二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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バトテニ−地獄−
日時: 2010/02/07 17:15
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 こんにちは。 亮です。
 前のスレのURLが使用禁止ワードになってるみたいですね((汗
 60話まで来て、キリもいいし、スレの整理をかねて新しく立て直しました。
 −無駄な感情−に更新している小説をこっちに移すだけなので、たいしたことはしませんが((笑
 19話を除く、8話からから26話までの
 データが消えてしまって無いので、多少分かりづらいかもしれません。
 ご了承下さい。
 こっちの整理に時間が掛かるので、新しい更新は−無駄な感情−のほうを見ていただけると助かります。
 ↑意味不明ですね・・・
 ま、どっちも更新する、というコトです。


 気軽にコメ・感想・アドバイスなどお願いします〜
 意味不明な表現や、誤字なども含まれると思うのでどんどん指摘してくださいねッ


 では、始まります。



 

 俺たちは、何処で道を踏み外したのだろう。
 何処で何を間違えたのだろう。
 どうして、あの日、俺たちは離ればなれになってしまったのだろう。

 
 キミは今、何をしている?

 
 この空の下。
 きっと何処かで生きている。

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Re: バトテニ−決める− ( No.16 )
日時: 2010/02/07 17:09
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

    


         【三章】 -決める-


        皆は、どうしているのだろうか。

        死んだ仲間がいるってコトは、殺した人が居るというコト。

        変わってしまった人が居るというコト。

強い意志を持っているのだろう。

       戦う決意が出来ているのだろう。

       未だにそれが出来ない俺は、弱いのだろうか。




 31 いい加減



「いってェ・・・ 柳生のヤツ、思いっきり刺しやがって・・・」(ブン太)
「我慢しろよ。 今、包帯巻いてやるから」(ジャッカル)


2人で野宿をしていた。
でも、なかなか寝付けなくて、星を眺めながら他愛のない会話をした。
いつもどうりの会話。
学校の帰りにでもするような、いつもどうりの会話。

2人は、このゲームについて話し合っては居なかった。
再会してからも、どちらも話題に出さなかった。

ただ、イヤだった。
深刻な空気になるのが。
ただ、辛かった。
死んだ仲間のことを思うのが。
ただ、悲しかった。
これからのことを考えるのが。

生き残りたいか、そうでないかもハッキリしない。
そんな時に、アイツは現れた。

血だらけのユニフォームで、血だらけの包丁を持って。

そして、思いっきり・・・

痛かった。
刺された腕よりも、裏切られた心が。
そして痛感した。

もう、いい加減決めなくてはならない。
もう、目をそらすことは出来ない。

自分の心を・・・決めなくては。


「なァ、ブン太」(ジャッカル)
「なんだよ?」(ブン太)

「いい加減、決めようぜ」(ジャッカル)

ジャッカルの言いたいことくらい、分かっていた。
何を決めなきゃいけないかくらい、分かっていた。

「何を?」(ブン太)

俺はお前と、まだ一緒に居たい。

でも、それじゃ、ダメなんだ。

「生きたいか、そうでないかだよ。 このゲームに乗るか乗らないかだ」(ジャッカル)



「俺は・・・乗るよ」(ブン太)



このケガじゃ、乗ったって勝負にならない。
このケガじゃ、お前の足手まといだ。

お前は優しい。

だから、俺を助けようとする。
それじゃ、ダメなんだ。


「な・・・ッ マジかよ?! 正気か? ブン太ッ」(ジャッカル)
「正気だよ」(ブン太)
「なんでだよ?!」(ジャッカル)

「見ただろッ?! 柳生の顔ッ おう、アレは柳生じゃねェ。 
 あんなのから逃げて、生き残るには・・・乗るしかねェだろッ!!!」(ブン太)
「ブン太・・・」(ジャッカル)

ゴメンな、ジャッカル。

「俺は・・・」(ジャッカル)


ジャッカルが何かを言いかけた。
でも、後ろには・・・柳生が追いついていた。


「やっと見つけましたよ。 ジャッカルくん、丸井くん」(柳生)





生き残りたい?

そうじゃないだろ。

お前に、生き残って欲しいんだ。





        


Re: バトテニ−決める− ( No.17 )
日時: 2010/02/07 17:09
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 32 一緒なら



「や、柳生・・・」(ジャッカル)

柳生は、笑みを浮かべ2人に歩み寄った。

「さすが、逃げ足が速いですね。 丸井くんを担いでもそれだけ動けるんですから」(柳生)
「体力は有り余ってるからな」(ジャッカル)


ヤツのねらいは俺か?
さっきから、ブン太には目もくれない。
だとしたら丁度良い。
ケガをしているブン太に、戦うことは出来ないはずだ。


「おしまいにしましょう、ジャッカルくん。あなた達は、ここで死ぬ」(柳生)


そう言って、柳生は包丁を振りかざした。
ジャッカルたちに、逃げ場はない。


————もう、俺が楯になってでもブン太を守るしかないッ


たとえ、ブン太が乗っていても、大切な相棒だから。


「さようなら」(柳生)


あァ、俺の人生、終わるんだな。
そっと目を閉じた。


そのときだった。


何処も痛くない。
何処も、刺されてなんか居ない。

そのことに気がついた。

そして、俺の前に血の海が広がっていることに。


「!! ブン太ッ!!」(ジャッカル)


刺されたのは俺じゃない。 ブン太だ。


「ジャ・・・カ・・・・ル・・・」(ブン太)
「大丈夫か?! 何で、こんなこと・・・ッ」(ジャッカル)

「おや、丸井くんでしたか。 どちらでも関係ないですが」(柳生)


ブン太はニコニコするばかりで、何も答えない。
血は止まらない。
痛いはずなのに、コイツは笑って居るんだ。


「ブン太・・・ッ!!」(ジャッカル)


ブン太の頬に、涙が落ちた。


「俺・・・さ、もっ・・・と、お、前と、いた・・・かっ・・・た・・・」(ブン太)
「何言って・・・これからも一緒にいるだろ?!」(ジャッカル)


ジャッカルがそう言うと、ブン太は安心したように笑った。


「・・・あり、がと・・・な」(ブン太)


1つの、命が消える瞬間を初めて目の当たりにした。
ブン太の息は、もうない。


「ブン太・・・?」(ジャッカル)


呼びかけても、答えない。


「ブン太ァァァァァァァァァァァァァッ!!」(ジャッカル)


“乗るよ”
そう言ったじゃねェか。 ブン太。
“乗る”ってことは、生き残りたいってことだろ?
人を殺す決意をしたってコトだろ?
そのお前が・・・何で俺をかばうんだ?
お前が決めたコトって、何だったんだ?

教えてくれよ、ブン太。


「ジャッカルくん、次はあなたです」(ジャッカル)


“お前ともっと居たかった”

俺もだよ、ブン太。
もっとお前とテニスがしたかった。
今度こそ、2人で勝利を手にしようって言っただろ?




今、俺も一緒に行くよ。




「アデュー・・・」(柳生)



そして、また1つ、命が消える。




ブン太。
お前と一緒なら、何処でだっていつもどうりで居られるよ。

Re: バトテニ−決める− ( No.18 )
日時: 2010/02/07 17:10
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 33 迷い




なんでこんなことになったんだろうね。
皆でテニスやって、
皆で練習して、
皆で優勝して・・・
すっごい楽しかったのに、なんでこんなことになったんだろう。


「・・・ッ」(リョーマ)


そして・・・なんで俺は泣いて居るんだろう。
始まってからずっと1人。
誰にも会っていない。

海堂先輩、桃先輩、菊丸先輩、大石先輩、不二先輩、手塚部長・・・香澄先輩。

生きているだろう先輩達。
青学に来る前は、ずっと1人でテニスをしていた。
相手と言えば、オヤジだけ。
だから1人なんてなれてるのに、なんで今、1人が寂しくて、1人が不安で、泣いて居るんだろう。


「まだまだ・・・だね」(リョーマ)


今までたくさんの人に言ってきたセリフ。

殺すのは怖い。
1人で生き残るのも怖い。
だけど、人を殺すのも怖い。

3日考えても、自分がどうしたいのか決まらない、分からない。
本当に“まだまだ”なのは自分だって、今気がついた。


死んでしまおうか。


不意に、そう思った。
このまま誰にも会わずに、死んでしまったほうが楽なんじゃないか?
死んだら、乾先輩や河村先輩に会えるじゃん・・・


すみません、手塚部長。


俺に“青学の柱”を託してくれたのに、
まだ直接対決で奪い取ってないのに、
俺は・・・弱いみたいです。


香澄先輩や、他の皆。


皆、優しくてお節介ばかりだから、心配してくれてるのかな。
香澄先輩なんか、泣いちゃってたりして。

・・・会いたかったな。


自分の武器のサバイバルナイフを、まるでリストカットでもするように左手首に持って行く。


さよなら。


リョーマは手首を深く切りつけようとした。
死に損なわないように。
思いっきり、切ろうとした。


「やめろッ 越前!!」


聞き覚えのある、この声は・・・   手塚部長?


左手首を切ろうとしたナイフを取り上げられ、驚いて振り向いた。
そこには、まぎれもなく手塚が居た。


「何をして居るんだ、越前! バカな考えは止めるんだ」(手塚)

「て、手塚、部長・・・」(リョーマ)


振り向いたリョーマの顔を見て、手塚はハッとした。
コートの中では、あんなに自信に溢れ、勇気あるプレーをし、弱音など吐かない越前が・・・

泣いていた。


「手塚、部長、なんで・・・」(リョーマ)
「越前・・・」(手塚)


ここまで弱っている越前は、初めてだ。
怖かったのだろう、苦しかったのだろう。
今まで誰にも会わず、誰も信じれず、1人きりで静かに戦っていたのだろう。

それは、俺とて同じだ。


「もう、大丈夫だ。 越前。 1人じゃない」(手塚)
「部長・・・」(リョーマ)
「死のうなんて、考えるな!」(手塚)


なんて言っておいて、俺だって何度、死のうと考えたか。
出発して、
乾が死んだのを知って、
河村が死んだのを知って、
1人なんだと実感して・・・
何度だって、死んでしまいたい、そう思った。
だけど、お前達が居るから。
今までも、そしてこれからも、俺を支えてくれるお前達がまだ、戦っているから。

俺だけ逃げるなんて出来ない。


「ありがとうございます、部長。 アンタが居なかったら、俺・・・」(リョーマ)


アンタに会えて、どんなに安心したか。


「いや・・・」(手塚)


久しぶりの安心。
誰かを信じられるだけで、こんなにも世界が変わる。


だから、この世界をこれ以上壊さないで。





「あれ・・・不二、見失っちゃったな。 でもいいや、手塚とボウヤがいるからさ」(幸村)





神様、そんなに、俺のことがキライですか?

Re: バトテニ−決める− ( No.19 )
日時: 2010/02/07 17:11
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 34 神様




「ゆ・・・幸村さん」(リョーマ)
「やァ、越前くん。 久しぶりだね・・・」(幸村)

幸村は、不適に笑う。
肩には、血にまみれたジャージが羽織られていた。
その血が物語っているのは・・・人との殺し合いだ。

「お前は・・・まさか・・・」(手塚)

手塚が最後まで言い終わらないうちに、幸村がクスッと笑った。


「そのまさか。 俺は生き残りたい。 だから、君たちを殺す」(幸村)


これで、いいんだろ? 蓮二。
俺は・・・間違って居ないんだろ?


「クソッ」(手塚)

手塚は舌打ちした。


ついに・・・俺も決意しなくてはならないのか。
逃げるだけでは、いずれ殺されるとは思っていた。
今、まさに、その状況だ。
今決めなけりゃ、俺と越前はここで終わりだ。


コイツと・・・戦うしかないのか。


「残念だ。 幸村」(手塚)
「何がだい?」(幸村)

「お前とは・・・テニスで真剣勝負をしたかった」(手塚)

「俺も、そう思っていたところだよ」(幸村)

手塚は、自分の武器であろう剣を取り出した。


「行くぞ! 幸村!」(手塚)


「部長ッ!」(リョーマ)

手塚は、リョーマの声が聞こえなかったふりをした。
今振り返ってしまえば、せっかく出来た決意が壊れてしまいそうだったから。


俺は、テニスに、青学に、お前達に、命だって捧げる覚悟だった。
腕が壊れようとも、お前達と優勝したかった。
ここで逃げれば、あの決意は何だったのか分からなくなる。

ごめんな、越前。


「手塚・・・部長・・・」(リョーマ)


いつもこうだ。
アンタはいつだって、俺たちのために自分を犠牲にするんだ。
俺はその背中を、だまって見ているばかりだ。


見ている、ばかりだ。


幸村がアイスピックを振りかざした。
手塚も、剣でそれを受け止める。
見ている限りでは、手塚が押されているようにさえ見える。




「部長—————————ッ!!」



「!」(幸村)
「越前ッ!!!」(手塚)



今度は俺を、見ていてください。 部長。
だって俺、部長のような“青学の柱”になりたいって思ったんです。

Re: バトテニ−決める− ( No.20 )
日時: 2010/02/07 17:11
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode

今、パソの前で涙を流しそうなのだww


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