二次創作小説(紙ほか)
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- 響け、僕らの北宇治サウンド【響け!ユーフォニアム】
- 日時: 2017/12/29 10:38
- 名前: Asterisk (ID: XgzuKyCp)
『響け!ユーフォニアム』の二次創作小説です。
中3の夏にこの作品を手に取って以来好きなシリーズだったので、
二次創作を書いてみたいと考え投稿に至りました
この小説の視点は2年生のオリジナルキャラ
ユーフォ担当の 朝倉司/あさくらつかさ で進行します。
方向性はまだ未定ですが、
彼と同学年で同じパート所属の誰かを好きになる
……というのも考えています
話を書くにあたって、
不自然な関西弁表記がある可能性があります(関東在住なので)。
「何ですか、これ」な書き方を見つけたらそっと教えてください。
吹奏楽わからない人向けに
用語まとめも作っていきたいと思います(吹奏楽を少しやっていました)
それでは長くなりましたが、どうぞお楽しみください
>>1-17 (第1章)
- 1-1 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/25 10:35
- 名前: Asterisk (ID: 3KvV.ocm)
北宇治高校の吹奏楽部に所属する僕は、今日予定されている入学式での演奏とその準備のために朝早くから学校へと向かっていた。
少し走って学校に行くと昇降口に入り、スニーカーから上靴へと履き替えた。
上靴の後ろと爪先に、ネームペンで書き込んだ『朝倉司』の文字──それが僕の名前だ。
自分の荷物を教室へ置いたあと、楽器庫へ移動して準備をすませて僕は音楽室へと向かった。腕の中にある、艶やかに輝く金のユーフォニアムが、僕の担当する楽器だ。
『おはようございます』
音楽室の扉を開けた僕の視界に飛び込んできたのは、マニキュアを爪に塗る先輩や雑談をする同級生達を晴香先輩が止めようと必死になっているかと思えば、
後ろの方でトランペットの香織先輩が可愛いと犬のように走り回る吉川さんがいて──てんでばらばらな行動をする部員達だった。
呆然と立ち尽くしていると、僕の所属するパートのパートリーダーがやってきた。長身に赤フレームのメガネをかけた、田中あすか先輩。先輩は副部長も務めている。
「コレをどうにかしようって思ってたん?」
『僕の中学の後輩が何人か入ってくるみたいだから、後輩達にいい演奏聞かせてあげたいなって思ったんですけど……でも、これじゃムリそうですね』
「そうやな、ウチもそう思うわ」
たまに、あすか先輩は時々先輩らしくない言葉を言う。
「そろそろ、移動しよか?」
- 1-2 ( No.2 )
- 日時: 2017/12/25 10:37
- 名前: Asterisk (ID: 3KvV.ocm)
体育館に並ぶ新入生達。スカートを膝丈で揃えた女子生徒をチラチラと見る詰襟姿の男子生徒。
そんな中で、黄前久美子は隣にいる女子生徒の胸と自身を見比べて静かに落胆した。高校に入れば胸が大きくなる噂なんて信じなければ良かった──と。
彼女が北宇治高校への進学を決めた理由は制服が可愛いというものだった。北宇治高校は宇治市内唯一のセーラー服で、他校からの評判もよく学力は中の上。
同じくらいの学力の高校は沢山あるけど、その中なら制服の可愛い学校がいい、というなんとも不純な動機で進学したのだが、
いざ着てみると可愛く見えないから不思議なもので、もっと美人に生まれたらというのが彼女の悩みだ。
「続きまして、校歌斉唱。一同ご起立ください」
教頭の言葉に体育館にいた全員が立ち上がる。壇上には新入生用に校歌の歌詞が書かれた紙が用意されステージの下では吹奏楽部が真剣な表情で楽器を構えていた。
一方、その吹奏楽部の席に座る司はぼうっとしながら新入生の様子を眺めていた。彼の前方には指揮棒を手にするあすかがいる。彼女の手が上がると楽器が一斉に顔を上げた。
金銀にピカピカと光る楽器。彼もまた金色のユーフォニアムを構えるが少し不安だった。
(この演奏を聞いたら後輩達はどう思うんだろうな)
息を吹き込みピストンが動くのを確かめると、もう1度指揮を見る。手に握られた指揮棒が上から下に振り下ろされた。