二次創作小説(紙ほか)
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- (新)妖界ナビ・ルナ×少年陰陽師 【参照400達成!】
- 日時: 2013/04/26 21:43
- 名前: 朱鳥雀 (ID: Um7bp1Xg)
こんにちはっ!☆
風龍神奈、紅葉秋菊と同一人物の朱鳥雀(あかいとりすずめ)です!
まだ完成していないのに、やたらとスレッドを作ってしまって、申し訳ございません。どうしても書きかくて、書くことにしました。
温かい目で見守って下さいっ!☆
注)ルナ達が、妖界から人間界に戻ってきた頃の設定です☆
少年陰陽師は、さやみね編が終わった後の設定で、清明達も、戻ってきている設定です☆
偽名が多いので、別の名前に変わったりしますが、その時はご容赦ください。
- Re: (新)妖界ナビ・ルナ×少年陰陽師 ( No.1 )
- 日時: 2012/12/20 22:43
- 名前: 朱鳥雀 (ID: 4R6/w/z4)
1 な、何で!?
これは、決して入り混じることの無い、現代と過去が入り混じった話—。
ルナ達は、無事焔紅国(えんこうこく)の安荘村(あそんむら)の長の試験に合格した。が、出た場所は夜鳴島(よなきじま)ではなく…
「えっ、何此処!?」
出た場所を一目見て、ルナは叫んだ。
「此処は…?」
とふうりも辺りを見渡して、首を傾げる。
「僕達は、何処に出たんだ…?」
と、ソラウも首を傾げる。
ルナはもっけに教えてもらった勉強の中で、社会の記憶を掘り起こす。
探していた時、不意にルナは閃いた。
「あっ、もしかして、此処は平安京!?」
「「えっ?」」
ふうりとソラウは同時にルナを見た。
「ルナ、平安京って?」
ふうりが訊いた。ソラウも、
「平安京って、なんだい?」
とルナに訊いた。
「平安京は……、一言でいうと、今の京都市にあった平安時代の都。平城京から長岡京に移し、さらに移したのが、平安京で、平安京に移ってから、鎌倉幕府が成立するまでの時代を、平安時代って、言うの…」
ルナはそこまで言うと、溜息をついた。何故、こんな場所に出てきてしまったんだろう。予定通りなら、人間界の夜鳴島にでるはずだったのに。
そう思いながら、ルナは辺りを見た。
平安京といっても、都の中にいた訳ではなく、都はずれの、貴船山(きふねやま)の麓にルナ達はいる。おかげで、誰にも見られないで、すんでいるのだった。
と、不意に妖怪の気配がした。はっと、空を見る。空はいつの間にか、群青色に染まっていた。もう夜になっていたのだ。
- Re: (新)妖界ナビ・ルナ×少年陰陽師 ( No.2 )
- 日時: 2012/12/21 20:03
- 名前: 朱鳥雀 (ID: M8vlMd6.)
と、がらがらと響く輪の音が聞こえた。が、その音を聞いた時には遅く、
「!!」
目の前に、青白い鬼火をまとう大きな牛車が現れた。一瞬見て、妖と分かる。
ルナは印を結ぼうとした。が、中に人の気配を感じて、結ぶのをやめる。
と、簾(すだれ)が上がり、中から人が出てきた。
「君、大丈夫?」
かけられた声は、以外と幼かった。相手は暗視の術でもかけているのか、ルナ達の顔が見えているようだった。
「う、うん…」
ルナはとりあえず答えた。
「あれ、君、ここらじゃ見ない顔だね。何処から来たの?」
と人—少年は訊いた。言いかけてルナははっと口を噤んだ。未来から来たなんて言って、信じてもらえるのか。
ルナの脳裏で、会議が開かれる。
「大丈夫。何処から来たって、俺は怪しがらないから」
少年はそう言って、笑った。
そう言われ、ルナは試験や長の事を隠しながらも、未来から来た、と言った。
「確かに、ここら辺じゃ見ない服装だもんね」
と少年に言われ、ルナ達は慌てて自分の服装と体を確かめた。服装は妖界から出てきたときのままの服装だが、髪の毛は、茶色がかった明るい黒髪に、尻尾も消え、瞳もうず目だったのが、元の色に戻っている。
「…俺の名前は、安倍昌浩(あべのまさひろ)。よろしく。で、こっちにいる小さい物の怪は、もっくん」
「俺は物の怪じゃねえ!」
と、少年—昌浩の足元にいた物の怪が叫んだ。大きな猫ほどの体躯(たいく)はしなやかで、白い毛並みに覆われている。きらめく瞳は夕焼け色に透きとおり、長い耳がふわりと後ろにそよぐ。首周りを一巡(いちじゅん)する突起は、勾玉に似ている。
「何度言ったら分かるんだ!この晴明の孫!」
「孫言うな、物の怪の分際で!」
ぎゃおぎゃお言い合う二人を見て、ルナは驚いて、声も出なかった。ふうりとソラウも黙って見ている。
不意に神気が降り立って、物の怪は黙った。
「騰蛇(とうだ)、それ以上やめろ」
「昌浩もだ。目の前の人と妖異が、困っているだろう」
妖異と言われ、ふうりとソラウの体が小さくビクッと震えた。
ルナも震えていた。
「ごめんなさい…」
昌浩は素直に謝った。
「おい、昌浩、こいつらの事も紹介してやれ」
物の怪に言われて、昌浩は紹介した。
「さっき、もっくんを叱ったほうが、六合(りくごう)。で、俺を叱ったほうが、勾陣(こうちん)。…もっくん含めて、この3人は、十二神将なんだ。…じい様の、式なんだけど…」
語尾を小さく言って、昌浩は説明を終えた。
ルナは半妖に陰陽師の血も引いてるので、大して驚かずに、
「…私は、竜堂ルナ(りんどうルナ)。こっちが、ソラウで、こっちがふうり…」
と、紹介した。
「ルナさんか。よろしくね」
と昌浩は手を差し出した。ルナも差し出し、握った。
「…で、どうする?今から、俺達は高淤 の神(たかおのかみ)…えっと、この貴船神社の祭神に会いに行くんだけど…来る?」
そう訊かれてルナは暫く考えた。
とりあえず、挨拶しておいたほうがいいだろう。いつ現代(=平成)に帰れるか、分からないのだから。
そう思い、ルナは行く、とだけ答えた。
「分かった。…あっ」
不意に昌浩は思い出した。
「ごめん、まだ車之輔(くるまのすけ)の事、説明してなかったね」
昌浩は妖車を呼んだ。
「こいつは車之輔。元、普通の妖だったけど、俺の式に下ったから、俺の式になったんだ。…車之輔、ルナさん達も、乗せれる?」
車之輔は軛(くびき)をがくがくと揺らした。
「大丈夫、…だとさ」
車之輔の言葉を物の怪は伝えた。
「分かった。…じゃあ、乗ってもらえる?」
ルナ達は頷くと車之輔に乗り込んだ。六合と勾陣は、車之輔の屋根に座った。
霊峰貴船を取り囲む聖なる結界の外側まで運んでもらった、昌浩達とルナ達は、車之輔に其処で待つように言うと、結界内に踏み込んだ。不思議なことに、ふうりとソラウは結界内に入れた。今は人間姿になっているルナを除き。
何で?と思いながら、ルナは進んでいた。
「あの、昌浩さん」
「何?」
ルナに呼ばれ、昌浩は振り向いた。
「あの、私の事、ルナって呼んでくれませんか?ずっと仲間からそう言われてから、そっちに慣れてて…」
少し困惑ぎみにルナが言うと、
「うん、分かった」
と昌浩は即答した。
「じゃあ、俺の事も、昌浩って呼んでくれる?」
「うん」
- Re: (新)妖界ナビ・ルナ×少年陰陽師 ( No.3 )
- 日時: 2012/12/30 21:42
- 名前: 朱鳥雀 (ID: hjtcGqA9)
とルナも即答した。それを見て、ふうりとソラウは笑っていた。
物の怪も、昌浩に良い相手が出来て、良かったと思っているのだろう。微笑んでいた。
ルナと昌浩は話しながら貴船神社に着いた。と、物の怪が瞬きひとつで、本性—騰蛇の姿に戻った。
「!!」
物の怪の本性を見て、ルナは驚いた。みるみるうちに顔が青ざめていく。
その様子を見て、昌浩は慌ててルナに駆け寄った。
「ごめん。もっくんの本当の姿言うの忘れてた。ほんとごめん」
謝る昌浩に、ルナは震えながらも、物の怪—騰蛇について訊いた。
「もっくんの本性は、十二神将最強にして、最凶の闘将、煉獄の将、騰蛇(とうだ)。…じい様から与えられた二つ名は、『紅蓮』。俺も、二つ名を呼ぶのは許されてるけど…多分、ルナには…」
「そう…なんだ…」
昌浩に説明され、少しルナは落ち着いた。
「…因みに、勾陣は紅蓮と同じく凶将で、4人いる闘将のうち、紅蓮に次ぐ通力を持ってる。…四闘将の紅一点なんだけどね…。六合も、四闘将のうちの一人で、木将。紅蓮は火将、勾陣は土将」
昌浩が六合や勾陣の説明をし終わる頃には、ルナは落ち着いていた。
「…ほんと、ごめん…」
「ううん、いいよ。神気に当てられただけだから…」
昌浩が何度も謝るのを見て、ルナは慌てて止める。
「昌浩、早く行くぞ」
紅蓮の声が響く。
「うん。…じゃ、行こう」
昌浩に手を引かれ、ルナは少し困惑になりながら、後をついてった。ふうりやソラウも後ろからついてった。
貴船の最奥(さいおう)にある本宮の跡地に、一行はたどり着いた。
と、船形岩(ふながたいわ)に、凄絶な神気が降り立った。
白銀の龍神は人身をとり、船形岩に無造作に腰を落とし、片膝(かたひざ)を立てて頬杖(ほおづえ)をついた。
「何用だ、まだがんぜない子供よ。……いや、安倍の子供よ」
「えっと、伊勢からじい様も帰ってきたので、その帰参を…」
「………言うことは、それだけか」
厳かな問いに、昌浩は慌てて考えた。
「…あ、ああっ!愛宕天狗の件、有り難うございます!」
咄嗟に出た言葉を聞いて、昌浩は狼狽(うろた)えた。
嗚呼、もっと言葉はあっただろう。感謝の言葉は。
そう思いながら昌浩は高淤の神を見た。
以外なことに、高淤の神(たかおのかみ)は口の右端を持ち上げて小さく笑っていた。
「…相変わらず、お前は面白い」
「……え?」
昌浩は不思議そうな顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り、高淤の神に晴明の帰参を伝えた。
「……ところで、後ろにいる半妖と妖異のものは、誰だ?」
不意に、高淤の神が問う。
「!!」
ルナ達の顔を驚きが横切った。
「えっ…半…妖…?」
高淤の神がルナの事を半妖と言って、昌浩は驚き、ルナを見た。
昌浩や十二神将、高淤の神から見つめられ、ルナ達は酷く追い詰められた。
やばい、確実にやばい。昌浩だけにはばれたくなかった。
様々な感情がルナのなかでせめぎあう。
「高淤の神、ルナが半妖…とは、どういう意味ですか?」
あえてルナに訊かず、昌浩は高淤の神に訊いた。
「そのままだ。その…ルナというものは、半妖で、陰陽師の血もついでいる。…言わば、『伝説の子』か?」
「!!」
ルナの体がびくっと震えた。
「そのものの後ろにいる、二人は、妖怪—妖だな?」
「!」
ソラウは余り驚かなかったが、ふうりの体が震えた。
「ルナ…本当なの?」
昌浩が、ルナに問う。
ルナは意を決した。
もう、全部言おう。『伝説の子』の理由、ソラウ達と何故いるのか、全てを。
そう決めると、ルナは言った。
「…本当。私は妖怪と陰陽師の間に産まれし、『伝説の子』よ」
「!!」
ルナの告白を聞いて、昌浩は驚いた。
まさか、祖父のように天狐(あまぎつね)—妖怪(本当は妖怪ではないんだが)と人間の間に産まれた子が、未来にもいるとは。
「ソラウ達は、…高淤加美神(たかおかみのかみ)が言うように、妖怪よ。…とある目的で、一緒について来てくれた、大事な仲間」
ルナが正体を言ったと同時に、ソラウとふうりは元の姿に戻った。
ソラウは金色の獣姿に、ふうりは華奢でいながらその牙は鋭く、俊敏そうな水色の獣の姿に。
と、ルナも、首のチョーカーをほどき、第三の目を開眼させた。髪が一瞬にして銀色にかわり、瞳が赤いうず目になった。
その姿を見て、さしもの昌浩も吃驚した。
「…これで、分かった?」