二次創作小説(紙ほか)
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- 東京喰種 γ
- 日時: 2018/04/28 16:12
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
人間である結月(ゆづき)と喰種の少年らが出会う。
東京喰種 二次創作
第一章 喰種と人間の少女 >>01-11
キャラ設定 >>12
第二章
- 第八夜 天狗と結月 ( No.8 )
- 日時: 2018/04/27 21:55
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
あんていく、店長の芳村に言われた席へ向かうとそこには橙色の
髪と瞳をした青年が座っていた。
「時間ぴったりだな!結月ちゃん」
「へ?」
開いた口が塞がらなかった。子どもっぽい笑顔を浮かべた彼を
見てぽかんとしながら席に座った。
「改めて俺は朱堂 優、もちろんここにいるんだ俺は天狗。
よろしく!あぁ、それと俺と話すときぐらい敬語なんて硬いことは
なしにしてくれよな!」
「り、了解!あの私を呼んだ理由は?」
結月は本題に入った。
「俺さ、結構前にお前らに助けられたんだよな。覚えてないだろうが
その日から俺は人間が好きになったんだぜ」
◆
今から約十年ほど前。
その頃の優は欲を抑えるのに必死だった。
理由は自身で大切な人を喰らってしまったから、それからは
食べられなくなってしまったのだ。
「…腹、減ったなぁ。何日喰ってねえんだろ俺」
「はわっ!」
ちょうどその腹辺りに衝撃があり、食欲をそそる良い香りがした。
「セイラ!ごめんなさい」
その香りはセイラと呼ばれた少女からする香りだった。
そのうち彼は欲に耐え切れなくなりついには…。
- 第九夜 命の恩人 ( No.9 )
- 日時: 2018/04/27 22:08
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
軽くだが彼は幼い結月の細い腕にかぶりついた。
「んくっ…うまっ!」
このまま喰いちぎってやろうとも思ってしまったがすぐに我に
帰り彼女の細い腕から離れ口の周りに着いた彼女の血を舐めとった。
やらかした、そう思ったが彼女らがとった行動は違った。
「お腹、空いてるの?」
「ッ!?」
伸びてきた細い腕に目を向けた。噛み付きそうになるも自身の
腕を噛み千切り欲に耐えていた。
「貴方、ヒト食いさんだったのね?」
「ち、ちがっ!!や、ヤダ!モットタベタイ!!違う!」
彼女の母親も袖をまくり彼に差し出した。
母親からも良い香りが漂っていた。
「我慢してはダメよ?貴方優しい怪物さんなのね。私ので
良ければ全部とはいかないけど血ぐらいなら良いわよ」
二人の笑顔に彼は負け彼女の白い腕に噛み付き血を啜った。
「大丈夫?怪物さん」
二人は彼の顔を除く。
「ありがとう…二人とも」
◆
「あ、そういえば確かにそんなことがあったかも?」
結月は首を傾げながらもそう言った。
「それと、黒狐のことなんだけどアイツ、自分で伝えたいって
また明日同じ時間にここに来てくれってさ」
「り、了解です!じゃあ私、先に帰るね」
「おう、じゃあな!」
- 第十夜 寡黙の黒狐 ( No.10 )
- 日時: 2018/04/27 22:22
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
あんていく。
芳村は黒髪の青年と話していた。
「黒羽くん、もう決心はついたのかい?」
白風 黒羽、彼が黒狐の正体だった。彼は表情一つ変えずに
頷いた。
「黙ってても伝わらない。俺を知ってるのは俺と優だけ」
「なら私は言うことはないね。君も結月ちゃんと出会って
人間が好きになったのかい?」
彼は黙ってうなずいた。
そのまま彼は何も言わずに出て行ってしまった。
「何アイツ!黙ってばかりで」
トーカは苛つきながらそう言った。
カヤや西尾は何か分かっているらしく黙っていた。
「董香ちゃん、彼はね不器用なんだよ。元々寡黙だから
上手く人に自分の思いを伝えられない。そんな彼が
自分から彼女に思いを伝えようとしてるんだ。応援して
あげようじゃないか」
◆
店を出た黒羽は優のもとに帰ってきた。
「よし黒狐!頑張れよ!」
「?」
優に頑張れと言われる理由が分からなかった。
「分かんねえのか?お前の過去を知っても結月はお前を
嫌ったりしねえよ!」
「…」
無言を貫く彼に呆れながら優はため息を吐いた。
- 第十一夜 狐の涙目 ( No.11 )
- 日時: 2018/04/28 15:54
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
また翌日、今回は結月のほうが先に到着した。
何度か黒狐と会ったとき、なんとなく察していた彼の雰囲気。
それがどうしても知りたかった。
「…結月」
「え?」
その顔に結月は見覚えがあった。
「やっぱりまだ覚えてる、よな…俺の本名は白風 黒羽」
黒羽は結月を見据えながらそう言った。
「話したいんだ。せめてもの償いに…、とても遅くなってしまった。
でもゴメン、俺がアンタの父さんを…食べてしまった」
◆
数年前。黒羽はセイラの父と仲が良くて時折彼女とも会っていた。
「黒羽」
外から雨の音が聞こえ、彼の耳に黒羽を呼ぶ声がした。
「なんですか?」
「黒羽…もし困ったら俺を喰ってくれ」
「…は?」
突然のことで黒羽は驚いた。
彼には妻も娘もいて幸せなのになぜ?
「俺はもう寿命がないんだ。倒れた時は…」
彼は病気を持っていてもう助からないと言われた。だからこそだった。
その瞬間、鈍い音と共に彼は倒れた。
「お、オイ!」
「黒羽!…影からでいい、アイツらを頼む」
幼いセイラはその様子を見てしまった。
「何、してるの?」
掠れた声で彼女はそうつぶやいた。
そっと母親は彼女の眼を、耳を塞いでやった。
黒羽はそのまま彼を骨も血も残らずに食べ切った。
「ごめんなさい」
◆
「…もう気にしてないですよ」
「え?」
黒羽は顔を上げた。そこには微笑む結月がいた。
「だって父が自分から頼んだんでしょう?なら私がどうこう
言うことはありませんよ。何度も助けてくれたじゃないですか。
私は…貴方みたいに優しい喰種は大好きです!」
彼は再び顔を伏せた。なぜそうしたかはすぐわかった。
「ありがとう…」
- キャラ設定 ( No.12 )
- 日時: 2018/04/28 16:11
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
結月 星来
・16歳
・身長164㎝
見慣れているのか喰種を見てビビるということはあまりない。
喰種でも良い喰種もいると考えている。父親は病で死に喰種に
食べられている。
SSレートの黒狐からクインクス、光彩を受け取っている。
黒狐(白風 黒羽)
・19歳
・身長182㎝
・鱗赫(狐の尻尾のような形、黒っぽい)
SSレートの喰種の男。黒い狐の面をつけており結月の前に
何度も現れている。寡黙で不器用だが彼女には優しく接しているつもり。
お面の下は真っ黒い瞳をした美青年。星来の父親に頼まれ
死んだ彼の死体を喰らったところを星来に目撃されていた。
天狗(朱堂 優)
・18歳
・身長176㎝
・羽赫(鳥の翼のような形)
Sレートの喰種だが強さはSSレート並。天狗の面をつけており
いつも黒狐と行動している。彼とは真逆の性格で明るく
活発な性格。腹を空かせていたところを星来と星来の母に
助けられ人間を守りたいと思うようになった。