二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜千超感謝!
- 日時: 2013/02/12 17:46
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
皆さん初めまして!こんにちは!
この度新作を始める事にしました。今までは銀魂とコラボさせて
来ましたが、今回は乙女ゲームでコラボです!
作者より >>1
目次 >>2
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜 ( No.3 )
- 日時: 2012/10/02 17:12
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
無舞
互いの世界が共鳴する時 姫巫女の血筋は時空を超え
運命を変える者達と 出逢うであろう——…。
【 玉依姫と鬼姫 】 千年絵巻より
……これは、歴史に埋もれた、小さく大きな、一つの物語……
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜 ( No.4 )
- 日時: 2012/10/06 11:22
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
一話 鬼姫と玉依姫
時は幕末。京都市中、西本願寺に、新選組屯所はあった。
雪村千鶴は、つい先ほど洗い物を済ませ、中庭で休んでいた。
「わァ…綺麗な満月。」
空に輝くのは、昼間の太陽にも引けを取らんばかりに輝く満月。屯所の
桜の木は茶色になり、今は紅葉が盛りだ。
—桜の季節が一番だけど、秋もいいよね。
「ほぅ、見事なもんだな。」
「よ、千鶴!」
そこに二人の男の声が響いた。
「土方さん!原田さん!」
土方と原田。新選組の幹部であり、千鶴の事情を知る数少ない者達。
その中での二人だった。
二人とも腰から刀を外し、千鶴の隣へ腰掛ける。
「休憩に月見でもと思ってな。」
「土方さんとみるってのも変な話だけどな!」
「そうだったんですか。私もお月見です。」
縁側に一人の可憐な少女と男二人が月見。この時代が
混沌に渦巻く時代だという事を、一時忘れさせて
くれる。
「あ…」
鋭い風が一陣吹いた。千鶴の黒髪がさらりと撥ねる。
「風がでてきたな。」
「千鶴、中に入るぞ」
「あ、はい!」
二人に呼ばれ、駆けだすとまた風が吹く。そして
—たまより…おに……うんめい…もの…ろう…
「え?」
微かに耳に届いた声。男でも女でも、子供でも老人
でもない。しかし確かに声が。
「どうした、千鶴?」
「あ、いえ!」
再び足を動かし、土方らと屯所に入る。
—気の所為だよね。
呑気にそんな事を思う千鶴であった。
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜 ( No.5 )
- 日時: 2012/10/06 11:24
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
続き更新しました。
宜しくお願いします。
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜 ( No.6 )
- 日時: 2012/10/13 22:54
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
二話 鈴の音が知らせる
半月の夜。千鶴は京市中を歩いていた。土方の使いであり、一緒にいる
蒼髪の右差し剣士の斎藤は、護衛である。3日ほど前に聞こえた声を、
千鶴はもう気にしていなかった。
「これで使いは終了か?」
「はい!斎藤さん、ありがとうございました。」
「礼を言われる様な事ではない。」
口元に微かな苦笑を浮かべ、斎藤も頷きを返す。屯所に帰るため再び
歩き出した二人の背中に、声がかかった。
「斎藤、千鶴。」
「土方さん!」
「お帰りですか、副長。」
いたのは黒髪の美男。副長の土方だ。今日は一人で奉行所に行っていた
ので、今帰りなのだろう。
「使い、ご苦労だった。」
「いえ。おかえりなさい、土方さん!」
「あぁ。」
そこからは主に斎藤と土方の会話だ。横で千鶴は大人しく聞いている。
その時
—…ーン…シャ——ン…
「鈴の、音…?」
鈴の音が聞こえた気がして、その場に立ち止まる。しかし近所に
神社などないし、あってもこんな時間に鈴は鳴らさないだろう。
しかもその音は、隣を歩く二人には聴こえていない様だった。聴覚
なら二人の方が上だというのに。
「…?どうした、千鶴?」
「いえ!何でもありま—」
「—きゃあああああっ!!」
悲鳴が聞こえたのはその時だった。まだ年若い女の悲鳴だった。
「「「!!?」」」
一早く行動したのは斎藤。瞬の差で土方が続き、千鶴も追いかける。
—まさか、あの鈴の音が…?
「急げ!向こうだ!」
彼らの声を聞き、余計な考えは振り払った。
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片〜桜と紅葉の狂想曲〜 ( No.7 )
- 日時: 2012/10/16 16:17
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
三話 動き出す運命
千鶴達が悲鳴を頼りに来た場所は、目立たない裏路地だった。
ニ、三人の浪士に、少女が追いかけ回されている。おそらく強引に
酒の酌でも強制したのだろう。
「つ、ついて来ないでってば!!」
「待て娘!我等に酌もできんのか!?」
「嫌よ嫌よも好きのうち、というやつか!!」
「絶ぇっ対違うからっ!!」
言い合いながら走っているが、3人が注目したのは少女の恰好だ。
普通この時代の女の髪型というのは、軽く纏めるか切りそろえて流す
かのどちらかだ。
しかし、少女の髪は流されてはいるが、切りそろえられていない。
そして異様なのは服だ。見た事もない物を着ている。
下半身を体にぴったりした丈夫そうな生地で包み、上半身は何枚か
重ねている様だが、一番上に羽織っている服の背中には、頭巾の様な
ものまで付いている。
「あーもう!しつこいなぁ!!」
少女がキッと浪士を睨みつけると、肩のあたりから何かが飛び出した。
地面に降り立ったそれは…掌ほどしかない、二俣尾の白狐だった。
「お願い、おーちゃん!」
「二—二—!!」
少女が願うと、狐の体から稲妻が迸る。それが浪士達には、丁度
目くらましになっている。
「うわ、眩しい!!」
「め、目がいてェ!!」
慌てて浪士達が逃げていき、その場は静まり返った。
「ふぅ〜〜。」
「おい、お前。」
「はぁ…ってはいい!!?」
一息ついた所にいきなり土方の声がかかり、大層驚いた様子だ。
しばらく千鶴達3人で少女を眺め、斎藤が声をかけた。
「その格好などについても、話が訊きたいんだが…?」
「え、あぁはい……」
頷きながらよろよろと立ち上がり……立つ前に倒れてしまった。
顔色は真っ白になっている。
「わ!だ、大丈夫ですか!?」
「二—!二—二—!!」
「え?に…に?」
「千鶴、斎藤。とりあえずこいつ等を屯所へ運ぶ。」
すぐに冷静な指示を出したのは土方だ。その指示に斎藤が微かに目を
細める。
「よろしいので?」
「あぁ、まだ話が聞けてねぇしな。目の前で倒れられて、ほっとくわけ
にもいかねぇだろ?」
「た、確かに…じゃ、戻ったら私が診てみます。」
「あぁ。頼む。」
相手が女性という事もあって、土方は最初から千鶴に頼むつもりでいた
らしい。返事はあっさりとしていた。
「では俺は先に戻り、幹部に伝えて人払いしておきます。」
斎藤は、夜の闇の中を駆けて行った。
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