二次創作小説(紙ほか)
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- アンティークFUGA
- 日時: 2015/07/13 15:04
- 名前: あゆりん (ID: I69Bg0jY)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=14844
はじめまして、あゆりんです。小説初心者ですが、精一杯頑張ります。
私は、〔二次小説 魔天使マテリアル〕という小説も書いているので、そちらを読んでくださっている方は、今回もよろしくお願いします。
※はじめに、諸注意です。※
・私は小説初心者です。なので、「下手な小説を読んでるとイライラする!」という方は、ここで戻ることをオススメします。
・機械オンチですので、更新スピード亀並です。
・パクリ、荒らしはやめてください。
・コメント大歓迎&タメOKです。
登場人物紹介
一条風雅
中学生。ひょんなことからと兄弟となった木霊の長たちと共に小さな骨董屋FUGAを営む。アンティークの精、『つくも神』と会話する力を持つ。お人好しで、正義感が強い。
一条紗那
正体は、古代樹『セコイア杉』の精霊で、木霊の長、シャナイア。風雅との契約により、行方不明だった風雅の両親を探す間、風雅の兄となった。風雅の両親の封印をとき風雅との契約は解かれたが、伝説のルビー『バビロニアン・ローズ』の精霊レッドアイとの『精霊の取引』により、再び風雅の兄となった。わがままで高慢。
一条唯
正体は、古代樹『屋久杉』の精霊で、木霊の長、ユイマール。風雅の父、論土の契約により、両親がもどるまで風雅を守るため、風雅の兄となった。風雅の両親の封印をとき論土との契約は解かれたが、その後、風雅の願いにより、再び風雅の兄となった。温和で優しい性格。
- Re: アンティークFUGA ( No.2 )
- 日時: 2015/08/07 20:53
- 名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)
美しく結い上げられた銀髪には淡いピンクの薔薇が一輪。フリルとレースで飾られた豪華絢爛なドレスに身を包んだつくも神が、優雅に一礼した。
「木霊の長、シャナイア様、ユイマール様。そして、兄弟の契りにて結ばれしお方、風雅様。ご機嫌うるわしゅう…」
「薔薇の手鏡のつくも神よ。おまえが宿る器物の来歴を語るのです」
つくも神は唯に同意するしるしとしてゆっくりとまばたきをすると、自らの過去について語り始めた。
「わたくしが作られたのは、八百年ほど前…。わたくしの主となったのは、フランスの地方貴族のひとり娘、シャルル様というお方…」
そこまで聞くと、紗那がうなずいた。
「やはり、ロココ時代のものか」
「はい。当時は薔薇や天使などのデザインが好まれておりましたから。シャルル様の両親もそのようなデザインを望んでおりました。そして、依頼された者も、両親の注文通りの美しい手鏡を作り上げました。愛らしい天使の彫刻。表面は金箔で飾られて。しかし、シャルル様はそれを受け取りませんでした…」
「どうしてかな?そんなに美しいデザインなら、喜んで受け取りそうなのに」
疑問を口にした風雅にうなずいて、つくも神は話を続けた。
「風雅様の疑問ももっともです。両親も友人も、皆そろって不思議がりました。それはそれは美しく、豪華なものでしたから…。しかし、心から自然を愛していたシャルル様は、薔薇のデザインを求めました。それも、金箔も、ニスも塗らないものを…」
「それで?みんなは、反対しなかったの?」
話に引き込まれた風雅が、身をのりだす様にしてたずねた。
そんな風雅に、つくも神は優しく微笑む。
「もちろん、反対されましたとも。そんな両親に、シャルル様は優雅に微笑み、こうおっしゃいました…」
つくも神はそこで一度話を切ると、懐かしむ様にそっと目を閉じた。
「『お父様、お母様…。この手鏡は、ほかのどんなデザインよりも美しい。わたくしの、自然への愛が込められているのですから』と…。シャルル様の決意のこもった瞳と揺るがない意思に、両親はしぶしぶ折れました。そうしてわたくしは、シャルル様のもとへ。シャルル様が亡くなられた後もたくさんの方々の手を渡り…」
つくも神の淡いピンク色の瞳が、一瞬陰る。
死した主のことを思い出しているのか、それとも、彼女もまた、永い命の中で魂に闇を宿した者なのか…。
そのとき、不意につくも神が顔を上げた。その瞳が涙に濡れている。
「どうしたの?どうして、泣いているの?」
心配そうな風雅を安心させるように、つくも神は涙をぬぐった。
「風雅様。なんとお優しい…。わたくしたち鏡のつくも神は、魂を闇に染め、闇の精霊となりはてる者がほとんどだというのに…。お優しい方々に恵まれて、わたくしは、なんと幸せ者なのでしょう…」
鏡には、悪いつくも神が生まれやすい。表面を磨き上げられ人の姿を映すために作られた器物は、人の怒りや憎しみまでもあまりにも生々しく映し出してしまうため、そんな感情を吸収してしまうのだ。
微笑んだつくも神の姿が風に揺らいだ。力が弱まっているために、長い時間形を保つことが出来ないのだ。
「シャナイア様、ユイマール様。そして、風雅様。それでは…」
つくも神は、優雅に一礼すると、鏡に吸い込まれるようにして姿を消した。
「鑑定が終わりました」
話を聞き終えた風雅が、店の骨董を見ていた客に声をかける。
「それで?」
客はせかすように聞いた。風雅は、先ほどつくも神に聞いたとおりに話す。
風雅の鑑定を聞き終えた客は、ポケットからメモのようなものを取り出して、それを見ながらうなずいた。
「うん。正解だよ、君」
「せ、正解…ですか?」
「そう。手鏡の鑑定は正しいね。いやはや、素晴らしい審美眼をお持ちのようだ!その若さでねえ!!たいしたものだ!!」
「どういうことです?」
紗那と唯が、風雅を守るようにはさんで立つ。
「ああ、驚かせてごめんね。僕はこういう者だよ」
客が差し出した名刺を見て風雅は驚きの声を上げた。
「ええっ!?tokyoTVって、あの?」
名刺には、〈tokyoTV プロデューサー 秋山〉と書かれていた。
「そう。君たちに出てほしいんだ。テレビに」
「ええ〜っ!!」
静かな午後の店の中に、風雅の大声が響いた。
- Re: アンティークFUGA ( No.3 )
- 日時: 2015/07/21 11:32
- 名前: 由孝 (ID: ai5/g0Y4)
アンティークFUGA読んでます!
続き楽しみにしてます(^^*)
- Re: アンティークFUGA ( No.4 )
- 日時: 2015/07/29 16:38
- 名前: あゆりん (ID: CCab1VcE)
一人目のコメント!由季さん、ありがとうございます!
☆ ★ ☆ ★
2 骨董三兄弟、テレビ出演!?
「はぁ…」
秋山の名刺をぼんやりと見つめながら、風雅は本日何度目かのため息をついた。
さっきから、ずっとこの調子なのだ。そんな風雅の様子に、兄たちは顔を見合わせる。
「どうしたのです?風雅」
唯が風雅の顔を覗き込む。
「秋山のことか」
紗那がカップ麺に湯を注ぎながら言うと、風雅は困ったようにうなずいた。
「うん…。だって、テレビだよ?」
「それが、どうした?ニンゲンの職業の一種だろう?」
「まあ、そうなんだけど…」
紗那の反応に風雅は思わず苦笑した。
「なんの問題がある?」
風雅はまたため息をつくと、テレビをつけた。
そしてリモコンを操作し、チャンネルを変える。
テレビからは軽快な音楽が流れ、招き猫やら黒電話やらのセットのスタジオが映っている。
「これがどうかしたのか?」
たずねる紗那には答えずに風雅はテレビの画面を指す。
「この番組!僕らが出るのは、この、『お宝鑑定団!!』だよ!?」
風雅が言うと同時に、画面いっぱいにタイトルが表示された。
「お宝鑑定団!!」は、土曜日の午後3時からの人気番組だ。
視聴者の持ち込んだ骨董をその場で鑑定し、値段を発表する。一万円以下のニセモノもあれば、とんでもなく高い品もでる。
「だから?」
「まったく、紗那兄さんたら。僕らがテレビに出ることになったのは、紗那兄さんのせいなんだからね」
恨めしそうに言った風雅の脳裏には、つい数時間前の出来事が浮かんでいた。
☆ ☆
「ええ〜っ!!」
秋山の言葉に、風雅はひっくり返りそうなほどの大声をあげた。
だが、パニックになったのは風雅だけ。他の三人は極めて冷静だった。
「うるさいぞ、風雅」
紗那が風雅をたしなめる。
「なぜ、私たちがテレビに?」
「うん、それはね…」
唯と秋山は、風雅の様子を気にすることもなく、話を進めようとしている。
「ちょ、ちょっと待ってよ〜!」
風雅が慌てて言うと、唯は不思議そうな顔をした。
「何です?風雅。どうかしましたか?」
(いや、何です?じゃなくてさ…)
「ああ、ごめんごめん。風雅くん。いきなりでびっくりしたよね」
秋山がケロリとして言った。
「そもそも、なんで僕たちなんですか?」
「代役だよ」
あっさりと、秋山は言った。
「代役?」
風雅が問い返すと秋山はうなずいた。
「そう。僕が担当してるのは、『お宝鑑定団!!』っていう番組でね。その中の、『出張鑑定団』っコーナーに出る予定だった鑑定士が、急用で来られなくなった。で、大急ぎで代役を探していた時に、君たちの噂を聞いたんだ」
「なるほど」
唯がうなずく。
「それで、その急用って?病気ですか?」
街中の小さな骨董屋に依頼に来るなんて、よほど急だったのだろう。そう思うと、風雅は心配になってきた。
「新婚旅行だってさ」
そんな風雅の心配をよそに、秋山はのんびりと言った。
「新婚旅行?」
風雅はヘナヘナと座り込んだ。さっきまであんなに心配していたのが、ばかみたいに思えてくる。
「すいませんが、お断りします」
さすがの唯も冷ややかに言ったが、秋山はなおも食い下がる。
「頼むよ、唯くん」
唯がもう一度断ろうとする前に、紗那がきっぱりとした口調で言った。
「オレは、金にならんことはしない」
その言葉に、秋山は逆にニヤッとした。
「もちろん、それなりのお礼をさせてもらうよ。紗那くん」
秋山の一言に、紗那が満足そうな笑みを浮かべる。
風雅と唯はいやな予感がした。だが、ふたりよりも早く、紗那はこう言った。
「いいだろう」
「紗那兄さん!」
風雅が小声で抗議したが、時すでに遅し。秋山は早速書類の束を唯に手渡して言った。
「今回は、北海道。6月の27日だよ」
「はぁ…」
こうなっては、もう引き受けるしかないだろう。
しぶしぶ書類を受け取った唯に笑いかけてから、秋山は帰っていった。
「じゃあ、よろしくね!」
☆ ☆
少し前の出来事を思い出してまたため息をついた風雅の髪をくしゃくしゃとやり、紗那はお決まりのセリフを言った。
「テレビ出演は儲かる!」
☆ ★ ☆ ★
ちなみに、番組名はパクリです。
- Re: アンティークFUGA ( No.5 )
- 日時: 2015/07/30 15:34
- 名前: トバリ (ID: 9GT/oPaY)
大好きだったアンティークFUGAの二次創作があるとは。嬉しいです。
内容も面白いので、これからも頑張ってください。
- Re: アンティークFUGA ( No.6 )
- 日時: 2015/08/24 11:01
- 名前: あゆりん (ID: I69Bg0jY)
トバリさん、コメントありがとうございます!私も、アンティークFUGA大好きです。夏休みは宿題や塾の夏期講習で忙しくて、更新できなくてごめんなさい。面白いなんて…嬉しいです!精一杯がんばります!!
☆ ★ ☆ ★
3 いざ、北海道へ!
「楽しみだね、兄さんたち!僕、北海道ってはじめてなんだぁ」
数日前まで不安そうだった風雅も、北海道行きが近づくにつれ、明るい表情を見せるようになっていた。
「よかったですね、風雅」
唯も、かばんに着替えを詰め込みながら、ニコニコと風雅を見ている。
「また、飛行機で行くのか?」
紗那の問いに、風雅はうなずいた。
「そうだよ、紗那兄さん。北海道は、海をはさんだずっと北側の土地だもの。飛行機で海の上を飛んで行くんだよ」
その答えを聞いた紗那は、げんなりとした顔になった。
木霊である紗那と唯は、肉体という実体を移動させる必要はない。ふたりにとって、狭い機内で数時間もの間空を飛び移動するなど、信じがたい苦痛なのだ。
「あなたのせいですよ、紗那」
唯は紗那に冷ややかにそう言ったが、内心ではため息をついていた。
☆ ☆
「着いた〜!ここが北海道!すごく気持ちいいね、唯兄さん」
空港から出るなり、風雅がはしゃいだ声をだす。
「ええ、風雅。それに自然がとても美しいです」
唯はうなずく。
「ここ、北海道は、日本の北側に位地するため、夏でも比較的涼しく、避暑のために訪れる人も多いそうです」
秋山から渡されたガイドブックを読みながら、唯はあたりを見回した。
風雅の笑顔と美しい自然に、唯は旅の苦痛を忘れられるような気がした。
が、あきらかに機嫌の悪い人物がいた。紗那だ。
「紗那、顔が怖いですよ?せっかく来たのですから、楽しみましょう」
唯がひじでちょんと紗那をつつく。
「うるさいぞ、唯」
紗那が言ったとき、空港から秋山が出て来た。
「やあ、紗那くんたち。さっそくだけど、急いで会場に行こう。車を用意してある」
秋山が指差した先には、黒のワンボックスカーが停まっていた。
風雅たちが車に乗り込むと、秋山はすぐに、車を出すように運転手に指示をした。
「もう撮影なんですか?秋山さん」
風雅がたずねると、助手席の秋山は、後部座席を振り返って首を振った。
「いや、撮影は明日。今日はリハーサルだよ、風雅くん。本番の立ち位置の確認とか、台本のチェックとかね。鑑定する品も見てもらう」
「え?鑑定する骨董って、もう届いてるんですか?」
風雅は意外そうな顔になる。いままで、その場で鑑定していると思っていたからだ。
「そうだよ。ひとつひとつ本番でじっくり鑑定してたんじゃ、時間が足りないよ。先に情報を伝えて、ざっと鑑定しといてもらうんだ。価値の高い品は、鑑定結果を表示する前にCMをいれたりするしね」
「へぇ〜。そうなんだ」
風雅は今まで知らなかった番組の裏の大変さを知り、感心していた。
そうこうしているうちに、車は小さな建物の前で停まった。どうやら、公民館のようだ。
「ここで撮影するんだよ」
秋山が車から降り、正面玄関の前まで案内した。
「ちょっとまってね」
そう言うとひとりで中に入り、しばらくすると老人とともに出て来た。
「彼は、ここの公民館の管理人」
秋山に紹介されて、管理人はぺこりとお辞儀した。風雅と唯も頭を下げる。
「では、今回お借りするホールに案内してください」
秋山が言うと、管理人は歩き出した。
「少し古いけど、結構広いんだね」
風雅が隣を歩いていた唯に話しかけると、管理人が振り返って言った。
「この公民館は、昭和21に作られました。空襲で崩れ落ちたかつての公民館の跡地に、住民たちの手で作られたのです。そのため、当時を生き、戦争を知る者たちは、ここを『平和館』や『終戦館』などと呼んどります」
管理人のその言葉に一同はしんと黙り込んだ。
「そう…だったんですか…」
風雅は暗い声でそう言うと、ふたりの兄を見る。
唯はうつろな目で公民館の中を見渡し、紗那は口をつぐんでそっと壁を触った。
ふたりは永い時を生きてきた木霊。戦争の悲しい記憶をいくつも抱えているのだろう。
「ああ、暗い話をしてしまいましたな。すいません」
重苦しい空気を変えるように、管理人は言った。
「いえ…」
慌てて答えようとした風雅に、管理人はゆっくりと首を振った。
「いや、気にせんでください。戦争を生き残った私たちは、その恐ろしさを伝えるのが使命ですから。きっと私たちは、そのために生かされたのです」
「使命、か…。教えてくれて、ありがとうございました」
風雅が頭を下げた。管理人はにっこりとつぶやいた。
「素直でいい子ですな…。あ、ここです」
管理人は大きな扉の前で足を止めた。
扉の上には、プレートがかかっている。
「ひなぎくホール?ひなぎくって、植物?」
風雅のつぶやきに、管理人が答えた。
「はい。ここにはいくつかのホールや部屋があり、どれも花の名前がついているのです。さあ、どうぞ」
管理人が扉を開ける。
「わあ」
中をのぞいた風雅は、思わず声を漏らした。

