二次創作小説(紙ほか)

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東方 夢想朱
日時: 2016/08/31 05:53
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)

初めましての方は 初めまして。
そうでない方は改めまして 瑠愛(るあ)と言う者です。
今回は「東方Project」の二次創作を書いていこうと思います。
タイトルを見てもらうと分かる通り 霊夢を中心に書いていきます。
主なキャラクターとしては魔理沙が出てきます。
ちなみにオリキャラを登場させるつもりなので人物設定あげておきますね。
それでは注意事項&人物設定です。


注意

○東方Project二次創作
○原作とは異なる設定
○激しいキャラ崩壊
○霊夢中心
○ギャグ1 シリアス9


人物設定

博麗霊夢:本作主人公。いつもの喜怒哀楽さは無く ただ無情。日常の風景に慎ましさを感じる。

霧雨魔理沙:霊夢の古くからの親友。ムードメーカーであり 彼女の前だけでは霊夢も笑う。何に関しても無情な霊夢を何とかしてやりたいと思っている。

月白美月:本作オリジナルキャラクター。普段は里の大人しめの普通の少女を演じているが 本当の姿はまだ誰にも見せてはいない。ある理由で霊夢を恨んでいる。


ここに出ている人物は本当に主要キャラの少人数ですが 物語が進まるに連れてこちらも増やしていくので 確認をしてくれるとありがたいです。
では 霊夢の心情と美月の正体を予想しながら見てくださいね。


スペシャルサンクス

○どんどんコメントください。


目次

○序章…>>1

○第一章…>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9




Re: 東方 夢想朱 ( No.9 )
日時: 2016/08/30 08:50
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


少女は、静かにそう言う。
人里までの、小さな森を歩く。

「あんまり強そうじゃなかったけどなあ……」

足首の小さな鈴が、チリンチリンと音を立てた。
少女は思う、先程の霊夢と魔理沙の戦いを見て、本当にアレはあの時の博麗の巫女なのか、と。
憎ましい、博麗の巫女。

「本気にも見えなかったけれど……でも、必ず復讐してやる」

少女の声が、黒くなる。
嫌な嫌悪が、少女の脳裏に過ぎる。
目の前に広がる赤。赤。赤。
その赤を、頬にだけ染める冷酷な少女が一人。
少女の記憶には、その赤と、冷酷な少女がグルグルと渦を巻くように頭に響く。

あの日、何故__________?

「関与したヤツも、巫女の仲間も、お姉ちゃんを殺したあの巫女も」

少女は思う。
大切な人が真っ赤に染めながら言った言葉。


「殺す」


ごめんね。

Re: 東方 夢想朱 ( No.10 )
日時: 2016/09/07 23:07
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


第二章


魔法の森を抜け、妖精が住まう湖の先にある館、紅魔館。
その紅魔館の長い廊下を私は足音だけを立てながら歩く。
赤く続くその廊下の先には私の身長などとうに超える大きな扉。
ギィと不可解な音を立てながら、目の前に飛び込んできた光景はズラリと本が並べられた大図書館。

「あら、珍しいわね」

そこで真っ直ぐと正面を向くと、大図書館の中央に何冊も重ねられた本が置いてある机の椅子に座っている紫髪の少女が一人。
紫髪の少女がぼんやりとこちらを見てくる。

「別に。少し調べたいことがあって」
「……本は汚さないでよ」

少女は何かを言おうとしていたが、それを伏せた。

「はあ……アンタも大概ね」

私は呆れたように少女に言った。
少女__________大図書館の魔女、パチュリー・ノーレッジ。
パチュリーの言いかけた言葉はきっと、魔理沙のことだろう。
毎日毎日飽きずにこの図書館に来ては、本を盗み、しまいには「死ぬまで借りてくぜ」とまるで決めゼリフのように立ち去っていく。
それでも本来なら魔女の方が魔法使いよりも数段と魔力を持っているはずなのにパチュリーが魔理沙になすがままなのは、きっと、私と同じだから。
どうやら魔理沙には人を引きつける力があるようで、パチュリーも同様に彼女の真っ直ぐなところに魔法使いとしてではなく、別の魅力に魅せられたのだろう。

「特別……か。今はいいけれどね」

私も、パチュリーも、魔理沙に対してはただの友人や少し仲のよい親友でなく、それ以上に特別な感情、そして彼女自身を特別視している。
けれど魔理沙の中では私達はただの友人の中の一人に過ぎない。
その中でも、幼馴染みと言う立場を利用して、私は魔理沙の一番近くにいる存在になった。

「特別」ではなく「あたりまえ」の存在に。

Re: 東方 夢想朱 ( No.11 )
日時: 2016/09/14 23:51
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


「調べものなら、私が探しますよ」

しばらく図書館の奥の方をウロウロしていると、横から声をかけられた。
桃色の混じった赤髪に頭と背中に生えた小さな悪魔の羽を持つ少女。
小悪魔だ。

「……お願いするわ」
「全く、貴女の探し方は雑なんですよ」

ブツブツと文句を零しながら小悪魔は手に持っていた妖気に満ちた本を空いていた空間に差し込んだ。

「で、何の本を探しているんですか?」

小悪魔は少し不満を持った顔で問いかけてきた。

「ここって妖怪や神様について書かれてる本ってあんの?」
「妖魔本の事ですか?もちろん、ありますよ」
「じゃあ月白美月ってヤツのことについて書かれている本を探してくれないかしら。あと、博麗についての本も」

そう言うと、小悪魔の表情が一瞬だけ歪む。
それが何に対してなのか、私にはわからない。
月白美月について何か知っているのか、それとも__________私が博麗のことについて調べようとしているからか。

「…………わかりました。すぐ手配しましょう」

小悪魔が何か呪文を唱えると、何冊かの本が吸い寄せられるように小悪魔の手の上に乗る。
一通り集まり終わると、小悪魔は呪文を唱えるの止め、少しだけ浮かせていた足を地面につく。

「今集まる本はこれだけですね。博麗のことについての本は何冊かありましたが、その月白美月については何もありませんでした……ですが妖魔本はその性質から手に入れるのがとても困難なので貴重とされている場合が多いです。なので私の呪文が聞かないパチュリー様の作られた結界のところにある場合が多いと思います。なので……」

が、遮って、

「あーハイハイ。とりあえず見つからないならいいわ。それにパチュリーに頼んでまで知りたいわけじゃなかったし。とりあえずこれは借りていくわね」

私の言葉に小悪魔は何故かあっけらかんな顔をして、

「いいのですか?」

と、聞いてきた。
私はそれに頷く。

「魔理沙じゃないんだし、しばらくしたら返すわよ」
「わかりました。ではこれで」

軽く会釈される。
遠くの方で座りながら怜悧な瞳でこちらを見てくるパチュリーを、私は気づいていることに気づかれながら、それでも気づかないフリをして大図書館を出た。


Re: 東方 夢想朱 ( No.12 )
日時: 2017/04/01 09:42
名前: 瑠愛 (ID: eH6OJcrU)

__________同時刻。


「へえ……そんな事があったのね」

あの日。月白美月と名のる少女と接触してから、私、霧雨魔理沙は犬猿の仲であり数少ない古くからの友人、アリス・マーガトロイドの家に来ていた。
目の前で音色を響かせるように美しい声色で発した少女、アリスはそう言った。

「ああ。月白美月なんて妖怪、私は聞いたこともないが、アリスは知っているか?」

私がそう問いかけると、アリスは炊き入れたアフタヌーンティーを口に含み、暫くの間考え込んだが、すぐにその答えを返した。

「知らないわね」

だが、アリスの瞳が瞬時にこちらを見据えた。

「ねえ魔理沙。貴女は聞いたこともないって言っていたけれど、それは嘘でしょう?」
「……どういうことだ」

クスリと、笑いかけるその姿はまるで、人形のように美しい。
それでも私が彼女にそう言いかけると、必ず彼女は光のない瞳で笑いかけてくる。
私は彼女のその瞳が嫌で何も言わなかった。

「小物の妖怪だったらわかるかもしれないけれど、霊夢が見たところ里の人間だって判断したのなら私や貴女でも妖怪だって判断することは容易じゃないはずよ。……それなのに貴女は私に“月白美月は妖怪だ“って事を根拠もないのに伝えた。つまり魔理沙、貴女はその月白美月について初めから知っていたんじゃないの?」

グッと私は図星をつかれたように息を詰まらせた。
呆れたように笑うとアリスもゆっくりと目を伏せながらまた一口、紅茶を含む。

「やっぱりアリスは騙せないな」
「何年この仲やって来てるのよ。それで、知っていて何故私の所へ来たのかしら」

Re: 東方 夢想朱 ( No.13 )
日時: 2017/04/02 17:11
名前: 瑠愛 (ID: eH6OJcrU)

両手を絡め合い、その上に顎を乗せると自分と同じ美しい蒼い瞳がこちらを見つめた。

「いーや、別に。私がソイツについて知っているのは妖怪ってことだけだ。アリスなら何か知っているかと思って来てみたが……知らないなら、いい。今日はもう帰るぜ」

添えてあった洋菓子を口に含み、私はアリスの家のドアを開く。
すると後方からアリスの低い声が聞こえた。

「貴女、何を隠しているの」

そこに疑問のトーンはなく、ただ知りたいように思えただけだった。
だから私は答える。

「さあな」


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