二次創作小説(紙ほか)
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- 怪盗レッド ~熱が出たら~
- 日時: 2017/08/12 08:05
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
- プロフ: http://www.kakiko.cc
設定は、アスカたちの家に響と実咲がお泊りしに来てるって感じです(実咲はさっさと帰っちゃいますが)。ケイ→アスカ ですが、全く気付かない超鈍感アスカ(ケイも分かりにくいけど)。響→アスカ かな?できるだけ、ありきたりな三角関係にならないように頑張ります。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.9 )
- 日時: 2017/08/11 06:09
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
サンライトさんへ
そんなこと言ってもらえるなんて、光栄です!これからも、よろしくお願いしますね。余裕ができたらオリキャラやストーリーの募集もしますよー。(笑)
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.10 )
- 日時: 2017/08/11 06:24
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「うん、本当に素直だね。冗談抜きで君が羨ましくなってきたなあ。」
どこか満足そうな響。
「・・・勝手にほざいてろ。」
ケイは今度こそ盛大な舌打ちをして、新しいトーストをかじる。
「まあまあ、そんなに怒らないでくれよ。交渉しようか、この3日間の予定を。例えば・・・そうだな、寝る場所とか。」
「・・・!」
「だってほら、氷室さんが帰ってしまったのに紅月さんを一人にするわけにはいかないだろう?」
響はニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.11 )
- 日時: 2017/08/11 16:42
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
~響side~
響はアスカに言われたまま、横になることにした。
ケイとの交渉では、あちらが散々妥協してアイツが1日目に、自分が2日目に彼女と同じベッドで寝ることになってしまったが、まあいいだろう。
ピピッ。体温計のアラームが鳴り響く。
「ほら!39度だよっ。絶対安静、無茶も駄目!」
目の前では、少し慌てた様子の紅月さんが、看病をしてくれている。その姿が、なんだかとってもいじらしくて、可愛らしくて、ついつい笑ってしまうのだ。
「紅月さんって、優しいね。一緒にいると、安心する。」
僕がぎこちなく笑うと、彼女は頬を赤く染めた。
今だけは、僕のものだ、ケイ。君に邪魔なんかさせない。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.12 )
- 日時: 2017/08/11 21:35
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「よし・・・っと。」
響が寝たのを確認して、私は音をたてないように、そおっとベッドから飛び降りた。今は10時半。朝ご飯食べてない響にお昼ご飯作りたいけど、何にしたらいいんだろう。う〜ん。今は風邪ひいてるから、キツイものは避けたほうがいいよね。
・・・そういえば、去年の春に私が風邪を引いたときに、実咲がお粥を持ってきてくれたんだっけ。私が、
「わざわざ、ごめんね。」
って言ったら、珍しく実咲がぎこちなく笑ってたんだよ。お粥がとっても美味しかったから、すぐに忘れちゃったけど。
えーっと、何が入ってたのかな?
確か大根の味はしたと思う。得体の知れない穀物が幾つか浮かんでたけど、あれはキビだっけ、粟だっけ?
刻まれた青物も入ってた気がする。確かハツカ大根の葉?すっごくトゲトゲしてたような。
・・・・・・もういいや、大体で。
「食べ物で作るんだから、食べれるよねっ。」
私は勢いよく、冷蔵庫のとびらを開けた。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.13 )
- 日時: 2017/08/11 19:30
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「よし、できた・・・」
額の汗を拭き取り、つぶやく。手からは毒々しい緑色の液体がしたたっていた。
「匂いはこんなだけど、体にいいものだけで作ったから、大丈夫、絶対に大丈夫・・・」
言い訳めいた口調でブツブツとつぶやきながら、お粥を運ぼうとした、その時。
「一体、何を入れたんだ。」
「ええっと、蓬の葉を細かくしたものと、大根を剃ったもの、キビと、ハツカ大根の葉っぱ・・・・・ってケイ!?どうしてここに!」
「不穏な匂いがしたからな。」
不穏って!不穏って何よ!
「味見はしたのか?」
「へっ?」
「いいから舐めてみろ。」
言われるようにお粥を口に運ぶと、キビの香ばしい香りに、ハツカ大根の程よい酸味・・・ではなく、えげつない苦味が広がる。
「ふぐっ」
急いで水を口に流しこんだ。
「このまま出してたら、あいつは腹を壊していたかもな。」
「・・・・・・」
あまりの正論に、何も言い返せない。
「生姜が足りない。」
「えっ?」
「あと葛と小豆もだ。大根の先を使っただろう?葉に近いほうが甘くなる。」
「なっ・・・」
「ハツカ大根の葉は硬いし、苦い。だが、疲労回復にとても良いからしっかり茹でないとダメだ。」
「はっ?」
「葛は万能薬だ。粉にして最後の仕上げに溶かさないと。」
「・・・・・・・」
「もういい、俺も手伝う。」
ケイは諦めたようにため息をついた。
「て、手伝うって、その格好で?」
「これのどこが悪い。」
そう答えると、ケイは身につけていた白衣の袖をめくった。白く華奢な腕が露わになる。
「さっきの続きだが、蜂蜜も入れた方がいい。ほのかな甘みが広がる。」
「ふうん。じゃ、茹でるのは小豆が先?」
「ああ、それはな・・・」
・・・・・・・・・ほかほかと湯気の立つ、彩りも豊かなお粥が出来たのは、それからしばらくあとのことだった。