二次創作小説(紙ほか)

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アンティークFUGA
日時: 2015/07/13 15:04
名前: あゆりん (ID: I69Bg0jY)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=14844

はじめまして、あゆりんです。小説初心者ですが、精一杯頑張ります。
私は、〔二次小説 魔天使マテリアル〕という小説も書いているので、そちらを読んでくださっている方は、今回もよろしくお願いします。

※はじめに、諸注意です。※
・私は小説初心者です。なので、「下手な小説を読んでるとイライラする!」という方は、ここで戻ることをオススメします。
・機械オンチですので、更新スピード亀並です。
・パクリ、荒らしはやめてください。
・コメント大歓迎&タメOKです。

登場人物紹介

 一条風雅
中学生。ひょんなことからと兄弟となった木霊の長たちと共に小さな骨董屋FUGAを営む。アンティークの精、『つくも神』と会話する力を持つ。お人好しで、正義感が強い。
 一条紗那
正体は、古代樹『セコイア杉』の精霊で、木霊の長、シャナイア。風雅との契約により、行方不明だった風雅の両親を探す間、風雅の兄となった。風雅の両親の封印をとき風雅との契約は解かれたが、伝説のルビー『バビロニアン・ローズ』の精霊レッドアイとの『精霊の取引』により、再び風雅の兄となった。わがままで高慢。
 一条唯
正体は、古代樹『屋久杉』の精霊で、木霊の長、ユイマール。風雅の父、論土の契約により、両親がもどるまで風雅を守るため、風雅の兄となった。風雅の両親の封印をとき論土との契約は解かれたが、その後、風雅の願いにより、再び風雅の兄となった。温和で優しい性格。

Re: アンティークFUGA ( No.12 )
日時: 2015/12/29 18:49
名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)

 風雅たちは、手早く荷物をまとめて、部屋を出た。チェックアウトを済ませると、ホテルの前で待っていた車に乗り込み、そのまま空港に向かった。
「お疲れ様でした。出演料は、後日口座に振り込みますので」
 空港に着くと、車を運転していた女性スタッフが言った。
「はい。ありがとうございました、紫波さん。また、時間があったら、うちの店にもいらしてくださいね」
 そう言って風雅たちは車を降り、トランクから荷物を取り出した。
「ええ。東京に戻ったら、ぜひ」
 紫波は微笑んだ。
「今回は助かったよ。ありがとう」
 助手席の窓を開けて、秋山が顔をのぞかせる。
「貴重な体験をさせて頂きました。色々勉強になりました」
 唯が社交辞令述べた。
「飛行機の時間だ。じゃあね、風雅君たち」
「お気をつけて」
 秋山と紫波に見送られて、風雅たちは建物の中に入って行った。

 数分後、風雅たちは空の上にいた。
「見て、兄さんたち。広い牧場が見えるよ。さすがに、ここからは羊は見えないけど。もっと観光とかもしたかったなぁ」
 窓から北海道の雄大な大地を見下ろして、風雅は名残惜しそうに言った。
「これがヒコウキというものなのね。鉄の塊で空を飛ぶなんて、ニンゲンも日々進歩しているのね」
 風雅の胸にかかったペンダントから、突如マリーが姿を現した。
「マリー!」
 唯が小声で言った。
 風雅も紗那も驚いていたが、マリーだけは、
「大丈夫よ。私の姿は、ニンゲンには見えないから」
とウインクしてみせた。
 紗那や唯は精霊としての力が強く、その姿は霊感のない人間でも見ることが出来る。しかしマリーは今、風雅たち三人にしか見えないように、力を制限しているのだ。
「随分不機嫌そうじゃない、シャナイア。どうしたの?ヒコウキがそんなに嫌い?」
 からかうようなマリーの口調に、紗那は口元をひきつらせた。
 飛行機は、紗那にとってかなりの苦痛だ。マリーもそれをわかっていて、ワザとそんなことを言う。
「何をしに来た、マリー?」
「別に。少しヒコウキに興味があったの。でも、わざわざこんなもので移動する必要もないし、もう帰るわ。じゃあね、風雅、ユイマール。また家に着いたら呼び出して」
 そう言って、マリーは消えた。
「ふん…。あいつもニンゲンとして暮らすなら、どうせ飛行機にも乗らきゃならん」
「そうですね、紗那」
 不機嫌そうにつぶやいた紗那に、唯がフッと笑って同意したのだった。

Re: アンティークFUGA ( No.13 )
日時: 2016/01/16 19:15
名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)

 荷解きを済ませて、風雅がマリーを呼び出した。
「ここが『アンティークFUGA』?いいわね。どの品もちゃんとつくも神の気配がする。本物ね」
 マリーは店を見回して言った。
 風雅には、マリーが現れてから店のつくも神たちが息をひそめているように感じている。マリーはそのことに、すでに気付いているようだった。
「どうしたの?怖がらないでいいのよ。出ておいで、隠れていないで。」
 それでも姿を見せることをためらっているつくも神たちに、マリーはわずかに眉をひそめた。
「どうして出てこないのかしら?…あぁ、そうね、わかったわ。シャナイアが怖いのね。そうでしょう?」
 マリーは面白そうに紗那を見たが、紗那は顔をしかめてこう言っただけだった。
「連中と馴れあうな、マリー。情が移っても商売がやりにくくなるだけだ。風雅みたいにな」
「僕、つくも神と仲良くなったって、売らなくなったりしないよ、紗那兄さん」
 風雅がそう反論したが、それより早くマリーの声が響いた。
「馴れあう?私がつくも神たちと?まさか。本気で言っているわけじゃないわよね、シャナイア?彼らとは生きてきた時間が違うもの」
 そう言ったマリーの声には、高位の精霊らしい高慢さが含まれていた。
「どうしてそう言いきれるのさ、マリー?」
 風雅が驚いて尋ねると、マリーは風雅をのぞき込んだ。
「私やシャナイアが、ほかの精霊たちよりも永い時間を生きてきたのは、風雅も知っているわね?」
「うん」
「そう、私たちは彼ら以上の時を生き、彼ら以上に色々なものを見てきたの」
 マリーはそう言って唯を見た。唯は視線を遠くに向けて、黙っている。
「確かに、つくも神には悲しい記憶を持つ者が多いわ。ニンゲンの風雅が経験したことのない記憶をね。風雅が“かわいそう”と思うのも当然よ。…でも——彼らのそんな記憶に同情出来るほど、私たちは幸せに生きてきたわけじゃない」
 マリーの表情に闇が垣間見えた気がして、風雅はひるんだ。
「そういうことだ、風雅。我らの生きる時は永い」
 紗那が黙り込んだ風雅の髪をクシャクシャにした。
「うん。でも、紗那兄さん。やっぱり、かわいそうだって思うんだ」
 風雅がうつむいたまま言うと、マリーがフッと笑った。
「そうね。…それはね、風雅。風雅が今、幸せな証拠じゃないかな?」
「幸せな、証拠?」
「ええ、風雅が幸せに生きてきた証拠…——」
 マリーはまた、遠くを見つめる目をした。
「風雅。鏡には闇の精霊が宿りやすい、って、知っているわよね?」
 マリーは風雅を見た。
「うん、マリー。確かに、鏡にはよくないつくも神が多い」
「そう。鏡には闇の精霊が宿りやすい。また、宝石は悪霊を育てやすい。なぜかわかる?」
「鏡は人を映す器物だから…」
 マリーがその続きを引き継いだ。
「そう、映し出すための器物だから。怒りや悲しみ、憎しみといった表情まですべて映してしまうから、そんな感情を吸い取ってしまうの」
 でも。風雅は目の前で、薔薇の手鏡の精霊が微笑んだような気がした。
「それに、宝石も。ニンゲンの邪心を吸い込み、悪霊としてしまう」
 風雅はうなずいた。脳裏には、世界一のルビーの精霊、レッドアイの姿が。
「でもね、風雅。すべての鏡や宝石の精霊が、闇というわけではないわ」
 風雅は首を傾げた。確かにマリーの言うとおり、闇の精霊ばかりではない。
「例えば、ずっとショーケースの中に納まっていた宝石。あんな物には、悪霊はほとんど宿らない。それから、幸せな家庭で、大切な主が安らかに眠るのを見守ることが出来た鏡とかね。」
 紗那と唯は、マリーが何を言いたいのかわかっているようで、目を伏せたまま、マリーの言葉を聞いている。
「つまり、そういうことなのよ、風雅」
 風雅がなおも答えを求めるようにマリーを見ると、マリーはふいと風雅から視線を外した。
「つまり——アンティークに宿った魂が善なる精霊となるか悪しき精霊となるかは、いつだってニンゲン次第なのよ」
「なるほど…?」
 わかったような、わからないような。
 その時、ずっと黙っていた唯が口を開いた。
「…周りの環境次第で、つくも神は闇にも転じてしまうということです」
 と。風雅には、その態度が少しよそよそしいように感じたが。
「ふぅ〜ん。そうなんだ」
 その時、ハッとマリーが店の外に目をやった。紗那と唯も同じ方向を睨むようにして見ている。
「なに?今の気配——」
 マリーのほんの小さなつぶやきが、三人の心を語っていた。風雅には知りえぬ感覚が、木霊の長たちを不安にさせた。

Re: アンティークFUGA ( No.14 )
日時: 2016/03/05 17:45
名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)

 店の外を見ても、その“気配”の正体はわからなかった。
「悪そうなつくも神なんて見えないけどな」
 風雅はポツリとそう言って、木霊たちをうかがった。
「ええ、そうね」
 マリーがうなずく。
「気のせい…ということはなさそうだけれど」
「今はどうしようもありませんね」
「ああ」
 三人の表情は暗い。
 店の空気を変えようと口を開いたのは、マリーだった。
「そうだわ、風雅。私も、名前を決める必要がありそうね。『マリー』じゃ日本人ぽくないもの」
「名前を考えるのは、風雅が得意です」
 唯も微笑んだ。
「ええ。シャナイアの紗那、ユイマールの唯みたいに、私の名前も考えてくれるかな?」
「うん、マリー。任せてよ」
 風雅は早速紙とペンを持って来て、考え始めた。
 なかなか思いつかないらしい風雅に、唯がこう言った。
「マリーという名前は、本当の名ではないのですよ、風雅」
 知っていましたか?と微笑んだ唯に、風雅は顔をあげた。
「そうなの、マリー?」
「そうよ。私の名は、『アウロラ』というの」
「アウロラ?」
 そういえば、と、風雅は思い出した。
「コルノから出てきたとき、アウロラって言ってた」
「思い出しましたか、風雅?」
 風雅はうなずいた。
「うん」
「アウロラとは、曙の女神という意味よ。夜明け前に天の扉を開き、太陽の神を空へ送りだす役目を負っているという神話もあるの」
「素敵な名前だね」
 やはり、木霊とは自分に当てはまった名を持っているのだ。
「美しい名よ。アウロラの美の表れがオーロラだとも言われているわ」
「じゃあ、なんで『マリー』って呼ばれてるの?」
 風雅の疑問に答えたのは、これまで黙っていた紗那だった。
「マリーは、木霊の長たちの間での愛称だ。ローズマリーから取っている」
 その続きは、唯が引き継いだ。
「ローズマリーは女神のハーブと呼ばれているんです」
「女神!そっか、アウロラは女神の名前だもんね」
「そうよ。私、この名前が気に入っているわ。仲間がくれた名だもの」
 ふわりと微笑んだマリーに、風雅は何か思いついたらしく、手元の紙にペンを走らせた。
「出来た!」
  命名 茉莉まり
「茉莉?」
「うん!マリーは、仲間に貰った名前が気に入ってるんでしょ?だから、マリーを短くして、『茉莉』」
「素敵な名前ね。気に入ったわ!」
 茉莉は早速、風雅が書いた名前の横に、『一条 茉莉』と書き込んだ。
「よろしくね、茉莉姉さん」
「ええ、風雅」
 茉莉は、風雅の額にそっとキスをした。
 額に手をやって真っ赤になった風雅に、茉莉はフフッと笑った。
「よろしく」

Re: アンティークFUGA ( No.15 )
日時: 2016/12/27 18:39
名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)

「こんにちはー!」
 店の扉が開き、メグミが入ってきた。後ろにはメグミの母、そしてもう一人女性がいた。
「こんにちは、メグちゃん」
「メグミちゃん、いらっしゃい。おばさまも」
 店番をしていた風雅と茉莉が、笑顔で二人を出迎えた。
「こんにちは、風雅、茉莉ちゃん。紗那と唯は上にいるのかしら?」
「はい。二人は家のほうです。呼んできますね」
 茉莉と一緒に紗那と唯が降りてくると、風雅の叔母は女性を紹介した。
「こちら、永野さん。ご近所さんなんだけど、風雅たちが骨董屋をしてるって言ったら、ぜひ紹介してほしいって」
「永野千花です。鑑定してほしいものがあって…」
「はい、うちは鑑定もやりますよ」
 風雅が言うと、女性は安心したように微笑んだ。
「よかったです。それなら、また後日品を持って伺います」
 ぺこっと頭を下げて、千花は出ていった。
「じゃあねー、紗那!」
 メグミと叔母も帰ると、茉莉が険しい顔で外を眺めていた。
「どうしたの?茉莉姉さん」
 風雅が顔をのぞきこむ。
「今の女性…」
「ああ。千花といったか」
 紗那がクシャリと髪をかき上げた。
「あの女性から、この間感じた気配が漂っていたわ。あの気配の持ち主は、彼女の家に…?」
「それって、千花さんの持ち物に、悪いつくも神が宿ってるってこと?」
 風雅が尋ねた。
 唯がうなずく。
「なにもないといいけど…」
 風雅が不安気につぶやくと、茉莉が首を傾げて見せた。
「あら。千花さんは、今度もう一度ここに来るのよ。鑑定してほしい品を持ってね」
「そっか!その時に、つくも神に話を聞けばいいんだね!」
「そういうことだ、風雅」
 風雅の髪をクシャクシャにしながら、安心させるように紗那が言った。

Re: アンティークFUGA ( No.16 )
日時: 2016/12/28 19:06
名前: 真珠を売る星 (ID: 9E/MipmP)

アンティークFUGAは好きな作品ですが、二次創作があるとは夢にも思っておりませんでした! これからも、応援しています!(私のことは長いので「真珠」とでも呼んでください)


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