二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 隣人は傷つかない(AKB二次)半日限定復活!
- 日時: 2012/03/18 09:21
- 名前: ちゅきりそ (ID: 5yJleevy)
大好きで大好きでデビュー当時から応援させていただいてるAKB48様の二次小説書かせていただきます。
登場人物
マエダ アツコ
19歳。祖母が借りたマンションに引っ越してきた。
トリマー目指して勉強中。
オオシマ ユウコ
23歳。アツコの隣人。明るく社交的で小柄なポジティブシンキング。
映画やドラマで活躍する女優。
シノダ マリコ
25歳。雑誌の超人気読者モデル。長身でショートヘアの美人。
たびたびパーティーやイベントを開催。
そのたいろいろ
宜しくお願いします!
- Re: 隣人は傷つかない(AKB二次創作です。) ( No.18 )
- 日時: 2012/01/05 10:16
- 名前: ちゅきりん (ID: 1httY7M6)
ピンポーン
チャイムの音にももう慣れた。
アツコはなれた歩き方で玄関へと出ていく。そこには…
「あっけおめーー!!」
「おめでとーう。」
「なにで、おめでとう?」
「あけましてー。」
ユウコ、マリコ、ハルナが晴れ着で現れた。
ユウコは赤と白の、鶴の大きな刺しゅうが入った着物。小柄な彼女に「女優」という存在感を抜群に与えている。
マリコは水色で、白い花の模様が入っている。一見シンプルな中にも、彼女なりの気迫の出し方がよくあらわれている。
ハルナはおそらくこの中では一番目立つピンク色。マリコの色違いの着物だったようで、黄色い花が描かれている。
3人ともきれいに化粧をして、このまま並んだら写真屋の広告に使えそうなほどだった。
と、そんなに見とれている暇もなく、アツコは初詣に行くために着物に着替え出す。ほかの3人はそれまでアツコの部屋でテレビを見ている。
「んぁ!CDTVとってある!みていいー?」
「いいよー。」
(にゃんにゃんって音楽番組とか見るんだ…)
小さな発見に少し微笑みつつ、アツコは帯に取り掛かった。
- Re: 隣人は傷つかない(AKB二次創作です。) ( No.19 )
- 日時: 2012/01/05 10:40
- 名前: ちゅきりん (ID: 1httY7M6)
「ゴメンゴメン。じゃあ行こう。」
アツコも晴れ着で現れた。
朱色に銀の波の模様が入った高そうな着物。少し古いデザインもそつなく着こなす彼女は、やはり美形なのだろう。
「ユウコ〜。初詣行くの?一緒にいきたいんだけど。」
やってきたのは、黒と金の着物を着たイタノと、ピンクと黒の着物を着たカサイだった。
「いいよ〜!!みんなで行こうぜ!!」
人数が増えてテンションが上がるユウコ。それを見てあきれるマリコ、ハルナ、アツコ。
10分後〜
「はいではみなさんそこ並んでー」
マリコの号令で、賽銭箱の前に並ぶ5人。
全員そろって賽銭を投げる。
5人を代表して、ユウコが大きな鈴のついた古くて太い縄をゆする。
ガラガラガラ、と。大きな音が鳴った。
2礼2拍1礼を守って、全員でお参りをする。
みんなの願いは?
ユウコ(ことしもにゃんにゃんがナイスバディでいてくれますように…そしたら…(自主規制))
ハルナ(ことしもいっぱいテレビに出られますように…)
マリコ(今年は自分のブランドを立ち上げられますように…)
イタノ(喉をつぶしませんように)
カサイ(サエちゃんが振り向いてくれますように…)
アツコ(トリマーになれますように)
願いは皆それぞれです。
- Re: 隣人は傷つかない(AKB二次) ( No.20 )
- 日時: 2012/01/05 11:15
- 名前: ちゅきりん (ID: 1httY7M6)
「おみくじーー!!」
「ニャロー。さわぐなー。」
「わー!にゃんにゃんズルい!!」
「大島!!お前ら芸能人なのわかってるか!!??」
『ふぁーい!!』
「もぉぉ!」
そういって駆け出すマリコも、少し楽しげだ。ポーカーフェイスはポーカーフェイスなりに表情があるのだと解った。
(あたしもおみくじ・・・)
アツコはふとあたりを見回す。
初詣に来た大勢の人の中。
「!?」
いた。確かに、いた。
大人にしては小さすぎる身長。けれど、子供ともいえない美しい顔立ち。茶色い髪をリボンで頭の上のほうに止めて、身長を補ってういる。
な ぜ あ の 子 が コ コ に?
「アツコー??おみくじひかないのー??」
ハルナの声で呼びもどされる。
「あー、うん。」
アツコは、忘れたいと思いつつも、しかしこの目で見てしまったことを、忘れられなかった。
- Re: 隣人は傷つかない(AKB二次) ( No.21 )
- 日時: 2012/01/05 13:41
- 名前: ちゅきりん (ID: 1httY7M6)
嫌な夢を見た。
私の になって んだ …
あの子が、私の名前を呼んで…
私はあの子の名前を…
呼べなかった。
一瞬、あの子の姿が脳裏によみがえった。
その瞬間。
「いやあああああああああああああああああああ!!!!!」
誰かの叫び声が聞こえた。
驚いて、寝ぼけながらはだしのままで飛んできたユウコとつるんで一緒に酒を飲んでいたサエも走ってくる。
「どうしたの!?だいじょうぶ!?アツコ叫び出すから…」
サエにそういわれて、叫び声は自分だったと気づく。
「ちょっと怖い夢を見ちゃって…」
2人に少し落ち着かされて、ユウコがいれたコーヒーを飲んだらまた眠くなってきた。
2人は心配だからとずっと付いていてくれた。
もう、夢は見なかった。
- Re: 隣人は傷つかない(AKB二次) ( No.22 )
- 日時: 2012/01/10 15:44
- 名前: ちゅきりん (ID: 1httY7M6)
Episode-zero 禁じられた二人
「たとえ形は違えども、それが愛であることに変わりはない。」
その通りだった。
私は彼女を愛していた。
彼女も、私を愛していた。
お互いの性癖がおかしいのではなく、ただ純粋に、愛し合っていた。
それが、私たちの、愛の形だった。
よく晴れた春の日の午後。
私は、彼女を誘って散歩に出かけた。
住んでいた場所が田舎だったからか、河の水は澄んでいて、そこが見えるほどだった。
暖かい風をほほに受けながら、二人で歩いた小道からは、このあたりで一番広い河川敷が見えた。
小さいときは、よくあの河川敷で遊んでいた。
けれど、小学校、中学校へ上がり、忙しくなるにつれて、ここへ来ることもなくなっていった。
「もう、高校卒業だね。」
自分の放った言葉に、なぜか切なくなった。
「引っ越すんでしょ?…会えなくなるね。」
私と同じように、少しさみしげな表情が混じった彼女の声。
お互い前を向いたままで会話をしていたから、声だけが聞こえていた。
「河川敷…行かない?」
突然放たれた言葉に、私はとまどった。
けれど、彼女がそういうのなら、一緒に行ってもいい、と。そう思った。
思ってはいけなかった。
河川敷につくと、芝生のにおいが酸素とともに全身へと廻った。
「久し振りだね。来るの。」
「そうだね。」
どちらからとも言わず、なだらかな斜面に腰掛けた。
芝生がカーペットのように、二人分の重みを吸い取った。
「ねぇ。」
「なに?」
さっきとは打って変わって、小さな声で話しかけられた。
「あたしのこと、好き?」
「えっ?」
「あたしのこと、好きかどうか聞いてるんだよ。」
少し口調を強められて、あぁ、本気で聞かれているんだと確信した。
「うん。好きだよ?」
友達として、と付け加えておいた。けれど、本当はそうではなかった。
本当なら、今すぐ抱きしめて、大好きだ、と叫びたいくらいだった。
でも、それを許さなかったのは、ほかでもない私の正義感だった。
叶わない、恋だった。
「そっか。でもね、」
「?」
「あたしは、大好きだよ。友達じゃない。一人の人間として。」
彼女の眼を、久しぶりに見た気がした。
大きくて、黒目がちな目から、今にも涙がこぼれそうになっていた。
「それだけ、知っておいてほしかったの。」
パーカーのそででぐしぐしと目をぬぐうと、彼女は立ち上がろうとした。
それを止めたのは、私の手だった。
「ゴメン。さっきの、ウソ。」
「え…?」
「あたしも。あたしも、好きだから。大好きだから…
私の言葉をさえぎるようにして、彼女は小さい体でわたしを抱きしめた。
あったかくて、小さくて、柔らかくていいにおいがした。
幸せだった。
「おい、お前ら何してんだよ?お?もしかして?もしかするのかよ?」
今通ってきた小道の上で、自転車に乗った同級生の男子が目を丸くしていた。
「おーい!コイツら人目もはばからずに抱き合ってたぞ!!」
口に手をあてて、大声を出すまねをされて、彼女は素早く立ち上がった。
「じゃぁな、カップルさん♪妊娠のお知らせ待ってるよ。って、二人とも女か。あ〜っ!超笑える!!」
そういって、彼は立ち上がった彼女のかたを押した。
ゴロゴロゴロ、ボチャン。
体重の軽い彼女の体に、男の手の力。そこに、斜面と反対向きに立っていたこともあって、彼女は転げ落ち、川に落ちた。
その時、私は芝生に座っていて、助けられなかった。
駆け寄ったとき、彼女の体は冷たく、全身を川の水でぬらしていた。
「嫌だよ…ミナミ…大好きだって言ったのに…」
「アツ・・・コ・・・あり・・・と・・・だ・・・すき・・・」
小さくうめき声のようなものを漏らして、彼女は気を失った。
そのあと、我に返って大人を呼んだ。
病院に運ばれて、集中治療室へ入った彼女は、それっきり戻ってこなかった。
お葬式の後、私は大きな花束を持って、あの河川敷へ行った。
そこにはすでに、花や、ジュースの缶が置かれていた。
その中に、私が持ってきた花束を置く。
風が、吹いていた。
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