二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【銀魂】闇と、
- 日時: 2010/02/24 17:58
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: 21pxq.RV)
クリック有難う御座います^p^
春に映画化するみたいなんで、そのお祝いに小説作ってみた。((
管理人、シリアス・ダーク小説で活動中。
探してみてね((((逝
因みにオリジナルです。
+注意+
・駄文です。
・荒し止めてください。管理人折れます((
*目次*
人物 >>1 序章 >>2
一章 >>3 >>4 >>7
二章 >>8 >>9 >>10
三章 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
四章 >>16 >>19 >>24
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.7 )
- 日時: 2010/02/05 16:17
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-03
***
男二人は絶句した。
自分が引いたはずの女が今地面に足をつけ自分達に話しかけて居るのだから無理は無い。
「お、おい……総吾、俺は夢でも見てるのか??」
『総吾』、そう呼ばれた若い男は苦笑いを浮かべているだけだった。
黙り込む二人の男に呆れたのか、車にぶつかった拍子に飛んでいった自分の傘を彼女は拾い上げそそくさにその場を立ち去ろうとする。
「お、おい!?」
余りにも唐突なことをしでかすのに驚き土方が彼女の肩を反射的に掴んだ。
呼び止められた所為か、彼女は土方に顔だけ向けた。
血のように鮮やかな赤い目と暗くまるで闇のような黒い目のオッドアイ。
その目は凍りついたように冷たく土方を射抜く。
余りにも冷たすぎる目な所為か、土方は言葉を失った。
「……何か用か??」
肩を掴んだまま何も話さない土方を急かすように話す彼女の声を聞き、ようやく土方が我に返った。
「いや、なんでもないが……、怪我は無いか??」
「別に何処も悪くない。俺はヒトより丈夫だ」
心配して聞いた言葉に素っ気無く答えると肩の上に置かれた手を彼女は振り払った。
「……それだけならもう俺にもう様は無いだろ??じゃぁな」
進行方向へ向きを直すと手をひらひらと振りながら彼女は何処かへ歩き始めた。
「あ、おい!」
何かを思い出したように、土方が彼女を呼び止める。
彼女はその場で立ち止まっただけで今度は振り向きもしなかった。
「………お前、名前は何て言うんだ??」
彼女が何も反応を見せないので、勝手に話し始める。
「……陽空」
彼女はそれだけ呟くと何処かへ消えた。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.8 )
- 日時: 2010/02/06 00:30
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
*二*逃走-01
スタスタと道を歩く。
もう、何年も住んでいる筈なのに江戸を歩いていると、知らない建物や知らない店などを良く見かける。
自分はまだまだ此処のことを良く知らないのだな、
そう思った。
++++
逃げ出してきた。
そう言えば正解になるかは分からないけど、
江戸に住んでいて、アイツ等が嫌いであそこを離れた。
……けど、
何処にも行く当ては無かった。
住む家も無く、帰る故郷は既に廃墟と化しているだろう。
何処にも行く当てが無いから此処に居るしかない。
けど、ここに居たらすぐにあいつ等にばれるだろう。
そしてまたあの闇へ引き擦り込まれる……、
考えただけでもゾッとする。
自分の一族は他のどの一族よりもずば抜けて丈夫だ。
その中でも自分は特別体が丈夫だった。
多分、イヤ絶対に、奴等に見つかってもまた逃げれる自信はある。
……あぁ、陽があたるのはつらいな。
少しそこの路地裏で休むとするか……、
****
路地裏は涼しかった。
陽は当たらなかったけど陽空は傘を差したままだった。
————闇夜一族
宇宙最強民族『夜兎』も適わぬほどの戦闘力を誇る一族。
夜兎の親戚と言われるが彼等一族とはまったくと行って良いほど星の環境が違いすぎた。
闇夜一族の星はまったくと言って良いほど光が差さない真っ暗な星。
日の光は勿論ながら月の光でさえも浴びられない。
「……太陽にも、月にも見放された、一族……」
陽空はポツリと自ェの足を眺めて呟いた。
戦って、戦って、そして遂に滅びの道を辿った一族に陽空は生まれた。
戦闘に優れ、戦いの道具として利用され、使い終わったらポイ捨て。
そんな一族でも良かった。利用でもなんでも良い。
自分はただ、両親を……、一族を殺した奴等に復習したいだけなのだから……。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.9 )
- 日時: 2010/02/05 17:11
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-02
****
どれだけの時間が経ったのかは分からないが、陽空はずっと路地裏で傘を差し自分の足を見つめている。
隣を走り抜ける猫、ゴミ箱を漁る猫たちの「ニャーニャー」という声が耳に微かに入ってくる。
****
「居たぞ!!!」
急に耳に太い男の声が聞こえた。
声の方へ顔を向けると、自分を追っていた奴等なのか?
こっちを血相な顔で見ている。
中年太りの大男の声がさぞかし遠くまで聞こえたのだろう。
ぞろぞろと仲間があふれてくる。
「ちっ見つかったか……」
男が居る方とは別の方向へ陽空は走った。
それと同時に男達は自分を追いかけてくる。
路地裏を抜けるともうそんなに時間が経ったのか、空が赤く火照り始めている。
****
兎に角早く、陽空は走り続けた。
相手はばて始めたのか追ってくる奴等は最初の三分の一にも満たないほどの奴だけだった。
本当なら今すぐにでも奴等の脇に入り込み殺ってやりたいが、こんな人目のつくところでそんなことをする気にもなれなかった。
いくら体が丈夫とはいえ、体力に限界というものがある。
陽空の体が限界を来て悲鳴を上げ始めた。
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.10 )
- 日時: 2010/02/05 23:46
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-03
****
陽空が追手全員を撒いたのは、もう空が暗く染まった時だった。
夜の江戸を疲れ切った体で陽空は歩いていた。
夜の江戸は昼の賑やかさとは違う賑わいを見せていた。
店のあちこちはネオンに飾られ、道を赤く染まった顔で人々は歩いていた。
要するに酔っ払っている人達でにぎわって居るのだ。
そんな賑わいを見せる江戸の町で足をフラフラと歩ませながら、陽空は今後如何するかを考えていた。
此の侭此処に居てもどうせまた奴等に見つかるだけだ。
今度は今日の様には上手く撒けないような気がする。
疲れ切った心身で考えられる事は限られてくる。
疲れの所為か、何時もの様に頭が回らない。
急に何かで躓いた。
陽空は其の侭立ち上がれず、何処か店の前で気を失った。
*二終わり*
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.11 )
- 日時: 2010/02/06 00:46
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
*三*居候-01
陽空が次に目を覚ましたのは何処か知らない店の中だ。
店の雰囲気だけを見ると此処はスナックとかキャバクラと言った感じの店なのだろう。
お酒のアルコールの匂いがツンと鼻に刺さる。
「あら、気がついたの??」
むくっと体を起こすとずっと自分を看病してたのか、少し茶色の入った髪を一つに纏めた綺麗な女性が立っていた。
どうやら此処で働いているキャバ嬢なのだろう。
そんな雰囲気が見えないのだから見た目で人は判断できない事が良く分かる。
「お店の前で倒れているから驚いたのよ??もう大丈夫??」
女が顔を覗きながら聞いてくる。
まるで瞳が全てを吸い込んでしまうのではないか、そんな事を思ってしまうほど綺麗な瞳に
陽空は言葉を失い、ただ頷いただけだった。
「そう、なら良かった。……でも何で貴女みたいな子がこんな所に??御家は??」
「……そんなものは無い」
素っ気無く答えて見せた。
女は目を丸くして驚いた。二人の間に沈黙が流れてしまった。
「お妙ちゃん、指名だよ。ホラあの例のお客さん」
店の方から店長らしき人が出てくる。
『お妙ちゃん』そう呼ばれた女は小さなため息をこぼした。
「……またあのゴリラね……、まったく。ねぇ貴女?私ちょっと行って来るから此処で待てってね??」
陽空の返事を聞かずにお妙は店の方へと行ってしまった。
何処にも行く当てが無いから、陽空はお妙の言った通りに此処で少し待つことにした。
「お妙さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「しつこいんじゃ、このゴリラぁぁぁぁ!!」
店の方からはお妙を呼ぶ声と鬱陶しがるお妙の声が此処まで聞こえた。
一緒にテーブルが倒れたり、グラスが割れた音が聞こえたり、聞こえなかったり……。
長いことその騒ぎは続いた。
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