二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマイレブン 黒田エリの好きな人
日時: 2011/06/05 19:39
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: LQ45f2Hx)

 始めまして、紅花と申します。
 
 注意事項↓
 1オリ設定とオリキャラが出てきます
 2荒しとパクリはやめてください
 3駄作です
 
  上に当てはまる人は、回れ右!


 
 登場人物↓ 増えます
 黒田 エリ くろだ えり ♀ 
「あたし、男どもとグラウンド走り回ってるほうが性に合うんだよねー」
 主人公。明るく活発で大雑把。涙もろいが男勝り。
 背が高く、好きな人が自分より背が低いためそのことを気にしている。
 小説大好き、絵をかくのが好き。土日は家でごろごろ。
 猫の品種に詳しい。変なことをたくさん知ってるわりには非常識。
 
 若田 進 わかた すすむ ♂
「学校と違うんだよねー、ここにいると」
 エリのクラスメート。学校にいると、大人しく無口で物静かで博識な男の子。
 しかし学校からでると一変して元気で明るく生意気で毒舌になる。
 二卵性の双子の弟。ただし、兄より背が高い。

 ナナ ♀
「とし? そんなもの、忘れたわ」
 ホームレスの少女。ミステリアスな雰囲気。
 全然ホームレスには見えない。推定七歳。

 谷村 律 たにむら りつ ♀
「えっと……佐久間先輩のファンです!」
 帝国の女の子。佐久間と同じ眼帯をしている。
 ビビリ、小心者、あがり症。恥かしがりやで超内気。
 おばけやしきに入ったことない歴とホラーみたことない歴13年。

 切先 刃 きっさき やいば ♂
「名前? ああ、俺がつけたんだが、どうした?」
 雷門中にきた転校生。律儀な性格で、どんなに嫌なことでも、申し付けられるとかならずそれをする。
 超☆非常識。本名は剣寺。

 剣寺 白刃 つるぎでら しらは ♀
「オレは白刃。あん? 名前? 名前が全てじゃねぇだろ?」
 刃の実の姉。柔道黒帯。オレっ子。
 鬼道に一目ぼれして雷門に転校すると決めた。

 黒田 ミリ くろだ みり ♀
「ち、ちっちゃいは禁句です!」
 エリの誇り高き姉。成績優秀、品行方正。
 身長はエリに奪われたらしく、高3となった今も栗松と同じくらいの身長。
 イタリアに留学中。

 笹目 雪 ささめ ゆき ♀
「ん? 治くんの顔は兇悪じゃないよ〜」
 吹雪の従妹。オサーム様の彼女。
 柔和で穏やかで天然ででもキレると怖い。

 目次
 第一章 スタートまで 
 第一話 「黒田エリ」 >>1
  だいじょうぶ? と聞かれた。アルトで。
 第二話 転ぶなよ! >>2
  はい、もう転びません。
 第三話 拒絶 >>3
  彼女は暖かかった。
 第四話 台湾 >>4
  遠いのかな、台湾は
 第五話 ナナ >>8
  絶対に、気のせいだ。
 第六話 高雄 >>11
  黒田さん
 第七話 日本へ >>12
  are you ok?

 第二章 恋する乙女(?)は全力投球!
 第八話 夢よりも恋をおっかけてます! >>16
  ……え? 世間知らず? でも、私、太陽が東からあがって西に沈むこと知ってるよ。
 第九話 マネキン >>20 ホラーっぽい
  でも、たしかその向日葵の所為で、俺、睡眠不足になったんだよね?
 第十話 意外な姉弟と眼帯少女 >>21
  ほら、私達、よく似てるでしょ?
 第十一話 諦める才能 >>24
  私、傍にいられるだけで、貴方の後姿を見ることができるだけで、幸せだから。
 第十二話 郵便配達の男の子 >>25
  そうだよ。人生、そんな甘くない。
 第十三話 〈潜む者〉 >>26
  努力するってことを、学びたい。
 第十四話 幸せな時間 >>29
  幸せな時間はたった一言で、小さな行動で——壊れてしまう。
 第十五話 〈潜む者〉のせせら笑い >>30
  これが本当の貴方なの? 
 第十六話 triangle >>31
  もう、後戻りはできない。
 第十七話 生贄 >>32
  私を止めたければ、生贄をよこせ。
 第十八話 多重人格 >>40
  マジありえないから!
 第十九話 壊れやすいもの >>43
  なんで、なんで壊れやすいものが、この世に溢れているんだろう。
 第二十話 エリの姉 >>44
  身長は栗松。
 第二十一話 レーゼと私 >>45
  私は、〝黒田エリ〟と言う名の女子しか、生贄にする気がしないのだよ。
 第二十二話 名字を隠した少女 >>47
  名字は不明。本人が隠したいらしい。
 第二十三話 壊し魔 >>48
  私の父の名前は、影山澪冶。
 第二十四話 二人の少年の会話の内容 >>49 
  あぁ、お前が誰のこと好きかも知ってるぜ?
 第二十五話 若田の毒舌攻撃 >>52
  ブラック化した若田を止められるのは、恐らく彼の双子の兄だけです。
 第二十六話 ツンデレなポニテ二人 >>53
  猫は三年の恩を三日で忘れる——でも、俺は三秒で忘れるからね。
 第二十七話 澪の挑戦 >>54
  ポジティブ、それがとりえだ!
 第二十八話 男子と女子の会議  >>55
  似たもの同士の男女の会議 
 第二十九話 シスコンの妹様  >>56
  鬼道キャラ崩壊です注意。
 第三十話 でーと >>60
  いつらに捕まったら、なにされるかわかんないから。
 第三十一話 マキちゃん  >>62
  波乱に満ちた恋する乙女の毎日
 第三十二話 日曜日の公園 >>65
  直球って、何?
 第三十三話 ミリの正体 >>66
 はじめまして。いいえ——久しぶり。
 第三十四話 お陽さま園 >>67
  こまかいことは、あとまわし。
 第三十五話 三角関係が四角関係になる日 >>68
  今までの、帳消し。
 
 第三章 四角関係
 第三十六話 御影と戦国  >>69
  喧嘩するほど仲がいい。
 第三十七話 スランプ中の神  >>72
  ——私、一年中貴方のこと思ってたんだから。
 第三十八話 刃のお姉さん >>73
  恋する乙女はトラブルメーカー。
 第三十九話 綱海と剣寺 >>74
  はじめまして! 剣寺白刃です!
 第四十話 ちょっと調子にのってきた >>75
  本当にお願いだから仲良くしてね。
 第四十一話 中秋節  >>78
  明日はお休み! ……だといいな
 第四十二話 好敵手 >>79
  そう、俺たちは好敵手(ライバル)。ねぇ、だから仲良くしよ?
 第四十三話 デートしよ? >>80
  あのさ、音無さん。
 第四十四話 春奈の苦悩 >>81
  私って悪い妹だね。
 第四十五話 音無と切先にとって一番恐ろしいホラー >>82
  世界一恐ろしいホラー。
 第四十六話 どうでもいい雑談 >>86
  本編との関連なし。
 第四十七話 男勝りな白雪姫 >>87
  でも、大好きだよ。
 第四十八話 髪の毛マフラーカップル >>89
  十月一日、金曜日の秋祭りにて。黒田エリ。
 第四十九話 かわいそうな女の子 >>94 
  二見さんは再び倒れた。
 
 第四章 愛してるとキス、さあどっち?
 第五十話 新たな一角 >>105
  妬けるなあ。



 短編っぽいものや番外編
 カゲトのガールフレンド >>35 
 連想ゲーム。ちょうくだらない。 >>46 
 お酒の力にご用心 >>97
 ヒロトと玲名と緑川 >>99>>101
 五秒−“クララ” >>106-107
    
 私の駄作にコメントをくださった神さま
 氷橙風 さま
 日奈 さま
 海刀 さま
 空梨逢 さま
 レモンティー さま
 癒玖刃 さま
 ユキナ さま

 お知らせ >>10

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Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.52 )
日時: 2010/09/11 22:21
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: joPTjG.e)


 第二十五話 若田の毒舌攻撃

 *
 ブラック化した若田を止められるのは、恐らく彼の双子の兄だけです。
 *

「すっげぇ」

 ぼそっと呟いたのは切先だった。
 目を見開いて、廃墟とかした中学を見つめている。
 黒いボールが、紫色の怪しげな光を放つ。
 無表情で、少年はボールを踏みつける。
 
「なんていうのかな。荘厳なかんじ」

 一人の少年がボールを踏みつけて廃墟の上に立っている、それだけだ。
 でも、その少年の表情が、荘厳だ、と感じさせていた。
 下界にいる人々を見下ろしている、そんな感じ。
 唇が歪む。歪んだ笑みは、どこまでも冷たい。
 若田が能天気な声をあげた。

「クイズだよ。あの子はなんで高いところにたっているんですしょーか?」

 大きな声で言う若田。その声はたぶん本人にも届いたのだろう、レーゼは眉を顰めた。
 
「あり? だれもわからないの? それじゃあ答え言うね。答えは、あの子はちょっと背が低いから、自分をおっきく見せようとしてるのでしたー孔雀と同じだよねー」

 レーゼの右眉がぴくっと動き、唇の形も変化する。
 ムカついているらしいが、必死で自分を押さえ込んでいるらしい。そんな様子が可愛らしくて、リュウジそっくりで、切先は吹きだした。
 ふきだした切先を見て、顔を赤くするレーゼ。思いっきりボールを蹴る。
 切先の顔面にあたるボール。
 ぶごっ、と奇妙な叫び声をあげながら倒れる切先。倒れてもなお、笑い続ける。
 
「あとねー、あの子の身長はというと、基山、南雲、涼野、砂木沼、知ってるよねー? あと吉良さんも知ってるよねー?」

 若田がまたもや口を開く。
 突然呼ばれた五人は少しうろたえたが、答える。

「彼は確か……150だったわよ、ね……?」
「たしか黒田は160……?」
「10センチも低いのか……そういう障害物って恋にあるとなんか諦めかけちゃうよね……」
「そーいやあいつ、昔っからずうっとチビだったよなぁ」
「それは南雲、お前があいつの頭を押していたからなのでは」

 上から瞳子、砂木沼、基山、南雲、涼野。
 それを聞いて満足げに笑うと、若田はまたレーゼに向かって言う。

「だってさー。すごいよねー。りえりは五年生でもう152だったのにねー。ってか君、これ以上背、のびるかなー?」
「黙れ! 黙れ黙れ黙れ!」
 
 左眉をぴくっと動かした後、顔をさらに真っ赤にして怒鳴り散らすレーゼ。
 平常心を失って涙目のレーゼを見てクスクス笑う若田。
 他の野次馬たちも笑い出す。
 髪の毛までもが赤くなりそうなくらい真っ赤になるレーゼ。

「うるさい! 黙れ! なにが可笑しい!」

 握り締めた拳が震えている。
 背が低いという事実は彼のコンプレックスだったに違いない。
 若田は言った。

「君ってさぁ、やっぱり緑川リュウジだよね。口調こそにてないけど怒ってるときの可愛らしさは同じだね」

 にたぁ〜、と笑みを浮かべる若田、全身の血が顔まで逆流したかのように赤いレーゼ。
 さらに追い討ちを続ける若田。

「大体、負けたチームのキャプテンが今更雷門に勝てるなんて無理っぽいし。ってかりえりも迷惑してんじゃない? あんたが暴走するたびとめなきゃなんないから」

 ——どうやら若田は、スパイだけでなく、追い詰めることも得意らしい。
 切先はそう思った。
 若田の攻撃がこれで終わるわけがない、若田はどんどんやっていく。

「ってかさー、りえりってポニテ好きだよね、君といい風丸といい。あとさー、君って体力不足だもんね、早く基礎体力をつける特訓をしたらどうなの? そこらへんで学校壊して負け犬の遠吠えしてるよりさぁ。あっ、負け犬の遠吠えはわかるよねぇ。諺得意だもんねぇ。あと、豚に歌を教えるな、もしってるよねぇ。無茶するなって意味だよね。うん、知ってたらいいんだよ。知ってたら。君はそれほど無知な子どもではなかったよね」

 すっかりブラック化してしまった若田。
 黒田、風丸、二見、円堂をはじめとするイナズマジャパンの面々は、ぽかんとして若田を見ている。
 レーゼの顔が青ざめていく。
 
「ねーねー基山、レーゼってなにが怖いの?」
「……えっと……ミステリー。流血表現苦手みたい……」
「へぇ〜。そーゆーの怖かったんだぁ。意外だねぇ。で、ホラーはどうなの?」

 レーゼが狂った。レーゼは頭を掻き毟りぶつぶつと呟くように喋りだす。
 すごい小さい声だったが、若田にはちゃんと聞こえていた。

「いやあの口から血をたらたら流しながら生き返るゾンビ怖いやっぱホラーだめアクションだめミステリーだめ血が流れるならなんでもだめ赤い液体もむり絵の具をかったら赤いやつは即処分南雲の髪が液体や血じゃなくってよかったです女じゃなくてよかったそれが正直な感想」

 ふぅん、若田は笑顔で言った。

「あのね、このあいだ怖い映画みたんだよ」

 ぴきっと音がして、レーゼが凍りついた。

「連続殺人事件が起こって、沢山の人が銃殺されて、血を流して、犯人も返り血を浴びてまっかっかで……「うわぁあああぁああああぁあああッ!!」

 頭を抱えていつのまにか廃墟の後ろに移動し震えだして絶叫するレーゼ、いや、緑川リュウジ。
 
「も、戻ってる……」
「怖がらせるって方法もあったのね……」

 感心する黒田と瞳子。
 怖がっている緑川をからかいに着たらしい元上司四人。

「ああ、俺がこの間みたやつなんかな、無差別殺人だぜ。ばんばんばんばん銃で撃つまくって、で打たれた人たちは血を……「ひぃいいいいぃいいぃいいいッ!」
「この間わたしがみたやつのほうが怖かった。血塗れの幽霊が生きている人間を祟って……「ぎゃぁああぁああああああぁぁあああッ!」
「僕がみた夢もかなり怖かったよ。地獄の血の川の夢でね……「いやだぁああぁああぁああああッ!」
「私が見たやつはな、血塗れになった動物の死体を白熊が銜えて……「やめてぇええぇえええぇえええええええッ!」

 か、かわいい。
 イナズマジャパンの面々は、そう思っていた。
 そして半泣きで元上司の四人を睨む緑川。

「もうっ! みんなの所為で、今日は眠れないよぉっ!」
「なら、寝なくてよろしい」

 元上司の四人の気持ちを代表して言う涼野。
 ふふふ、と笑みを浮かべて、怖がっていると同時に恥かしがっている緑川を見ている。
 むぅ、と怒って唇を尖らせすねる緑川。
 かわいい。
 再びそう思うその場にいる人々。
 切先は呟いた。
 
 *
 たぶん、こいつは弟系だろなぁ……。
 * 
 
 
 

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.53 )
日時: 2010/09/12 16:25
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: kHVzf1bX)


 第二十六話 ツンデレなポニテ二人

 *
  一個、貸し。かえせよな
 *

 俺はなんとなく、若田のことを避けていた。
 理由はわからない。なんか覚えてないけど、若田の所為で元上司の四人にからかわれたのは覚えている。
 だから避けてた、なんとなく怖かった。
 で、俺は何日か前、若田に本を貸していた。
 そして若田が返却しにきたのだ。
 俺はちょうど窓辺にいた、エリちゃんが窓辺にいたから、なんとなく傍までいった。
 
「あ、この本面白かったよ。返すね」

 うぐっ。
 あとずさって、上半身が窓からでる。
 慌てて手で窓枠を掴む。

「やだなぁ、そんなに驚かなくてもいいのに」

 そう言って、若田は本で軽く俺をたたく。
 次の瞬間、エリちゃんの悲鳴だけが俺の耳に響いていた。
 驚いた顔の若田がこちらをじっと見つめていた。
 その若田と悲鳴をあげたエリちゃんの顔がなんか遠ざかっていくみたいだった。
 気付くと俺の両手は窓枠を掴んでいなかった。
 足は床を踏んでいなかった。
 重力が俺を地面へとたぐりよせる。
 せめて目を閉じて死にたい、そんなバカバカしいことを考えて目をつむる。
 どさっとどこかへ着地した。
 どこへ落ちたんだろうか、地面にしては柔らかすぎるし不安定すぎる。
 雲の上か、ああ、天国の入り口か。ならちょうどいいだろう。
 目をあけたらアフロディに似たやつが立ってるんだろうなあなんて滑稽なことを考える。
 もしアフロディじゃなけりゃ、デザームやグランやバーンやガゼル似の閻魔王と悪魔だろう。
 派手な衣装をきたデザームや悪魔の服をきたグラン、バーン、ガゼルを想像する。
 思わずふきだす。それならきっと面白いに違いない。
 よし、誰がいるのか、その顔を拝見させてもらおうじゃないか。
 見たのが自分の死体と半分透けて足のない自分の幽霊じゃなきゃいい、と思いながら目を開ける。
 見たのは自分の死体でも幽霊でも、アフロディでもデザームでもグランでもバーンでもガゼルでもなく、
 風丸一郎太だった。
 うわぁ、こいつも死んだのか。
 どーゆー死に方したんだろ、と思いながら空を仰ぐ。
 で、見たのが心配そうな顔の若田とエリちゃんって、え?
 俺、生きてる?
 まさか生きてる?
 気付くと、俺は風丸にお姫様抱っこされていた。
 まじかよ。
 風丸が助けてくれたらしい。
 昔、風丸の家を破壊しようとかエリちゃんにいった気がするけれど、たぶんそれは夢の話だと思う。
 感謝の気持ちと共に恥かしさも上ってきた。
 だってお姫様だっこ。
 恥かしい恥かしい恥かしい。
 しかも風丸に、

「お前って本当に女の子っぽいよな。こうして抱いてると見分けつかない」

 って言われた……!
 イナズマジャパンのポニテその2に言われたくない!!
 あんたのほうが女装似合うよ、このアホ!

「なんで助けたんだよ、このポニテやろうめ」

 なにこれ。
 所謂ツンデレってやつ?

「いや、お前もポニテやろうだから。別にお前のこと助けたかったわけじゃない、そのまま放っておいてもよかったんだが、」

 言葉を濁す風丸。

「お前が傷ついたり死んだりしてエリに悲しまれたり、たぶんしないけど泣かれたりされても困る、ってかたぶん若田のことを恨むかもしれん、だから助けてやっただけだ。兎に角、一個、貸し。かえせよな」

 ふわりと、なんだか優しい気持ちになる。
 助けてくれてありがとう。
 そう言いたかったんだけど、恥かしくって、俺はこんなこと言ってた。

「エリちゃんをかえせって言われても、無理だからね。あと、助けてもらったからって、手加減なんかしないから」

 にやりと不敵な笑みを浮かべる風丸。

「こっちだって、手加減はしない。その挑戦、受けてたつ」

 お姫様だっこしているポニテとされているポニテのにらみ合いって、変かな?
 
「地球にはこんな言葉がある」
「ほぉ。どんな言葉だ?」


 *
 猫は三年の恩を三日で忘れる——でも、俺は三秒で忘れるからね。
 *
 
 

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.54 )
日時: 2010/09/12 19:58
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: kHVzf1bX)


 第二十七話 澪の挑戦

 *
 テレビに映っていたのは、瓦礫と化した世宇子中だった。
 *
 
 私とカゲトは、反射的にマキちゃんとリュウジくんを見た。
 慌てて頭を横に振り、否定する二人。
 
「まだ、アフロディ見つかってないみたいね」

 と、私はぽそりと呟いた。
 他三人はアフロディのこと知らないので無視。
 なんなのこいつら! 冷たすぎるって!
 人が瓦礫の下にいるのにどうとも思わないのか!?
 そんな時、電話が鳴った。

「はい、もしもし黒田! 緑川、闇野、皇のどちらか一匹にようがあるのなら……『大変だぁっ! アフロディがぁあああっ! ナルシスって名前変えたほうが良い奴がぁぁぁっ!』

 この声は確か……。
 
「チューリップ効果音!?」

 頭に真っ赤なチューリップが咲いてて、確かエイリア名効果音のやつ、本名なんだっけ?
 リュウジくんが反応して、私の耳元で、南雲だよ、と囁く。
 ってか近いよ。調子のんな。
 手で顔を押して押しのける。ぐすん、と鼻を鳴らすリュウジくんに構わず、続けて話す。

「チューリップも効果音も余計だ!」
「で? なんの用なの、南雲」
『いやなお前もニュース見たろアフロディがぁあああぁあっ!』
『落ち着け晴矢。……で、私達はアフロディを救出しようと計画しているが、念のため、たぶんそっちにいるであろうリュウジとマキに聞いてくれ。まあ聞いても正直に言うとは思えないが』
「二人とも違うってさ。あと、マキちゃん疑わないほうがいいよ。カゲトに殺されるから」
『……そうか、やめておこう』

 流石ええっと、あの超次元寝癖やろうは誰だっけ。
 今度はリュウジくんに後ろから抱きつかれた。
 またもや耳元で涼野だよ、と囁くリュウジ。
 足裏でリュウジくんを蹴り飛ばす。
 ぐえっと奇妙な声をあげて地面にころがり、ぐすん、とまたもや鼻を鳴らすリュウジくん。
 気にしない、気にしない!
 
「で、アフロディを救出計画ってどうやるのよ。私女の子よ、そんなに力はな、『お前のような怪力女ならできそうだなぁと思っているからな』
「なんですってぇ!」
『冗談だ。さっき蹴られたような殴られたような声を出したリュウジに言っておけ。あとカゲトとやらの過保護を受けているマキにも、カゲトにも。明日集まれとな。治とヒロトにはこちらから連絡しておくから安心しろ……? ちょとまて。今変な動画が送られてきた。そっちのパソコンに送るからメルアド言え』

 電話を切った後、私達四人はパソコンに群がった。
 瓦礫の上に腰を下ろし、ボールを持った少女。
 風に揺れる黒い髪はウェーブしている。
 くるくるっとボールを回し、にやりと笑う。
 
「——澪」

 リュウジくんが、青ざめた顔で呟いた。
 そう——澪。テニス部の天才と謳われた少女。
 リュウジくんが、私の服の裾を掴む。
 黒くて可愛らしい目は大きく見開かれ、冷汗が出ている。
 青ざめた顔と唇、微かに震える体。
 澪は一体、リュウジくんになにをしたのだろう。
 リュウジくんの頭を撫でながら、パソコンの画面をみた。

『始めまして。影山澪です』

 かげ、やま……?
 帝国学園サッカー部の監督で、今は寝ているミリ姉の友達、フィディオのチームの監督だとか。
 勝つためには手段を選ばぬ狡猾さを持つって言われてる。
 鬼道や不動、佐久間とは認識があるはずだ。
 でも、確か何年か前に、人体を改造する「神のアクア」とか言う毒を世宇子のサッカー部の子ども達に飲ませて逮捕されて……?
 あれっ、破壊されたのが世宇子じゃない。

『お目にかかれて光栄ですわ。前はテニスの方が好きでしたけど、サッカーもおもしろいですわね』

 冷笑を浮かべる澪。
 レーゼの冷笑とはまた違う冷たさをもっている。
 澪ちゃんは美少女だ。
 そんな美少女の、鳥肌をたたせるような冷笑は、正直、怖い。
 
『——だって、サッカーさえあれば、学校を瓦礫にしたりすることくらい簡単ですものね。殺人だってできるでしょうね』

 これ、円堂に聞かせないほうがいいな。カゲトがぼそっと呟いた。
 確かに。言ったらぶっちぎれて暴走してしまうだろうからな。
 
『エイリア学園のしていた「おあそび」かなり面白いですわ』
「おあそびぃ!?」

 マキちゃんとリュウジくんが素っ頓狂な声をあげる。

『私も、その「おあそび」とやらをやってみたいんですの。次の標的は——』

 次の標的?
 おあそび?
 ばっかじゃない?
 二度とあんたの好きなようにはさせないよ。
 リュウジくんになにをしたのかは知らないけど。
 好き勝手はさせないんだから。

『——雷門』

 なっ!
 雷門は最近レーゼにぶっ壊されたばかりなのよ!?
 またそこを壊そうというの!?
 私がそんなこと許すわけないんだからね!
 もとブロッサム・クイーンのキャプテン、黒田エリの名をかけて、絶対に止めてやる。
 闘魂が燃え上がる。


 
「ぅ……ぁ」

 瓦礫の下からようやく見つかったアフロディは、虫の息だった。
 中に長い間閉じ込められていたため、歩けなくなっていた。
 綺麗な顔も傷だらけで、制服には乾いた血がこびり付く。
 長い金髪はぐしゃぐしゃで、無残としか言いようがない。
 埃塗れになったアフロディをなんとか担架に乗せる南雲と涼野。
 
「じゃあ俺たちアフロディに付き添うわ」
「後は任せたぞ」

 こくりと黙って頷く私、ヒロト、砂木沼、リュウジくん、マキちゃん、カゲト、そして私が呼び出した風丸、不動、吹雪、佐久間、三浦。
 私は素早く十一人の人間を呼び寄せ、澪に対抗することにした。
 チームも学校もバラバラな十一人。これで勝てるかどうか不安だ。
 でも、私はそんなこと心配しない。
 だって私はおそろしい程ポジティブなんだもの。
 ポジティブさ前回にするぜ!
 
 *
 ポジティブ、それがとりえだ!
 *
 
 

 

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.55 )
日時: 2010/09/12 21:02
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: kHVzf1bX)


 第二十八話 男子と女子の会議

 *
 女の子と男の子
 *

「やっぱ無理だね。私達であいつらと戦うなんて。これじゃあ弱いものいじめだよ」

 一人っきりでやってきた澪を前に、私は他十人に言った。

「弱いものって、あいつは世宇子中を、」
「女の子の心はか弱いの! いくら横暴でもね!」

 抗議しようとした佐久間を睨みつける。
 うんうんと賛同するマキちゃん。
 やっぱ女の子同士、こうでなくちゃ!
 
「ってことで、澪を確保せよ」

 男子どもへ命令を下す。
 お前等女子はなにをするんだと聞いてきた砂木沼に、もちろん見物、と答える私。
 砂木沼にグングニルを使われそうになるのを間一髪で避ける。
 ヒロトに流星ブレードを使われそうになるのをかろうじて避ける。
 カゲトのダークとルネードをひょいっと避ける。
 三浦広夢——元ディアム——とリュウジのユニバースブラストを避ける。
 佐久間の皇帝ペンギン一号をジャンプして避ける。
 吹雪と風丸のザ・ハリケーンをなんとか避ける。
 耳を塞ぎ、不動の罵声を聞かないことにする。
 なにをやっても無駄だと感じたらしい九人の男子は諦めて、溜息をつくと澪を捕まえにいった。

「お義姉さんはすごいですよね。マキ、尊敬しちゃいます」
「これくらい軽い軽い」

 右手をひらひらふる私。
 イプシロンのフォワードに褒めてもらえるとは感激だ。
 因みに私、ドッジボールでは避けるの専門である。
 だからこいつらのボールを避けることくらいどうってことないね。
 
「あっ、きゃあっ! どこ触ってんのよっ!」

 澪の悲鳴が聞こえた。

「なんかやばくありません?」
「……やばいわね」
「助けたほうがいいのでは?」
「……そうかもね」

 ……溜息。
 まったく、男は頼りにならないんだから。
 私は準備運動をすると、走り出した。
 男どもを澪から引き剥がし、澪をずるずるひっぱる。
 喫茶店に入り、コーラを頼む。

「澪は?」
「えっ……私? ……一応アイスコーヒーとか」
「マキ、アイスソーダ!」
「私のおごりね」

「どうして女子ってこうなんだろうな」
「わかんね。わかりたくもねぇ」
「あぁ、同感だ」

 漫画喫茶で話すのは闇野、風丸、緑川。

「マキのやろうめ、可愛くて憎い、けど自分の思い通りにならないとすぐキレるんだよなー」

 はぁ、と溜息をつく闇野。

「へぇ。君がそんなこと言うとはねぇ。びっくりだよ。いつもラブラブだもん」
「ま、そこがかわいいんだけどな」
「やっぱラブラブだね」

 呆れたように呟く緑川。
 風丸が虚ろな顔で呟いた。

「エリもさぁ、あれだよな。怒りながら泣くタイプ? そしてちっちゃいことを怒ってるかと思ったらいつのまにかどんどん展開していくんだよ。漫画で言う展開法ってやつか」
「わかる。帰納されないんだよね、あれ」
「姉貴はそういう生き物なんだよな。かなり面倒な、ね」

「女って生き物は……」

「ねぇ、男子ってさぁ、なんでこうなんだろうね?」
「わからないわ。ってかわかりたくもない」
「マキ、同感!」

 喫茶店でおしゃべりをするのは私、澪、マキちゃん。

「カゲトったらかっこよくて憎いのよ、でもなんかいつもネガティブなのよ〜」

 アイスソーダをストローで掻き混ぜつつ、はぁ、と溜息をつくマキちゃん。

「貴女がそんなこと言うなんてね。びっくりだわ。いつもラブラブなんだもの」
「まぁ、私はそういうところも愛してるけどね」
「やっぱラブラブよね」

 呆れながら言う私。
 澪ちゃんが虚ろな顔で呟く。

「私、お父さまのこと好きだけど、偶にうざいの。笑顔がいやみったらしいっていうのかしら。むかむかするっていうのかしら。それでさ、妄想してるのよ、お父さまったら。雷門がどうなったらいいとか。成功したためしはないけどね」
「わかるわ。妄想って広がると帰納されないのよね」
「いるのよね、かなり面倒な人は、ね」

「男って生き物は……」

 三十分後。
 敵だった澪とすっかりなじんでしまった私達。
 これでいいのか、みたいな気分だったけど。
 まぁ、雷門崩壊は阻止できたのでいいのだろう。

 敵だった緑川とすっかり仲良くなってしまった風丸。
 これでいいのか、みたいな気分だったが。
 まぁ、これもいいのだろう。

「さぁ、帰りましょうか」
「そうね」
「うん、そうしよう」
 
「さて、帰ろうか」
「そうだな」
「うん、そうするか」

 *
 似たもの同士の男女の会議 
 *

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.56 )
日時: 2010/09/14 18:04
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: ehc5.viK)

 第二十九話 シスコンの妹様 

 *
 鬼道キャラ崩壊です注意。
 *

「ほぉ。お前は澪の友達になったばかりでなくそいつをお前の部屋に泊まらせていると」

 茶色いドレットヘアーが、怒りに逆巻く。
 茶色く太い眉が、さっきから何回もぴくぴく動いている。
 いつも冷静な鬼道がこんなに怒るなんて、珍しい。

「ねぇ鬼道さん、父が教えたはずよ。いつも冷静を保てって」

 澪ちゃんがすらっと「父」を口にする。
 鬼道の怒りのオーラが強くなる。
 澪ちゃん、空気読もうね。

「大体黒田、お前は変わり身が早すぎる! ブロッサムクイーンのキャプテンの名をかけて勝負するとかいってなかったか!?」

 鬼道の声はあたりの喧騒に呑み込まれ、少数の人間にしか聞こえない。
 ここは四回の体育館。因みに、今は授業中である。
 
「あのね、澪ちゃんが影山の娘だからそんな風に言うんでしょ」

 図星だったようだ。唇をぎりぎり噛み締める。
 ねぇ鬼道、あんたほんとは単純だったのね。

「でも澪ちゃんだって台本どおりやってただけだよ?」
「……台本?」
「うん、コレ」

 澪ちゃんが見せてくれた台本。
 台本というより、影山の妄想を書き綴った紙に近い。
 にしても、あのぬかりのない影山がマヌケに台本なんてつくってたなんて驚きだ。
 
「驚き、桃の木、山椒の木」

 呟いたのはリュウジくん。——つけたし言葉も好きだったんだ。
 まあ実際、現在我がクラスで国語の成績が一番優秀なのはリュウジくんだしね。
 ヒロトによると、リュウジくんを虐めるのならかれの国語の教科書とかことわざ辞典を奪えばいいらしい。
 
「あとさ、鬼道。澪ちゃんと影山のことばっかかんがえているばっかりじゃないと思うけど」

 私は窓の下を指差す。全員の視線が集まる。
 鬼道がなにか言った。酷い言葉だったと思う。
 下にいたのは、刃くんとはるちゃんだった。
 たぶんはるちゃんは教具を運びにきたらしい。
 そこに、〝なぜか〟〝ぐうぜん〟はるちゃんに出くわした刃くんがはるちゃんのかわりに教具を持ってあげている、らしい。
 楽しそうにおしゃべりをしている。
 漫画だったらそこらへんをピンク色に塗って、花を近くにたくさん書いてたところだろう。
 ああ、恋ね。青春ね。
 私とて恋する乙女、それくらいすぐわかる。
 鬼道から禍々しいオーラが陽炎のように立ち昇る。なんか、ヤバくない?

「あいつめ、よくも春奈を……!」

 べつに刃くんははるちゃんになんにもしていない、ただ教具を持ち、おしゃべりしている、それだけだ。
 鬼道は窓から飛び出そうとした。
 慌てて鬼道のマントを引っ掴む私、澪、一郎太、リュウジくん。

「鬼道、惚れた病に薬なし! とめるなんて当分無理だよ!」

 こんな状態になってまでことわざかい。
 惚れた病に薬なし、意味は恋煩いを治す薬はないってそのまんまの意味。
 それを聞かない鬼道、窓から身を乗り出そうとしながら怒鳴る。

「あの欠点の塊やろうのどこがいいんだ!」
「痘痕も笑窪(あばたもえくぼ)! 恋したら欠点でも長所に思えちゃうんだよ!」

 鬼道の力強さに、どんどんとひっぱられていく。
 踏ん張っても、どんどんどんどん、ひっぱられてく。
 そんな状態で声を振り絞り、悲鳴のような声でことわざを綺麗な発音で言えたリュウジくんはスゴイ。
 それ以上に、こんな状態でもことわざが考え付くところもスゴイ。

「まだ彼氏をつくろとなど言っていない!」
「どうせ一生言わないんでしょう!?」
「恋に師匠なし! 教える必要なんかないんだって!」

 さらに怒鳴る鬼道。手が汗ばんでくる。
 同時に叫ぶ私とリュウジくん。またことわざか。
 
「ってかここ四階! 落ちたら死ぬぅ!」
「無薬可救! 俺のときみたいに助けてくれる人なんていないんだから!」
「かまわん!」
「いや、お前が死んだ後、切先と音無が付き合い始める可能性だって低くないだろ!」
「そうよそうよ! 不可能なんてどこにだってあるのよ。あの妻が出来そうにない父の娘である私の存在自体が奇跡みたいなものじゃない!」

 私が叫んだ後に、リュウジくんが中国語のことわざを言う。
 助けられる薬はないと言う文字通りの意味だが、リュウジくん、あんたもしかして外国のことわざもできるの!?
 かまわんと怒鳴る鬼道に、風丸が阻止する。
 それにちょっと怯んだらしい鬼道。
 澪ちゃんがぶんぶん頷きながら悲鳴をあげる。
 あ、自分の父親のこと、そんな風に思ってたんだ。
 知らなかったぞ。なんかあまえんぼうって感じだったし。
 流石に気付いた先生とクラスメートの皆様。
 イナズマジャパンのメンバーズは鬼道を窓から引き離し、先生がぴしゃりと窓を閉めてカーテンを閉じる。

「はるなぁああぁああぁああぁあああっ!」

 とじたばた暴れだす鬼道。
 ついでに子どもみたいに半泣きで妹の名前を絶叫する。
 ……みっともない。
 ねぇ春奈ちゃん。
 刃くんを選ぶ気持ち、わかるよ?
 こんなお兄さんと暮らしてきて、大変だっただろうね。
 一時期はなれて暮していたとはいえ。
 澪ちゃんが私のよこでぽそっと呟いた。

「——私の代わりに、鬼道さんを父の所へ連れて行こうかしら——?」
「それはいいかもしれない……」

 げっそりとした声で、異口同音に、イナズマジャパンの面々が言った。
 その中には、このシスコンを送り出したいと言う気持ちが込められている。
 ついでに、同じシスコンである、今鬼道と意気投合し、自分の妹について語り、私達が鬼道を阻止したことをまるで死罪に値するような犯罪を犯したように言っている豪炎寺も同じようにしたほうがいいんじゃないかという気持ちも込められている。
 そしてシスコンの妹に生まれた哀れな二人の少女への、同情も含まれていた。

 *
 ——本音だった。
 *


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