二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【完】薄桜鬼 背中合わせの志【完結しました】
日時: 2012/07/25 16:46
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

知ってる人も知らない人もこんにちはっ。
流夢です←
今回は私、【流夢】と私のリア友、【桜舞姫】のリレー小説を行いたいと思います。

—千姫様のためならば、どんな事でも—
千姫に忠実だった筈の2人の物語です。
同じ里をまとめる2人の里長。
だけどその2人は——!?

☆読む前にちょっと確認して下さい☆
・荒らし等作品妨害目的の方はお戻り下さい。
・この小説はリレー小説です。【流夢】と【桜舞姫】が行います。
・リレー小説や薄桜鬼、流夢、桜舞姫が嫌いと言う方は、どうぞお戻り下さい。
・2人とも、更新日は不定期です。
・スレッド管理は、流夢が行わせて頂きます。
☆以上です。全ての項目OKの方のみご観覧下さい☆

—————

>>2 【オリキャラ設定】

—出会い篇—
>>6 0話「鬼達の里」 >>7 1話「海と空と千鶴と」
>>8 2話「空の失敗」 >>14 3話「男装女鬼」
>>15 4話「試合のその後」 >>16 5話「羅刹の話」
>>19 6話「巡察の中で」  >>20 7話「雪の降る日は」
>>22 8話「楽しき午前と危なき午後」

—風間一派襲来篇—
>>23 9話「尊敬の意に反して」 >>24 10話「人か鬼か」
>>29 11話「空の言い分と海の怒り」 >>30 12話「鬼副長vs女鬼」
>>34 13話「海の思い」 >>42 14話「風間一派襲来」
>>44 15話「海と鬼」 >>45 16話「信じたい思い」

—真実篇—
>>48 17話「闇色の差す眼」 >>49 18話「命令と感情」
>>50 19話「未完成なカラダ」 >>51 20話「鬼の心と人の腕」
>>53 21話「喧嘩する程仲が…?」 >>56 22話「空の涙」
>>58 23話「夜空に向かって」

—花見篇—
>>61 24話「姫からの誘い」 >>62 25話「それぞれの反応」
>>63 26話「沖田の話術と先手」 >>64 27話「同じ光景」
>>67 28話「大宴会」 >>70 29話「大切だから二度言いました」
>>71 30話「八瀬の夜桜」 >>72 31話「酒組酔夜」
>>76 32話「屯所への帰還」 >>77 33話「黒染めの筆」
>>78 34話「二日酔い」

—亀裂篇—
>>79 35話「過ち」 >>82 36話「絆の裂け目」
>>83 37話「心、場所は違えども」 >>86 38話「届けられた想い」
>>87 39話「傾き」 >>89 40話「晴天の下」
>>90 41話「本望」 >>92 42話「裏切り者」
>>95 43話「偽りの顔」 >>98 44話「帰る場所」
>>100 45話「大人と子供」 >>101 46話「選ばれる者」
>>102 47話「風間の屋敷にて」 >>103 48話「仲間と敵」
>>104 49話「想い入れ」 >>105 50話「鬼達の亀裂」

—刀争奪、謎明かし篇—
>>108 51話「それぞれの刀」 >>109 52話「機転」
>>112 53話「海+千鶴=?」 >>113 54話「奪い、返し」
>>115 55話「主の違う懐刀」 >>116 56話「遠き日の誓い」
>>118 57話「里の書」 >>119 58話「解かれた約束」
>>120 59話「海からの文」 >>121 60話「変わりすぎた友」
>>122 61話「偏りのなき月、闇と光」 >>123 62話「謝罪の呟きと後悔の念」
>>124 63話「悪夢」 >>125 64話「呪いの楔」
>>126 65話「災い転じず禍となる」 >>127 66話「重大発言」
>>128 67話「目的」 >>130 68話「破れた血判」
>>131 69話「里の誓いなんざ」 >>132 70話「忘れ去られた過去」

—最終決戦篇—
>>133 71話「仕事の時間」 >>134 72話「望んだ未来は何だった?」
>>135 73話「誰も知らぬ物語」 >>136 74話「求められなかった力」
>>137 75話「様々な色を映す瞳」 >>138 76話「差し違えてでも!!」
>>139 77話「戦の妨げ」 >>140 78話「最後の一突き」
>>142 79話「絆の繋ぎ目」 >>143 80話「背中合わせの志」
>>145 00話「ある鬼達の志」

—作者後書き—
桜舞姫 >>144
流夢  >>146

—お客様—

カノンsama* 雛苺sama* mk sama*


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Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.100 )
日時: 2012/04/17 21:43
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

45話「大人と子供」


空「着いたっ…新選組」

空の眼は泣き腫らしており、赤くなっていた。
すっと屯所内に入ると、そこでは隊士達が忙しそうに動いていた。
空は違和感のないようにさかさかと動き、千鶴を探した。
と、後ろから声を掛けられる。

千鶴「空さんっ!」
空「千鶴…さん」

千鶴の姿を見るなり、空が又泣こうとする。
だが、堪える。
空の眼には涙が溜まっていた。

千鶴「良かったっ…!探してたんですよ。海さんは…?」
空「それが、海は…ってぁ゛あ!?」

海が居ない理由を答えようとしたとき、空の衿を誰かが掴む。
思い切り掴まれて上に上げられたので、身長が大きい者だとは分かる。
持ち上げられた空は驚きの声を上げた。
後ろを振り返れない空の代わりに、千鶴が言う。

千鶴「君菊さん!!」
空「え、君菊さん!?」

空も驚く。
空の後ろでは、少し汗をかき、呼吸の乱れた君菊が居た。
ずっと空を追って来た君菊だったが、途中で空を見失ってしまったのだ。

君菊「やっと見つけました、空…。千姫様の話を全て聞いていないでしょう。戻りますよ」
千鶴「あの、君菊さん。海さんは…」
君菊「今は千姫様の下に居りますよ」
空「それほんと!?うs「空!少し黙りなさい」

空が抗議しようとしたが、君菊に止められる。
止められた空は、力なくされるがままの状態になった。
君菊は千鶴に一礼すると、其の場に風を残し消えた。

———

空「海は!?やっぱり居ないよ!君菊さん!!?」

空は千姫の屋敷につくなり叫んだ。
そこに海の姿は見えなかった。

君菊「まずは千姫様が話すことがあります。前に着なさい」
空「ねぇったら、君菊さん!」
君菊「空…。貴女は少し大人になりなさい!海の方がよっぽどしっかりしていますよ!…さぁ」

空が俯いて正座をした。
千姫は直に現れる。
そして空に顔を上げるように言う。

千「空。貴女に言っておかなければならないことがあります」

千姫は躊躇しながらも、はっきりと言った。
空は嫌な予感しかしないが、耳を傾ける。

千「海は…私の下を去りました。これから風間につくでしょう」



Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.101 )
日時: 2012/04/21 19:47
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

46話「選ばれる者」

星の瞬く夜空のもと、薫と海はまだ共に居た。
薫「あれ?もう行くの、海?」
海「えぇ、今日のうちには着きたいので。」
薫「ふぅん。お気を付けて?」
全く心配していない口調だ。おまけに口元には笑みが浮かんでいる。
海「はい。野宿に関しては、獣にお気をつけて。」
こちらも無関心な声音で応じているが。支度が終わった海は、そのまま
立ち去ろうとする。しかし、それを薫が止めた。
薫「…どんな生活をしようと文句はないけどさ。」
海「……何でしょう。」
薫「俺の邪魔は、しないでよ。」
その眼は、先程の様な柔かい光を湛えていない。その眼を正面からみつ
めて、海も受け答えた。
海「…貴方が鬼の道を外れるなら」
薫「フン、鬼の道なんて。そんな物一体何の役に立つんだ?だいたい、
  明確な基準なんて—」
海「—貴方は、何をするつもりなんですか?」
薫の言葉を遮って、海は核心を突いた。
薫「俺が何を…?……く、くくっ。」
海は少しだけ驚愕に目を見開いた。彼が突然笑い始めたからだ。薫は
やがて顔を上げた。その顔には笑顔が張り付いている。そして彼の瞳
の中にあるのは、狂気。
薫「俺は、俺の夢を叶えるよ。たとえ…」
薫はいったんそこで言葉をきる。だがもう一度息を吸うと、自分の
言っている事を体に、心に刻み込むように、言葉を紡いだ。
薫「たとえ、可愛い妹を、この手で殺めても、ね。」
海「……貴方の覚悟は、わかりました。」
薫に一礼だけすると、今度こそ立ち去ろうとした。しかし思い出した
様に足を止め、薫をまっすぐに見据えた。
海「畏れながら。」
薫「何?」
海「貴方は今、とても狂った目をしている。」
薫「あはは。狂わなきゃ此処までしないよ。」
海「でしょうね。ですから聞かせて下さい。貴方は鬼として、時代に
  乗ろうとしているのですか?」
薫「そうさ。不可能な夢を、俺が叶えて—」
海「—時代は貴方を選ばない。」
薫の台詞を遮り、凛とした声で海は言い放った。そして何も言わず、
薫に背を向け歩き出す。背中はすぐに消えた。

薫「時代が選ばない、ねぇ。」
海に言われた言葉を浮かべ、薫は空を見上げていた。
薫「違うんだよ、海…」
穏やかだった顔に、狂気の笑みが浮かぶ。
薫「時代が選ぶんじゃない。俺達が選ぶんだよ!」
断言したように薫が夜空に向かって言い放った。
薫「待ってなよ、人間。新選組!くく、あははははっ!!」
狂った笑い声が、森の中に響き渡った。

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.102 )
日時: 2012/04/22 15:29
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

47話「風間の屋敷にて」


海「たしか此処だったな…。風間様の屋敷」

海は大きな屋敷を見上げる。
門前だったので、入ろうとする。
が、そこを身分の低い使えの鬼が止める。

「何者!!何の用だ」
海「私は白里 海。風間様に用がある」

用件を言っても通そうとしない。
が、同じ事を繰り返していると、そこに天霧が現れる。

天「何をしているのです?」
海「天霧さんっ!」

天霧を見つけ嬉しいのか、海の表情が明るくなる。
むしろ、笑っているようだ。

天「海…。どうしました?貴女は千姫の下で…」
海「辞表を受け取って頂けました。風間様の下に付きたく…」
天「そこの方を通しなさい」
「は、はいっ」

天霧が通りかかったお陰で、海は中に入る事が出来た。
風間の敷地内には、風間についている鬼が沢山見られた。
見たことも無い海に、皆の視線は集まる。

「おい、あれ女鬼じゃねぇか?」
「確かにそうだ!風間様、あの鬼を嫁にするつもりか?」
「じゃぁ、雪村家の雪村千鶴はどうなる?」

そんな言葉が、あちこちで聞こえた。
海と天霧は並びながら歩く。
と、今度はそこに不知火が混ざってくる。

不「おい、天霧…って、海?」

海は不知火に向かって笑顔を見せる。
その笑顔を見て、不知火がぷっと笑った。

不「あははっ!お前そんな顔も出来るんだな」
海「そんな顔、とは何でしょう。元々こういう顔ですが?」
天「貴女は千姫の下に居る時は笑っていませんでしたからね」
海「それもそうですね」

くすりと海が笑う。
不知火が海の手を引いて引張る。
不知火は海の目的が分かっているのか、走り始めた。
海は最初から最後まで引張られる形だった。

不「おい風間ー。客人だぜ」
風「客人?誰だ」
天「白里 海です。千姫の下を離れたので今度は風間の下に付きたいと」
風「ほう…。良い。お前を俺の下につけてやろう」
海「それは如何も」

海は風間に頭を下げる。
これで海は完璧に風間の下へ付いてしまった。


Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.103 )
日時: 2012/04/22 15:55
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

48話「仲間と敵」

海が風間家に着いた次の日の夕刻。新選組の屯所を意外な人物が
訪ねてきた。
島田「副長!お千という少女が、黒里くんと一緒に!」
雪「空さんとお千ちゃん!」
土「…島田、通してくれ。」
島田が急いで戻り、二人を連れてきた。今日は君菊の姿がない。
千「お久しぶりです、皆さん。」
二人で頭を下げて挨拶した。ここは空も大人しく従っているようだ。
雪「お千ちゃん、あの……」
千「分かってるわ。今日は、大切な話をするために来たの。」
土「…白里 海のことか。」
コクンと頷いて、千姫は千鶴に視線を当て、凛と言い放った。
千「海は、風間のもとに行きました。彼女の本望です。」
全「!!?」
平「どういう事だよ!」
空「分かんないよ、そんなの…!」
空はもう泣きそうな顔をしている。動揺を吹っ切れていないのだろう。
永「おい、そういやいつもの姉ちゃんは…?」
千「君菊は、風間の方に偵察に…」
空「え!?各藩の鬼の頭領に連絡に行ったんじゃ!?」
千「あれはウソ。本当の事を言ったら、貴方もついて行くでしょ?」
空は頬をぷぅっと膨らまて拗ねる。そういう余裕はまだあるようだ。
土「で?話は終わりか?」
千「いえ、千鶴ちゃん。貴方に言っておきたい事があるの。」
雪「え?な、何ですか?」
千「海があちらに行って、鬼の世の均衡戦力の状態が不安定なの。
  それに、海の行動は。…貴方達の敵に廻ったという事。」
雪「あっ!」
千「この先もしかしたら、海と。元仲間と貴方が戦う事になるかも
  しれない。 その事は、頭に入れておいて?」
雪「……うん。」
千「それじゃ。…空、頼むわね。」
空「……分かりました。
空の言葉を聞いてから、千姫は幹部達に頭を下げ、帰って行った。

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.104 )
日時: 2012/04/22 21:18
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

49話「想い入れ」


千姫が去っていった時、空は我慢しきれなくなったのかぽろぽろと涙を流し始めた。
千鶴が慌てて晒を渡す。
空はそれを受け取ると、顔に当ててからぱっと泣き止む。

千鶴「落ち着きましたか?」
空「はい…」
新「おい、空。海が寝返ったって如何いうこった?」
空「分かんない…。だけど昔から知ってたのは、海は千姫様じゃなくて風間さんに憧れてたっていうか…尊敬してた」

空は俯いて、それだけ答えた。
空は昔の情景を思い出す。

———

海「また風間様が…。相変らず尊敬に値する」
空「海ぃ。そんなこと親の前で言ったら即殺されない?」
海「まぁ殺されるだろうな。其の前に自害するさ。あははっ」

まだ少し柔らかかった海の表情。
冗談交じりで言った言葉の端々は丸かった。
何時も筆を持って何かを書いている海。

空「海、何書いてるの?」
海「お前には関係ない…。壱つだけ言うのなら文だ」
空「誰に?」
海「誰でも良いだろう」

今考えると、その文は幼き頃から風間や薫に渡っていたものだったのだと知る。
筆を持っている時の海の顔は凛々しかった。
だが何処かに楽しさも感じているようだった。
それが、昔から海の眼が千姫ではなく風間達に向いていた事の証拠だ。

———

海「君菊さん、何か用ですか?」

海は振り返らずに問うた。
後ろの木の影に隠れていたのは疑うまでも無く千姫の命令で偵察に出ていた君菊だった。

君菊「やはりばれてしまうのですね。貴女には」

君菊は木の影から出てくる。
海は半分だけ後ろに振り返った。
海の顔は、月明かりが照らし出して青白く光っていた。
眼だけは爛々と蒼色に光っていた。

海「定期報告はきちんと遣します。それでもまだ何か不満が御有りですかね?千姫様は」
君菊「私は千姫様に頼まれてきているだけで、内容までは知ろうとしない」
海「ならば、逸早く此処から立ち去ってください。でなければ…そうですね、空を殺しましょう」
君菊「!!…貴女は、今まで共に過ごしてきたあの娘の事を何とも思わないんですか?」
海「ええ、思いませんね。彼女には最初から何の想い入れも無いですから」

海は、さらりと言ってのけた。
君菊がまだ何か反論しようとして口をあけた瞬間、乾いた銃声が鳴り響いた。
銃弾が飛んできて、君菊はもう少しのところで避けた。
君菊は、銃弾の飛んできた方向を睨む。
そこは建物の屋上で、銃を構えた不知火が立っていた。
向かいの建物の屋上には、天霧が立っていた。

海「私はもう手加減しませんよ?仲間じゃありませんから」

海は、口の端を上げて、妖艶に笑って見せた。



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