二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!!
日時: 2012/05/23 19:37
名前: 勇騎那 (ID: P8fkdnbW)

愛に溺れるつもりはない

落とされるつもりもない

落とされるより、落としたい

恋人たちをいじってからかうのは好き

それよりも、サッカーのほうが楽しい

おれの弟たちとサッカーするほうが楽しい

言っておくが…

           お前の目、正常に網膜働いているのか?

だよな

そうだったなら———ないもんな?


〜アフロディ様のようなお客様〜

火燐様

風風様

きぃ@亜沓様

レッド様

こんな駄文しか書けない私のスレにコメを……!!
ありがとうございます(深礼×1000

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Re: イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!! ( No.19 )
日時: 2012/05/25 16:02
名前: 勇騎那 (ID: 3TttADoD)

今更ながらこの小説の主要人物

松風天馬
御筝を「御筝姉」と呼ぶ年子に当たる弟。
本物の男より男前な姉を心配している。(主に嫁の貰い手のことで)
密かに幼馴染の空野葵に想いを寄せている。

松風御筝
雷門に転校して来た天馬の姉。
「サッカー史上最強のプレイヤー」または「勝利の王子」と謳われる。
化身使いを化身なしで突破できる。
ロマンチストなところがあり、ツッコミが出来ない。

剣城京介
元シードの少年。
フィフスセクターを裏切り、正式に雷門の一員になった。
それからしばらくしたころ、御筝に出会い、彼女の虜になる。

倉間典人
御筝と隣の席で同じクラス。
気付かぬうちに御筝に恋心を抱く。
小っちゃいけど男前な一面も。

速水鶴正
常に敬語の御筝のクラスメイト。
無礼な態度は決してとらないため、御筝に服従させられることはない。
むしろ可愛がられている。

浜野海士
御筝の同級生。
何かと御筝に対してセクハラ発言をかます。
その度に御筝の召使的な立ち位置にいる不憫なやつ。

円堂守
イナズマイレブンのキャプテン。
現在は雷門中サッカー部の監督。
御筝といると年を忘れて中学生時代のサッカーバカ男子に逆戻りする。

音無春奈
現雷門サッカー部の顧問。
10年前はイナズマジャパンのマネージャーだった。
御筝に惚れこんだ内の一人。

空野葵
天馬の幼馴染。
天馬がサッカー部に入ると聞いて、マネージャーになった。
御筝以上の美形はいない!!と豪語している

雨宮太陽
持病が原因でサッカーをしてはいけないことになっている。
御筝とは犬猿の仲で、目が合えばお互い静かに罵り合う。
病気とともに御筝への恋心を忍んでいる。

Re: イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!! ( No.20 )
日時: 2012/05/14 23:41
名前: 勇騎那 (ID: 6dahMI8s)

次の日、倉間はボーっと窓の外を見つめていた。
何をするわけでもなくボーっと。
ホームルームまでにはもう少し時間があるし、このままでいよう。

「おはよう」

艶めいたアルトに振り返ると、御筝が隣の席にいた。

「いつからいたんだよ!?」

物音も、気配もなく現れるものだから倉間は体が椅子ごと小さく飛び跳ねた。

「6分前」
「明確な数字はいらん!!」
「はよー、御筝、倉間」
「倉間くん、御筝さん、おはようございます」
「「よう!浜野!速水!」」

浜野がやってきた。
サッカー部の面々は皆、朝練が終わって順々に教室に戻っている。

「速水、おいで?」
「っ、はい」

速水は抗うことなく御筝の腕に収まった。
教室内にいた女子が数名喜んでいたが。

「あぁ!!速水だけずりぃ!!おれも抱かれたい!!」
「いや、そこかよ!!」

倉間が浜野の頭をスパン!!と乾いた音を立てて叩いた。
突っ込んでばっかりで倉間は気苦労が絶えない。

「あ〜、この抱き心地がたまらん」
「御筝さん、胸が……」

身長差ゆえに速水は御筝の谷間に顔をうずめなくてはならない。
それに、速水は照れを隠しきれない。

「あ、苦しかった?ごめん」

御筝は速水を自分の体からはがして、よしよしと頭をなでた。

「そういう問題!?」

またも倉間の激しいツッコミ一発。

「御筝〜、おれも抱いて」
「気安くよるな!!アホめ」
「酷!!ちゅーか、おれの扱い、速水と倉間と差ありすぎじゃね!?」

差別じゃん!!
そうは言うても、御筝は歪まない。

「どこの国へ行っても、迫害を受ける子羊ちゃんはいるもんだ」

Re: イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!! ( No.21 )
日時: 2012/05/15 19:18
名前: 勇騎那 (ID: qoiSEBdw)

学生の本業である勉強をこなした。

「「(部活したい……)」」

頬杖を突きながら倉間と御筝は同じことを考えていた。
倉間は黒板とノートを交互ににらめっこ。
御筝は顔を上げることなくノートにがりがり描いている。

「……………」
「……………」

倉間はふと、御筝の机を見た。

「……!!?」

その時の倉間の驚き様は文面に記載はできない。
御筝のノートには細かい文字がびっちり。
それにも驚き、さらにもう一つ——

「(堂々と内職かよ……)」

別冊のノートには明らかに授業中に書くものではないとわかる文字があった。
真面目に授業を受けているかと思えば、御筝は自作の小説を書いていた。

「松風!分かるか?」
「あ〜、それは———になるから、———です」
「その通りだ」

御筝すげぇ!!
浜野が言った。
御筝に「授業中にうるせぇぞ」とどやされただけだったが。

「(お前が言えることかい!!)」

ばっちり内職していますという御筝より、ちょっとうるさいがまともに授業を受けている浜野のほうがまだましだと思う倉間だった。


————・・・・・・

「倉間、浜野、速水、おれ、今日の部活出られないって監督に言っておいてくれるか?すぐに出ないといけないんだ」

御筝は申し訳なさそうに言った。
正直、3人は御筝のプレーがまた見たかった。

「分かりました」
「ちゅーか、それくらい良いっての」
「絶対に部活出ろ!!とか、無理言わねェよ」
「ありがとう!!じゃあな!!」

鞄を肩に背負って御筝は大気を切って駆けだした。
下足箱で、土足と上靴を2秒で履き替えた。
グラウンドを横切っていく。

「御筝姉!!」

天馬に呼び止められて足を止めた。
彼はもうユニフォームに着替えて第一グラウンドにスタンバイしていた。

「部活は!?」
「悪い!!今日は休む!!」
「え〜〜〜!!?」

天馬は不満気でもあり、目玉を飛び出しかけていた。
御筝は弟を置いて再び駆け出した。
校門を出たところで早歩きに切り替えた。
しばらく歩いて、御筝はピタッと止まった。

「黒木、居るんだろう?」
「お待ちしておりました。御筝様」

黒ずくめの男がどこからともなく姿を現した。

「気安くおれの名前を呼ぶな」

てめぇごとき、おれと口を利けるだけで幸せなんだ。感謝しろ。
偉そうな口調で、節々にとげがある言い方をした。

Re: イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!! ( No.22 )
日時: 2012/05/16 19:01
名前: 勇騎那 (ID: qoiSEBdw)

青のメッシュを入れ、ピアスをして、御筝にしてはセンスのかけらもないと言うべき赤シャツの切れ長の目の男が玉座に座っている。

「よく戻っ——へぶっ!!!」

今のは、聖帝が御筝に綺麗な顔を蹴り飛ばされた故の情けない声だ。

「「聖帝!!」」

2人の従者らしきものが聖帝の身を案じる。

「"よく戻った"?おれを呼びつけておいて、その上そんな物言いが出来るとは、あんたも偉くなったな」
「貴様!!一シードの分際で聖帝に!!」
「正確には"リベロシード"だぞ」
「っ……!!?」

"リベロシード"という言葉にその男はかすかに身を震わせ、細い目を見開いた。

「あなたが"リベロシード"!?」
「知らないのも無理はない。
"リベロシード"の存在は極秘だからな。
お前が来ればこうなることは自負していた」

復活の早い聖帝は、乱れた髪を直しながら玉座に戻った。

うるせぇ!!
黙れ!!
ナルシストが!!
精々おれに見惚れてろ!!

おくびにも出さずに御筝は胸の内で毒づいた。

「で?なんでおれを呼んだのよ」
「お前に指令を出す」
「あんまり偉そうにするなよ?おれがその気になれば、この組織—フィフスセクター—を内部崩壊させることも可能なんだ」

御筝はとことん偉そうに言った。

「肝に銘じている」

————・・・

脳に吸収されにくい説明がだらだら長すぎた。
そのおかげで、やっと終わった時にはもう夕方になっていた。

「(河川敷に行ってみようか。天馬がいるかもしれない)」

思いつくがままに河川敷へ向かった。
下校時間で部活帰りの中学生が多い道を抜けていく。
河川敷に着くと、先ほどまで学校でサッカーをしていたはずなのに、ここでも飽きずにボールに触れている天馬がいた。
その近くには、葵、信助、剣城がいた。
御筝は舗装された階段を下りて行った。

「よくもまぁそんなに飽きずにやるよな」

自分が天馬でもそうしていただろうが、少し呆れつつ言った。

「御筝姉だってサッカー好きだろ?」
「そりゃ、好きだ。けど、ぶっ続けでやるほどじゃない」

天馬は納得いかなさそうだった。

「御筝先輩のプレー、また見たいです!!」

天馬に次ぐサッカーバカの信助が言った。

「私も見たいです!!」
「剣城は?」

彼は何も言おうとしなかったが、わずかに頬が紅潮していて、返答を聞かずとも分かった。

Re: イナゴ-ロマンチスト・サディスト(コメ下さい!! ( No.23 )
日時: 2012/05/20 14:06
名前: 勇騎那 (ID: DBM1eX7d)

第一章 〜アーティスト〜

——————
河川敷でサッカーをした後、天馬たちと別れて御筝は家に帰った。
制服からラフな部屋着に着替えた。
御筝の部屋は、シックな家具が置かれた落ち着いた内装だ。
玄関から入って廊下を歩いたところにリビングがある。
壁を挟まずしてダイニングとキッチンがあり、そのさらに向こうにはバルコニーがある。

御筝はリビングにあるソファに倒れこむようにして横になった。
意識したわけでもなく、不意にはァ…とため息が出た。

「(次のホーリーロードの試合で、雷門は……)」

対新雲学園戦がもう2日後に迫っている。
聖帝から課せられた指令を実行しなければならない。

「(そんなこと…おれに任せるな。腐れメッシュ)」

御筝は心の中がぐちゃぐちゃだった。

「("リベロ"……。"自由"を意味するイタリア語。そこからとって、普通のシードよりはるかに自由なシードが"リベロシード")」

ふと、倉間、浜野、速水、天馬のことが思い浮かんだ。
今日、部活に出られないと言った時の3人の表情をそれぞれ思い出してみた。
本人たちは隠しているつもりなのか知らないが、「御筝のプレーが見たい!!」と言っているのが丸わかりだった。
天馬は心底がっかりしていたし。

「(明日は出られるから)」

4人がいっぺんに思い返された。
一番最後に残ったのは———

「(倉間……?)」

スカイブルーの髪に、蛇のように鋭い目、褐色の肌を持つあの男子。

なぜだ……?
なぜあいつを最後にとどめた……?

理由のわからぬまま、御筝は夢の世界へ舟をこいだ。


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