二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【銀魂】闇と、
- 日時: 2010/02/24 17:58
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: 21pxq.RV)
クリック有難う御座います^p^
春に映画化するみたいなんで、そのお祝いに小説作ってみた。((
管理人、シリアス・ダーク小説で活動中。
探してみてね((((逝
因みにオリジナルです。
+注意+
・駄文です。
・荒し止めてください。管理人折れます((
*目次*
人物 >>1 序章 >>2
一章 >>3 >>4 >>7
二章 >>8 >>9 >>10
三章 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
四章 >>16 >>19 >>24
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.12 )
- 日時: 2010/02/06 19:47
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-02
****
朝早く、けたたましい音で男は目が覚めた。
万事屋銀ちゃんの店主こと『坂田銀時』
電話に出ると相手は此処でバイト中の突っ込み地味眼鏡こと『志村新八』だった。
内容は、
「昨日家に来た女の子の面倒で忙しいから今日は仕事を休ませて貰う」
との事。
ドSな銀時の事だ、此処に居候しているチャイナ娘こと『神楽』と共に志村宅に新八をからかいに行くのだろう
****
また目が覚めると陽空の目の前には茶色の天井が目に飛び込んできた。
どうやら昨日『お妙』という女を待っていて、其の侭寝てしまったのだろう。
……っで、此処は一体何処なのだろう……?
「あら??目が覚めたみたいね」
起き上がるとお妙が居た。
「御免なさいね、昨日はちょっと忙しくって……」
困ったような表情だが、それでも笑顔でお妙は言う。
「……此処は??」
まだ視界が眩む目で陽空は聞いた。
「あぁ……此処は私の家よ。
……それより、御腹空いたでしょ??これ、今日使った玉子焼きなんだけど……作りすぎちゃったから此れで良ければどうぞ」
笑顔のまま差し出された皿には「玉子焼き」本来の黄色いものでは無く、
如何間違えばこんな色になるのか分からない、表現の出来ない物質が乗せられていた。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.13 )
- 日時: 2010/02/06 20:42
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-03
****
————ピンポーン……、
銀時は志村宅のインターフォンを鳴らした。
数秒後、玄関からは毎日見飽きてる新八が現れた。
その表情は何かをドン引きしている様な、呆気に取られている様な表情だった。
「お〜い、ぱっつぁん如何した?何か志村(姉)の暗黒物質(ダークマター)でも美味しそうに食べている誰かを見ている表情だぞ」
銀時は絶対にこの世で有り得ないものを例えに新八に言った。
「……そうなんです」
「あ??」
新八の声が聞こえなかったのだろう、銀時は聞きなおした。
「……姉上の…、姉上の玉子焼きを…電話で話した子が平気な顔して食べて居るんです」
銀時も、その隣に立っている神楽も目が点になって、一緒に叫んだ。
「えぇええぇええぇええ!?」
****
この女の人……お妙から陽空はいろんなことを学んだ。
一つ、人は見かけによらない。
こんな美人で清らかそうな女性なのに、お妙はキャバ嬢なのだ。
人は見かけによらない……な。
二つ目はほとんど似て居るのだが、見た目で判断してはいけないと言うこと。
今食べている玉子焼き……、見た目はダークマターだが、味はまぁまぁ……。
イヤ、結構美味しい……。
「……お妙……さん。御代わり、良い??」
昨日一日何も食べてない所為か幾らでも腹の中に入る。
「ふふ、良いわよ。ちょっと待っててね」
お妙はそう言って、台所の方へ姿を消した。
「…………」
短い時間しか居ないが、此処に居ると何でか心が休まる。
今までやってきたことを全て忘れてしまいそうな……、そんな気分になる。
「此処に居たい」
だけど、其れはいけない。此処に居ればお妙に迷惑になる。
此処に居てはいけない……、だけど何処にも行く当てが無い……如何したものか……。
————バンッ
そんなことをボーっと考えて居ると、机を挟んでの目の前の引き戸が開いた。
戸を開けたのは銀髪の天然パーマの男だった。
男の表情は何処か慌てて居る様だった。
「あっ」
陽空の小さな声が口から零れた。
その男には見覚えがあった。よくよく、見てみると昨日公園で会った男だった。
「あら、銀さん!来てたの?って如何したのそんな血相を抱えて……」
ダークマターの乗った皿を持ってお妙が台所から戻ってきた。
「ハイ、陽空ちゃん」
「……有難う」
お妙は持ってた皿を陽空に手渡した。
「え??何、其の子マジで其れ食べるの??やめて置いたほうが良いよ。其れは人の食べるものじゃないよ??
食べたら、アレだよ??御腹壊す程度がすまないよ??その物質はそれは、それh……ゴフッ」
銀時の言葉は途中で遮られたと思うと、白目を向いて床に倒れた。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.14 )
- 日時: 2010/02/06 21:23
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-04
****
白目を向いて倒れた男、銀時。
その理由は顔面に皿が当たった所為だろう、顔の周りに白い欠片が散らばっている。
「銀さん、何か言ったかしら??」
笑顔だが、頬の下に怒りマークのついた表情だった。
「イエ、何でも有りません。ホントスイマセンでした」
微かに意識のあった銀時がか細い声で言った
****
「っで、何其の子??」
意識がハッキリと戻った銀時が、目の前に居るダークマターを美味しそうに食べている少女……陽空を指差しながら聞いた。
「『陽空ちゃん』。昨日お店の前で倒れていたのよ。
家を聞いても『そんなの無い』の一点張り、放って置く訳にも行かないって事で私が預かったの」
お妙が陽空について簡潔に説明した。
「……其れより、銀さん何でうちに??何か御用だったのかしら??」
「そうですよ、銀さん。今日は僕、万事屋の仕事は休むって言いましたよね??」
「あ〜……るっせぇなぁ〜……、たまには定休日なんだよ」
銀時が気だるそうに言った。そもそも、仕事なんて来ないんだ。
町をぶらぶらしてても余り関係ないだろう……。
「……万事屋??」
聞き覚えの無い言葉に陽空は興味を抱いた。
「『何でも屋』って事だよ。まぁ仕事なんて全然無いけどね」
「そうアルヨ。其の所為で金が減る一方で全然給料貰って無いネ」
新八・神楽共々仕事の愚痴をさり気無く零した。
「……何でもやってくれるのか??」
陽空が店主なのであろう男……銀時を鋭い目で見ながら聞く。
「あぁ??まぁな、金さえ払ってくれるならな……ってうお!?」
銀時がまたよろける。
如何動いたのか疑問だが、陽空が銀時の上に馬乗りになって、銀時の胸倉を掴んでいた。
「何でもやるんだな……?」
さっきとはまた違う鋭い冷たい目で銀時を睨みながら普段の声より低い声で聞いた。
銀時は急なことに驚き少し怯んで居るようだ。
「あ、あぁ……一応何でもやるよ、金払ってくれるなら……」
「金なら幾らでも払う!!!俺を匿え!!」
「「「え?」」」
陽空の驚きの発言に一同は間抜けな声をあげた。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.15 )
- 日時: 2010/02/06 23:20
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-05
****
陽空の言葉に一同は言葉を失った。
「ひ、陽空ちゃん??ちょっと、どういう意味??」
「……、言った意味のまんまだよ??お妙さん。俺は匿って貰いたいんだ」
銀時の胸倉を掴んだ手を放し、立ち上がりながら陽空は言った。
「……俺は追われているんだ。行く当てが無い、だから匿って貰いたいんだ」
その一言は更に場の空気を凍りつかせた。
「……理由は?」
銀時が陽空に聞く。
「……ただ、追われているとだけ……。今は其れしか言えない。
匿ってくれるのか??如何なんだ??」
「…………」
正直銀時は迷った。
『金は幾らでも払う』そう言われれば溜まっている家賃の為にも引き受けた方がいいだろう。
……だけど、『匿って欲しい』という依頼。
如何見ても陽空という少女に関わることは面倒ごとに巻き込まれるに違いない。
「任せるネ!!!私たちがお前を守ってやるアルヨ!!」
悩んでいる銀時を無視して神楽が沈黙を破って言った。
「は??な、何言ってるんだ、神楽!?」
「五月蝿いネ。金幾らでも払ってくれるアルヨ??溜まった家賃プラス、私の給料払うヨロシ」
文句を言う銀時に冷ややかな目を向けながら神楽が愚痴を零す。
その言葉に銀時は肩を落とした。
どんな文句を言ってももう神楽には通用に無いだろう。
それどころか、余り言い過ぎると武力で脅される、諦めるのが先決だろう。
「……ったく、わーったよ。その代り、依頼料以外にもお前には万事屋の家事全般をやって貰うからな」
「…………わかった」
*三終わり*
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.16 )
- 日時: 2010/02/07 00:59
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
*四*-過去-01
陽空が万事屋に匿われて数日が過ぎる。
陽空は家事が上手かった。掃除、料理兎に角家事全般を何から何までやって見せた。
「匿ってもらう約束の為だ」
そう言いながらも愚痴を零すことなく家事をやっている。
しかし、銀時だけでなく、万事屋三人プラス、お妙が心配していることがあった。
それは、陽空がほとんど……イヤ、全く外へ出たがらない事だ。
神楽が「一緒に外で遊びに行こう」と言っても拒むのだ。
幾ら誰かに追われていて、匿ってもらって居るとはいえ、不自然な行動だ。
そんなことを銀時が陽空に言うと、「俺の勝手だ」と冷たく言われた。
****
しかし、そんなある日の夜。
皆が静まり返り寝る時刻、銀時は物音で目が覚めた。
陽空が外へ出て行ったみたいだ。
**
陽空は外へ出て、屋根に伸びり、ボーっとしていた。
月の光を避けるように、自分の傘を差している。
「なーにやってんだ??」
急に下から声が聞こえた。下を向くと銀時が居た。
「……別に、お前こそ何なんだ??」
「あ??お前の物音の所為で目覚めちまったんだよ」
銀時がさり気無く文句を言う。
その言葉に陽空は何も言わなかった。
二人の間には沈黙が流れ始める。
「……なんで日傘なんて夜にさしてんだ??」
沈黙を破ったのは銀時のほうだった。
「何故、そんな事を聞く??お前の事だから、もっと聞きたいことが有ったんじゃないか??」
「あぁ、聞きてー事は沢山有るぞ。でもどうせお前は答えないだろ??じゃぁ答えそうな事聞いたほうが得だろ??」
「……何故だと思う??」
『日傘を差している理由』を逆に陽空は聞いて見た。
「……神楽と同じ、夜兎ではなさそうだな。神楽でも夜は傘差さねぇしな……」
「……」
「俺の一族は、夜兎と同じく、戦闘力に優れ、日の光を嫌う一族」
陽空は『何故、夜も日傘を差しているのか』話し始めたようだ。
「俺の一族の星は、陽の光どころか、月の光さえも差さない、真っ暗な星なんだよ。
其の所為か、陽の光は勿論、月の光も苦手なんだ」
「へーそうなんだ、ふ〜んドウモアリガトウ」
銀時は棒読みで言った。
「聞いておいて棒読みか……、まぁ良い。俺もお前に聞きたい事がある。……お前、攘夷戦争に参加してただろ??」
「…………」
銀時は答えなかった。
「質問に答えてやったんだ、お前も俺の質問に答えたらどうだ??」
答えない銀時に呆れた声で陽空が言う。
「あぁ、参加してたな。そのとき、俺はお前に会ってるよ」
隠すのが面倒くさいのか、銀時が気だるそうに話した。
「ホントはお前が何故夜でも傘を手放さないのかも知ってるさ」
「……じゃぁ何故態々聞いたんだ??」
「さぁな、無言で居るのは性に合わねぇんだよ」
「…………そんな風には見えんがな……」
「……お前えげつない女だったよな」
少し間を取ってから陽空に言った。
「……今もえげつないさ、あの時よりもな」
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