二次創作小説(紙ほか)

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サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖【完結】
日時: 2015/04/04 06:09
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

>>あらすじ

キン肉マンの世界から突如として現れた8人の完璧始祖の手によって、大切な家とジンベーが奪われてしまった!
大好きな家とジンベーを取り戻すため、8男子達が立ち上がる。

本作はサトミちゃん家の8男子とキン肉マンのクロスオーバー作品です。

熱血&ギャグでいつもとは一味違う8男子達の姿が見れます!

8男子の小説を書くのは初めてですが、一生懸命がんばります!

※8男子と言う割に、登場するのは6男子だけです。

キャラ紹介>>11

襲来!完璧始祖!!>>1>>2>>3>>6>>7>>12

山下ブンゴVS完璧四式アビスマン!!>>13>>14

犬塚シノ&犬坂ケノVS完璧伍式ペインマン&完璧捌式シングマン!!
>>15>>23>>24>>25>>28>>33>>39>>42

犬川ソウスケVS完璧漆式ガンマン!!
>>46>>48

武道家キャメキャメVS完璧漆式ガンマン!!
>>53>>54

山下ゲンパチVS完璧拾式サイコマン!!
>>59>>62

キュアピースVS完璧拾式サイコマン!!
>>65>>66


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Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.11 )
日時: 2015/03/30 11:19
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

【サトミちゃん家の6男子】

犬塚シノ
中1なのに、見た目は小学生みたいな男の子。
家事と発明が得意!
里見家の執事をしており、暑苦しい性格。
十八番の歌は『あなた』。
完璧捌式シングマンと対決する。

犬山道節(通称ミッチー)
中1で、手足が長く足が速い!
とにかくじっとしていられない性格で、忍び一筋13年。
完璧久式カラスマンと対決する。

山下ブンゴ
中2でイケメンだけど、元学校1の不良。
6男子の中では1番喧嘩慣れしている。ソウスケとは互いに「コブンゴ」「ウソクセ」と呼び合う仲で、毎日のように小競り合いを繰り返している。
完璧四式アビスマンと対決する。

犬川ソウスケ
芸能界で大人気の占い師。積極的で嘘がきらい。
ブンゴとはケンカするほど仲がいい仲。
完璧漆式ガンマンと対決する。

山下ゲンパチ
中3でブンゴの兄。生徒会長も務めるしっかりものの優等生。
完璧拾式サイコマンと対決する。

犬坂ケノ
女子から絶大な人気を誇るカリスマモデル。動物好き。
6男子の中では1番非力であり、優しい性格のため闘うことを恐れている。
大好きなコアラのジンベーを奪われており、助け出したいが強大な敵との対決に恐怖心も抱いている。ペインマンと対決するが……

里見サトミ
そんざいかんの薄い中1の女の子。
本作の語り部。

【完璧始祖】

完璧参式(パーフェクトサード)ミラージュマン
全身が鏡貼りになっている超人。始祖の中でも落ち着いた人格者であるが、影が薄い。
口癖は「ゴハゴハッ」。本作ではサトミと一緒に観客になり、試合の解説を引き受ける。

完璧四式(パーフェクトフォース)アビスマン
バットマンの悪役を彷彿とさせるマスクで顔の下半分を覆い、右肩に七枝刀のような突起物を装着している筋肉隆々の超人。正面から挑んだ戦いでは始祖最強の実力を誇る。
山下ブンゴと対決する。

完璧伍式(パーフェクトファイブ)ペインマン
始祖の中では一番の小柄で全身がエアバッグで包まれた超人。
陽気な性格で人当たりがよく人望も厚い。あらゆる攻撃を吸収してしまうボディを持ち、口癖は「テハハハ」。
犬坂ケノと対決する。

完璧陸式(パーフェクトシックス)ジャスティスマン
鳥の翼のような角に透けた脳、逞しい体格には血管が浮かび上がっている。厳格で冷静な性格で、口癖は「ハワー」。本作ではミラージュマンと同じくサトミと一緒に試合を観戦する。

完璧漆式(パーフェクトセブンス)ガンマン
岩のようにゴツゴツとした肌にヘラジカのような角一つ目の巨体が特徴。粗暴かつ過激な性格な武闘派でサイコマンとは犬猿の仲。口癖は「シャバババ」。
本作ではソウスケと対決する。

完璧捌式(パーフェクトエイス)シングマン
始祖でも随一の巨体とパワー、どんな攻撃を受けても傷一つつかない頑丈さを持つ宇宙金属で構成された超人。外見は冷たそうだが、意外と優しくお人よしな一面もある。
口癖は「ギラギラ」。犬塚シノと対決する。

完璧久式(パーフェクトナインス)カラスマン
カラスの仮面に黒い翼を生やした細身の超人。口癖は「カラカラ」。
始祖中最速のスピードを持つ。ミッチーと対決する。

完璧捨式(パーフェクトテンス)サイコマン
ピエロのようなメイクと帽子、白装束が特徴の始祖。
口癖は「ニャガニャガ」もしくは「ホホホーッ」。
慇懃無礼な口調で、始祖の中でも腹黒い性格。
自称「完璧始祖の技のイリュージョニスト」。
ゲンパチと対決する。

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.12 )
日時: 2015/03/30 12:02
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

わたしたちは、カオルンの家にあるパソコンで完璧始祖に関する情報を集めた。わたしにとっては結構な量だったけど、大好きな家とジンベーを取り返すために、一生懸命読む。けれど、だんだん瞼が重くなってきちゃった……

「ふああ」

思わず欠伸が出てしまう。
すると、隣にいたゲンパチが言った。

「サトミ、きみは闘わなくていいぞ」
「えっ?」
「たった今奴らから連絡が入ったんだが、闘うのはぼく達6人だけでいいらしい。したがってサトミ、きみはぼく達の闘いを見学していてくれ」

このとき、内心ほっとしたのは自分だけの秘密。
だって、あんな超人達と闘うなんて、想像するだけで恐ろしいもん。
でも、他のみんなは、彼らと闘う決意を固めている。
一番意外だったのは、ケノだ。
彼は少し前まで暗くなって泣いていたけど、仲良しのシノが彼に寄り添って『あなた』を歌ってあげると、勇気が出てきたのか、「大好きなジンベーを助けるために、出来る事をやる」って言って、涙を拭いて立ち上がった。
なんか、カッコイいい……

「サトミ、どうかしたか?」
「ううん、なんでもないっ」

ミッチーが訊ねたので、わたしは慌てて手を振ってごまかす。
わたしたち7人は、決意を胸に、明日に備えてたっぷり睡眠を取ることにした。



そして翌日。
ブンゴ、ゲンパチ、ミッチー、わたし、ソウスケ、ケノの7人は元『里見家』の前にやって来た。代表で、ゲンパチがドアを叩く。すると、中から声がした。

「ニャガニャガ、お待ちしていましたよーっ」

ドアが開いたかと思うと、わたしたちはまるでブラックホールのような紫色の空間に吸い込まれ、離れ離れになってしまった。



ドスンッ!

いたたたた……
変な空間から抜け出したわたしは、ストンと地面に落ちて尻餅をついた。周りを見渡してみると、なんだか競技場みたいな場所にいることがわかる。

「ここは、どこなんだろう?」
「ゴハゴハッ、ここは国立競技場だ」

後ろから声がしたので振り向くと、そこにはミラージュマンさんと、もうひとり、秤で塩と砂糖を測っていた超人がいた。
え、でも待って、ふたりがいるってことは、もしかしわたしがふたりと闘うのー!?

「無理無理無理無理無理、ぜーったいに無理です!」
「ゴハゴハッ、案ずるな。サトミ、お前は私達と一緒に観戦するんだ」
「えっ?」
「ミラージュマンの言う通り。私達は闘う相手がいないので、観客に回ることにした」

なんだぁ、よかったぁ。
ふたりはわたしをグラウンドがよく見える席に案内し、腰かけさせると、私の右側と左側に腰かけた。うーっ、超人ふたりに挟まれているのって、なんというか威圧感が凄い……

「サトミ、アレを見ろ」

ジャスティスマンさん(さっき聞いた)が指さした方向には、巨大なオーロラビジョンが設置されている。そこに映っていたのは、6つの異なる場所に設置されたリングと、始祖、そして彼らと対峙する6男子達の姿だった。

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.13 )
日時: 2015/03/30 15:05
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

オレが異空間から脱出してみると、出てきたところは異様な雰囲気の漂う場所だった。冷たい空気に、岩だらけの乾燥地帯で、生えている木も枯れている。

ここは、一体どこなんだ。

しばらく歩くと、光が見えてきた。
その光に導かれるように足を進めていくと、その光の正体は赤々と燃える松明で、白いリングを照らしていた。そのリング立っているのは、屈強な体格に七枝刀のような突起を右肩につけ、顔の下半分をマスクで覆った超人だった。奴は俺の姿を強面の目つきで睨み、口を開いた。

「お前が、山下ブンゴか」
「……てめぇは、昨日ソファに陣取ってやがった野郎か」
「モガモガッ、ちげえねぇ。いかにも、オレは完璧四式ことアビスマン様よ」
「アビスマン、てめーはオレが相手だ! てめぇをブッ倒して、オレ達の家を取り戻してやるぜ」
「威勢だけはいいじゃねぇか、坊主。だがな、このオレとリングの上で闘うってことは、命の保証はねぇってことだ。お前はそれをちゃんと理解しているんだろうな?」
「へっ、命の保証? オレは生憎学校1の元不良だ。そんな言葉は慣れっこなんだよ」
「そうか、ではリングに上がってくるがいいーっ」
「言われるまでもねぇ!」

リングのロープを飛び越え、四角いマットの中に入る。

「さ、早くゴングって奴を鳴らしてもらおうじゃねぇか」
「坊主、オレ達の闘いにゴングは必要ないーっ!」

アビスマンはいきなり、オレ目がけてタックルを放ってきた。
すかさすオレもロープに飛び、その反動を利用して奴に飛びかかる。

「モガァッ」

奴はまるで重戦車のようなとんでもないパワーでオレのタックルを押しのけ、そこから逆水平チョップを見舞ってくる。
オレの倍はあるかと思うその手から繰り出される手刀の威力は半端なものではなく、1撃食らうだけで意識が飛んで行きそうな感覚に陥る。

「どうした坊主、これぐらいでおねんねか?」
「元不良を舐めてんじゃねぇぞっ」

拳を固めてアビスマンの甲板にパンチを打ちだす。
けれど、いくらパンチを食らわしても、奴は倒れるどころかよろめきさえ見せない。

「坊主、お前はどうやらパンチの打ち方を誰からも学んでねぇようだなぁ!」

鉄球のような重みを持つパンチが、俺の頬に当たった。
体が無意識のうちに、よろめき、倒れないと踏ん張るために、咄嗟にロープを掴む。
口が切れたのか、白いマットがオレの流す赤い血で真っ赤に染まっていく。奴の猛攻を受け続けたオレは、ロープを握る力も失い、ついにマットに倒れ伏した。

やべぇな……コイツ、オレが喧嘩してきた相手とは比べ物にならねぇぐらい強ええ……!

「モガモガ、やはり威勢がいいのは最初だけだったようだなーっ」

アビスはオレの服を掴んで無理やり立ちあがらせたかと思うと、まるで風船を相手にしているかのようにオレを宙に放り投げ、右肩の突起をギラつかせ、上昇してきた。

「グレイブヤードタックルーッ!」

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.14 )
日時: 2015/03/30 16:46
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「ブンゴーッ!」

わたしは、オーロラビジョンに向かって声を限りに叫んだ。
けれど、ブンゴは反応がない。
対戦相手であるアビスマンの右肩の突起が彼のおなかに突き刺さって、ドクドクと血が流れている。観ているのも辛いぐらいグロい光景だけど、1番辛いのはそれを受けたブンゴの方。
しかも、アビスマンは返事のない彼をいたぶるように、突起を支点にして、まるで皿回しのように彼の体をヒュンヒュン回転させ始めた。

もしかして、ブンゴ……死んじゃったの?

最悪の事を想像し、思わず涙が出てきちゃう。
確かにブンゴは元学校1の不良で怖いところもあったけど、荒っぽいながらも優しさを見せてくれたときもたくさんあった。

しかも、喧嘩に慣れていて、6男子の中では兄であるゲンパチにも、「勝率は最も高い」って言われてたのに!
その彼が、まさかあんな形でお別れになるなんて、そんなの……そんなの絶対に嫌だよっ!

そのとき、今までなんの反応もなかったブンゴの手がピクリと動いた。
そして死んでいたかと思った顔をあげて、おなかから敵の突起を引き抜こうとする。

「モガッ、てめぇ、生きていやがったのか!?」
「あたりめぇだろ、お前の技の対策はとっていんだよっ」

血まみれの手になりながらも、急所を外していたヤードを引き抜き、マットに降りたつ。
白いシャツが血で染まっていて怖いけど、今のブンゴは今までで1番カッコいい。

「……ならばこの技で文字通り終わらせてやるーっ」

アビスマンは彼に突進していき、さっきのグレイブヤードタックルを敢行して、彼を宙に舞い上がらせ、そこからジャンプして両方の拳を彼の顎にめり込ませ、そのままの体勢で落下していく。

「おお、あの技は……」

ミラージュマンさんがポツリとつぶやいた。

「知ってるの?」
「ウム、アレは奴の必殺技、完璧四式奥義、奈落斬首刑だ。食らったら最後、死は免れられない」
「え……!?」

ズガアァン!!

轟音と共に、ふたりのいるリングが煙に包まれる。
ブンゴは無事なのだろうか。
スーッと霧が次第に晴れてくる。
ゆっくりとだけど、画面が見えてきた。
そこに映っていた光景は、敵の拳を紙一重で掴んで、落下していたブンゴの姿だった。

「何ィ! オレの奈落斬首刑がただの人間に破られるだなんてそんなバカなことが——」
「そのバカなことを起こせるのが、学校1の元不良の力さ」

アビスマンは目を見開き動揺している。

「荒っぽい方法だったけど、試してみる価値はあったな」
「だが、お前は正面からではオレを倒すことができないだろう」
「ああ。それは事実だ。認めるしかねぇ」
「モガモガ、それならば技は破られたが、オレの勝利は揺るがないということだ!」

敵はさっきブンゴを打ち負かしたタックルを炸裂する。

「アビスマン、オレは知っているぜ。お前は背後に敵に回られた時、『アビス=ガーディアン』って名前のバリアーを放つってことをな」
「知っているなら、分かるだろう。お前は前でも後ろでも、オレには決して勝てぬ!」

ドドドドド……ッ

まるで闘牛のようなパワーで突っ込んでくるアビスマン。
そんな敵に対して彼は真正面から勝負を挑み、彼の腰のあたりを掴む。
そして素早く反転させ、自分の膝で彼の腰を痛めつけるシュミット式バックブリーカー(ミラージュマンさんが解説してくれた)でバリアを破壊する。それでもアビスマンは立ち上がろうとするけれど、

「……や、やるじゃねぇか、山下ブンゴ。最初は威勢だけが取り柄の腰抜け野郎かと思っていたが、それはオレの勘違いだったようだぜ……モガハァ〜ッ!!」

最後はダメージに体が耐えることができずに、血を吐いて失神した。

「アビスマン、あんたも本当にすげぇ男だったぜ……」

敵との健闘を讃えた後、彼はリングを降りて異空間へと吸い込まれて行った。
ジャスティスマンさんによると、ブンゴは私達の家に帰ったらしい。まずは、わたしたち6男子が1勝して、里見家のソファを取り戻した。

◯山下ブンゴVS完璧四式アビスマン●

Re: サトミちゃん家の8男子と8人の完璧始祖 ( No.15 )
日時: 2015/03/31 05:46
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ぼくとシノくんは、ふたり一緒に白いリングの上にいた。
上を見上げると、雲一つない青くて綺麗な空が広がっている。

「ケノくん、下を見てください!」

シノくんに言われてリングの下を見て驚いた。
だって、下は暗くて深い谷底になっていたから。

「ここ、どこなんだろうね……」
「さあ……ボクにもちょっとわかりません」

ふたりで考えていると、どこからか陽気でおかしな笑い声が聞こえてきた。

「テハハハハハハ! 少年達よ、お前達の立っているその場所は、アメリカはグランドキャニオンだぞぉ〜」
「「グランドキャニオン!?」」

そういえば、聞いたことがある。
アメリカにはとっても深い谷底があるってお話を。

「もしかして、この場所で闘うのー?」

手を口に当ててメガホンの代わりにして、声が聞こえた方向に疑問を投げかけた。

「その通りだ。よく気づいたな。ここで、お前達ふたりと我々が拳を交えるのだ〜、テハハハハハハ!」
「「我々?」」

またぼくとシノくんの声がデュエットした。
ぼくたちって本当に仲がいい。

「ギラギラ、そうだ。我々だ」

別の声がしたかと思うと、いきなりシノくんが、「危ないっ」と言ってぼくを押しのけた。なんだろうと思っていると、空から銀色の金属の塊のようなものが落ちてきた。
だけど、よく見るとそれは隕石なんかじゃなくて、人の形をしていた。
吊り上がった瞳とダイヤ型の口、膨らんだ肩が特徴的ですごく大きい。
どうみても3メートル以上ある。

「ギラギラ、私は完璧捌式シングマン! ペインマンと共にお前達と対決する。覚悟するがいい」

彼が自己紹介をした後に、コーナーポストにスタッと着地したのは、全身がイボイボに覆われた、昨日ぼくたちにアクロバットを見せてくれた超人さんだった。

「テハハハハハハ!私は完璧伍式ペインマン。お前達との対戦、楽しみにしていたぞぉ」

ふたりは、ぼくたちと少し間をとって、ファイティングポーズをする。
でも、やっぱり闘わなくちゃいけないのかな。
ぼくは、できればふたりと闘いたくない。
第一印象で判断するのはどうかと思うけど、悪い超人さん達に見えないもの。そう彼らに告げると、ふたりは笑って、

「それは嬉しい! 凄く嬉しいぞぉ、犬坂ケノ!テハハハハハハ……」
「ぼくの名前、知っているの!?」
「無論、知っている。お前が女の子に絶大な人気を誇るカリスマモデルだってことも、動物が大好きってこともなぁ〜!」

なんだか、自分のことに詳しい人に会うのは恥ずかしい。
少し顔を赤らめていると、ペインマンさんの隣にいたシングマンさんが、不意に瞳に力を入れてぼく達を睨んだ。

「闘いたくなければ、それでも構わない。だがその代わり、お前の大好きなコアラのジンベーは帰ってこない」
「えっ——」


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