語った事がない。
ユファク・サルサマグダ
２８歳
悪魔の心臓の一人。
様々な形状や属性を変化させるチェーンソーのデス・カッターの魔法を使う。
冷めた性格で自身の武器での殺人を好む。
実は副長のブルーノートを尊敬している。
メリダ・イーゼル
36歳
悪魔の心臓<グリモアハート>の一人。
戦いより、魔法の研究を主にしている。
相手の記憶を覗いて変えたり消す魔法を使う。
基本的に上から目線だが、上司にはいつもビクビクしている。
クレーネ・イーゼル
35歳
悪魔の心臓の一人。
メリダの妻で、メリダを心から敬愛している。
薬の調合を得意とし、見事な治癒の効果をもたらす腕のため
ギルド内で医者の役割となっている。
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- Re: 悪魔の心臓-FAIRY TAIL- ( No.1 )
- 日時： 2011/07/19 13:31
- 名前： 千度Ｒ （ID: G1Gu4SBX）
オープニング—前
『悪魔と町と結婚式』
ここはジャハの町
大きなラベンダーの花畑が広がる教会で有名な町である。
その教会で私は今日、一人の男と結婚する。
「エレシュ…綺麗だよ」
そう声をかけてくれたのはもうすぐ私の夫となる男、ガランだ。
「有難う、ガラン」
エレシュはガランがいつもこういう恥ずかしい事を何時も言うのを分かっている。
正直、止めて欲しいとは思っているが、嫌だと思ったことは一度もない。
今日、この二人は夫婦となる。
幸せな人生となるだろう、この二人ならば。
悪魔さえ来なければ…
「何か来たぞ！！！！！」
突如、教会の誰かが叫んだ。
「空からだ」「何だあれは…」「ママ…」
教会内でざわめきが起こる。
「エレシュ、俺は外を見てくる。ここで待っていてくれ」
「ガラン！」
「大丈夫、必ず戻ってくるから」
そうガランは言うと勢いよく扉を開け、武器の剣を取り出て行った。
残されたエレシュはただ、それを見守る事しかできなかった。
「———気をつけて、ガラン…」
一方、空から現れた不思議な物体には人影があった。
「ウヒヒヒヒヒ！！無駄だって、雑魚がいくら集まった所でオレっち達に勝てる訳ねぇだろぉ？」
そういって見下しているのは金髪と狂気に歪んだ表情を隠そうともしない青年だ
「この人数なら俺一人でも十分だと思うんだがね」
そういったのは短冊形のような束を四方八方に固めた特徴的な髪形をしたやや褐色の筋骨隆々の男だ
「そうね、じゃあ民の殲滅はあなたに任せるわ。あと、ゼレフを起こす鍵を探すのは…」
そういったのは妖艶な長い黒髪を持つ女性だ
「ならば、私＜メェ＞が。」
そう言ったのは、ヤギだ。そうとしか一目見た者は言えないだろう
「ええぇぇ！？オレっちも暴れてぇってよ！アズマさんよぉ！！」
「…やれやれ。ミスをせんように気を付けるんだね」
「ウハハハハハハハ！！！」
私の悪夢はここから始まる…
- Re: 悪魔の心臓-FAIRY TAIL- ( No.2 )
- 日時： 2011/07/19 18:54
- 名前： 千度Ｒ （ID: G1Gu4SBX）
オープニングー後
町の皆の悲鳴が聞こえた。
エレシュは出で行きたい気持ちが有ったが、ガランの言葉を信じて待っていた。
だが、窓から様子を覗いて見ると、エレシュは一瞬何を見たのかよく分からなかった。
ソレはとてつも無くおぞましく、美しい黒い焔だった。
黒い焔など見た事も無いし、ましてや人の体から発しているなど理解不能だった。
（何なの…アレは！？）
エレシュはただ、恐怖を抱く事しかできず、その場から動けなかった。
（ガラン…お願い、逃げて…！！）
エレシュにとってガランは大切な人、唯一無二の存在だった。
突如、ドアが開かれた。
「ガラン…！」
そこに見えたのは愛しい者の姿。
そして
「エレシュ…逃げ…」
「ブレビー」
爆発が起こった。
「っ嫌ぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」
エレシュの目に映ったのは大切な人の生き絶えた姿だった。
「そんな、嫌、嫌よ！ガラン！ガラン！ガランッ！！」
「その男は死んだね、幾ら叫ぼうが事実は変わらん。」
ガランに縋るエレシュに、硬い声が当てられた。
エレシュはガランの命を奪った本人を睨む。
「…気の強い女だ。」
「ガランを返して！」
「言った筈だが？その男は死んだ。返す事は出来んね。」
そう言って、男は立ち去ろうとする。
「ど、何処に、行くつもり！？」
「悪魔の心臓<グリモアハート>の本部へ戻る。俺の仕事は終わったね」
「悪魔の心臓<グリモアハート>…？」
「闇ギルドと、言っておこうか」
エレシュは聞いた事も無い言葉に戸惑い、この男に対する殺意が薄れていく事に驚いた。
妙な口調で話すこの男のペースに巻き込まれているのかもしれない。
この男と闇ギルドがどんなのかは知らないが、少なくとも悪人である事はかわりが無い。
「あな「あぁぁぁぁあああ！！！」
「！」
突然の大声に驚いたが、その声の主を見て更に驚く。
先程の黒炎の青年だった。
（殺される…！！）
エレシュはこの黒炎の男を見てそう直感した。何しろこの男、明らかに殺意をむき出しにしているからだ。
「ゼレフの鍵が眠る地の民は殲滅って命令だってよ！なーに見逃しちゃってんの！」
「闘う気力も無い女など、殺すに値しないね。」
（殲滅って…じゃあ皆は！？）
エレシュはこの二人の男によって生死を左右される。
だが、このまま町の皆がいない中で生きていく自信が持てなかった
「殺して」
「…何？」
「あの人の元へ逝きたいの。」
そんなエレシュの心を悟ってか、男が。
「仕方が無いね、直ぐに楽にする。」
「全く…最初からやれっての。」
ガラン…今、逝くからね…
「待て」
重い声が後ろから聞こえた。
「この女こそ、ゼレフを起こす鍵だ。捕えよ。」
「…了解。すまんね、あの男との再会は大魔法世界でだ。」
「え、何を言って…」
そこで私の意識は途絶えた。
私はそこで知る事となる、人間の醜さと素晴らしさを…
- Re: 悪魔の心臓-FAIRY TAIL- ( No.3 )
- 日時： 2011/07/21 19:45
- 名前： 千度Ｒ （ID: G1Gu4SBX）
第一章 【此処は悪魔の口の中】
目が覚めると、そこは暗い牢獄だった。
エレシュは、身体に不具合を感じつつ、寝そべっていた状態から起き上がる。
此処はとても静かで、人の声など聞こえなかった。
ただ、呻くような機会音がエレシュの側に居た。
（此処は何処…？私は、一体…？）
如何してこうなったか、記憶を探っても何か、穴が空いている様な感覚で、肝心な事が思い出せなかった。
そうしていると、遠くの方で足音が聞こえてきた。
足音は段々と大きくなり、やがて止まる。
鉄扉の隙間からでも分かる程の美人にエレシュはさっきまで、抱いていた恐怖が少し薄れ、驚きという感情が生まれた。
そして、扉が開けられ、エレシュは更に驚く。
先程は、一人の女性しか見えなかったが、扉の向こうにはもう一人いた。
それがまだ、十四、五歳位の少女だったのだ。
戸惑うエレシュに美女は話しかける。
「あら、起きたのね。良かった…貴方、町中で倒れていたからビックリしたのよ。」
「え、町中…？」
そこでエレシュは思い出した。
「あ…そうです！私の町が…！何者かに…！！」
「私達が来た時には、もう、満足に形も残ってなかったわ。一体、誰があんな事を？」
ふと、何か思い浮かんだが疑問を持つ間も無く、その記憶は靄の様に霞んで行った。
「わからない…です。顔を、見ていないので…。」
「…そう。空いている部屋が無いから牢に入れてたけど、暫くすれば空き部屋が作れると思うわ、それまで我慢してね。」
そう言って女性は背を向ける。
「あ、あの、貴方達って一体…？」
「お前には、関係ない。」
「こら、メルディ。」
如何やらこの少女は、メルディと、いう名前らしい。冷たい言葉を女性が諌める。
まるで親子の様だ。
「まぁ、魔導士のギルドって所かしら。」
「ギルド…？」
「そ、詳しい話はもう少し休んでからにしましょ？きっと疲れてるだろうから。」
「…はい。」
エレシュは二人が出て行ったのを見送ると、ベットも無い牢獄の床に倒れた。
此処は暗い。まるで私の心を表している様だ。
そう、ぼんやり思いながらエレシュは眠りについた。
「記憶操作は上手くいったようね。」
女性は少女、メルディと歩きながら話しかけた。
「うん、そうだね。ウルティア。」
メルディは無表情だった顔を、彼女に話しかけられ喜びに変えた。
「でも、どうしてアイツに部屋なんてあげるの？あのまま牢獄の方が良いと思うのに。」
「彼女に死なれたら困るし、敵対心を持たせたら、後々厄介になるからよ。」
「脅すのじゃダメ？」
「ゼレフの鍵は彼女にしか使えない、ましてや町の事でショックだろうしヤケでそのまま死んじゃうかもしれないしね。」
女性、ウルティアは悪意に歪んだ表情を一瞬だけ表に出した。そして直ぐに何時もの妖艶な表情へと変えた。
「大魔法世界へは、そう遠く無い。出来るだけ利用して、最後に捨てればいいわ。」
ウルティアはそう言うと、ある場所へと歩きだすのだった。
- Re: 悪魔の心臓-FAIRY TAIL- ( No.4 )
- 日時： 2011/07/22 16:36
- 名前： 千度Ｒ （ID: G1Gu4SBX）
ウルティアとメルディが一つの部屋へと辿り着くと、ウルティアは扉の前にある魔水晶の前に立つ。
「報告に参りました、マスターハデス。」
「入れ。」
扉が開けられ、ウルティアは扉の向こうの光景に気付く。
「あら、皆来てたの。」
「悪魔の宴は深き地獄で行われる。盛大な下準備、と言った所だ。」
「まぁ、簡単に言っちまえば、話があるってマスターハデスがよぉ。」
「おおよそ私<メェ>達にも見当がついておりますが。」
「そ、そそそそういう訳ッス！！」
「…フム。ご苦労だったね二人共。」
「たいした事じゃないわよ。」
「うん、直ぐに終わった。」
口々に喋るこのもの達は、このギルド悪魔の心臓<グリモアハート>の幹部。煉獄の七眷属である。
その七眷属の長、ウルティアは七眷属より遠くにいる、悪魔の心臓<グリモアハート>のマスター、ハデスへと向かう。
「例の件、如何やら早く進みそうです。」
「そうか、お主達は少し身体を休めよ。鍵の居場所が分かれば連絡する。」
マスターハデスは、椅子に座ったままだ。
不意に、一人の男が口を挟む。
「それだけじゃないだろう？俺の欲望<デザイア>がそう囁いている。」
「どんなデザイアだっての…。」
マスターハデスは一つの本を取り出し、七眷属の前に出す。
「この本にはあの女の事について書いてあった。この本を書いた者はこう言ったそうだ…『彼女が一つの魔法を使いこなせる様になった時、世界は世界で無くなる。』と。」
「その一つの魔法と言うのは…まさか！」
「一なる魔法の可能性も高い。」
「成る程…如何やら、思っていた以上にあの女は重要な様だね。」
ウルティアは再度マスターハデスに向き直る。
「あの女の事だと言うのは分かっていたけど…こんな事だとはね。」
先程から黙っていたメルディは、ふと思い付いた様に言う。
「じゃあ、ゼレフを起こす必要は？」
「この女次第では…だな。」
「でもよ、あの女は魔法なんて知らなかった様に見えたって…。」
「おそらく、記憶を失っているか、自分が知らない所で何かあったか…ですな。」
「そこでだ、お前たちに命を出す。」
マスターハデスは立ち上がり、七眷属全員を見つめ、そして言った。
「あの女に、魔の稽古をつけさせよ。」
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