二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク-
- 日時: 2012/08/09 21:43
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
この物語は、
銀魂の世界で起こった奇妙なコラボ作品であり、
温かくて冷たい——駄作である。
と、言う訳で意味深長な言葉から始まりましたが!!
お久しぶりです。ここで書くのは5カ月ぶりです、山下愁です!!
皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか。炎神暴君★リシタニアを!!
そうですそうです。山下愁による突拍子もないあの駄作です。しかも銀魂と戦国BASARAのコラボと言う異様な小説です。
なんと、そのコラボ作品がついに新しく変わって参上します!!
新たに加わるのは。
オリジナル×銀魂×戦国BASARA×青のエクソシスト(NEW)です。
お分かりいただけるだろうか。あの神作とコラボです!!
と言う訳で、早速注意。
その1……山下愁の超駄作。原作を汚しまくってます。原作を汚すなと言う方は、即バックをお願いします。
その2……原作のキャラ、完全に崩壊します。
その3……ストーリーも破たんします。ゴメンなさい。
その4……オリジナルキャラが出現します。というか主人公はオリジナルです。
その5……新たに加わる可能性高いです。
その6……亀更新です。兼用してます。
以上です!!
では、あなたの心に残るような小説を書ける事を願って。
お客様(Thank You)
柚莉様
目次
序章『なんやかんやで再スタート!!』
>>03 >>04 >>05
第1章『最初が肝心とか言うけど大体踏み外す』
>>6 >>11 >>12 >>13 >>14
第2章『レズとか剣とか男の娘とか』(柳生編スタート!!)
>>15 >>16 >>17 >>20 >>21 >>22 >>23
第3章『幽霊は本当には出ないから安心して』(スタンド編スタート!)
>>24 >>25 >>28 >>29 >>32 >>33 >>34 >>35
第4章『こたつの魔術は偉大である』(あの面倒くさがりになってしまうコタツ編)
>>36 >>37 >>38
第5章『一夜の夢は遊女の町にて開かれる』(吉原炎上編スタート!)
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.12 )
- 日時: 2011/10/24 21:55
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1章 最初が肝心だとか言うけど大体踏み外す。
銀時が半分屍と化して、翔は満足したらしい。清々しい笑顔を浮かべて戻ってきた。
訊くべきか訊かないべきか迷っていた雪男だったが、燐が核心を突く。
「一体何をしてきたんだ?」
「ん? あぁ、ここのオーナーを半殺しにしてきた。あ、俺は東翔。こー見えて死神やってます」
よろしくー、と軽いノリで挨拶する翔。
エクソシスト諸君は眉をひそめて翔を睨みつけました(特に雪男と勝呂)
すると、ガラガラとドアが開く音がした。
「ただいまー。あれ、お客さん? 初めまして。志村新八といいます」
新八が帰って来て、エクソシスト諸君はペコリと会釈する。
翔は新八の方を見るなり、
「お、ダメガネ帰ってきたか。茶ぁ淹れろ」
「ちょっと。誰がダメガネなんですか。誰が」
「テメェの他に誰がいるんだよ? 不満なら地味メガネにしてやるぞ」
「余計に悪くなったような気がするんですけどぉおおお?!」
「あーもう。分かった!! 100歩譲って童貞メガネだ!!」
「誰が童貞だ!!」
新八は電光石火のツッコミをすると、いそいそと台所に引っ込んで行った。結局やるのか。
それに続き、ガラガラとドアが開く。何やら今度はがやがやと声がした。
「おぉ、武将共。帰ったか」
「よぉ翔。聞いたか? ゴリゴリ様のプレミアムが発売されたらしいぞ。あれは庶民というより、少しお高めのセレブが買う奴だ」
政宗がゴリゴリ様の入った袋を掲げ、翔に言う。
翔は袋の中からゴリゴリ様を1本取りだすと、それを口にくわえた。しかも無言。
「おい、礼はなしかよ」
「ふぁいふぁとー」
「何を言ってるのかさっぱりだ。Un?」
政宗は燐達に気付くと、目を細めた。そして廃刀令だと言うのにもかかわらず、6爪流の1本に手をかける。
「誰だ、こいつら」
「あーうん。テメェらと同じ境遇な。だから刀を向けるな威嚇するなそして魔王の息子は発火しないソファが焦げる」
一息で翔は政宗と燐にツッコむと、ゴリゴリ様を一気に口の中に入れた。流石に氷菓子を口の中に入れると頭がキーンとするようで、じたばたとソファの上で暴れ回っていた。
燐達は思った。『何してるんだこいつ』と。
「、ぁー。痛い。マジ、本当、やばしです」
「訳分かんねぇ事を言ってるんじゃねぇよ。で、そいつらはどうするんだ?」
「面妖な格好をしておられるが……。どこの世界から参ったのでござろうか」
幸村と政宗が燐達の格好を見て唸る。
燐達が身につけているのは普通の制服である。雪男はエクソシストの制服を着ていた。どこもおかしなところはない。
翔は首を傾げると、答えた。
「ま、人それぞれの趣味ってもんだ」
「「なるほど」」
「納得すんなや!!」
勝呂がツッコミを入れる。制服を馬鹿にされて怒らずにはいられなかったようだ。
「お前かて、変な格好をしとるやろ!!」
「む。これは死神の正式な衣装で、政宗達は立派な普段着だ」
普通の着物を着ている政宗とその他。翔は死神のような黒いコートを着ている。
そもそも、と翔は続ける。
「ここ、江戸だぞ?」
「「「「「ハァ?」」」」」
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.13 )
- 日時: 2011/10/29 21:40
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1章 最初が肝心だとか言うけど大体踏み外す。
確かに翔に言われてみれば、辺りの家屋は全て瓦屋根で、何だか古風の街並みだった。
唖然と口を開ける燐達に、翔は容赦なく愛用している武器、炎神を叩きつけた。
「痛ぇな!! 何でいきなり殴ってくるんだよ!!」
「いや。ただ何となく。なぁ、銀時ー。こいつらどうすればいいと思う?」
翔はオーナーである銀時に目も向けず、問いかけた。
当本人は小指で耳をほじりながらジャンプを読んでいる。ワンパークのところを見て、クスクスと小さな笑みを漏らしていた。
プチッ(←翔の中で何かがキレた音)
「殺」
炎神を1振りすると、ジャンプが一瞬にして燃え上がった。
銀時はジャンプの燃えかすを見て、悲鳴を上げる。
「翔!! テメェ何て事を!! ジャンプに謝れ!」
「大丈夫だ、心配するな。ジャンプは静かに天へ召されて行ったさ」
「紙の魂が見えるってすげぇなお前?! おいそこのほくろメガネも何か言ってやれよ!!」
「え、僕ですか? 僕はその——スクエア派ですので」
「裏切り者がぁぁああ!!」
カオスになりつつあるこの状況を、孫市が銃弾を1発、壁にブチ込む事で沈静化した。
コホン、と翔は咳払いをすると銀時に問う。同じ質問を。
「銀時————To Loveるはもう終わったぞ」
お前さっきと質問が違うじゃねぇか!! 何シリアスな場面でそんな言葉言ってんだよ馬鹿!
「違う違う。銀時、こいつらどうすればいいと思う? 3秒以内に答えろ」
さーん、にー、とカウントダウンが始まる中で、銀時はただ一言。冷静に言い放った。
それはエクソシストには、あまりにも残酷すぎる一言だった。
「捨ててこい」
「分かった」
「ちょっと待たんかいぃぃいいい?!」
ここで勝呂がツッこむ。
今まさに炎神でふっ飛ばしかけたのだが、いきなりストップをかけられてしまったので、翔は仕方なく鎌を降ろす。
「何で俺らをもの扱いするんねん? 俺らを何だと思ってるんや!!」
「「ただの異世界訪問者」」
実際、BASARAの諸君がいる時点で彼らはもう慣れてしまったのだ。
翔はため息をつくと、しえみを指して命令をする。
「お前は今日からホステスな」
「え?!」
「下のスナックで働け。お前の2個上が働いてるから、そいつに仕事を教えてもらえばいいさ」
いきなりのホステスになれ宣言で、しえみは少し混乱しているようだった。
だが、それを許さなかったのが雪男だった。
「しえみさんはまだ15歳ですよ?! 水商売なんかやらせません!」
「ほう」
翔は降ろしていた鎌をゆらりと持ち上げる。そして刃を雪男の首筋に当てると、冷えた声で問いかけた。
「だったらテメェは、この世界から帰る方法を知ってるとでも言うのかよ?」
「……」
「言うのかよ?」
確かめるようにもう1度訊く翔。
雪男は答えられずに唇を強く噛んだ。
「大丈夫だって。何せ、この下で働いてるホステスは17だから。お前らの2個上な。変な客は来ないから安心しやがれ。それに——」
翔は炎神をホルダーに入れて、壁に立てかけた。
「そこの燐が魔王の息子だって言うなら、下のホステスは本当の魔王だ」
「「「「「?!」」」」」
声にならない悲鳴を上げる。
なおさら働かせたくなくなったのか、雪男はしえみの肩を抱いた。
核心を突く事を言ってしまった翔は、大きな欠伸をしながら説明する。
「普段は優しいんだけどな。寝起きが怖ーんだ。だっていきなり銃を振り回してくるんだぜ? これ以上の怖さは——」
その時だ。ドンッという音がして、ドアが吹っ飛んだ。
何が入ってきたかと思えば、青い髪の女の子。
「うーるーせーなー……。テメェら、全員——キン○マ取んぞオラァァアア!!」
銃を乱射しまくる女の子、雫は翔目掛けて引き金を引いた。引きまくった。
翔は炎神を操り、外へと脱出する。
銀時はすでに武将達の部屋へ引っ込んだらしい。おいてけぼりを喰らったのは、燐達である。
雫はゆらりと首を持ち上げて、燐達を見やる。そして鋭い目で睨みつけ——
「死ねコスプレ野郎」
容赦なくフルオート射撃を始めた。
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.14 )
- 日時: 2011/11/05 21:42
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1章 最初が肝心だとか言うけど大体踏み外す。
燐達を置いて出て行った薄情者、翔は流石に悪いとでも思ったのか万事屋に引き返してきた。
途中で会った燐菜も引き連れ、万事屋のドアを開ける。
「翔〜、どしたの〜?」
「ドアがねぇ」
開けようと思ったドアがなかった。どうやら雫が吹っ飛ばしたらしい。
翔は苦笑いを浮かべながら、万事屋の中に足を踏み入れた。
案の定、万事屋は酷い感じになっていた。
「おい、魔王の息子。生きてるか?」
銃弾を何とかよけきったか、はたまたその魔王の力とやらで防ぎきったのかボロボロのエクソシスト諸君がいた。
翔は燐の安否を確認し、そして「ふむ」と頷いた。
「よし。このまま地獄に送ってやろう」
「待てこの少女容姿!!」
燐が復活し、翔の足にしがみついた。
いきなり起きて、しかも少女容姿と言われたのが腹立ったのか、翔は顔の筋肉をひきつらせた。
「テメェ……俺らを置いて逃げただろ!」
「俺だって命は惜しい」
死神は弾丸に当たっても死なないけど、当たればそれなりの痛さは来る。
翔は燐を引き剥がし、燐菜に頼んだ。
「こいつらを回復させてやれ。生身の人間はすぐに死ぬからな」
「ほいほーい」
燐菜は惑星の力を駆使して燐達を回復させる。
翔の発言を怪しく思った勝呂が、翔へ問いかけた。
「お前は一体何者なんや。お前かて人間やろ?」
「俺をテメェらのような下等な野郎と一緒にするな」
翔はバッサリ言い捨てた。
「俺は死神——それこそ世界の半分を一瞬にして焦土と化せるほどの力を有する死神『炎の死神』、東翔だ。魔王だ何だほざくんだったら俺を倒してみろバーカ」
鼻をほじりながら翔は名乗った。そうやって名乗るものなのだろうか。
すると、燐菜が突如、翔の事を殴った。
ゴキィッと音がして、翔の首の骨が粉砕される。翔は倒れた。
「もう。初対面の人にそうやって自己紹介しちゃダメでしょ〜」
「……」
すでに気絶して意識がない翔に気付かず、燐菜は翔へお説教する。
「異世界の人には優しくしなきゃ〜。この世界の事が分からないんだよ?」
「……」
「おい、燐菜。翔は気絶してるから説教は後にしてやれ」
雫の攻め込みに何とか免れたのか、孫市が平然とした顔で燐菜に言う。
燐菜はひょい、と翔の顔を覗き込み、気絶してる事を確認した。
「あら〜?」
「首の骨が折れてるな」
首根っこを掴んでブラブラさせる孫市。
死神なのに女の子の拳で気絶させられるってどんだけなの。
燐菜は力が強い為、殴って骨折させるなんてしょっちゅうなのだ。
「ゴメンね〜翔〜。起きて〜」
「そのうち起きるだろ。死神は死なない。何故なら神様だからな」
「そっか〜神様神様〜」
燐菜はニコニコと納得するが、その笑顔はエクソシストにとっては悪魔のほほ笑みにしか見えなかった。
怖すぎます、燐菜さん。
と言う訳で、エクソシストも交えて炎神暴君★リシタニア再開です!!
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.15 )
- 日時: 2011/11/22 21:30
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2章 レズとか剣とか男の娘とか
今日は万事屋に来客があった。
真選組1番隊副隊長であり、翔の友人でもある椎名昴である。他に風月春夜と青龍希実がいる。
翔が見せられたのは、1枚の写真だった。
ゴリラの写った写真だった。
「で?」
翔はその写真を昴に返し、首を傾げた。
「猩々星の第3王女、バブルス様だ。近藤さんの婚約相手なんだよ」
「へぇ。すごいや。近藤と瓜2つの野郎がいるなんて知らなかったなぁ」
「よく見て下せぇ。近藤さんとは違いまさ。こっちはモノホンですぜ」
ばしばしと写真を叩く春夜。
翔はぼりぼりと面倒くさそうに頭を掻くと、再度問いかける。
「で、俺に何をしてほしいの?」
「……王女の抹s「希実は黙ってなさい」ハイ」
昴に言葉を遮られ、希実は黙り込む。
「せめて、王女を退けてくれないかな? だって近藤さん、まだお妙さんの事を諦めてないんだ。今日、そのお見合いでさ」
「……どこで?」
「へ? えーと」
翔は昴が言った台詞に驚愕する。
それは、主である銀時達が働きに行った場所で————。
「菊屋——だったかな?」
「佐助ぇぇぇぇぇえぇぇぇええ!!!!」
***** ***** *****
武将、エクソシスト諸君を叩きだし、昴達と菊屋に向かう万事屋一行。
「何か嫌な予感がする。いや、マジで。何か長編に持ち込んできそうな感じの」
翔は走りながらそうつぶやいた。
ハイ、その予想は大体合ってます。私がそうしてますからね。
すると、気だるげな声が上から降ってきた。
「あら。何してるのかしら?」
急停止する一行。
屋根の上から手を振っていたのは、なんと情報屋の市ノ瀬凜だった。
「凜! テメェ、どうしてここに?」
「え、呼んだか?」
燐の方が反応を返した。
テメェじゃねぇと言って燐をはたくと、凜に問いかける(ややこしい!!)
「近藤が見合いするらしいぜ! 見に行こう!」
「あら、奇遇ね。私も菊屋に行こうと思っていたのよ」
凜は屋根から飛び降りると、裏路地の方へ入り込んで行く。その後に翔達が続いた。
右へ左へ行った先にあったのは、広い庭園と大きな平屋。その上では銀時、新八、神楽が屋根を修理している。
「テメェも用事って……近藤の見合い話をいち早く入手したのか?」
「馬鹿言ってるんじゃないわ。今聞いたばかりよ。私がここに来た理由は、志村妙ちゃんよ」
志村妙——新八の姉である。彼女の卵焼きのせいで数々の犠牲者が(主に官衛兵)万事屋から出ている。翔も被害者の1人だ。
凜は声をひそめて、情報を教える。
「……彼女と結婚しようとしている女の子がいるのよ」
「へぇ。そいつは————」
いいんじゃねぇか、と言おうとしたところで、翔の言葉が止まる。
聞き間違いでなければ、彼女は今、女の子と言った。
「おい、凜。もう1度——」
その時、悲鳴が起きる。
「レズゥゥゥゥゥウウウ!!」
塀を乗り越え、悲鳴の方へ駆けつけると、篠宮優奈(シノ)とミウ・メイガスがいた。
彼女達の視線の先には、
妙と、誰かがキスしているところだった。
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.16 )
- 日時: 2011/12/09 21:55
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2章 レズとか剣とか男の娘とか
妙と謎の男がキスをしているところを見て、翔は顔をしかめた。
死神の目でその謎の男を見る。
うん。間違いない。
「おい、あいつ——」
「な、あの美人の姉ちゃん誰だ?!」
燐が興味津々と言う感じで訊いてきた。
翔は大きなため息をついて、とりあえず妙の事を教えておく。
「新八の姉であるお妙だ。言っておく。あいつはゴリラにも匹敵するほどに強い人間だ」
「?」
「知らないならいい」
話に戻る。
「柳生九衛兵ねぇ……。何してるんだ、あいつ」
「それより、何でシノとミウ・メイガスがここにいるの?」
「猩々星のバブルス様の付添だろ。大方」
よし、と翔は頷くと、塀を軽々飛び越えて菊屋の中に足を踏み入れる。
豪華な感じの庭はとても広い。和風庭園とも言えるだろう。
翔は鎌・炎神を引き抜くと、妙と男のもとへ駆ける。
「白昼堂々何しとるんじゃぁぁぁあああ!!」
怒号と共に鎌を振り下ろす。
男は妙から離れ、翔と距離を取った。翔は妙の前に滑り込むと、鎌を構える。
「しょ、翔?」
「チビガキが昼間から女とキスか。見せつけてくれるじゃねぇか。おいおい」
翔はケタケタと笑いながら、男に鎌を突き出した。鈍く刃が光る。
男は鋭い目で翔を睨みつけながら言う。
「お前は……?」
「東翔。万事屋銀ちゃんの住み込み従業員だ、テメェは柳生九衛兵と見た」
「……分かるか」
「当然だ。俺を誰だと思っていやがる。死神だぞ、死神」
死神、という単語を聞いて、男・柳生九衛兵は眉をひそめた。
「死神——人に鑑賞できる分、感情を殺している神だと聞いたが。君はどうして妙ちゃんの前にいるんだ?」
「決まってる。従業員の姉だからな。死神全員が感情を殺して生きてる道具だと思うなよ。俺は義理人情に厚い」
二コリ、と笑って対応する翔。
だが、逆に九衛兵は無表情で言い放った。
「ではそれが、僕の許嫁だとしたらどうする?」
「許嫁——? ハッ。おいおい、笑わせてくれるんじゃねぇぞ。死神の目をごまかせるとでもお思いか? テメェの性別は——」
それを言う以前に、部屋にゴリラが飛び込んできた。銀時と神楽、そして新八。そして近藤も。
全員が目を見張った。
「りぃぃぃん!! こいつら殺せぇぇぇ!!」
「あなたが殺せばいいでしょ。死ぬ時を早めるというのもあなた達の仕事じゃないの?」
「死神が勝手に人を殺せないのを知って言ってるのかテメェは!!」
騒ぎに紛れ、妙は翔の横を通り過ぎ、九衛兵の隣に並ぶ。
「おい、お妙!!」
「ごめんなさい、皆」
妙は目に涙をいっぱいに浮かべ、こう告げた。
「さようなら」
「あ、姉上?」
新八が妙の名前を口にした瞬間、九衛兵は妙を連れてどこかへ消えた。