二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【ポケスペ】あなたとわたし【表紙できました】
- 日時: 2017/03/24 21:38
- 名前: Orchid (ID: HccPNei.)
- プロフ: http://www.kakiko.info/upload_bbs2/index.php?mode=image&file=174.png
クリックありがとうございます。
はじめましての方はじめまして、お久しぶりの方お久しぶりです。
Orchid(おーきっど)でございます。
今から6年程前に利用させていてもらった者です。その時のHNは大庭です。
今回は6年前に書いた小説をリメイクして書こうということで復活してまいりました。
長いはじまりも何ですし、本編へどうぞ!
[>始めての方
:最低限のルールを守ってくれればいいです。最低限で分かりますよね?
:この小説にはポケスペキャラ×オリキャラ要素があります。オリキャラ逃げてな人は【戻る】連打
:ポケスペ、アニポケでのバトルスタイルの設定で書かせてもらっています。ゲーポケとは違い覚える技に達していなくても技を覚えていたりします。
:このゴールド達はマスク・オブ・アイスとは全く無関係です。その辺りはゲーム寄りですが、シルバーとクリスタルがはじめから登場して友達になっています。
:名前とキャラを借りているだけであとは完全にオリジナルでございます。それだけご理解していただけるとありがたいです。
◆本編
プロローグ >>1
第1章 すべてはここからはじまった
第01話 >>2
第02話 >>3
第03話 >>4
第04話 >>7
第05話 >>8
第06話 >>9
第07話 >>10
第08話 >>11
第09話 >>12
第10話 >>13
第11話 >>17
第12話 >>24
第13話 >>25
第14話 >>26
第15話 >>27
第16話 >>28
第17話 >>29
第18話 >>
一言
表紙はURL参照です。
- Re: 【ポケスペ】あなたとわたし ( No.1 )
- 日時: 2016/09/09 23:40
- 名前: Orchid (ID: jxbxTUdV)
第1章 すべてはここからはじまった
プロローグ
俺の名前はゴールド。
ジョウト地方のワカバタウンに住んでるんだが、この田舎の中では結構裕福な生活を送っている。
それはもちろん無駄にデカい家とかだけじゃねえ、ポケモン達と過ごせる意味でも裕福だと思う。
そんな俺の毎日は、ポケモン達と街に出ては遊びまくる毎日。
3年前くらいだったかな。ジョウト地方で知らねえ奴はいなそうなウツギ博士のところに引き取られた女の子が来た。
その女の子の名前は”マイ”
これまた小柄で身体も弱いと来た。
まあ、たまたま! たまたま! 暇してる俺が構ってやってるわけだが。
マイが今日で10歳になる。
10歳っつーと、ポケモントレーナーのお前らならわかるな?
そう! ポケモンを捕獲できる権利をもらえる!
マイより3つ年上の俺がサポートして、マイのはじめてのポケモンを捕獲してやろうと思って、いつも通りマイの家の前にいるわけだ。
◆◆◆
「マーイッ! 遊ぼうぜー!」
……。
…………。
出てこねえ。うん、まあわかってた。
7割の確率であいつは寝ている。寝るのが趣味なんじゃねえかな。
仕方ねえ、インターホン鳴らすか。
「オイコラ。なんで出てこねえんだよ」
結局インターホンを鳴らしても出てこなかった目の前にいるこいつ。
ベットから上半身だけ起こして、肩に届くくらいの茶髪がアホみたいにハネてやがる。
そのハネている髪、寝癖だよな。それを直してやるのを察しられねえように荒い手つきで触りまくる。
「んあ……。ゴールドさん。おはようございます」
「言ってるそばから寝るんじゃねえ。その机に置いてあるモンスターボールはなんだ? 博士からもらったんじゃねえのかよ」
布団に潜り込もうとするマイから布団をはいでやるとしぶしぶ起きて、カーペットに座る。
ほらよ、とモンスターボールを手渡してやると不思議そうに顔を傾けるこいつは天使か。いやいや、天使と書いてアホと読むまさにこれだな。
「さっさと着替えてポケモンゲットと行こうぜ!」
「あ、あのポケモンのゲットならクリスさんと行った方が」
「あ”?」
「ごめんなさい」
クリス。そいつは俺が苦手な委員長タイプの同い年の女。
捕獲のプロとして仕事を13歳でしているという、俺からしたら信じられない話の女。
まあ別に嫌いじゃねえけど、マイといるとマイの性格が悪くなる! とか言ってくるからな、なるべく距離をとっている。
あっちはあっちで忙しいみたいだけどな。助手でも雇えばいいものを。真面目委員長だな。
「いやでもなァ」
「なんですか? ゴールドさん」
もしポケモンの捕獲に失敗したら恥ずいのは俺だよな。
ここは保険としてクリスと同行するべきか。
「クリス、呼ぶか?」
「はい!」
そんなまぶしい笑顔を見せるんじゃない! 俺にはまぶしすぎて直視できねえ!
「もしもし、クリスか? 今すぐ来てほしいんだけどよォ……あ? 切られた」
「え? な、なんでですか?」
「さあな、ってオイオイ。窓見てみろ。クソ怖え顔したクリスがこっち来てんぞ」
電話した途端に切られたから、どういうことかと思ったがすぐそばにいたとはな。
しかし、なんだよ。鬼の顔してるわ、あいつ。
外まで来いって合図してるな、仕方ない行ってやるか。
「よークリ「ゴールド! あなたの電話のせいで目の前に出てきたポケモンに逃げられたじゃない!」知らねえよ! だったら常にマナーモードにしとくか、今からポケモン捕まえるとか言えよな!」
「なんですってぇ!」
(ど、どうしよう! 外でゴールドさんとクリスさんがケンカしちゃってるよ!)
ダーッ! くそせっかく良い案だと思ったのにこのクリスの調子じゃポケモンゲットに協力してくれなさそうだ。
でもここで食い下がるわけにはいかねえし。
ってオイ。
「シルバー!? なんでオメーここに」
「なんでもなにもない。マイに助けを求められた」
「マイが? なんでだよ」
「お前はまだ気づいていないのか……。まあいい、お前はクリスとくだらん喧嘩でもしているんだな」
俺が気づいていない? わかんねえけど腹立つ。でも今はクリスが先だ!
「マイ、行くぞ」
「はっはい!」
ハ? オイオイ、なんでマイのやつシルバーのヤミカラスとどっかに行ってんだ?!
喧嘩に夢中で全くあいつらの話聞いてなかった!
「くそ〜……俺としたことが」
いや本当に俺としたことが。マイとシルバーを2人にさせちまった。
しかもどこにいくのやら。
俺も空を飛べるポケモンがいれば追いつけるのに!
今はマイをここで待つしかねえ、か。
はあ。
- Re: 【ポケスペ】あなたとわたし ( No.2 )
- 日時: 2016/08/24 23:04
- 名前: Orchid (ID: jxbxTUdV)
第1話 わたしのはじめてのポケモン
「さあマイ、行くぞ」
「へっ?(アホみたいな声出しちゃったっ!)」
ゴールドが呼び出したクリスことクリスタルと喧嘩をはじめてしまった2人。
マイにはどうすることもできずに、2人のことをよく知っているであろう人物である、長い赤い髪で目つきが鋭い男の子、シルバーを電話で呼び出したマイであったが——
「へ? じゃない、ポケモンを捕獲しに行くんだろう?」
「そうですけど……。今はゴールドさんたちを止めた方がいいんじゃないですか?」
「放っておけば収まる。お前もよく知っているだろ?」
ゴールド、クリス、シルバーは3人組、というイメージがマイにはあり、どうしてもその仲には入っていけなかったマイにとって、その3人の仲に入れてもらえていたような気がして、知っているだろ? という言葉はとても嬉しいものだった。
「じゃあ、いっしょにポケモンをゲットしてくれるんですか?」
「当たり前だ。出てこい、ヤミカラス」
「わっ」
頼ってきてくれる後輩のようなマイを心配させないように、余計な言葉を使わずに返事をすましてやると同時にモンスターボールを地面へと投げる。投げられた勢いで開閉スイッチが押されると、中から真っ黒な、それこそ闇一色のカラス……ヤミカラスが現れた。
シルバーは慣れた手つきでヤミカラスの脚に当たる部分を片腕でつかむと、余った片腕でマイを抱きかかえてやる。
◆◆◆
ワカバタウンからそう遠くはないが、薄暗く不気味なためあまり人が近寄らないとある洞窟にきた2人。
「ししししシルバーさん! こ、怖くないのぉ」
「ああ平気だ」
「ひゃあ!? なっなんか首に当たってきたァ!?」
「……あまり騒ぐな。ポケモンが逃げるぞ。それにお前に当たったのは上から落ちてきた水滴だ。」
冷静に状況を把握しているシルバーを見てマイは
(ゴールドさんとは違ってクールなひとだなあ……)
なんて失礼なことを思っていた。
奥に進むのはポケモンを所有していないマイにとって危険だろうとシルバーは奥には進まず出口に近いところでポケモンを探すことに。
「マイ、いたぞ」
「ほ?」
「ほら、あのポケモン。見えるか」
じっ、と鋭い目の先にいたポケモンはヘビのような細長い姿で水色の身体をしたポケモン。特徴的なのは翼のような耳をしていることだろうか? 額には小さな丸い白い突起があり、大きな愛くるしい瞳をしている。
「うわあ! かわいッ「静かにするんだ、ゴールドに似てきているんじゃないか?」っぷは! く、苦しかった」
か〜わいい〜、と喜びたかったマイの口をグローブ付きの手で押さえつけられ息ができずに苦しかったらしいマイ。
さりげなく、ゴールドに似てきているといわれ複雑だが今はそれを考えている暇はない。目の前のポケモンに集中あるのみだ。
「あのポケモンでいいな」
「はっはいっ」
違うポケモンがいい、という選択肢はもらえないマイ。もちろん、あのポケモンでいいマイだが。シルバーも少し強引なところがある。
「俺のポケモンを使え。はじめてのポケモンバトルだから説明してやる」
「ありがとうございます……!」
「あの状態でポケモンを捕獲できると思うな。まずは攻撃をしろ」
えっ!? ポケモンに攻撃!? とショックを受けるマイ。当然だろう、今まで戦闘とは無縁の生活をしていた。ただでさえ身体が弱いマイにとって相手を傷つけるのは心が痛い。
「大丈夫だ。倒さない程度に攻撃をするんだ。そうだな……ひっかく、と俺のポケモンのニューラに命令をするんだ」
「う……にゅ、ニューラさん! ひっかく! です!」
使えと言われだされたポケモンであるニューラがそわそわとした態度でマイを見つめていた。
ひっかく、と聞いたまんま、見たまんまに、ニューラの鋭い爪先が相手ポケモンに当たる。
目にも止まらぬ速さで移動するニューラに追いつけず攻撃をまもとに食らってしまったのか、くらりとよろける。
「わ! すごいすごい! すごいよニューラさん!」
(デレデレするんじゃないニューラ)
「シルバーさん、次はどうすればいいですか?」
「そうだな、あの様子だと捕獲もたやすいな。モンスターボールで捕獲してみるか」
はい! と今日一番の笑顔をみせるマイ。ボールを構える角度、相手のパワーの源の部分にあてると捕獲しやすくなる、などアドバイスを受けるがいまいち理解ができない。とりあえず投げてみよう精神で投げつけたボールは見事ポケモンに当たった。
「やった! これでゲットできましたか?」
「いいや、まだだ。ボールの動きをよく見ろ。ボールが止まったら捕獲完了だ」
ドキドキしながらボールの動きを見るマイ。右に左にボールが動いている。
その時間がとても長く感じるが——
「動きが……止まった?」
「捕獲完了。おめでとうマイ、お前のポケモンだ」
「やっっっったーーー!」
ポケモンが入ったボールをつかむと元気よくジャンプし上に掲げる。するとシルバーが近づいてきて、ポケモンを出してみろと言う。
「え、とこうですか?」
ボールを弱弱しく投げると中から煙とともに先ほどゲットしたポケモンが現れる。どこかに逃げる心配はない、もう自分のポケモンだ。
わーい、かわいい♪ と出てきたポケモンの頭を撫でているマイに、長方形の形をしている赤い機械を手渡す。
「これは?」
「ポケモン図鑑だ。ウツギ博士からいただいた物だ。使ってみろ。ここが図鑑を開けるボタンで、このカメラ部分でポケモンを撮影すると図鑑に登録されているポケモンが表示される」
「わ、わわ、わかりました?」
「わからないならいい、とりあえず写真を撮ってみろ」
こんなにもわかりやすい奴はいるのか? とマイの将来が心配になるシルバーだが、そんなことは知らないマイ。嬉しそうに捕まえたばかりのポケモンを撮影する。
『ミニリュウ。ドラゴンポケモン。目撃者が少ないため幻のポケモンと呼ばれていた。脱皮を繰り返しては大きくなる生命力あふれるポケモン』
ポケモン図鑑が機械音で説明をしてくれる。マイはそんな説明よりも、このポケモンの名前を知ることができることがうれしいのか、ミニリュウ! ミニリュウ! と何回も愛情をこめて呼んだ。
「さあ、そろそろ帰るぞ」
「はっはい! 行こうっミニリュウ!」
- Re: 【ポケスペ】あなたとわたし【ポケモン】 ( No.3 )
- 日時: 2016/08/31 23:40
- 名前: Orchid (ID: jxbxTUdV)
第2話 夢もいっしょに連れてきた
無事シルバーと共にはじめてのポケモン《ミニリュウ》を捕獲したマイ。
長居するのも意味がないとシルバーは早々にヤミカラスをモンスターボールから繰り出すと、行きと同じやり方でワカバタウンにマイだけを置いて行った。
「シルバーさんはゴールドさんに会わなくていいんですかー?」
「俺は……いい」
「ほへ? わ、わかりました」
何か意味ありげ的な視線を泳がせるシルバーに疑問を持ったマイだが聞くのも悪いと思い、シルバーが見えなくなるまで空に手を振り続けた。
(多分あのままゴールドに会うと面倒なことに巻き込まれるしな)
そーんなことはつゆ知らず。マイはゴールドを探しにワカバタウンを歩く。
まだ喧嘩をしているかな? と不安になりつつも、早くミニリュウを見せたい、と早まる鼓動を感じる。
「マーイッ!」
「わっ!? ご、ゴールドさん」
きょろきょろとあたりを見渡すと後ろから大きな声を掛けられる。振り返ろうとする暇もなく首に回される両腕はゴールドのものだった。
その勢いに驚いてモンスターボールを落としそうになったが、反射神経のいいゴールドが地面に落ちかけたボールを見事キャッチしそのままマイに手渡す。
「俺を置いてくなんて酷ぇじゃねーか」
「ご、ごめんなさい」
「別に怒ってるわけじゃねえよ? ただ、その……心配したっつーか」
「へ?」
首に回された腕が今度は肩に来て、ぐるりと視界を180度変えられるとゴールドが目の前に。少しばかり怒っているようにも見えたが、素直ではないゴールドが心配した、と小声なりに言ってくるもんだから目がテンになる。
その様子に恥ずかしさを覚えたゴールドが話題をかえようとボールの中身を問う。
「ポケモン、ゲットしてきたんだろ? 見せてくれよ」
「はいっ」
教えてもらったばかりのボールからポケモンの出し方はまだ抵抗がありできないマイが、ボールを右手でもって左手の人差し指で、そっと開閉スイッチを押す。
煙と共に、ミニリュウが出てくるとゴールドは目を丸くして——
「ミニリュウたぁ、なかなかなポケモンを……」
「えへへ、そうかなあ」
照れて頬がリンゴのように赤くなるマイ。しかしゴールドには1つ疑問が出た。
「なあ、ミニリュウって確か、ワカバの端にある洞窟で出たよな? そこって前に俺が危ないから行くなって言わなかったけなあ?」
「あっ……え、えと」
ニコォ、と顔は笑顔のゴールドだが、その後ろからあふれ出るドス黒いオーラにビビるマイ。でもマイには言いたくて言いたくて仕方ないことがある。
「わっわたしねっ。この子と旅に出たいの!」
「ハア!?」
笑顔から一転、眉間にしわを寄せてマイを壁にと追いやる。両腕を壁に当て、マイを逃げられないようにする。
「旅って危険なのわかってるよな? お前はただでさえ身体が不安定で、ちっせえから他の連中からも嫌な意味で絡まれたりもする。今は俺がいるから大きなこと犯罪には巻き込まれないけどな、俺の目の届かないところじゃどんな目にあうかわからないんだぞっ!?」
正論だ。珍しく正論を述べるゴールド。そりゃ3年間も大切に、それはもう大切に面倒をみてきた女の子を「10歳になりましたね! ハイ! 旅に行ってらっしゃ〜い!」なんてできるわけがない。
言ってないだけでゴールドはマイのことを他の友達とは違う感情だって持っている。
「……」
「どうしたマイ? 諦めたか?」
俯いて表情がわからなくなったマイをいい方向で考えるゴールドが一安心した瞬間にマイがガバっと顔をあげて宣言した。
「わたし決めたの! だいじょうぶだよ、がんばるったらがんばる! 怖いことだって覚悟したもん!」
「マイ……」
「あっごめんなさい。わたし大きな声でっわっ!?」
3年間過ごしてきたが、こんなにも自分を主張し、意見を突き通そうとしたマイを見たことがなかったゴールド。
これは俺も肝を据えるしかないと、つい抱きしめてしまった。
「ごー、るど……?」
「ダァァァアアアア! わーったよ! わーった! お前の決意の固さみせてもらったぜ。こうなったら俺もついて行く!」
「へっ?」
抱きしめられた本人は理解ができていなかったのにゴールドがまたまた大きな声で叫ぶから状況が余計理解できないでいるマイ。
「俺と旅をするってこった! 問題ねえな? あ?」
「なるほどーっ」
ようやく解放されて、ぽんっと手のひらの上でこぶしを叩くマイ。
そして——
「じゃあもう不安がなくなりましたっ」
「どういうことだ?」
「だってゴールドさんがいれば何も不安はありませんっ」
明るい笑顔をみせるマイと、嬉しい言葉を言われてゴールドは首まで赤くなる。
今、夕日が出ているせいでマイにはわからかったが。
「…………」
「ゴールドさん?」
「……っふ」
「ほえ?」
突然黙り込んだと思ったら噴き出して笑うゴールドについていけない様子のマイ。
「なんかよォおかしくないか? いつもなら俺が言い出す側だろ? なのに今回はマイからって」
「えーおかしいですか?」
いつものゴールドに戻り安心したマイを、もう夕方だからと家にまで送るゴールド。
「あ、そうだ。マイ、これやるよ。誕生日プレゼント」
「わー! ポケギアー!」
「お前いっつも家電から電話かけてきたもんなー。博士もくれそうな気配ないからよ、やるよ」
マイの好きなピンク色のかわいらしいポケギア。ポケギアとはスマートフォンのような携帯を時計型にしたもの。これ1つで電話はもちろん、メールもできてしまう優れものだ。
別に博士は意地悪でポケギアを与えなかったわけではなく、マイにほしいかい? と聞いたら、いりません! と遠慮されてしまったからである。
「ありがとうございます! ゴールドさんっ大切にします!」
「おー。俺の番号はいってからいつでも電話してきていいからな」
「はいっ」
「じゃあな、また明日、いつもの時間に来るわ」
手を振りゴールドを見送るマイ。夕日に輝いてポケギアがまぶしく光る。
◆◆◆
「博士遅いなあ」
ちくたく、ちくたく。いつもなら帰ってくる時間なのに博士が帰ってこない。
実は博士、誕生日ケーキをと研究所からかなり遠いケーキ屋さんにまでケーキを買いに行っているのだが、そんなこと知らないマイは不安で仕方なった。
(研究で忙しいのかも。様子見に行ってみよう)
この不安を解決するには行動あるのみ! といつもなら家の中で大人しく待つマイだがミニリュウと一緒なら怖くないと研究所まで行くことに。
それにさほど遠くない研究所だ。あたりが暗くても行ける。
「あれ? 研究所、電気ついてる? でもおかしいなあ、なんで光が動いているんだろう?」
だんだんと近づく研究所。電気がついてると言ってもその光が移動しているのは何故? しかも光はあっちに行ったり、こっちに行ったり。
「み、ミニリュウ……お願い一緒にボールから出て行こう?」
そっとミニリュウをボールから出して研究所の入り口まで来たマイ。もらった合い鍵でこっそり扉を開けると目の前にいたのはなんと。
「どっドロボーさん!?」
——泥棒だった!!
- Re: 【ポケスペ】あなたとわたし【ポケモン】 ( No.4 )
- 日時: 2016/09/01 22:28
- 名前: Orchid (ID: jxbxTUdV)
第3話 等身大の言葉
なんと研究所にいたのは真っ黒なパーカ、真っ黒なズボンをはいた泥棒だった。
今はゴールドどころか、博士すらいない状況。逃げるのが最善策だ。
でも。ポケモンがいる今では? いつものマイではない。
「ドロボーさん!」
「なっなんだよ!」
「盗んだものを返してください!」
「まだ盗んじゃいねーよ!」
「じゃあ出てってください!」
「それは目的が終わるまではダメだ!」
なんと。なんとあのマイが泥棒と言い合いをしている。しかし、この泥棒まだ若いような気がする、と思うマイ。声だって声変わりする前だし身長もマイとそう変わらない。
「んもー! ミニリュウ! 体当たり!」
「んな!?」
物わかりの悪い人にはポケモンで直接攻撃。お前はどこぞのロケット団かな? といやいや、マイは違いますよ。主人公サイドの人間です。
もちろん体当たりをするわけのないミニリュウ。主人が混乱しているのを、その小さな突起で感知しているみだいだ。
「び、びびった……。いっいや! ビビってねーからな! そっちがその気なら俺だって! 頼む行ってくれヨーギラス!」
「きゃあ!? な、なにあのポケモン!」
小型の二足歩行をするような怪獣の姿をしている緑色のポケモン。特徴なのは、そのとびぬけた尖った角、だろうか。その角がマイとミニリュウにとっては怖いもの、だった。
「ヨーギラス! かみつく攻撃だ!」
「かみつく!? だ、だめ! ミニリュウ危ないから避けて!」
(けっこう素早いポケモンだな……)
研究所でまさかのバトル勃発。この場合、バトルを仕掛けたのはマイになってしまうのだが、そんなこと考えてる余裕はない。
泥棒はヨーギラスにかみつくを連続で命令するが、それらをすべて余裕で避けるミニリュウ。しかし避けてばかりではバトルは終わらない。
「くそ……本当はこんなことしたくはなかったが。ヨーギラス! 砂嵐!」
「わっ! どこからこんな砂が!?」
とっさに腕で視界を確保しようと保護するが、次から次へと出るわ出るわ、砂ぼこり。研究所の大切な資料が、機械が、ぐるぐると回転しながら宙に舞う。
(もしかしたら、あの回転を逆に回せることができたら止めることができるかもしれない!)
(あった! この図鑑さえあれば俺だって!)
泥棒が狙っていたのはポケモン図鑑。それもデータを揃えてあるものだった。そんなよそ見をしている泥棒の隙を見てマイはひらめいた。
「ミニリュウ! そのしっぽで、この砂嵐の風を利用して風の渦を作ってみて! お願い!」
マイの最大の力を使っての指示にミニリュウは応えようとしっぽの先を素早くくるくると回して小さい風の渦を作ることに成功した。
「んなっ! あれは竜巻!? バカかよ! こんな狭いところで技のぶつかり合いなんてしたら——!」
図鑑に感動していた泥棒だったが目の前の状況に気づき目の白黒させる。こんな技の抜け方なんて知らないのだろう。でも、このままだと研究所が吹き飛んでしまう。そんなことはさせたくないと泥棒は、風の渦と砂嵐が重なる、本当に一瞬、その手前でヨーギラスをモンスターボールに戻す。
ヨーギラスが戦闘からいなくなることで砂嵐が嘘のようになくなる。小さな竜巻だけがあたりをくるくると踊るように残る。
「じゃあな! 俺は目当てのもん手に入れたから帰る!」
「あっー! 返してよ〜!」
研究所の窓を開け、ヨーギラスとは違うポケモンを繰り出すと空の闇に消えていく泥棒。
「空を飛ぶなんてずるーい! あー……どうしよう」
空に向かって叫ぶが意味はない。ミニリュウの竜巻が消えて、ぽつんと残る1人と1匹。
騒ぎを聞きつけたワカバタウンの人々が心配するように外に集まっていて、その中にゴールドはいなかった。研究所からゴールドの自宅は少しばかり離れている。でも、ウツギ博士はいた。
「マイちゃん! 大丈夫かい? どこにも怪我はしてないかい?!」
「は、博士……。ごめんなさい、わたし、わたしっ」
博士が来ることによって安心したのか大粒の涙が頬を伝う。日頃の行いからか、博士の研究所は集まった人によって片づけられることになり、マイを落ち着かせようと博士と共に家に帰してもらった。
「えーと、まずマイちゃん」
「!」
びくっと肩をあげるマイ、怒られる。そう思い目をきつくつぶる。
「誕生日おめでとう。それからミニリュウさんだね、よろしくお願いしますね」
「え? はか、せ?」
「ん? どうしたんだい?」
「だって研究所……」
研究所を滅茶苦茶にしてしまったことを謝り、何があったのかを自分からたどたどしく説明するマイを一回も叱りはせず黙って頷いて聞いてくれる博士に感謝する。
「あの図鑑、もとは僕のものではなかったんだよ。ただもらってくれと言われてどうしようと思っていたものだから。それにまだ2つも残っているよ。普通ならすべてを持って行くのに1つだけ持って行くなんて何か事情があるんだよ」
「そうですか?」
「ああ。そうだ、マイちゃんせっかくミニリュウを友達にできたんだ、この図鑑を持っていてはくれないかい?」
博士は泥棒のことは気にしていないようだ。ただマイが無事だった。それだけで十分のように思える。
「それにマイちゃんは頑張ってくれた。僕はそれだけで嬉しいよ。ありがとうね」
「博士〜!」
「そういえば帰り道にゴールドくんに会ったよ。旅をするんだってね」
うっ、と今は気まずい話題になるが博士は言葉を続けた。
旅は本当に危険だということ、ゴールドだけではどうしようもないピンチだってあること。それでも決意してくれたマイを誇りに思っていること。
「博士、わたし決めたよ。ぜったいドロボーさんを捕まえる! それで図鑑を返してもらうの!」
「そうか。それは楽しみだよ。僕は少し寂しいけど、マイちゃんの笑顔がみれればそれでいいから」
ほらもう遅いからお風呂に入るんだよ、とマイを風呂にすすめる。髪も砂嵐によって乱れているしそうそうに風呂に入る準備をし、博士にもう一度顔を見せようと思ったが、博士は研究所を見に行ったのか姿はなかった。
(ぜったい、ぜったいドロボーさんを捕まえて、ジョウト地方をゴールドさんと一緒に制覇するんだ!)
- コメント ( No.5 )
- 日時: 2016/09/02 01:00
- 名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
どうも、紙の方では東京喰種を、映像の方でポケスペクトゥルフと人狼を書いている大学生作者の竜です。
ポケスペ好きの同士が来た・・・珍しいとも思ったので訪問させていただきました。ゴールドとクリスとシルバーが最初から友達設定なんですね。
個人的にはこのような設定も僕は好きです。オリキャラも混ざってこれからどう進んでいくか楽しみです。
実は僕も昔、原作沿いでオリキャラ主人公のポケスペ小説を書いていたんですよね・・・忙しすぎて打ち切りしちゃいましたが・・。ポケモンは好きな方はいますがポケスペは読まない人もいますし・・・。個人的には今のポケモンアニメよりこっちの方が断然面白いんですよね。ニコニコではいろいろなボカロ曲をポケスペキャラで歌ってみたっていう動画もあるぐらいですし・・・。
長々と失礼しました。これからも更新頑張ってください。
(できれば僕のポケスペも見てください、映像の方にありますんで。あとキャラ崩壊必至ですので。)

