二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜  † End †
日時: 2012/05/27 20:08
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: zlsHcGtF)

銀色の歌姫、ついに最終章です。
今までとても永く続いたシリーズ完結の話を書きたいと思います。
ここまでこれたのも、応援して下さった皆さんのおかげです。
どうも、ありがとうございました。

それでは注意事項です
・間違いなく駄文。
・時々、血的表現が入るかもしれません。
・荒らすのは禁止でお願いします。
・パクリなどの行為をした場合も荒らしとみなしますのでご注意ください。

これまでの作品
・銀色の歌姫
・銀色の歌姫Ⅱ
・緋色の空、紅色の月
・スミレの花が咲く(完結作品です)



opening >>37

prologue >>1
      >>2
第一楽章   >>3
第二楽章   >>6
第三楽章   >>19
第四楽章   >>23
第五楽章   >>34
第六楽章   >>41
第七楽章   >>75
第八楽章   >>79
第九楽章   >>84
第十楽章   >>88
第十一楽章  >>98
第十二楽章  >>99
第十三楽章  >>100
第十四楽章  >>110
第十五楽章  >>113
第十六楽章  >>114
第十七楽章  >>115
第十八楽章  >>119
第十九楽章  >>122
第二十楽章  >>123
第二十一楽章 >>124
第二十二楽章 >>125
第二十三楽章 >>127
最終楽章   >>128
epilogue   >>132

ending  >>129

スタッフロール  >>130



罪人の呟き >>39
リク短編応募用紙 >>45



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Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.111 )
日時: 2012/03/23 12:56
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: jJL3NZcM)

今日、明日で温泉に行ってきます((
けど3DSでこれるかもしれません…が!
更新できないんで!

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.112 )
日時: 2012/03/28 18:11
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: 3wndF1ru)

第十五楽章














———怖い。



「私はバケモノだ。
 今なら、お前だって肯定するはずだ。そうだろう?」



「ぁ………」




違う、和奏は……




「そうだろう?
 お前は私の事を怖がっている。」





『違う』と、言いたい。

けれど、声が出ない。






「違う!」




円堂が、叫んだ。


和奏たちにやられた、ボロボロな姿で。




「お前たちは、化物なんかじゃない!」


「…本当、世の中には馬鹿がいるもんだな。」



和奏は、軽く舌打ちをして、自分のポジションに戻っていった。




(途中保存)

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.113 )
日時: 2012/03/29 18:40
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: tA56XhER)

第十五楽章














———怖い。



「私はバケモノだ。
 今なら、お前だって肯定するはずだ。そうだろう?」



「ぁ………」




違う、和奏は……




「そうだろう?
 お前は私の事を怖がっている。」





『違う』と、言いたい。

けれど、声が出ない。






「違う!」




円堂が、叫んだ。


和奏たちにやられた、ボロボロな姿で。




「お前たちは、化物なんかじゃない!」


「…本当、世の中には馬鹿がいるもんだな。」



和奏は、軽く舌打ちをして、自分のポジションに戻っていった。






















「風丸、大丈夫か?」


円堂は、俺の手を引く。



「……言い返せなかったんだ。」


「え?」




目から、涙があふれてきた。




「和奏たちは、化物なんかじゃないって——ッ
 そう、言い返そうとしたのにッ…
 俺は、言い返せなかったんだ!」



涙が止まらない。



なんで泣いてるのかもわからない。




なんでだろう。






すると、円堂が俺の頬を両手で挟んだ。





パァン、という音を響かせて。





「取り戻すんだ。」


「え…?」



円堂は、大声を荒げた。




「和奏たちに、教えるんだ!
 『お前たちはバケモノじゃない』って!」



























———後半戦。







「なんだ、来たのか。
 怖気ついて、来ないかと思ったよ。」



和奏は、にやりと笑う。




「そんなわけない。」



「…あぁ、そう。」














「あっははは!」


エルザが、一気に上がってくる。


速い——けど、止めてやる!




「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」


「ッ!?」




俺は、エルザからボールを奪った。


「貰った!」

「…まだ、序の口よ!」



今度は、ティルがこっちに向かってくる。


「吹雪!」


俺は、すかさず吹雪にパスを送った。

吹雪は上がっていく。



「くっそ……ッ」


「豪炎寺君!」



吹雪は、豪炎寺にパスをする。



そして、豪炎寺はそのままシュートを——





「点を入れれると思ってたら大間違いだ!」




DFの和奏が、豪炎寺をにらみつける。




「ティアラガーデン!」



和奏が手を広げたすきに、太陽のガーデンが輝いた。



「ッ……」



気がつくと、和奏は豪炎寺からボールを奪っていた。



「なに!?」


「フン…」




和奏が、一気に上がろうとする。



「和みの協奏曲 —なごみのコンチェルト—!」


一瞬にして、心地よい和音が流れた。

気を失いそうになる。




「…私は、この子たちを守らないと……ッ」



和奏がドリブルをしながら、叫ぶ。




「私は、この子たちだけでも幸せにするんだ!」





和奏が放つ、シュート。






「ミルキーウェイ!!!!!」





星が流れる。



天の川が流れる。




そのシュートはまるで、満天の夜空———。






「止めるッ……」





円堂が構えた瞬間だった。







「エンジェルサークル!」            「デビルサークル!」



ジョバンニが、カムパネルラが、和奏のシュートを更にシュートで繋ぐ。




シュートチェイン。














点差は、開いていた。







Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.114 )
日時: 2012/03/31 19:06
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: Rj/XAYnz)

第十六楽章














いくら叩きのめしても、彼らは立ち上がって、また向かってくる。


何故だ?あんなに、力の差を見せつけても、彼らは諦めないんだ。





『お願いだから、もう向かってこないで。』



『もう、お前らをあざ笑いたくないんだ。』



『本当は、本当は——。』









そんな事を思っていても、私は表情には出さない。


そうさ、私はずっと仮面をかぶり続けている。


だってさ、自分の事をすべてさらすような行為、誰だってできないだろう?


私は、もう歌えないんだ。



人を殺めてしまった。



私の歌で、数々の人を殺めてしまった。



そうさ、私はひとを殺した悪人さ。



サッカーは楽しい?そのサッカーで私は歌を歌い、



私は数々の人を———














「あああああああああああああああああああああああッ!!!」









          #           #           #






和奏が突然、叫んだ。


どうしたんだ、なぁ、教えてくれよ。


そして、ついにはサッカーコートに這いつくばり、涙をこぼしていた。





「ファントム!?どうしたの!」



「おい、ファントム!しっかりしろ!」



物語の、彼らが和奏の方へ駆け寄る。




「あぁ……ぁ、あぁぁっぁぁぁッ」



和奏は、激しく嗚咽する。


そしてついには咳き込み、あの時のように血を吐きだした。




「ガッ…ぁ、ゴハッ……ッ!」



すると、和奏は急に理性を取り戻した。



「ファントム、大丈夫!?」


「…あ、あぁ。悪かった。」





和奏は、唇の端に付いた血を手でこすった。




「悪かった、さぁ開始するか。」



「……なんで」



俺は、声が擦れながら呟いた。



「…なんか、いったか。」



「何でそこまでして…ッ!」






ウンディーネがスローインした所を、俺はすかさずボールを奪う。




「何でそこまでして、バケモノになってッ…
 戦わなくちゃ、いけないんだ!」



「ッ……私だって…」




和奏の目の色が変わった。




「私だって、バケモノなんかには、なりたくなかったさ!」



和奏が俺に向かって走ってくる。



「じゃあ、どうしてなったんだよ!」



「小学生の時さ!
 私は、サッカーの助っ人として試合に出た!
 けどな?」



和奏がボールを奪おうとしてくるが、俺も負けじとボールをキープする。



「私は、歌いながらプレイをした。お前も知っているはずさ!
 そして私は、“歌姫”なんて言われてちやほやされたッ……」



和奏の歯ぎしりの音が聞こえる。


それほど、嫌な過去なんだろう。




「けど、試合が終わったら、なぜか怪我人がたくさん出た!
 挙句の果てに、死人さえ出たんだ!
 …私が、歌ってプレイした日に、必ず…ッ」




…え?




「私は、人を殺した!
 それからは、“歌姫”の名は穢れ、バケモノの“ファントム”と呼ばれるようになった!」





音無も、そう言っていた。



『和奏さんは、“歌姫”と呼ばれていましたが、
 試合が終わった後には必ず大勢の怪我人が出たそうなんです。
 ですから、“ファントム”と呼ばれるようになった、と…』







「それに、試合に出る前は母さんと父さんは離婚!
 母さんは、父さんが家を出て行った理由は私だと言っていた!
 それで母さんは私に暴力をふるうようになった!
 …今も、身体じゅうには痣が残っているだろう。」




豪炎寺の父さんが言っていた、体中の痣は

和奏の母親から受けた、虐待のあとだったのか?





「私は周りの人を不幸にした!
 だから———ッ」






和奏が、手の甲の皮を噛み千切った。






「私は、その償いをしないといけないッ!」










和奏が血を自分の周りに飛び散らせ、何かの紋章が浮き出た。





「ファントムッ!」




「和奏ッ!!」





























音が、歌が、周りを支配した。






「   賛美   — ファントムとクリスティーヌによる幻想曲 —」









そして、すべてが銀色に包まれた。











いつの間に、俺達の目は眩んでしまっていた。



数十秒間、目を開ける事さえできなかった。






そして、やっと視界が安定した時に見えたのは、






















































真っ赤に染まって倒れている、和奏の姿。



Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.115 )
日時: 2012/04/03 19:16
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: kG5vJqWm)

第十七楽章















真っ赤に染まって倒れている、和奏の姿。


なんだろう、この宙に浮いたような気持ちは。


夢を見ているような気分だ。



けれど、神様はこの出来事を夢で済ませちゃ、くれやしない。




「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」




彼らの、絶叫。




「ファントムっ…!?」

「なぁ…起きてくれよっ…なぁ!」

「返事をして!お願い!」




その後に、木野達、マネージャーが来た。


「まって、今…応急処置を…ッ
 冬花さん、救急車を!
 夏実さんは水面機に水を張ってきて!
 音無さんは今すぐに監督に電話!」












みんな、和奏の為に動いている。


けれど、俺だけ一人、立ち止まってる。


何をしていいのか、わからない。








すると、すぐさま和奏は動いた。




「ファントム!?動かないで、貴方は今ッ…」


「……きゃ……け、ない…」

「…え?」




和奏は、血を失った真っ青な顔で呟いた。















「わた、し…は、この、こ…たち、を……
          まもら、なきゃ…いけ、ないん、だ…」









和奏が、そう呟いた瞬間、俺は和奏の下へ駆け寄った。


なぜ、すぐに駆け寄ったかはわからない。


けれど、心より体が反応する、と言う事はあると分った。






















「もういいっ……」











俺は、和奏を力いっぱい抱いた。



























「もういいよ…和奏ッ……」










俺の熱が涙に伝わり、俺の涙が和奏に伝わった。





















「ッ…本当は、ずっと苦しかったッ…

 父さんは出ていっちゃって、母さんは私に暴力をふるうんだッ…

 それで、気晴らしにサッカーをしてもッ…悪人だと、咎められてッ…

 せめて…私のような、境遇な子たちを、幸せにッ…したかった…

 けどッ……私は、人を幸せにッ…することすら、出来なかった…」








「何を言ってるの…“和奏”」



エルザが、和奏に語りかけた。



「死んでいたような私に、“和奏”は私に希望をくれたんじゃないッ…」

「そうだ!“和奏”は、俺達を、幸せにしてくれた!」






一人一人、和奏に語るたびに、和奏はその分大粒の涙をこぼしていく。





「ッ……なぁ、最後に教えてくれ…」



和奏は、顔をこちらに向けた。



































「私は、存在していて、いいのか?」






「当たり前だッ……」




























和奏は、そのまま救急車に運ばれていった。



命に別状はなく、数か月入院すれば治るらしい。



和奏と一緒に居た彼らは、お日様園で保護すると言っていた。



きっと、幸せになれる事だろう。














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