二次創作小説(紙ほか)
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- 怪盗レッド ~熱が出たら~
- 日時: 2017/08/12 08:05
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
- プロフ: http://www.kakiko.cc
設定は、アスカたちの家に響と実咲がお泊りしに来てるって感じです(実咲はさっさと帰っちゃいますが)。ケイ→アスカ ですが、全く気付かない超鈍感アスカ(ケイも分かりにくいけど)。響→アスカ かな?できるだけ、ありきたりな三角関係にならないように頑張ります。
- Re: 怪盗レッド 熱が出たら ( No.4 )
- 日時: 2017/08/10 13:51
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「うん、熱だね。しかもかなり高い。」
そうつぶやいて、実咲が響の頬に手を当てると、響がうめき声を上げながらうっすらと目を開く。
「うぅっ・・・あれ、紅月さんに氷室さん?」
「ああっ、響君起きちゃだめ!今すごい熱なの。」
「えっ・・・」
「今は横になってて。」
優しく、さとすように語りかける実咲に、響は首を横に振った。
「・・・いえ、僕は帰ります。皆さんの残りの時間を、無駄にするわけにはいきません。」
「いいからアンタは絶対安静なの!」
「アスカ、病人相手にその大声は・・・」
「・・・ったく、なんだなんだ?みんないないと思ったら、こんな朝っぱらから騒がしくして。」
ドアが大きな音を立てて、勢いよく開いた。
「お父さん!響がね・・・」
- Re: 怪盗レッド 熱が出たら ( No.5 )
- 日時: 2017/08/10 14:22
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「ふむ、そういうことか。・・・で、響君は家に帰るつもりなんだね?」
「ええ。さすがに3日もこんな状態でお世話になるにはいけませんし・・・」
「だが、家には誰もいないんじゃなかったのか?家族はこの1週間様々な用事で出かけている、と言っていたはずだが。」
「僕はもう高校生ですし、自分のことくらい自分で出来ます。心配は無用ですよ。」
「・・・・いや、ダメだ。いくら響君とはいえ、さすがにそれは君を預かっている立場からして許可できない。誰かが戻ってくるまでここにいるといい。」
「しかし、それでは・・・」
「ハハハッ、家は明るい方がいい。君がいると我が家は賑やかになるんだ。好きなだけいてくれ。」
「・・・では、お言葉に甘えて。」
こうして響は残りの3日をここで過ごすことになった。その代わり、実咲が
「看病の邪魔になってしまう」
と言って帰ってしまったけれど。残念。
「ああ、そういえばな、アスカ。」
「なに?今日の朝ごはんのこと?」
「いや、そうじゃないんだ。実はオレたちの海外研修があってな、イタリアへ行くんだが、それが今日から3日間あるんだ。」
・・・へっ?それってつまり・・・・・・・・・・・
「3人とも仲良くするんだよ。」
どこからともなく現れたおじさんが口を挟む。
そんなの、そんなの・・・
「聞いてないよおおおおおおお!」
私は、 ゾンビ=ケイ が目覚めるまで叫び続けた。
- Re: 怪盗レッド 熱が出たら ( No.6 )
- 日時: 2017/08/10 17:10
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「まったくもう、お父さん達ったら!」
「紅月さん、そんなに怒らなくてもいいよ。僕は別に構わないから。」
「そうなの?」
「むしろ嬉しいくらいさ。」
「・・・?」
「大丈夫。今は気づかなくていいから。」
そう言って、響は微笑む。メガネをかけない時の切れ長の目が、なんだか新鮮だ。
「さてと、朝食の準備をしようか。」
「朝ご飯食べるの?」
「いいや、でもそれぐらいは手伝わないと。」
「絶対安静。食べないんなら寝ときなさい。」
「ハハッ、なんだかお母さんみたいだね。でも手伝わせてよ。せっかくアイツと話をつけるいい機会なんだからさ。」
「アイツ・・・?ケイのこと?」
「まあそうだね。今のうちに話しておかないと、あとあと面倒なことになるはずだから。」
「響が風邪をひいて3日間ここにいること?それはもう知ってるはずだけど・・・」
「それよりもっと大切なこと。紅月さんはなにもしなくていいよ。これは僕たちの問題だから。」
そう言ってベッドから起き上がった響は、私の頭を優しく撫でながら、
『ふわふわだね。』とほほ笑んだ。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.7 )
- 日時: 2017/08/10 22:12
- 名前: アリストテレス (ID: SDJp1hu/)
「病人だからって、甘えたり、好き勝手できると思ってないだろうな。」
ケイが闇のように低い声でギロリと睨みつける。手元のトーストがフォークで刺されてグチャグチャになってるのが怖い。
「もちろんそんなに甘く考えてはいないよ。ただ、君の思惑通りには、そう簡単にしないから。」
響はそんな威圧をものともせずに天使のようなスマイルを浮かべる。朝食真っ只中なのに、この険悪な雰囲気は一体・・・
「ただ、こんないい機会は滅多にないからね。僕も頑張らせてもらうよ。・・・君は毎日一緒にいるんだから、少しくらいハンデがあったって、別にいいだろう?」
「・・・病人は黙ってろ。」
「もう、ケイ!そんな言い方はないでしょっ。響もこんなぶっきらぼう相手にしなくても・・・」
「・・・紅月さん。さっき、 何もしない っていう約束したでしょ?紅月さんはそのままでいいんだよ。」
響が優しげな眼差しを向ける。その澄みきった瞳に呑み込まれてしまいそうで、思わず首を縦に振る。どこかで舌打ちが聞こえた・・・気がした。
「紅月さんは素直だね。紅月さん、悪いけど今は、彼と二人きりで話したいんだ。ちょっとだけ、自分の部屋にいてくれるかい?」
これ以上その瞳を見ていられずに、私は顔が赤くなっているのを感じながら部屋へと走った。
- Re: 怪盗レッド ~熱が出たら~ ( No.8 )
- 日時: 2017/08/10 22:43
- 名前: サンライト (ID: M4UdAK/d)
アリストテレスさんの小説最高です‼(>_<)(>_<)