二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  74話更新
日時: 2013/05/06 01:14
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=10906

オリキャラの採用者決定しました。

フェアリーテイルを読んでいて書いてみたい!と思い書くことにしました。
フェアリーテイルが好きなの人はぜひ読んで、コメをください。お願いします。

参照10000越え!!ありがとうございます
皆さんのおかげでこの大台に乗る事が出来ました。
本当はこの記念に何かやろうと思っていたんですが、色々な事情とやる事が出来ません。
そのかわりこれからはもう少し更新のスピードをあげられるように頑張りたいと思います。



オリキャラ採用者決定>>243



オリキャラ紹介

名前・・カムイ 性別・・男 年齢・・18歳

使う魔法・・雷系魔法  技集>>22

好きなもの・・チー  嫌いなもの・・退屈な所

備考・・・
流浪の魔導士だったが、フェアリーテイルの噂を聞きつけて
興味を持ち加入する。いつも肩には太刀に変化できる相棒の「雷電イタチ」のチーがいる。

彼が普段使う魔法は太刀に付加させたり、飛ばしたり、
自分の分身を作ったりと使いようは多様。
だが、彼が本気になった時が彼の魔法は真の姿を見せる


名前・・レナ 性別・・女 年齢・・16歳(年齢の割に幼く見える)

使う魔法・・思想魔法  技集>>23

好きなもの・・アップルパイ&綺麗な場所  嫌いなもの・・一人

備考・・・
カムイに助けてもらったことから今まで気にしていなかった
魔力とギルドに興味を持ちカムイのいるフェアリーテイルに入る。   
捕らわれていた時ずっと独りだったので、極端に一人でいる事を嫌う

心のイメージを具現化する思想魔法。
レナはそれに言葉(言霊)でイメージ力を膨らませることで力を上げている


名前・・チー 性別・・不明 年齢・・不明

使う魔法・・武具化等  魔法集>>98

好きなもの・・カムイ 嫌いなもの・・暗い場所

備考・・・
カムイと一緒にいる雷電イタチ。その名の通り体から電気を発する。
武具化の魔法だが、そうはいっても太刀にしかなれない
それをカムイが使って、二人で戦っている。


名前・・ヒュート 性別・・男 年齢・・13歳

使う魔法・・プレイングゲーム/大型模型(ビックチュア)

好きなもの・・楽しい事 嫌いなもの・・何もないとこ

備考・・・
好奇心旺盛で、無邪気。興味があると他を忘れてそっちにいってしまうため危険な目によく合う。
楽しい事を第一に考えているため、飽きたら未練なく簡単に捨てる。

遊びながら戦う彼の魔法は彼の性格と良く合っていると言える。



〜目次〜

『定例会襲撃編』6話〜10話
『レナ救出編』 11話〜17話
『遺跡で鍵探し編』18話〜24話
『幽鬼の支配者編』25話〜37話
『シャドウ・ギア。恋の行方編』38話〜41話
『最高のプレゼント編』42話〜47話
『収穫祭編』48話〜62話
『六魔将軍討伐編』63話〜

1話>>26  2話>>27  3話>>28  4話>>29  5話>>30

6話>>31  7話>>32  8話>>33  9話>>34  10話>>35

11話>>36  12話>>37  13話>>38  14話>>39  15話>>40

16話>>3  17話>>18  18話>>24  19話>>25  20話>>43

21話>>45  22話>>51  23話>>67  24話>>82  25話>>90

26話>>91  27話>>97  28話>>102  29話>>103  30話>>104

31話>>105  32話>>108  33話>>112  34話>>113  35話>>114

36話>>125  37話>>126  38話>>127  39話>>135  40話>>138

41話>>143  42話>>151  43話>>152  44話>>155  45話>>161

46話>>166  47話>>169  48話>>172  49話>>178  50話>>181

51話>>184  52話>>187  53話>>190  54話>>191  55話>>192

56話>>193  57話>>215  58話>>222  59話>>226  60話>>238

61話>>239  62話>>240  63話>>244  64話>>245  65話>>248

66話>>251  67話>>252  68話>>253  69話>>254  70話>>255

71話>>256  72話>>257  73話>>258  74話>>259


番外編1>>128  番外編2>>132  番外編3>>156

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52



Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  52話更新 ( No.188 )
日時: 2011/04/17 15:33
名前: 抹茶 (ID: 6xS.mLQu)

いや〜

アピスさん小説かくの上手いですね

憧れます

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  52話更新 ( No.189 )
日時: 2011/04/17 16:31
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

そうですか?そう言ってもらえると嬉しいです。

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  52話更新 ( No.190 )
日時: 2011/04/24 11:23
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

53話〜神鳴殿〜




「神鳴殿じゃと!!?」

聞いた事のない言葉にギルドの殆どの者が首を傾げるが、
マスターだけは顔色を変えていた。

『残り1時間10分。さあ、俺たちに勝てるかな?
それともリタイアするか?マスター。ははははははははっ!』

ラクサスは最後に高笑いを浮かべ、それと同時に情報ボードが消えてしまった。
辺りに僅かな沈黙が流れる。

「何を考えておるラクサス!!!関係ない者たちまで巻き込むつもりか!!!
・・・・・・んぐっ!!!」

怒りに叫んでいたマスターが突然胸を押さえ苦しみ出した。

「じっちゃん!!」

「どうしたの!?」

急なことに慌てるカムイたち。そこにミラが戻ってきた。
手にはカムイの治療に使おうとしている薬などがある。

「ミラ!マスターの容体が・・・・!!」

「!!大変!何時ものお薬!!」

レビィの言葉にミラが慌てて医務室に戻っていく。
暫くして戻ってきたミラが更に慌てた様子で、外を指差した。

「皆大変!!外が・・・・!!」

ミラに言われカムイたちが外に出ると、そこには雷の魔水晶(ラクリマ)が街中を浮かんでいた。

「・・・・・一つ一つの魔水晶にもの凄い魔力の雷が帯電してる。
もしあれが全部放電でもしたら・・・・・」

「ど・・・どうなっちゃうの?」

カナの言葉にルーシィが恐る恐る尋ねる。

「街中に無数の落雷が・・・・。そんなことになったらマグノリアは・・・・・」

「そんなことはさせないわ!」

そう言ったのビスカ。銃士(ザ・ガンナー)と言う、エルザの魔法の銃バージョンを使う。

「スナイパーライフル換装!!」

ライフルを取り出すと、ビスカは魔水晶に標準を合わせその一つを撃ち砕いた。

「やるじゃない!ビスカ!!」

「こんなの全部私が・・・・」

—ビキッ! ズキャァ!!—

「ああああああああ!!!!」

「ビスカ!!」

弾を装填していたビスカに突然雷撃が襲った。それによりビスカは気を失ってしまった。

「生体リンク魔法か!魔水晶に攻撃してきた者にそのダメージ分を返す魔法が掛けられてるんだ。
これじゃあ、魔水晶に攻撃が出来ない!」

「だったら張本人のラクサスを討てばいい話だろ」

カムイはそう言うとギルドから飛び出していってしまった。

「あ!ちょっとカムイ!!その怪我じゃ・・・・!!」

ミラが叫ぶがカムイは振り向きもせず、そのまま走り去って行ってしまった。

「・・・・・いい加減にしろよラクサス」

ナツはぽつりとそう呟くと、走り出し見えない壁に攻撃をし始めた。

「そんなにマスターになりたきゃ、じっちゃんと戦ってみろよ!!」

「ナツ!落ち着いて」

「落ち着いてられっかよ!!」

レビィの言葉にナツは更に壁をガンガンと叩く。手からは血がにじみ出ている。

「術式は文字魔法一種だから、私何とか出来るかもしれない」

「・・・・・本当か!?」

レビィの言葉にナツは振り返り、尋ねる。レビィは自信あり気な顔で言った。

「うん。任せて」

————————————————————

「ラクサス・・・・・」

カムイは街中を走り回っていた。だが、一向にラクサスの姿は見当たらない。

「チー。ラクサスの魔力は感じないか?」

チーは辺りをふらふらとしたが、直ぐにカムイの元に戻ってきて首を振った。

「そうか」

カムイはしばらく考えた後、カムイは空に浮かぶ無数の魔水晶に目を向けた。

「やっぱりそれよりも先にあれをなんとかした方がいいな」

カムイは高い屋根に上るとチーに自分から少し離れるように言った。

「トルトニスなら雷撃を喰らってもある程度は平気だ」

カムイはそう言うと魔水晶の中の一つに狙いを絞って構えた。

「放・・・・」

—キュイィィン!—

カムイが技を放とうとした瞬間、カムイの頬に何かが掠める。
頬を流れる血を拭ってからカムイは辺りを見渡した。どこも怪しい箇所はない。
だが、カムイは何かに狙われている感覚がしていた。

—キュイン!!キュイイン!!キュイイィイン!!—

「!!!」

先ほどと同じように何かがカムイに向かって飛んできた。
それは銃弾だった。カムイはそれを避ける。

(ちっ。動かない右側を重点的に攻めてくるな。対処しずらい。
このままこんな見晴らしの良いとこにいたんじゃ、やりたい放題にされるな)

カムイは一度下に降りると、走り出した。その間も銃弾はカムイを狙ってくるが、
先ほどのような狙い澄ました攻撃はしてこない。

(銃弾は上から振ってくるが、飛んでくる方向はバラバラ。複数いるのか?)

カムイは走りながら現状の把握をしていた。
相手を見つけるなら単純に弾の軌道を追えばいいのだが、弾は前から後ろからと
様々な方向から飛んでくる。

(だったら!)

カムイは狭い通路に隠れる。ここは上も完全に覆われているので、ここなら上から
襲われる心配もなく、弾を一方向からしか来ない。
カムイは武器を構えながら待っていると、その一方向から予想通り銃弾が飛んできた。

しかし何かが違っていた。先ほどまでのとは大きさが違い、何かを運んでいるようだった。
だが、それがなんなのか暗くて見えにくく、考える時間も無かったのでカムイはそれをそのまま切り落とした。

「・・・・・!!」

切った瞬間それが何か分かった。運んでいたのは爆弾魔水晶。勿論それはその場で大爆発を起こした。

「くっ!!」

爆風に乗る形でカムイは建物の屋上に飛ばされる。と影が一つ、太陽に隠れてカムイに向かってきていた。。

—キイイィィィン!!—

カムイは体勢を崩しながらもその攻撃を防ぐ。逆光で見えにくいが、どうやら男のようだ。

「誰だてめぇ!」

カムイの問いに男は静かに答えた。

「・・・・・ラクサスを守る雷神の矛・ブリューナク」

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  53話更新 ( No.191 )
日時: 2011/05/05 13:47
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

54話〜悪魔の暴走〜




「・・・・・カムイ!!!」

「うわっ!」

フェアリーテイルの医務室。そこに寝ていたレナが起き上がり叫んだ。
それを傍にいたレビィが驚いた表情で見ている。

「び・・びっくりしたーーー」

レビィは胸を撫で下ろし、落ち着くようにする。
レナは暫くぼうっとしていた。自分がどうしてここで眠っているのか分からなかったからだ。
記憶を辿っていると、突然頭に先ほどのまでの戦闘の記憶が鮮明に蘇ってきた。
自分がカムイを串刺しにする記憶。辺りが急に真っ暗になって更にカムイを・・・・

「・・・・・う!!」

「レナちん!!大丈夫!!?」

レナが頭を抱え込んで苦しそうにしているのを見て、レビィが心配そうに顔を覗き込む。

「う・・・うん。もう大丈夫。・・・・それよりカムイは??」

「え、カムイ?」

レナの問いかけにレビィは考え込んでしまった。
レナの表情から今カムイが酷い怪我を追ったままラクサスを追いかけているなんていったら、
今以上に慌てだすに違いない。

「カムイなら、今街で一般人の避難にあたってるよ」

「避難?」

そこでレビィは今の状況にレナに説明する。状況を理解したレナは頷いてこう言った。

「じゃあ、今カムイはそのラクサスて人を討つために街に出てるんだね」

「え!?・・・・違うよ。カムイは・・・・」

「ううん。嘘つかなくていいよレビィ。カムイなら絶対その神鳴殿を止める為に
ラクサスを追いかけてる筈。・・・・・ありがとうレビィ。気遣ってくれて」

レナはベットから出て、出口に向かおうとした。と、首筋に鋭い痛みが走る。

「駄目だよレナちん!まだ安静にしてなきゃ!その首の怪我、軽くないんだから」

レビィの言葉にレナはようやく自分の首に包帯が巻かれていることに気がつく。
それでもレナは出口に向かって歩き続けた。

「レナちん!!」

「ごめんね。でも、カムイだって私以上に酷い怪我を負ったままラクサスを追ってるんだよね。
だったら私も少しくらい無理したって皆の役に立たなきゃ」

レナは笑顔でそう言うとそのままギルドを出て行った。

————————————————————

—ズキン!ズキンッ!—

走るたびに首が痛む。それでもレナはギルドのために走り続けた。
すると遠くの方から轟音が響いてきた。見ると空に不思議な噴煙が立っている。
誰か戦っているのだろうか?そう思ったレナはその場所に行くことにした。

実際にその場所に行ってみると、ミラと倒れている緑髪の男が何か話していた。
レナは近くにいたカナとエルフマンに事情を聞いた。
緑髪の男の名はフリード。雷神衆のリーダーだ。初めはカナと戦っていたらしいが敗北。
その後エルフマンが参戦したが、フリードの残虐な猛攻にミラの中の魔人が目覚めた。

ミラが引退するまでの通り名は『魔人』。あのエルザと同等の力を持っていたらしい。
そのミラが使う魔法は接収・サタンソウル。その力でフリードを圧倒し、見事勝利。
そして今、『今』のミラが持つ優しい力がフリードを悟らせたのだ。

「ところで、レナ。あんたその怪我大丈夫なのかい?」

カナの言葉にレナは少し辛そうに笑みを浮かべながら頷いた。すると、

「姉ちゃん!!!」

突然エルフマンが叫んだ。見ると、ミラが苦しそうに胸を抑えていた。
それにカナが駆け寄る。

「ミラ!!どうしたんだい!?」

「カナ・・・。皆を連れて・・・・逃げて!!」

声を絞り出すようにミラが言う。と、ミラから強烈な魔力が放たれる。
それに吹き飛ばされるカナとフリード。ミラは立ったまま体を大きく仰け反りさせ、
体の一部が変わり始めていた。

「まずい!!魔力が衰弱した状態で急に魔法を使ったから、
ミラの中の悪魔が暴走を始めてるんだ!!」

カナはそう言うとカードを取り出し、それをミラに向かって投げた。
そえがミラを囲うように配置される。

「封魔の鳥籠」

カードから発せられる力がミラから放出される悪魔の力を抑え始めた。だが、

「ああああああああ!!」

更に強くなりカードが吹き飛ばされる。そしてミラも風貌も完全に変わってしまった。
まるで本当の悪魔のように変化してしまったミラ。
その目は完全に仲間と敵の区別が出来ていないようだった。

「くっ!まずいよ。私もエルフマンも戦える状態じゃあ・・・・」

「私が止める」

そう言い出したのはレナだった。それにカナが反対した。

「無理だよ!あんたは知らないだろうけど、ミラは元S級魔導士で・・・・」

「それでもやらなくちゃ!このまま放っておいたら、もしかしたら街に行っちゃうかもでしょ!!?」

「俺も手を貸そう」

そう言ってレナの隣に並ぶフリード。

「フリードさん」

「前を向け。来るぞ」

ミラは完全に二人を抹消の対象と認識したのか、二人に突っ込んでくる。
そのスピードは桁違い。二人は成す術なく、吹き飛ばされ壁に激突する。
そして今度の相手をカナたちと決めたミラがそちらに突っ込む。

「後ろへ飛べ!」

フリードは起き上がると二人にそう言う。それに従い後ろに飛ぶ。
もうすでに目の前にはミラが拳を突き出していた。
だが、それはカナの手前で阻まれる。と、カナたちの目の前に術式が現れた。
この街中に施されている術式はフリードによるもの。
どこに仕掛けてあるのかはフリードには全て分かっていた。

「闇の文字(エクリテュール)・加速」

フリードは自らの足に術式を施す。闇の文字は書いた文字が現実となる魔法。
それによりフリードは高速でミラに近づくとその体に術式を刻む。

「闇の文字・重み」

ミラの足元の地面が僅かに沈没する。だが、ミラはそれが効いていないかのようにフリードに攻撃をしかける。

(やはり一度書いた程度では効かないか。それに魔力も・・・・)

「シャインランス!!」

ミラの横から聖なる槍が飛んでくる。ミラはフリードを吹き飛ばすと、その槍を素手で受け止める。
少し手間取ったようだが、それをすぐにへし折った。
そしてミラは手に大量の集め始めた。それをレナへとぶつけるつもりなのだ。

レナはすぐに回避しようとするが、首の痛みが襲い足が鈍る。その瞬間をねらっていたのか、
その隙にミラ手に集めた魔力をレナに向けて放ったのであった。

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  54話更新 ( No.192 )
日時: 2011/05/28 14:45
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

55話〜無力の力〜




—パラパラッ!—

辺りに粉塵が舞い、レナの姿が見えない。

「レナ!!」

カナがレナの名を叫ぶ。あれほどの魔力の波動を受けたのだ。
生きているかどうかも危うい状態だ。

「けほっ!けほっ!!」

「!!!」

粉塵の中から聞こえてくる咳にカナが目を見張る。

「レナ!」

粉塵の中からレナの姿が確認出来たカナ。それに安堵するが、
どうしてあの波動を受けて無事だったのかを考える。
その理由は粉塵が完全に晴れてから分かった。

「・・・・・・くっ!」

「フリードさん!?」

レナの前にはフリードが剣を盾にし、レナを庇うような状態で立っていたのだ。
波動をもろに受けたのか、フリードの体中はボロボロになっていた。
そんなフリードに止めを刺そうとミラがフリードに拳を突き出す。

「ぐはぁっ!!」

大量に吐血をするフリード。だが、その口元には僅かに笑みが零れる。

「闇の文字・重み」

フリードは最後の力を振り絞り、全身4か所に術式を施す。
それによりミラは両手足が地面にめり込んだ。と、フリードも地面へと倒れこむ。
フリードは既に先ほどまでのミラとの戦いで力は消耗していたのだ。
それでも最後までレナのために置き土産を残したフリード。

「フリードさん・・・・・」

その気持ちを受け止めレナは立ち上がる。まずはこのミラをどうにかして元に戻さないといけない。

「ああああああ!!」

だがそれも簡単なことではない。フリードによって全身に重い枷を背負われている状態でも
ミラは力尽くで立ちあがる。そして地面に倒れているフリードを睨みつけると、
その頭を踏みつけようと脚を上げる。

「だめ!!」

レナはすぐにフリードをミラから引きはがす。間一髪で踏まれることはなかったが、
レナも正直、ミラと戦える力は残っていなかった。今のレナに出来ること。それはたった一つだけ。

「・・・・・レナ?」

カナは怪訝そうな顔でレナを見る。レナは何かを覚悟した顔で立ち上がり、ミラを見据えているのだ。
何か魔法を出す構えもなしにミラを見続けている。そんなミラはレナに向かって突き進んだ。
それでもレナは動かずにミラを見続ける。

「逃げなレナ!!」

耐えきれずカナはそう叫ぶ。すると、レナは一つの行動を起こした。
それは己の手を大きく開くということ。それはまるで戦う意思はないと示しているようだった。
・・・・すでに力が残っていないレナが遣れることはただ一つだけ。
それはミラを信じることだけだった。ミラなら決して自分の中の悪魔には負けないと。

ミラの拳がレナの顔面目の前まで迫る。それでもレナはミラを信じた表情で動かない。

「皆でギルドに帰ろう。ミラ」

—ピタッ—

ミラの拳が止まる。その拳が震えている。顔を伏せて歯を強く噛み締める。

「な・・・ぜ・・・・・?」

ミラはそのままレナに問うた。それにレナは笑顔で答えた。

「だって、ミラなら例え悪魔になろうと私たちの事は忘れないって信じてたから」

「・・・・・・」

ミラの拳がだらりと垂れる。そして顔を上げた時、ミラの顔は何時ものミラの顔に戻っていた。

「ありがとう、レナ」

ミラは最後にそう礼を言うと、接収が解け倒れこんでしまった。
そして続いてレナもそのまま倒れこんでしまった。

————————————————————

—キン!キィン!!ガキィィィン!!!—

カムイとブリューナクと名乗る男の戦い。お互いの剣技が入り混じる。
ブリューナクの魔法はカムイと同じ雷系魔法。だが、魔力はカムイよりは劣っているが
剣術はカムイが劣っている感じで互角の戦いをしていた。

「はぁ・・・はぁ・・・・。つっ!!!」

「はっ!!」

腹部に襲った痛みで動きが鈍った瞬間、そこにブリューナクの蹴りが腹部に入る。
凄まじい痛みがカムイを襲う。

「俺は敵が傷を負っているからと言って手は抜かない。付けいる隙があるのならそこを突く!」

「俺もそんなのに気を遣わせるつまりはねぇよ!!
とっとと本気で来い。何か隠し持ってんだろ?腹の探り合いは止めにしようぜ」

カムイはそう言い、相手に刃を向ける。それにブリューナクも賛成するように頷く。

「そうだな。なら、俺も名を名乗らせてもらう」

「ブリューナクじゃねぇのか」

「それは通り名だ。俺の名はスザクラ。俺が名を名乗るのは、
その相手を殺す時だけと決めている。願掛けのようなものだ」

スザクラはそう言うと、何も無い空間から剣を三本取り出し、計四本の剣を己の手に持つ。

「四刀流か。大した芸当だな」

「その芸当にお前は殺させる」

スザクラは二本をカムイに向かって投げる。それを弾くカムイの隙をつき、残り二本で畳みかける。
それをかわしつつカムイも攻撃をしかける。

「四刀流は初手の一発だけか?」

「引刀」

—ズパズパ!—

「つっ!!」

カムイの横腹を何かが突き抜ける。それに膝が着くカムイ。それにスザクラが止めを刺そうと
刀を振り上げる。その手にはいつの間にか投げたはずの二本の刀が戻っていた。

「終わりだ」

「独楽・ツバメ返し!!」

—ガキィィン!!—

突如飛んできたコマがスザクラの刀に辺り吹き飛ばす。
そしてそのコマが飛ばした本人の元へと戻って行った。

「誰だ」

「誰だと尋ねられたら、答えてあげるのが世の情け」

カランカランと下駄の音が辺りに鳴り響き、ゆったりとした着物を着た少年が現れる。

「遊神のヒュート。ここに見・・参!!!」


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