二次創作小説(紙ほか)
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- Duerm@sters -Arcadias Knights-
- 日時: 2015/09/15 14:15
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
装いを新たにと1年以上堂々巡りのOrfevreです。
今作は主人公やストーリーを再び一新したアットスターをお楽しみください。多分、時間的にこれが最後のチャンスではないかと思います。
それでは、あなたの心を温めていられたなら……。
目次
プロローグ:王の煙
>>1
第1話:救世の媒体
>>2>>3>>6>>7
- 第1話:救世の媒体(4) ( No.7 )
- 日時: 2015/09/15 14:04
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)
和巳は気がつくと、ゲームに出てきそうな建物の一室にいた。厳かで重厚な雰囲気が流れている。
「ふむ、そなたが和巳だな」
和巳は目の前の兜を被っている女性に声をかけられる。顔は見えないが、声や体つきが女性であることを示していた。
「む、申し遅れたな。私は《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》。クイーンと呼んでくれ」
そう言って先程の女性、クイーンは和巳に一礼する。クイーンとだけあって様になっており、その流麗さに和巳は息を飲む。その様子を見ていたエリスは和巳を小突き、クイーンに話の続きを促す。
「さて、ある程度は理解していると思うが、私もクリーチャーだ。さしずめ、ここはクリーチャーの住む世界といったところだな」
クイーンは話を再開する。クリーチャーの住む世界、それはフィクションではないのか、和巳は自らのほほをつねる。しかし痛い。夢ではないのか、和巳は疑心暗鬼になる。
「まあ、飲み込むにはそれなりに自身がかかるだろう、案ずるな」
そういうとクイーンは言葉を止める。そして、和巳を見つめてから口にする。
「まだ事態は飲み込めていないようだが、事態は一刻を争う。習うより慣れろだ。和巳、これから戦場に出てもらうぞ、その姿で戦場に向かわせられないからな」
クイーンがそういうと同時に、和巳の周りを光が包む。光が止むと和巳は黄金の鎧と青いスカーフを身に付けていた。
「……!」
和巳の姿を見たクイーンは驚いた様子で和巳に声をかける。
「その鎧はキングの一張羅、滅多に着ることのない取って置きだった……」
懐かしむような声で、クイーンは鎧をまとった和巳をみている。
「似合ってますよ、和巳さん」
和巳はエリスに声をかけられ、エリスの方を見る。いつの間に着替えたのだろうか、エリスは先程までのエプロン姿ではなく、水色のドレスを着ており、ガラスの靴を履いていた。
「あ、ありがとうな……」
和巳はむずがゆい感情を覚えながら、エリスに返答する。その様子をみて、クイーンは咳払いののち、和巳に何かの束を渡す。
「ここはクリーチャーの住む世界、直接戦うことの出来ないそなたにはエリスとその配下の指揮をとってもらう。そなたの世界における我々のように、このデッキを使ってくれ」
和巳がクイーンから差し出されたデッキを受けとると、そのデッキの上にエリスが手をおく。
「和巳さん、私もあなたにこのデッキやみんなを託しますから」
エリスは和巳にそういうと、カードの姿へ変化してデッキに加わった。
「それでは出撃の刻だな、そなたのよりよい報告を待っているぞ和巳」
刹那、和巳はクイーンによって戦場へと飛ばされたのだった。
- 第1話:救世の媒体(5) ( No.8 )
- 日時: 2015/11/08 22:07
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: dUayo3W.)
「何が起こるんだ。見るからに平和じゃないか」
クイーンに戦場へ飛ばされたはずの和巳はどこかの街に来ていた。しかし、街の様子を見る限り、それなりににぎやかで争いをしているようには見えない。和巳は街を歩きはじめる。どうやら、近くに山が見える。恐らく、石炭などの資源に関する重要な拠点なのだろう
「もしかして、あなた様がクイーンからの援軍でしょうか?」
街人(クリーチャー?)が和巳に声をかける。和巳は一瞬、困惑したが肯定の回答をする。すると和巳は街の中で一番大きな建物に案内される。
「町長、クイーン様からの援軍がやってきました」
街人は奥に座っているクリーチャーに声をかける。そのクリーチャーは窓を見ており、街人に声を上げる。
「西の方から侵略者の軍が来たぞ! ゲット、彼をその場所へ案内しなさい」
町長にゲットと呼ばれた街人は、和巳を連れて走り始める。そして、街の最西端を目指す。目的地の方では悲鳴が上がり始めている。一刻も早く、ゲットは和巳を戦地へと連れていくべく、走っていった。
「オラオラ、ブラックサイコ様のお通りだ。この炭鉱を奪いに来たぜ」
「さ、せるか、よ……」
息切れしているゲットがブラックサイコをリーダーにした侵略者たちに立ち向かう。和巳はあまりのスピードで連れまわされたため、目をまわしている。
「まさに小さな勇者だな、だが、勇気だけで俺たちは止められないぞ!」
ゲットが突き飛ばされ、和巳もろとも地面に叩きつけられる。その衝撃で和巳は目を覚ますが、なかなか立ち上がらない。すると、再びゾルゲの声が聞こえてくる。
「(ふん、所詮ダニはダニなんだな、与えられたこともできないやつがやりたいことをできるはずないんだよ)」
「(うるさい、お前にオレのなにが分かるんだ!)」
ゾルゲの発言に和巳は苛立ったかのように反論する。
「(悔しいならそいつを倒してみろ、クイーンから与えられたのはそいつを倒すことだろ?)」
ゾルゲの声はそこで途切れるが、和巳は立ち上がった。
「おい、お前たちがなぜ攻めるのかは知らん、だが、オレを倒してからにするんだな!」
ゾルゲの挑発にのり、和巳はブラックサイコたちに戦いを挑む。
「威勢がいいな、その威勢に免じてこのブラックサイコ自らが相手をしてやろう」
和巳がデッキケースからデッキを取り出すと、ブラックサイコの兵がカードとなって彼の手に収まる。
向かい合う両者。お互いのデッキが動き始め、それぞれに5枚のカードが渡る。今までに見たことがない光景に和巳は息を飲む。次に両者の目の前に5枚のシールドが並び、最後に二人をドーム状のバリアが包んだ。
「さて、私の後攻か」
和巳とブラックサイコ、二人のデュエルが始まった。
- Re: Duerm@sters -Arcadias Knights- ( No.9 )
- 日時: 2015/09/17 19:49
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: arA4JUne)
夏休みが今日で終わるモノクロです。やっと終わると思う反面、やっぱり休みが去っていくのは悲しいです。でも、授業日が恋しくなったりする自分は、きっと学生の中では異端者なのでしょう。
そんなことはさておいて、ちゃんとした形では初コメです。知り合いのところに行くと、どうしても粗探しするみたいに悪いところをちょいちょい言ってしまうので、今回はそういうのはできるだけだしで行こうと思います。言うなら雑談板とかvaultとかで。
では、本編のほうに移りますが、とりあえずプロローグで、敵は革命軍と侵略者、という説明がなされていますね。凄いざっくりした解釈ですが。
侵略者が敵対するのは、まあ王道的展開になぞらえれば当然として、革命軍も敵に回るのは少し斬新かもしれませんね。ただ、そのトップが《ネロ・グリフィス》というのがなんとも……まあ一応、光と闇は革命軍の主力ですし、その両文明を持っている《ネロ》が革命軍側というのも、分からんではない、のかなぁ?
ただ革命軍は侵略者よりも多色で組んだ方が良さそうな種族ではありますよね……まあ、それはクラッチもどきという能力の性質に由来するところなのでしょうけども。
なんにせよ、革命軍と敵対することについては結構興味がありますが、相手は元々臣下だったわけですし、あるいは、という展開もあるんですかね……その辺も楽しみにしておきましょう。
一方、侵略者側は《マナロック》……あー、はいはい。そうですね、あいつですね。
個人的に、あいつは単色の味方ではなく多色の敵という認識が一番だと思うのですが……まあそんなことはどうでもいいですか。
単色推しの環境は悪くないと思いますし、モノクロとしても侵略者たちは結構好きで、期待しているのですが、トップが《マナロック》というと……素直に応援というか、期待をかけれない。
流石に《マナロック》がとっとと失墜して別の指導者が出て来て欲しいだなんて失礼すぎて言えませんが、とりあえず《マナロック》には期待しないでおきます。でも侵略者のみんな、頑張れ。こっちは応援してます。
まあ、実際に応援すべきは王国側なんでしょうけどね。
しかし侵略者側で真っ先に出て来るのは《ブラックサイコ》ですか……なんか納得。なぜだか闇の侵略者は、妙な噛ませ感がある気がします。実際に噛ませになるかどうかはさておき。
《ブラックサイコ》と言えば、順当に行けば闇単ビートか、環境意識で行くならデアリ次元侵略といったところでしょうが、どんなデッキなんでしょうね。
……そう言えば、このサイトのデュエマ小説の中で、真っ先に革命編のギミックを用いるのって、もしかしてこの作品が初だったり?
それはそれとして、やはり対戦描写が個人的にはかなり気になるところと言いますか、どのようなデュエル展開を見せてくれるのかに、期待がかかりますね。
じゃあ、今回はこの辺で。文字数もいい感じですし。
ではでは。
- Re: Duerm@sters -Arcadias Knights- ( No.10 )
- 日時: 2015/09/17 20:04
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: dUayo3W.)
モノクロさん、レスありがとうございます。
こちらも夏休みはもうすぐ終わります。
「休みが来てずっと休みだったらいいのにな」とも思えますが、実際休むとそうでもないような気がします。
とりあえず、和巳の初デュエルは楽しみにしていてください。
それでは、飯落ちです
- 第1話:救世の媒体(6) ( No.11 )
- 日時: 2016/01/10 04:20
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: yLuSZds4)
和巳とブラックサイコのバトル、共にシールドは5枚、和巳の場にはなにもおらず、ブラックサイコの場には《一撃奪取 ブラッドレイン》が存在する。
「オレのターン、《霞み妖精ジャスミン》召喚、こいつを破壊してデッキトップをマナに入れ、ターンエンド」
和巳はデュエルマスターズに打ち込んでいた少年期を懐かしむかのように笑みを浮かべた。しかし、それも間もなく自嘲するするような笑みへと変わっていく。
「(ガキの頃はこうして楽しくやってたのにな)」
そんな和巳の様子を気にもかけないで、ブラックサイコは自らの山札からカードを1枚引く。
「さて、私のターンだな、《不吉の悪魔龍 テンザン》を召喚」
不吉の悪魔龍 テンザン VR 闇文明 (4)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 13000
T・ブレイカー
このクリーチャーは、可能なら毎ターン攻撃する。
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から13枚を墓地に置く。
ブラックサイコの場に現れたのは、13という縁起が悪いとされる数字にやたら縁が深い不吉な悪魔龍、《テンザン》。4コストパワー13000の破格の数字を持つ反面、毎ターン攻撃によって山札を13枚墓地に送る必要があるかなりクセのあるクリーチャー。
「私のターンは終了だ」
「オレのターン、チャージして4マナ、《サイバー・ブック》でカードを3枚引いてから1枚を山札の一番下におかせてもらう」
手札を拡張してターンを終える和巳に対して、ブラックサイコは口を開く。
「私のターン……の前に、このドームについて話してやろう、少年よ」
ブラックサイコはカードを引くと、和巳に今いるドームのことを話し始める。彼によるとこの世界のクリーチャーたちは一見、普通に生活をしているが、そのままではカードとしての力は発揮できず、戦う際にはカードの姿にならなくてはならないらしい。それを聞いた和巳は、先ほどエリスがカードになってデッキに挿入されたことを思い出していた。そして、ブラックサイコは続ける。
「さらにカードとしての力を発揮するためには、カードを扱える媒体が必要なのだよ。それには2種類ある……」
1つ目は和巳のような異世界の者、そして、もう1つを明かそうとしたときブラックサイコは誇らしげにいい放つ。
「この私のような優れた能力を持ったクリーチャーであることだ。話はここまで、私のターン、《ブラッドレイン》を進化、《夢幻騎士 ヴィシャス・デスラー》」
夢幻騎士 ヴィシャス・デスラー VR 闇文明 (4)
進化クリーチャー:ダーク・ナイトメア 6000
進化−自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、相手の手札を見て1枚選び、捨てさせる。
W・ブレイカー
現れたのは骸骨にまたがる騎士《ヴィシャス》、彼の足元の骸骨は飢えている様子で和巳を見つめる。その獲物を捉えるような視線から和巳は目を背けようとする。その和巳に対してブラックサイコは話し出す。
「目を背けても、所詮は一時しのぎ。まあ、見ておくがよい。まずは《テンザン》で貴様を攻撃、そして、侵略。出でよ我が分身!《復讐 ブラックサイコ》」
その刹那、巨大な龍は騎士へと姿を変え、空気が闇へと染まった……。