二次創作小説(紙ほか)
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- Duerm@sters -Arcadias Knights-
- 日時: 2015/09/15 14:15
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
装いを新たにと1年以上堂々巡りのOrfevreです。
今作は主人公やストーリーを再び一新したアットスターをお楽しみください。多分、時間的にこれが最後のチャンスではないかと思います。
それでは、あなたの心を温めていられたなら……。
目次
プロローグ:王の煙
>>1
第1話:救世の媒体
>>2>>3>>6>>7
- 第1話:救世の媒体(1) ( No.2 )
- 日時: 2015/09/15 14:11
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
都内某所の高級マンション、学生服を着た一人の少年が家を出る。だが、それを見送る声はない。彼は1人暮らしで都内の高校に通っていた。名前は水川和巳、家が裕福なことを除けば、どこにでもいる高校1年生であった。
ただ、1人暮らしということもあってか、その生活はお世辞にもいいとは言えず、不摂生にして不規則、自堕落と呼んで差し支えなかった。
「久しぶり、和巳」
登校中の和巳に親しげに声をかけた一人の少年、同じ制服を着ており、彼に駆け寄ってくる。和巳は少年と並ぶと彼に返事をする。
「おす、隆夫」
彼の名前は岡隆夫、彼は軽音楽部に所属しており、バンド「night」でギターとボーカルを担当している。人当たりが良く、和巳とも仲が良かった。
「珍しいな、和巳がこんな時間に来るなんて」
「ああ、今日は日直だからな」
隆夫はそういって、和巳の朝の登校を珍しがる。和巳は自堕落な生活故に遅刻や欠席も多く、校内では問題児扱いされていた。しかし、日直をサボるのは和巳も気が引けたようで早めに来ている。そして二人はクラスが違うので、登下校時を除けば、なかなか話す機会がなかった。
二人はそのままたわいもない話しをながら登校する。昇降口で上履きに履きかえると、職員室に向かう和巳を隆夫は見送って教室に向かう。そして、教室に向かう階段でつぶやく。
「和巳……。どうしたら、君は立ち直れるんだ?」
- 第1話:救世の媒体(2) ( No.3 )
- 日時: 2015/10/12 15:44
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: WqtRIGcg)
日直の仕事を終えると和巳は下校し、街へと出る。何かをしたいわけではない。ただ、何かをしてないと落ち着かない。今のままではだめなのだと、和巳はわかっているのかもしれない。それでも、和巳には何もできずにいるという現実だけがあった。
何かをしなくてはいけないことはわかっても、何をすればいいのか、わからずにできないままでいるというのは誰もが一度は直面する事態だろう。
「(裏切られた希望に、なんですがっているのだろう)」
和巳は今日も何かを訴えるかのように、何かを押し殺すかのように街をさまよっていた。
駅前にたどり着くと、一人の男性が路上ライブを行っている。ギターを片手にラブソングを奏でる青年。道行く人は彼を素通りする。数人がギターケースにチップを投げるくらいであった。和巳はそんな彼を見て、こう毒づく。
「(ふん、さっさと諦めろよ。アンタにプロは無理だ。まじめに働いてる奴等からしたら、アンタなんてダニ同然、素通りされて当然なんだよ)」
和巳がその男の横を素通りしようとすると、和巳に男の声が聞こえた。
「(ダニは貴様の方だろ? 少なくとも、あの男は自分に素直なのだからな)」
「(だ、誰だ!?)」
和巳はあたりを振り返るが、誰もそれらしき人物はいない。気味が悪くなった和巳は寄り道せずに帰宅する。
「おかえりなさい」
帰宅した和巳に聞こえるはずのない声がする。また空耳か、和巳はそう思ったが、キッチンの方で音がする、和巳は恐る恐る、キッチンの方を除くとそこには一人の和巳と同い年くらいの女の子が立っていたのだった。
「はじめまして、和巳さん」
- Re: Duelm@stars ( No.4 )
- 日時: 2015/09/14 01:22
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
どうも、タクです。宣言どおりやってきました。
まず、ストーリーを見るに既存のクリーチャーがメインというか、そんな印象を最初に持ちましたが、どうやら違うっぽいですね。
多色が今作のメインの味方サイドと捉えて良いのでしょう。しかしまあ、安定のマナロックよ。やっぱお前は悪役が似合うわ、うん。
プロローグはまさに、御伽噺といった感じでしょう。良いんじゃないですか。
さて、そこから本編に入りますが、主人公は何らかの心の傷を負って自堕落な性格になってしまった、水川 和巳ですが、こういう皮肉染みた人物って嫌いじゃないです。まあ、何より謎の男の声が気になるところではありますが。
とはいえ、まだ物語が見えていない状態。最後に現れた謎の少女も含め、これからどうなるか楽しみなところです。
それでは、また。
- Re: Duelm@stars ( No.5 )
- 日時: 2015/09/14 01:31
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: dUayo3W.)
タクさん
コメントありがとうございます。和巳はわたし自身をそのまま男子高校生に置き換えたようなものです。さすがにそこまで裕福な家ではありませんがw
さて、謎の男ですが……。まあ、彼は和巳をダニ扱いしてますからね。その辺が鍵になるでしょう。
そして、謎の少女はもちろん(?)あの子です。
それでは、この辺で
- 第1話:救世の媒体(3) ( No.6 )
- 日時: 2015/09/15 14:08
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
「私はエリスです。よろしくお願いします」
そういって、少女は和巳に頭を下げる。だが、和巳はいきなりの急展開についていけるはずもなく、少女に問いかける。
「えっと、君は一体、何者なのかな?」
「あ、少し待っててください、もうすぐできますので」
少女がそういうと、フライパンを開ける。そこにはおいしそうな魚の蒸し焼きがあった。エリスと名乗った少女は、それにソースや野菜を添えて盛り付ける。
「さて、着替えてきてください。夕食にしますので」
少女に誘導されるように、和巳は着替えて、久方ぶりの一人ではない夕食に向かった。
「いただきますは?」
箸を取ろうとする和巳に、少女はダメ出しする。和巳は一瞬、苦虫をつぶしたような顔になる。しかし、目の前の少女の手前、食べるわけにもいかず。「いただきます」と口にするのだった。
「ごちそうさま」
和巳と少女の夕食が終わる。少女はお皿を下げ、そのまま、皿を洗いはじめる。和巳はそれが終わるのを見計らって声をかける。
「うまかったよ、エリス……だっけか?」
「もう名前を覚えてくれたんですね、ありがとうございます。」
エリスはそういって、頭を下げると、金髪が揺れる。エリスは頭を上げると、和巳に改めて自己紹介をする。
「私は《氷麗姫シンデレラ》、本名はエリスです」
突然且つ謎の宣告に、和巳は一瞬冷めた表情をした後、スマートフォンを取り出す。だが、その時、再び、あの男の声がする。
「ダニの貴様には、話が分かりにくかったかな?」
「やめなさい、ゾルゲ」
男の声が聞こえるのか? 確かにエリスはあの男の声と会話していた。もしかしたら、この子は何かを知っているのかもしれない。そう思ってるとエリスが口を開く。
「ごめんなさい、今の私のお供のゾルゲです。彼はこちらの世界には姿を現せなくて、でも直接脳内に語りかけてくれるので、そんなに気にしないでください。私には聞こえますし」
ゾルゲ、確かにそのフレーズに記憶がある。だが、それはデュエルマスターズというカードゲームでの話だ。そんなことを和巳が思っているとゾルゲは言う。
「今、貴様が思った通りだ。ダニのくせに少しは頭が回るな」
「とりあえず、話は後です」
エリスがそういうと、和巳の手を取る。そして、エリスと和巳は部屋から消えた……。