二次創作小説(紙ほか)
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- Duerm@sters -Arcadias Knights-
- 日時: 2015/09/15 14:15
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
装いを新たにと1年以上堂々巡りのOrfevreです。
今作は主人公やストーリーを再び一新したアットスターをお楽しみください。多分、時間的にこれが最後のチャンスではないかと思います。
それでは、あなたの心を温めていられたなら……。
目次
プロローグ:王の煙
>>1
第1話:救世の媒体
>>2>>3>>6>>7
- 第1話:救世の媒体(7) ( No.12 )
- 日時: 2016/01/18 15:06
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: AxfLwmKD)
復讐 ブラックサイコ VR 闇文明 (5)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 7000
進化−自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略−闇のコマンド
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
W・ブレイカー
ブラックサイコが現れた瞬間、ドーム内が禍々しい雰囲気に包まれ、闇が和巳の手札を蝕み始めた。やがて、彼の手札は瘴気に耐えられずに墓地へ叩き落とされる。
「少年よ、この国の王と同じくプレミアムな呪いをかけられているカード、《スケルトン・バイス》というものを知っているか」
和巳の手札を叩き落としたブラックサイコは己の力を誇示するかのように話し始める。
「私は《スケルトン・バイス》同様に、手札を2枚叩き落とすことができる。さらに! 闇のコマンドが攻撃するとき、そのクリーチャーを乗っ取ることができるのだ!!」
侵略。元のクリーチャーの体を乗っ取り、自らのものとしていく力、あの巨大な《テンザン》ですら自らのものとするその強大さに和巳は戦慄する。
「W・ブレイク」
ブラックサイコが剣を振るうと、その衝撃波が和巳を守る2枚の盾にヒビを入れ、砕く。
破片は光の束となって和巳の手札に還ると、光を失って元のカードに戻ってしまった。
「どうやら、S.トリガーは出なかったようだな。それなら話は早い、《ヴィシャス》でW・ブレイク」
《ヴィシャス》が和巳の元へ攻め込みと、足元の骸骨が和巳の手札を1枚噛みちぎり、そのまま墓地へと放り込んだ。
「《ヴィシャス》が攻撃するとき、その骸骨がそなたの手札を透視し、1枚噛みちぎるのだ」
ブラックサイコがそういうと、和巳のシールドは再び砕かれ、手札へと還る。しかし、反撃に繋がるようなカードは全て墓地へと落とされていた。
「《超次元エナジーホール》、1枚ドローしてから《勝利のリュウセイ・カイザー》をバトルゾーンへ」
次のターンでの展開を防ぎ、次ターンをしのぐ確率を上げようと目論む和巳、だが、ブラックサイコはそれをわかっているかのように和巳へいい放つ。
「私に挑んできた度胸は誉めてやろう。しかし、 ここまでのようだな」
「まずはマナをチャージ」
ブラックサイコがマナをチャージする。マナにおいたカードは《破壊者 シュトルム》、先ほどまでとは違う火のカードだ。和巳はその行動を不審がる。
「《盗掘人形モールス》召喚。墓地から《百万超邪クロスファイア》を手札に加えてそのまま召喚」
屍の山を盗掘し魂を掘り当てる人形《モールス》によって、天衣無縫の龍《クロスファイア》がブラックサイコの兵としてバトルゾーンに降り立つ。
「さらに、《モールス》を進化《夢幻騎士 ダースレイン》。山札の上から3枚を墓地に置き、《暴走龍5000GT》を手札に戻す。残念ながら召喚はできないがな」
鋼の眷属にまたがり、屍を引き連れる騎士《ダースレイン》。彼が引き連れた《5000GT》こそ呼び出せないが、ブラックサイコには十分な打点が揃った。
「ブラックサイコ三銃士と天衣無縫の龍、これだけのクリーチャー相手にそなたは逆転できようか! まずは《クロスファイア》で攻撃」
クロスファイアがブレイクしたシールドの破片は再び光の束となり和巳の手札へ還るが、光は消えない。和巳はそのカードの名を高々と宣言した。
「S.トリガー《チャケの応援》!」
最後のシールドが破られると同時に、1体のクリーチャーが現れ、和巳にエールを送りながら、ブラックサイコ3銃士を挑発する。その挑発にのったブラックサイコ3銃士は和巳に対する攻撃を忘れてしまったのだった。
《チャケの応援》により和巳は1ターン辛うじて生き延びることに成功する。しかし、ブラックサイコは余裕を崩さない。
「ほう、しぶといな。しかしリュウセイ1体とその貧相な手札で逆転できるものか」
確かに和巳の場にはリュウセイ1体しか場におらず、和巳の手札も1枚のみである。1ターンでの逆転は難しい。
「ああ、1ターンじゃ無理かもな、でも2ターンならどうかな?」
和巳がカードを引くまえに、和巳は不敵な笑みを浮かべてブラックサイコに切り返す。
「主役というのは、遅れて現れるんだ。閃光発動!《リュウセイ》を破壊して《氷麗姫シンデレラ》をバトルゾーンへ!」
- 第1話:救世の媒体(8) ( No.13 )
- 日時: 2016/01/10 04:33
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: eIGY/Ct6)
「《破壊者 シュトルム》!」
「お待たせしました和巳さん」
和巳のカード名をいう間にエプロン姿の《氷麗姫シンデレラ》こと、エリスがバトルゾーンに登場すると、エリスの服に魔法の光が包まれ、彼女は先程まで着ていた水色のドレスを身にまとう。
閃光が生み出す魔法により彼女の召喚酔いは解けていった。
「さて、この魔法は12時までですよ。和巳さん、急ぎましょう!」
エリスの呼び掛けに対して、和巳は展開を開始する。
「《龍覇M・A・S》を召喚、《ヴィシャス》をバウンスして《エピテゴラス》をバトルゾーンへ、そして《氷麗姫シンデレラ》でW.ブレイクだ。」
和巳の宣言にも、エリスの攻撃にも、ブラックサイコは余裕を崩さない。
「……ターンエンド」
勝ち誇ったようなブラックサイコ相手に和巳は静かにターンを終える。しかし、その時ブラックサイコに戦慄が走る。
「カードが引けない!?」
和巳のターンは終わった。それなら次は自らの、彼にとどめを指すターンであるはず、それなのに、なぜ自分のカードが引けないのか。その時、和巳が呟いたカードの名前を思い出す。
「残念だったな、魔法が12時までなら、時間を引き延ばせばいいんだよ!」
和巳はブラックサイコに力強く宣言して、カードを引く。彼のエクストラターンが始まる。
氷麗姫シンデレラ 水/火文明 (7)
クリーチャー:スプラッシュ・クイーン/プロタゴニスト 7000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■閃光ー自分のターンのはじめに、水のコスト6のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、このクリーチャーを手札からバトルゾーンに出す。このようにしてバトルゾーンに出たクリーチャーは召喚酔いしない。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、カード名を選んで言い、自分の山札の一番下のカードを見る。それが選んだカードであれば、それを相手に見せてから山札に加えてシャッフルし、このターンの後に自分のターンを行ってもよい。
W・ブレイカー
魔法が12時に解けるなら、その到来を遅らせる。それがエリスの選んだ戦い方、エクストラターンであった。
「《エピテゴラス》の効果で1枚追加ドロー、さらは呪文《サイバー・ブック》」
和巳は先程と同じ呪文を唱える。しかし、和巳にとって重要なのはカードを3枚引くこと、さらに言えば、ターンはじめのドローと合わせて5枚引くことなのだから。
「呼び起こせ、知識と本能と龍の血を、龍解《最終龍理Q.E.D.+》」
知識を蓄える中で目覚めていく、竜としての血と本能、その姿こそが《Q.E.D.+》なのであった。
「《Q.E.D.+》でW.ブレイク」
「《M・A・S》でシールドをブレイク」
知を極めし龍とそれを呼び起こす龍の使い手はブラックサイコの縦をすべて打ち砕く。最後のシールドは光を放つがそこにブラックサイコへの希望はなかった。
「S.トリガー《破壊者 シュトルム》。《M・A・S》を破壊」
革命、無法者達が望んだもの、法に縛られぬ刺激的な世界。その世界に思いを馳せたアウトレイジが《シュトルム》。弱者へと炎を撒き散らし、《M・A・S》が破壊された。しかし、まだ和巳の場にはエリスがいる。彼女を破壊できる手段をブラックサイコは得ることが出来なかった。
和巳は宣言する。
「《シンデレラ》でダイレクトアタック!」
ブラックサイコはついに、シンデレラの魔法に屈したのだった。
- Re: Duerm@sters -Arcadias Knights- ( No.14 )
- 日時: 2015/11/14 00:49
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: arA4JUne)
文化祭一日目、いわゆる前夜祭を終えました、モノクロです。明日から本祭です。気合はなくしました。
とまあそんなことはさておき。
とりあえず、まっさきに思ったのは、カードの解説と文章の間は、ちゃんと空けた方がいいですよ。
解説と本文が繋がってしまって読みにくくなってますし、見た目も美しくないです。加えて、カードの解説でない部分も、不自然に一行空けていたりするので。
でまあ、ハンデスを多用する準黒単ビートな《ブラックサイコ》さん。黒単ビートはなかなかいいです。相手にアドバンテージを与えず殴れるって、やっぱり強いですね。
それと、侵略という能力を、強化や進化ではなく、元のクリーチャーを乗っ取る、という表現も独創的で面白いと思いましたね。侵略元にしているのが、本来は革命軍サイドであるだろう《テンザン》だからこそ、といったところでしょうか。
しかし、《クロスファイア》までならともかく、《5000GT》までいるとなると、黒単ビートというより、赤黒の墓地ソースって感じですね。ダースレインビートに近い感じでしょうか?
という考察をしつつ、《デス・ゲート》からのお助け《クロック》さんで難を凌ぐ和巳。まあ、こいつ見るたびに、作品的には本当に便利な一枚だなー、って思いますね。良くも悪くも。
そしてそこから繋がる《シンデレラ》。どうでもいいですけど、カードとしての呼称と、作中での呼称、具体的には《シンデレラ》とエリスですけど、統一した方が分かりやすくないですか?
ついでに、能力説明において、比喩として12時というワードが使われていますけれど、何度も見聞きしているモノクロならともかく、一般的にはちょっと伝わりにくい気もします。いきなり引き延ばせばいいと言われましても……って思うんじゃないでしょうかね。
あと、わりとどうでもいいですけど、《ブラックサイコ》の「カードが引けない!?」はちょっと面白かったです。若干場違いというか、空気を崩す感じの発言ですが、軽く笑いました。
なにはともあれ、ラストは《スクランブル・タイフーン》からの《クロスファイア 2nd》を絡めて、《シンデレラ》でフィニッシュ、ですか。《シンデレラ》と一緒になって出て来るのは《クロスファイア 2nd》というのが、なかなかいい味出してますね。
とにもかくにも、ブラックサイコを打倒した和巳らですが、こいつはほぼ噛ませ犬で、この対戦もチュートリアル感ありますし、作品としてはこれからですよね。まだ世界観、敵勢力、そして和巳や《シンデレラ》自身についても語られていませんし。
世界観が結構独特で、分かりやすい三勢力による三つ巴の構図。モノクロとしても好きな部類の対立構造になっているので、今後の展開には期待しています。
今度はどのような敵が出て来るのか。また、味方勢力の人間(?)関係、敵勢力の内情など、そのあたりも気になるところですね。
モノクロとしては破格、というか自分でも驚くほど短くまとまりましたが、今回はこの辺で。1300程度って、逆に内容が淡泊になっていそうで、失礼になってないか心配ですね……まあ、今回はちょっと急ぎ足なので、見逃してくださると助かります。
ではでは。
- Re: Duerm@sters -Arcadias Knights- ( No.15 )
- 日時: 2015/11/14 08:01
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: MXjP8emX)
モノクロさん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ブラックサイコが扱ったのは準黒単ダースレインビートで、赤は完全にタッチです。(シュトルム、クロスファイア、5000GTのみ)
当初はもう少し別のデッキでしたが、《テンザン》で増えた墓地を活用しないのは勿体ないとダースレインビート型に切り替えたという裏があったりなかったり。
「カードを引けない!?」はエクストラターンの演出に悩んだあげく、結構単純なものになりましたが、笑いをとれたので結果オーライとしておきますか。
まあ、今後にも期待しておいてください。なろうサボってるのでそっちも更新せねばですけどw
- 第1話:救世の媒体(9) ( No.16 )
- 日時: 2015/11/22 23:22
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: UbyZEBNe)
和巳とブラックサイコを包んでいたドームが開かれていく。そのドームが開かれると共に、馬に乗った乗った騎士がその場を離れていく。その様子を見ていた鎧姿の和巳は、街の中心部に戻ると街の人から歓迎された。
「あなたはこの街を救った英雄です」
「ありがとうございます。敵国の軍を追い払ってくださって」
祝勝会といった感じで街の広場はお祭り騒ぎになり、その輪の中心には和巳がいた、あの日以来、自分の周囲が賑やかになることなんてなかった。そんなことを思いながら、彼は祝福の舞などを見ていた。
街の喧騒が収まり、住人たちが眠りについてる頃、和巳はどこかへと姿を消した。
「ふむ、ご苦労だった和巳よ」
和巳の目の前にはクイーンが立っていた。相変わらず、兜をつけたままで、声や体つきでしか女性と判断できない。クイーンは話を続ける。
「いきなり事情も話さないまま、戦いの場に出してしまったことは申し訳ない。しかし、我が軍はそれだけ窮地にたたされているということだ」
「軍? 窮地?」
クイーンの説明に和巳は困惑する。確かに街の人も「敵国の軍」という単語を使っていたが、この国はどこかの国と戦争状態なのだろうか、和巳は勘繰り始めると、和巳とクイーンのいる部屋に一人の槍を持ったクリーチャーが現れる。
「クイーン様、会議の時間にございます」
「和巳、私はこれでいかなければならないので失礼する」
胸に手を当て立て膝をするクリーチャーを横目にみたクイーンは、和巳に別れを告げ、彼を元の世界へと返した。
「ん……?」
和巳が目を覚ますと、窓から朝日が差し込んでいた。そうか、夢か。そう思いながら二度寝しようとする彼に、昨夜聞いた声が聞こえる。
「おはようございます。和巳さん」
和巳が振りかえると、そこには夢らしきものの中に出てきた少女が立っていた。和巳は自らのほほをつねった。痛みを感じる、昨日のことは現実だったのだろうか、和巳は少女に名前を尋ねた。
「私は《氷麗姫シンデレラ》、エリスと呼んでください」
少女の答えから和巳は確信する。あれは夢ではなく、現実に起こったことなのだと……。
そして、この和巳とエリスの出会いが運命を根幹から揺るがそうとしていることにまだ誰一人として気がついていないのだった……。
「ブラックサイコ、それは本当か」
ある城のカンテラにともされた一室、幕の奥から男の声がする。ブラックサイコと呼ばれた相手は幕の向こうの男へと語りかける。
「私はこの目で確認してまいりました。間違いなく、キングの遺した御伽の力です」
「本来なら、罰を下す場面であるが、その情報に免じて今回は赦す。その少年とやらは次の刺客に仕留めてもらうとしよう」
男から許しの言葉を得て、ブラックサイコは幕の向こうの男に対して頭を下げる。
「ありがとうございます。マナロック様……!」