二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 夜明け前、愛してる
- 日時: 2017/10/14 23:27
- 名前: 空 (ID: Yv1mgiz3)
テニスの王子様の夢小説です。
全体的に生温かく見守ってくれると嬉しいです。
学校ごちゃまぜ。
- Re: 夜明け前、愛してる ( No.4 )
- 日時: 2017/10/17 08:57
- 名前: 空 (ID: 8topAA5d)
久しぶりにご飯食べない?と中学の同級生の来美に言われたからOKを出した。忍足にそのことを伝えたら「自分、彼女おったんか」と眉をひそめられたけど、俺が好きなのは…とも否定できないので「ちがう」って言っておいた。
二人は通りのファストフード店に入った。休日の午後は混み混み。やっとの思いで2人が座れるテーブル席を見つけた。
「何食べる?」
「ラージバーガーとポテト一番でっかいやつ」
「そんなに食べるんだ?」
「足りねーくらいだぜ」
来美はポテトSサイズとドリンクだけ。
あんまり大食いな女って引かれそうだよね、私、自分のご飯の食べ方に自信ないし。
でも、絶対お腹空くよね。私。
「こんだけしか食わないのかよ」
もっと食べてた気がしなくもないし、こいつこんな少食だっけか。
- Re: 夜明け前、愛してる ( No.5 )
- 日時: 2017/10/17 10:10
- 名前: 空 (ID: 59tDAuIV)
「逢ってさ、めっちゃ二重」
「生まれつき」
いいなー、なんて言っても心の底から人を羨ましがるなんて、私はありえないと思う。
でも、ずるい、あんただけって睨まれるよりマシか。社交辞令、社交辞令。
「1枚撮ろ」
まいかは自分のiPhoneのSNOWもしくらB216を起動して内カメラに設定した。熊とかうさぎとかいっぱいあって、別人になる。
日本の女子は何か勘違いをしている。
日本人の女子が重視する顔のパーツといえば目。
目さえでかければ可愛くなるのか?いや、もっと大事なものがある。
顔の形大きさ、鼻の形高さ、骨格、口元、歯並び。
私は、顔は小さい。よく遠近法を使われて毎日ブチ切れている。余白も少ない。
鼻も高い、鼻の先まで骨が通っている。
目も大きい。二重幅もよくアイプチを疑われる、疑ってくる奴は大抵クソブス。
まつ毛はすだれ睫毛。頑張って毎日上げている。
私は可愛い。顔だけ、顔は。
「逢?どうかした?」
「いや、何も」
- Re: 夜明け前、愛してる ( No.6 )
- 日時: 2017/10/17 19:03
- 名前: 空 (ID: Mm9jHYga)
店内にいたのは、俺と来美とその他大勢。その他大勢の中にアイツがいることに俺は気がついた。
女友達と2人でポテトを摘んだり、談笑している。
「り、亮ちゃん。あの人…同級生?」
宍戸は慌てたように視線を、向かい合わせに座っている来美に戻した。
「いや、あんな不良知らねぇや」
外では知らない振り。俺と咲本は…
「セ フ レ」
逢の口元がにわかにそう動いた気がした。
汗をかくような、どきんとするような。宍戸はそんな女々しい感情に襲われてしまった。
逢は普通に女友達と笑い合っていた。
もし、逢と同じクラスか彼女を知る人間がいたなら「咲本逢が笑っている…」と平たくいえばびっくり。
3分前に遡ろう。
「あそこにも逢と同じ学校の男子いるね」
「ああ…宍戸亮ね」
唇の端をちょろっと上げて、さりげなく宍戸さんを遠くから眺めた。
制服姿で、でっかいハンバーガーにかぶりついて彼女か誰か知らないけど、女の子と一緒。
「知ってんの?知り合い?…なんかボンボン感なくね?庶民やん庶民」
宍戸さんと逢の通う高校·氷帝学園は大学までエスカレーター。外部受験者と幼稚舎からの生徒で構成される。
高校はまぁ…進学校というか、コースによるが。
金持ちが行く高校。
「特別超絶イケメソって感じはしないけど、爽やかだね」
「あいつね、私の…セフレ」
亮を眺めながらぼそっと呟いた。
「まじで?!どんな感じなわけ」
「うーん、スポーツマン」
まいかは目を見開いて宍戸をガン見している。後頭部から足先までじーっと。
だけど、まいかもアホの子に見えてそこそこの高校に通っている。
「上手いの?」
「わかんない、私あいつとしかしたことないし」
「めっちゃやばい、宍戸くん?だっけ。あんなに爽やかスポーツマンに見えて、裏ではむっつりスケベとか最高すぎかよ」
「若干M」
「え?何?ちょろっと攻められちゃう系?可愛すぎる、どこでやってんの?」
「あいつん家か、私の家」
「学校では?」
「特に何もなし」
宍戸さんは、若干こっちを見ていた。
セフレと私が口を動かした時、一瞬ビクっとしたような。
「よし、うまかったな」
「うん!奢ってもらって悪いね」
「気にすんなって」
そんな会話が聴こえてきた。
- Re: 夜明け前、愛してる ( No.7 )
- 日時: 2017/10/18 19:30
- 名前: 空 (ID: Mm9jHYga)
今日、会えるか?
いいけど
じゃあ、7時に迎えいくわ
別にいい。宍戸ん家?
おん
宍戸さんと逢が出会ったのは、偶然だった。
「あー、授業めんどい」
お昼休みから授業をサボった宍戸は、7月の快晴の青空の下、屋上に着いた。日陰は涼しい。
「お…」
屋上に足を踏み入れて日陰を目指していると、女子生徒が寝転んでいる。大分、無防備で宍戸さんもたまたま座りたかった場所なので、距離を置いて隣に胡座をかいた。
美女が寝ている。
上靴を脱いで、長い足を投げ出して、長い髪からシャツから見える鎖骨。
多分、魅了というか、見入ってしまった。
「あ…ジローと同じクラスの…なんつったっけや」
咲本逢!ちょっとギャルみたいな不良的な。学年でも有名だったな。
逢は寝返りを打って、瞼をゆっくり開いて宍戸を見上げた。
「わりぃ!起こしちまったな…」
「…」
クソ愛想が悪い。
「だれ?」
「宍戸、1年の」
「へー」
あいつはその場から居なくなってしまった。ただ、なんとなくまたあいつに会いたくなって、廊下で見かける(意志とは関係なく目が逢を追ってる)ときとか、なんで表情が暗いのか人を寄せ付けないのか。気になったから、気になったから、俺はあいつと話してみたかった。
逢が来るまでの間、シャワーを浴びながらそんなことを考えていた。
- Re: 夜明け前、愛してる ( No.8 )
- 日時: 2017/10/18 19:45
- 名前: 空 (ID: Mm9jHYga)
宍戸家は親が帰宅するのが遅いのかなんなのか。まぁ私の家に家族なんていないけど。他人からみたらどうでも良さ気な情報はいらないとして、宍戸家のチャイムを鳴らした。
「よー」
宍戸は玄関からドタバタ走って出てきた。
「なぁ今日さ、マ○クいたよな?」
「うん、亮は彼女といたみたいだね」
「ちげーよ、ただの同級生だっつーの」
「そう」
もう3回目になる。逢とするのは。
「逢」
宍戸は名前を呼んで、逢と顔を近づけた。5秒くらいお互い目を合わせながら、体を寄せて軽いキスをした。
これで4回目。
逢は顔を赤らめることなく、かと言って無表情ではないような宍戸への上目遣い。