二次創作小説(紙ほか)

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喰種と人間
日時: 2018/02/22 17:10
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

空咲 リア

年齢:18歳

人間側。ある意味では肝が据わっている少女で、レイトが人を
喰う喰種であることを聞いても怖がったりはせず驚いただけだった。


夕凪 レイト

年齢:18歳

半人半喰の少年。リアが喰種に襲われるところを見て彼女の前で
自身の喰種の姿を見せてしまう。

序章 >>01-03

Re: 喰種と人間 ( No.7 )
日時: 2018/02/23 18:17
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

6.白狐と黒狐

「いたぞ!Sルート『天狗』だ!」
カシュウは仮面の下で笑った。
すると建物の屋上へ飛んだ。

「ほらよ、リアは無事だレイト。俺は引き付けとく」
カシュウは再び飛び降りた。
止むことのない銃声が聞こえる。
「レイトくん」
「あぁ、ちゃっちゃと行く——ッ!?」
リアは手で目を覆った。
尖った何かがレイトの右肩を貫いた。

「痛いな…誰だ?」
負傷した右肩を抑えレイトは振り向きざまに回し蹴りをした。

「随分とタフな体してるね?」
そこには黒い狐の仮面をつけた青年がレイトの蹴りを腕で
受け止めていた。
「ッ!?てめえは…!!」
「…?」
「…覚えててくれたんだー、嬉しいよ僕。ならさ見せてよ…
 君という喰種の本性をさぁ!!!?」
青年の赫子は狐の尾のような形をしていた。レイトもCCGからは
ssルート『白狐』と呼ばれていた。
二人は互いに尾を鋭くさせていた。
レイトからはいつもの冷静さが無いように見えた。

「アハハ!そうさ!もっともっと僕を憎め!!」
「うるせえ!!ここから消え失せろォォォォォ!!」
青年は軽々とレイトの攻撃を避けていく。
攻撃力もスピードも申し分ないほどの彼の攻撃を避けていることに
リアは目を丸くして驚いていた。だが一つのあることに気付いた。

「(もしかして冷静になれていないから攻撃が単調に?だとしたら)」
「ガフッ!」
レイトの脇腹が青年の尾により抉り取られ吐血しその場に膝をつく。
それでもレイトはずっと青年を睨みつけ、自身の尾をあちこちに
振り回していた。それにリアも何度も当たり掛けた。

不意に青年の笑い声が聞こえた。

Re: 喰種と人間 ( No.8 )
日時: 2018/02/23 18:33
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

7.因縁

「アハハハハハハッ!!!」
「何が…可笑しい?」
「楽しいし嬉しいんだよ。僕さ君ぐらいの喰種、見たことないし…
 ねぇもっと見せてよ、その恨み憎しみ怒り…」
青年はその尾でリアの身体を捕らえた。

「な、なに!?」
リアはどうにか腕だけでも引き抜こうと足掻く。
ギリギリとリアの身体を青年は締めあげていく。
「痛いってば!ちょ、ちょっと身体が持たないよ!」
「ねぇ早く本気を見せてよ!でないとこの子の身体、グシャグシャに
 して僕が食べちゃうよぉ?」
「テメェ、よくも‥‥よくもォォォォォォォォ!!!」
獣のような雄叫びを上げレイトの両腕や両脚に赤黒い模様が
浮き出てくる。
「グがぁぁァァァァァァ!!」
「レイトくん!!?」
「フフッ、随分民間人としては肝が据わってるんだね?普通ならさ
 恐怖した顔とか絶望した顔が見れると思ったんだけど」
青年の顔は仮面で見えないだがどんな気持ちでいるのかはなんとなく
分かる気がする。

「ええい、知るか!!レイトくんはアンタのような変人じゃない!
 それにきっと正気に戻ってくれるはずだから」
リアはレイトの姿を見た。
この青年を満足いくまで苦しめるまで彼は止まらないだろう。
それだけの思いがリアには分かった。

「ヴォぉォォォォォォォォォッ!!!」
咆哮しレイトは青年に接近し拳を振るう。

Re: 喰種と人間 ( No.9 )
日時: 2018/02/23 18:55
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

8.中断

躱されたレイトの拳は地面にめり込みクレーターが出来た。
「アハハッすごいや!でもさ大丈夫なのかな〜?」
青年は捉えていたリアを暴走したレイトの目前に見せた。
暴走していたレイトはピタッと動きを止めた。

「いいのかな〜?僕に攻撃すればこの子も道連れにしちゃうよ?」
「ぐぎぃぃぃ!!ぐぎゃあああああ!!」
レイトは頭を押さえブンブンと首を横に振るった。
ついにはその場に屈みこみ自身の額を自分で殴ったり地面に
叩きつけたりし始める。

「ぎぃぃィィィ…!」
青年は残りの八本の尾を束ねレイトを押さえつけた。
レイトはその尾を両手で掴み引きはがそうともがくもだんだんと
意識を失っていった。

「グ…ギィィィィ…」
「なーんだ残念だな〜…まぁいいや。また君を攫いにいくね?
 空咲リア」
青年は闇に消えていく。
リアは倒れ込むレイトに駆け寄り体を揺らす。
未だ抉られた箇所は完治しておらず痛々しい傷が残っていた。

「…レイトくん…」
「リア!」
カシュウはリアとレイトを見て二人を抱える。

「カネキは助けられた。だから帰るぞ」
「え、あ、うん」
リアは気を失ったレイトを抱えその二人をカシュウは抱え
その場を後にした。

Re: 喰種と人間 ( No.10 )
日時: 2018/02/23 19:17
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

9.苦しみ

リアは帰ってきてから付きっ切りでレイトの看病をしていた。

「グゥゥ…」
「ッ!レイトくん」
「ガァぁァッ!!!?」
突然レイトは上半身を起こしリアの腕に噛み付き噛み千切ろうと
した。

「レイト、くん!!」
「喰わせろ、喰わせろぉぉぉぉぉ!!!」
そう声を荒げリアにもう一度噛み付く。
だがすぐにリアから離れ体をガタガタと振るわせ、リアの顔と
腕を交互に見る。

「レイトくん?」
「ひっ!!?嫌だ、嫌だァ、怖い、怖い…嫌だァァァァァ!!!!」
レイトはその場に頭を抱え込みその場に伏せた。
その声を聞き全員が部屋に入ってきた。

「どうした!?」
「あ、リアちゃんケガを…!」
カシュウはレイトに近づこうとするもレイトに止められる。
リアはレイトのもとに歩み寄る。

「ち、近づくな!!」
「大丈夫、気にしないで。あのくらい平気だから、ね?」
リアは優しく微笑んだ。
レイトはひゅーひゅーと荒い呼吸をしながらリアの目を見た。
そのままレイトは目を閉じた。

 ■

「…」
「気にしてるのか?リア」
カシュウは彼女にコーヒーを出し自分もリアの隣に座った。

「お前のケガやアイツの言動から察するにアイツがお前の腕を
 食い千切ろうとしたんだろう?」
「はい…」
「…強いなリアは。アイツは恐れてたんだよ」
カシュウはカップに注いだコーヒーを飲み、目だけをリアに向けた。
「アイツはなここで働き始めてから毎日のように言っていたんだ。
『俺はどんなに空腹になろうと知り合いだけは喰わない』ってな」

Re: 喰種と人間 ( No.11 )
日時: 2018/02/23 19:59
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

10.言伝

電気の消えた部屋には月の光が差し込んでいた。
未だにリアの一件を考え込み部屋の隅っこでレイトは自身の
腕に歯を突き立て何度も再生する腕を噛み千切っていた。
内心ではリアのことを心配しているし不安もあった。
突然電気が付きレイトは壁に張り付いた。

「安心しろリアは帰った」
「カ…シュウ?」
「リアから伝言を預かった」
リアという名前を聞きレイトは体を震わせ耳を塞いだ。
「嫌だァ!!聞きたく、ないぃぃ!!!!」
「レイト!」
「放せ、放せぇぇぇぇぇぇ!!!!怖い怖い怖い…ガフッ!?」
カシュウはレイトの首を掴み腹を殴った。

「『待ってるね』だそうだ」
「…!?」

 ■

リアはまたここに足を運んできた。
「…リア」
「レイトくん!もう大丈夫なの?」
レイトはリアから目を背け頷いた。
まだ何かを恐れていた。

「…心配なことがあったら何でも言ってよ。話ぐらいは聞くからね」
「…ごめん」
「?」
「だってあの時リアを食べようと!」
「気にしてないし大丈夫!」
リアは笑顔でそう言った。


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