二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- .それでも地球は廻る 魂魂×SPEC
- 日時: 2011/03/21 21:42
- 名前: 葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
「Yet the earth does move.—、ガレリオは地動説を主張したために異端審問にかけられてしまった時の言葉だそうです。死んでからその事実は証明された訳ですが、悲惨な話ですよね。」
「さあな。」
「…ちょっともう、真面目に答えてくださいよ瀬文さん。銀さんも神楽ちゃんも志村君も、何事も真面目に考える事が大事だって、そう思いませんか。」
( はじめに、 )
▽こんごうゆめ
▽おそいこうしん
▽げんさくほうかい
できるならブラウザバッグ、してね。
( つぎに、 )
長編
人物紹介 >>12
スペック主題歌 >>11
01 labyrinth/迷宮 >>1 好きな食べ物を語る会。
02 never say die!/弱音を吐くな >>2 やっぱり量は多い方が良い。
03 spontaneously/自由奔放 >>6 お客様は大切に。
04 Give me a break/すこしくらいは大目に見て>>10 みんな仲良く自己紹介。
05 Good Luck/成功を祈ります >>13 銀さんor紗綾で視点の変わるお話。
05,5 Good Luck/成功を祈ります2 5話の裏っかわ。瀬文vs神楽vs新八。
06 serendipity/偶然から生まれた奇遇 >>15 銀さんとお買い物。
07 Inglourious/不名誉 土方と面会。調子乗ってます。
短編
夢と書いてあるものは固定主人公のドリーム。
苦手な人は読まないのをお勧めします。
空に映ゆる >>29 お妙
たとえばあの日の続きがあるなら >>20 紗綾
こころ失くすその後に >>21 (夢) 高杉
クオーツの閉じ込め >>22 (夢) 沖田
( おわりに、 )
▽管理人の最近記録
2/24 開設日
3/10 最終更新
3/17 3月の学力テストで国語学年1位取ったひゃっふー超嬉しい(^p^)
- Re: .それでも地球は廻る 魂魂×SPEC ( No.1 )
- 日時: 2011/02/25 07:39
- 名前: 葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
実は財布を忘れた、なんて言える訳が無い。これで今月に入って3回目のタダ食いだ。いや、タダ食いと言った表現は少しばかり可笑しいか。やはり今度も偶然居合わせた誰かに払ってもらえてしまうのだ。店主もそろそろ堪忍袋の緒が切れ掛かって来た、という所だろう。私はどうにも彼の胃の調子が心配だ。
瀬文さんはチャーハンと天津飯を頼んだ。時間によれば、平均4分32秒で注文の品が出てくる筈だ。現在3分50秒経過。あと42秒、一体どうして財布の件を言い出せるだろうか。
餃子に箸を着ける。心地よいにんにくの風味と味噌と濃く味付けされた豚肉が絡み合い、それは絶品の美味しさだった。
この美味さを味わえるなら、どうでも良い—当麻紗綾にとって目の前の餃子と財布の関係は、言わずも知れがな餃子の方が天秤にかける以前に大切なのだ。
とん、と目の前に差し出される料理。
紗綾は箸を止め一瞬目を輝かせてそれを見つめたが、山盛りの餃子を今一度見るなり、口に餃子を詰め込んだ。
「瀬文さん。私一つ言い忘れていたことがあります。落ち着いて聞いてくださいね。あと何があっても暴力反対、です。」
「何だそれは。落ち着かないような話か。」
決心を固めて言い出した私に感謝して貰いたい物だ。
「財布を忘れました。」
「……どうりで。1度に関わらず2回目か。学習しない典型的な馬鹿だな。」
呆れ半分と言ったところで頭を叩かれる。私だって、忘れたくて忘れた訳じゃない。これはれっきとした事故である。
「だから言ったじゃないですか。暴力反対ですって。」
瀬文は包みから顔に似合わないポップな赤い金魚の絵が描かれた布が巻いてある何かを取り出す。ああ痛いと嘆き顔をテーブルに伏せてから、「それ、何ですか」と紗綾が疑問を投げかける。
その言葉を露骨に無視してから、瀬文は溜め息を付いた。
「人の趣味をとやかく言う気はありませんが、その。」
「言いたいことがあるならはっきり言え。そしてこれはマイ箸だ。適当な想像するんじゃねえ。エコだろ。」
「結論から言うとあまりエコでは無いです。ただチャーハンと天津飯食べるのに箸って凄く使いづらいよねって思っただけです。」
***
坂田銀時は悩んでいた。この季節限定モンブランスイートパフェを頼むか、日々好んで食べているデラックス苺パフェにするかである。気分的にはこんな晴れの日は苺にしたい。が、いかんせん栗の方は季節限定、これを逃すと来週には食べれなくなってしまう事が明白なのだ。
悶々としながらテーブルのメニューを睨む。刻一刻と時間は迫るばかりか、かれこれ1時間水だけを頼み続けている。そろそろきっぱりと決めたい。
(いや、よく考えろ限定だぞ?この前食った限定さつまいもパフェは絶妙なハーモニーで不協和音をかもし出していて最悪だった。しかし定番の苺は中に入ってる苺とクリームが最近はコーンフレークで水増しされていて・・・・・・・・・そうだ苺だ、苺にしよう。)
そう決意したものの、容易く一瞬でそれは崩れ落ちることとなる。目を休めようと遠くの景色を見つめたところ、なんと席の1番向こう側の客がモンブランスイートパフェを実に美味しそうにほおばっていた。目を疑うとそれは甘党の銀時にとって魅力的なパフェだった。言葉では、言い表せないくらいに。
「・・・一度に両方ってのは、糖分多量摂取で医者に何言われるか分かんないもんな。」
そう呟くと、途端に目の前のスイーツを思う存分食べている客らが憎らしくなった。てめぇらも糖尿病とか高カロリー摂取による生活習慣病にでもかかってスイーツなんぞ2度と食べれなくなれと、毎度のこと思う。
結局決めることなんて出来ないのだ。そもそもパフェに順位をつけることこそが間違っている。もってのほかだ。
甘味類は人類で愛すべき宝なのだ。人間の舌が甘みを感じられるよう出来ているのは、スイーツを食す為だ。
茜色がちらつき始めた空を見て、「おばさん、デラックス苺パフェお願いします。」と、口にした。
***
あとがき
なんだか餃子とパフェの美味しさを語る回みたいになってしまった。
- Re: .それでも地球は廻る 魂魂×SPEC ( No.2 )
- 日時: 2011/03/07 05:10
- 名前: 葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
2つの世界が交わって歪んでから、それぞれの世界に戻るまで、取り残された物が在った。異質な同士は水と油。高温では、跳ね除けあって、やがて消える。
染まり始めた黒は赤と青のグラデーションを塗り潰そうとしていた。陽は落ち掛けていた。夕と夜の境目は、いつも神妙な気持ちを思い立たせる。繰り返す騒音は人の声。餃子を掴んだ箸が、白い砂の地面にぽつりと穴を開けている。砂埃が足元をすり抜けて行った。
「・・・・・・一体、何が起こったんでしょう。」
「大変結構。またその手のスペックか?」
瀬文は空を見つめていた。それは長い夜の始まりを告げるように。
当麻と居て、いや、未詳に居るようになってから、大抵の超能力やら摩訶不思議な出来事やら、動じなくなって来たのかもしれない—そう思った。
対して紗綾は冷静さを欠けさせていた。予想だにしない景色に目を見張る。木造の古臭い屋根が立ち並ぶ裏側、地球上の何処かではあるだろうが、そんな思考を働かせながら、新たなスペックの保持者の可能性を脳に焼き付ける。そして一言。
「スペックとは今回は考え難いですよ。此処が日本で無いならば、話は別ですが。」
口元を上げて笑ってみせる。そうだ、何処かに転送されたと考えるのが一般的だが、まず此処が何処なのか知る必要がある。ボールペンと手帳と胸ポケットから取り出し、幾つかの重要なワードを書いて行く。目に映る風景、時刻、まだ足りない。
「その線の可能性が高い、と。」
「そうです。野々村係長、大丈夫ですかね。今日はUFO会議の日だってのに。」
さもそうであると言った顔付きでは無い。紗綾は心なしか期待と好奇心が高まっていくのを感じていた。
苺パフェを食べ終えて、そそくさと帰る銀時がこの2人に出くわしたのは、幸か不幸か影も消えかける時だった。
***
「坂田さん、私この苺と季節限定の栗のやつ食べたいです。出来ればこの抹茶アイスとバタークリームサンドとキャラメルチーズケーキ。あ、この杏仁豆腐もはちみつとかジャム掛けたら以外とカオスで美味しいかも・・・」
「駄目だ。諸事情により1個に決めてくれ。」
「奢ってくれるってのは嘘ですか。私の内でスイーツ1個なんてものは奢ってくれるうちに入りませんよ。…何すか、睨まないでくださいよ文句有りますかてか犯罪ですか高カロリー高タンパク摂取罪ですか。」
全く辛い世の中だ、と紗綾。
全ては異端だった。紗綾の人生の中で、これ程にも感激と興奮を覚えたことは無かった。表面上で理解できるそれは、なんとも素晴らしい事ではないか。此処はそう、一般的に言う超常現象なんてのを遥かに凌駕していた。
日本中の何処でも無い。
地球上の何処でも無い。
今在る現実を宇宙まで探しに出たとしても、きっとこの世界は見つからない。そう、此処は異世界なのだ。もしくはパラレルの世界。創造された世界か次元の違いかはあるだろうが、根拠も何も無い。
目の前に居る男は坂田銀時だと名乗った。異世界の住人としてはいかにもといった風だが、無論まだ何も聞いていないし道で迷った通行人という事で済ませていた。
「店員さん。これとこれと…あとこっちのアイス全種お願いします。」
「人の話はちゃんと聞きましょーねー。」
両手で広げたメニューを閉じる。瀬文が腕時計を持っているのを思い出し、「そう言えば。」と言葉を切り出した。
「今何時ですか。」
「7時12分。」
「随分遅くなっちゃいましたね。すみません坂田さん、単刀直入に聞きますが此処は何処ですか?」
「だからぁ、最初から何回も言ってるって。此処は江戸!天下のお江戸!」
やれやれ、といった様子で首を傾げる紗綾に指を指す。
「駄目ですねこれは。私、超能力は根拠があるなら信じますけど。さっきから同じ単語を言いっぱなしでもなーんにも分かりゃしないんで少しは頭のいい回答してください。ちょっと頭冷やしましょうか。」
「お前と意見が合うとは驚きだ。どうだ、宇宙人にでも攫われたと考えるか?」
「それは良いですね。もしくはもう一つの世界の人格だとか実は宇宙のワープゾーンの神秘だとかならマジ嬉しいです。」
この掲示板は過去ログ化されています。