二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- めだかボックス 3つの微超越
- 日時: 2012/11/12 06:25
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
やぁ、僕の愛する”ぼく”達。
今日、君たちを呼んだのは他でも無い
少し厄介な事が起きてね。
君たちにその厄介事を押し付けちゃおうってわけだ。
この仕事は”異常”でも”特別”でもない。
かといって”過負荷”にやらせるべきでもない。
君たちにしか出来ない仕事なんだぜ。
とか、言ってるけど実際は君たちの力を見てみたいっつー安心院さんの私情もあるんだぜっていうのは、置いといて。
君たちを見つけれたのは奇跡だったよ。
多分、これから5000年くらい経たないと同じような人間は出てこないんじゃないかな。多分。
何だろうね、君たちのスキルは。
異常に感じるんだが過負荷に近い。
まったく、君たちには驚かされてばかりだぜ。
じゃあ、説明会はお開きだ。頑張ってくれたまえ
——微超越
*
キリキリマイと申しますっ!はじめまして!
今ハマっているめだかボックスの小説を書いてみようということで立ててみました!
矛盾とか原作と食い違うところもあるかと思いますが、よろしくお願いします!
荒らしや中傷はやめてくださいね!
それでは、どうぞ!
〜物語紹介〜
第一章【杜若損気の前途多難な人探し】
>>1
第一箱 >>2
第二箱 >>3
第三箱 >>4
第四箱 >>7
第五箱 >>8
第六箱 >>11
第七箱 >>13
第八箱 >>15
第九箱 >>17
第十箱 >>18
第十一箱 >>19
第十二箱 >>20
第十三箱 >>22
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.16 )
- 日時: 2012/11/09 23:12
- 名前: 午前の麦茶 (ID: i/mPe1l0)
更新乙です。
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.17 )
- 日時: 2012/11/10 07:59
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第九箱
「俺はなんなんだ?」
『杜若先輩……貴方の言う微超越って一体なんです……か』
「簡単だよ、プラスにもマイナスにも交わらない」
「普通にも異常にも過負荷にもなれない」
「ただ、微超越という肩書きを持って生まれただけの」
「……ただの人間だ」
『その喋り方って、何となく球磨川先輩に似てますね』
「……そう」
『……それじゃあ私はこれで』
プープープー。
杜若は受話器を力無く置くと、自分の近くにあった古雑誌に手を添えた。
——無限の再挑戦
古雑誌を紙になる”最初の状態”まで戻した。
すると、紙はムクムクと膨れ上がり木となった。
部屋の天井を突き破りかねない勢いで大きくなる木に
杜若はまた手を添えた。
今度は、木が育つ”最初の状態”まで戻した。
すると、木はだんだん小さくなって種となった。
「……はぁ」
俺はマイナスなんかじゃないのに。
俺はプラスのはずなのに。
何で俺はマイナスと同じ扱いを受けるんだ?
俺は……
——俺はなんなんだ?
*
「杜若先輩、どうしたんだろう……か」
宍架は一人で商店街を歩いていた。
杜若の様子が少し気がかりだったので、杜若の家に何か食べ物でも買って行こうと駄菓子屋を覗いた。
「これでいいかな」
宍架はソーダラムネを手に取り、会計を済ませて外へ出た。
空は青く、雲が白い。当たり前のことだが、宍架は何となく嬉しい気持ちになった。
「……さて」
「杜若先輩の家は、どっちだっ——」
宍架の頭を、矢が貫通した。
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.18 )
- 日時: 2012/11/10 10:59
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第十箱
「この状況でお前を攻撃する奴なんて」
「かっ——」
言葉が出ない
出せない、頭部を襲う強烈な痛みが喋ることを許さない
宍架はただ、自分の体が倒れていくのを感じることしかできなかった
——あぁ、死ぬのか……
宍架は地に伏した。そして、そのまま目を閉じ——ることも許されない。
ただただ、頭の強烈な痛みが全身を襲う。弓矢で頭を射られた時点で、即死レベルのはずの攻撃で。……あれ?
何故、今生きている——?
「お前だろ?水面様を調べてる奴ってのは」
宍架の頭上で声がする。しかし、その声がする方へと顔を向けることができない。
射られた頭の痛みは、体の他の感覚を蝕むように頭以外の痛覚が消えていく。
「だ……れ…………?」
掠れた声で振り絞って出した声に、その声は嫌味っぽく反応した。
「この状況でお前を攻撃する奴なんて、お前の敵に決まってんだろ?」
「あ……あ……」
頭。そう、本来なら既に自分は息絶えていて消えているはずの
”死ぬレベルの痛み”が消えない。痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「あー、そうか。その痛みじゃ喋れないだろ?」
そう言った瞬間、宍架の頭から痛みが消えた。
宍架はまるで溺死直前だったかの様に、空気を貪った。
「はぁはぁはぁはぁ……っはぁ……!」
「よほど、痛かったんだろ?そりゃそうだ、死ぬ程の痛みなんて骨折なんかとは比べ物にならないだろ?」
「……!貴女……水面密の取り巻き……か?」
「今更、そんな質問をするなよ」
「アタシの名前は木耳海月
水面様と共に、蛇籠飽様の生徒会長再任を求む集団さ」
「アタシの異常は”痛覚操作”
痛覚を操るスキルさ」
「……いいこと教えてあげる……か」
「貴女、どう見ても使い捨てキャラだから」
「……あっそ!」
ドギャァァァァァン!!
宍架の全身を即死レベルの痛みが襲った。
「ぐっううううううう!!」
宍架の断末魔が辺りに響く。しかし、辺りの人たちは宍架に目もくれずに歩いている。
これ程の声、聞けば反応して警察でも呼びそうなくらいだが……
「あたしの仲間のスキルで、今アタシとアンタは周りの奴らからは見れなくなってる」
「終わりだろ?トドメだ、ばーか!」
——————————————
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.19 )
- 日時: 2012/11/10 11:24
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第十一箱
「こいつ等を消せる程強い奴が」
「あ——」
宍架の痛みは心臓を襲い——宍架は強いショックを起こした。
そして心臓は——止まった
ドサッ
「はっ、偉そうな口を叩いたわりには弱いだろ?」
地面に倒れた宍架を蹴飛ばすと、木耳は叫んだ。
「おーい!お前ら、もういいぞー!!」
「おーい!もういいぞーー!!!」
返事は無い。
怪訝に思った木耳は、商店街の外で待機している仲間の元へ向かった。
いない。
「……あれ?」
木耳の目の前に広がっているのは、大量の血溜まりの中で倒れている仲間だった物。
……状況を整理しよう。
まず、目の前に倒れているこの3人はアタシの仲間だ。
そして、この3人は死んでいる。
誰がこの3人を……?
そもそも、だ。こいつ等はそんじょそこらの奴らに殺られる程ヤワじゃない。
だとすれば、こいつ等を消せる程強い奴がいる——?
そうなると、水槽学園内にそういう生徒がいることになる。蛇籠飽様は、そういう生徒は退学にしたはずだし。
あれ?じゃあ——誰?
「俺だよ」
木耳の頭蓋骨を、杜若は蹴りで粉砕した。
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.20 )
- 日時: 2012/11/10 21:06
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第十二箱
「本当にならないことを祈ってるぜ」
「——あ?」
目を覚ますと、窓の外はすっかり夜だった。
目覚まし時計に視線を移すと、針は午後の8時半を指している。
夢の内容的に、凄いリアルだったのを覚えている。
「……」
敵とはいえ、女3人を無残な肉塊に変えて——頭蓋骨を粉砕する
夢とは脳が記憶の整理をしている途中に見える映像と聞いたことがある。
つまり、あれが俺の本心。
「……俺にはどうすればいいのか、分かんねぇや」
「俺は、例えマイナスから一歩前進しているからって」
「プラスの奴等から見れば、マイナスと大差ないのかもな」
「でも、マイナスの奴等から見れば俺はプラスと大差ないのかもな」
「……安心院さんは、俺にあいつ等をどうしろっていうんだ?」
ピーンポーン。
インターホンが鳴った。
こんな時間に訪れる客というと、俺は二人くらいしか心当たりがない。
一人は言うまでも無く見据宍架。そしてもう一人は
ガチャッ
「どちら様——」
グサァァァッッ
杜若の腹部を鋭利な刃物が貫通した。杜若は血反吐を吐き、膝をつく。
そんな杜若を嘲笑いながら、一人の女子が杜若を見下ろしていた。
「敵一人の不意打ちも避けれないなんて、ダメダメですよねぇ!」
杜若は彼女の顔に見覚えがあった。
「お前……確か同じクラスの……埠頭蛇尾……?」
「は?……あぁ、そういえば転校生だっけ?アンタ」
「ってか、影薄いから分からないっつーの」
杜若の脳裏にある人物の言葉がリピートされる。
——影が薄いから分からなかったよ!
「……お前も、アイツと同じこと言うんだな」
「はぁ?何言ってん——え?」
杜若の腹部の傷はすっかり癒えていた。そして次の瞬間、蛇尾の体中から血が噴出した。
「いっ……たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「そりゃ痛いだろうな……!」
「あ、アンタ何した!?あぁぁぁ!痛い痛い痛いぃぃぃっ!!」
痛みに苦しむ蛇尾に、杜若は冷徹な一撃を食らわせた。
ドカァァッ!という音は、蛇尾の骨が砕けた事を物語っている。
「……お前の体を”人生で一番深い傷を負った状態”まで戻した」
「お前、よほど深い傷を負ったんだな——水面密から」
「!!」
蛇尾は、ビクッと体を震わせた。小刻みに震えている蛇尾に、杜若は構わず話を続ける。
「お前は水面密の取り巻きとして生きていく前に
蛇籠飽の過剰な行動から反対行動を起こしていたグループの一人だったんだろ?」
「やめろ」
「けれど、お前は水面密に徹底的な”恐怖”を植えつけられ……そして賛成派になった」
「違う」
「お前は決して蛇籠飽の再任を望んでいるわけではない」
「お願いだから……やめて」
「お前はその恐怖に縛られているだけの」
「ただの操り人形』
マイナスの笑みを浮かべた杜若は、恐怖と痛みで放心状態の彼女の頭に
フルパワーで足を下ろした。
「……違う」
残り3ミリほどで、杜若の足は止まった。
蛇尾はすでに泡を吐いて気絶している。
「……お前を」
「水面密に会う前の最初の状態に戻した」
「……これで満足ですか」
杜若が振り向くと、そこには安心院さんの姿があった。
「僕としては、君がマイナスに染まるのも見てみたかったけどね」
「あ、でもそうなるとプラスワンじゃなくなっちゃうな」
「……安心院さん、俺は何なんですか?」
「マイナスでもプラスでもない、俺は何なんですか?」
「君はプラスワンだよ、そしてぼくでもある」
「忘れないでほしいね、君は一人じゃないんだから」
「……そんな漫画みたいなこと言うの、安心院さんだけですよ」
「ま、いいや。あの夢が本当にならないことを祈ってるぜ」
「ちょっ……」
安心院さんの姿が消えた。
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