二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 東京喰種−夢月−
- 日時: 2019/01/29 21:10
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
人間の女作家、月待美音は一人の喰種と出会う。
その日から彼女は多くの喰種や事件に巻き込まれる。
【第一章】出会いから >>01-08
【第二章】動く >>09-14
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.7 )
- 日時: 2019/01/27 15:26
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
???「君、あんていくの常連さん?」
白髪の隻眼の喰種は殺した喰種を捕食していた咲斗にそう声を掛けてきた。最後まで
残した赫包を呑み込んだ彼はその喰種を見据える。
咲斗「誰だ、お前。アンタみたいな奴、俺は知らねえぞ」
???「金木研、覚えてないの?咲斗君」
咲斗が少し驚く。記憶に残る彼と随分と違う。
金木「覚えてなかったのも当然か…でも君も隻眼だったんだ」
咲斗「…何してんだ、お前。お前、あんていくで働いてたんだろ」
咲斗は仮面を外し、彼にそう聞いた。咲斗と美音、金木は知り合いだ。
金木「皆を守るためにアオギリに入ってる」
咲斗「お前アオギリのことを知らないワケじゃねえだろ…」
そう言って去ろうとした咲斗の体が壁に吹き飛ばされた。何事も無かったかのように咲斗は
立ち上がり何者かと見た。
金木「あ、絢都君!その人は」
咲斗「…無駄なことはしない。別に戦っても構わないが…」
霧島絢都は身構える。だが次に咲斗が目を開くと赫眼が消えていた。
咲斗「友人の友人を殺すのは好きじゃない」
そう言って彼は路地裏を出ていった。追いかけようとする彼を金木は止めた。
絢都「なんで止めんだ!」
金木「咲斗君は君が思っている以上の強さだ。分かっているはずだよ」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.8 )
- 日時: 2019/01/27 18:00
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
咲斗「オイ俺、帰っていいか」
美音「何度もダメって言ってるでしょ」
咲斗「腹だった減るんだ。食われてもいいのかよ」
美音「大丈夫、芳村さんが咲斗さん用の人肉を渡してくれたから」
そう言って美音は少し大きめの紙袋を咲斗に渡した。咲斗はその中から一切れだけ手に取り
かぶり付いた。
咲斗「…どうせ戦いに巻き込みたくないからって芳村さんに言われたんだろ。ったく…」
美音「いいじゃん今日だけなんだから我慢してよ」
その時、家のインターホンが鳴った。そこにはスーツを着た一人の喰種捜査官がいた。
彼は美音に二つの箱を渡して去っていった。
美音はその箱を開ける。箱の中身は弓型のクインケと小太刀と普通の太刀のクインケが
入っていた。弓のほうが村雲、二本の太刀を宵月と名前がついている。
咲斗「この赫包…」
箱の中には水城佑斗と書かれていた。その男は咲斗の父親であり二種持ちの喰種だ。
鱗赫と羽赫の二つ。
やがて夜は明け、戦いが終わった。その3年後。
クインクスたちのサポート役を任された美音は白いパンツスーツを着ていた。彼女の隣には
白いコートを着た咲斗がいた。その数日前、有馬貴将に美音は土下座していた。
美音「お願いします!SSレートの黒狐をここのサポートにさせてもらえないでしょうか!!
彼は人間に友好的です。新しく作られたクインクスの班員に赫子の使い方などを
教えられるはずです!勿論、彼の管理は私がします。何かあった場合、私にも罪はあると
認め牢屋行きでも構いません!」
咲斗「オイ…俺は!」
有馬は腕を組んで咲斗を見た。
有馬「…分かった。正し彼は半赫者だ。暴走したらその時点でSSレート黒狐を駆逐対象にする。
肉はこちらで用意し定期的に渡しておく。仕事を任せるときは必ず美音が近くにいること、
それを守れるなら許そう」
咲斗「アンタ、いいのかよ。喰種を殺すのがお前らの仕事だろ」
有馬「いいのさ」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.9 )
- 日時: 2019/01/27 19:00
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ハイセ「はぁ…今日もダメだったか」
ハイセは床に寝転がる。彼と組み手をしていたのは咲斗だった。赫子無しでもその戦闘能力は
クインクスたちをも超えていた。
咲斗「一応SSレートだからな。この程度で負けてはいられない」
咲斗は小さく微笑んで裏拳で殴りかかって来たウリエを殴り飛ばした。
すぐに彼は振り向きざまに回し蹴りでトオルの鳩尾を抉った。
美音「…まぁSSレートの咲斗さんでこれだから他のSSレートも、ね?」
ウリエ「とかいうアンタは鍛錬しないんだな。サイコと同じじゃないか」
美音「うぐ、それを言われると…。でも最近、私こういう仕事に就いたんで、それに
早く弓の扱いに慣れないと。ほら私は元カウンセラーで、こういう仕事とは程遠く…」
咲斗「それが最適だろうな。ハイセたちは今の特訓で十分だがお前は戦いにはまだ
慣れてない。それにクインケの扱いもまだまだだ。体力、筋力が無い分、クインケで
戦闘力をカバーするしか無い。っていうわけでお前にはこれから弓の扱いに慣れてもらう」
****
CCG本部に来て美音はある人物に声を掛けた。長い赤髪の男、特等捜査官、真田紅牙だ。
紅牙「美音さんに弓の指導を?僕がかい?」
ハイセ「はい。クインクス班のサポート役に美音さんがなりまして、それで彼女の
クインケは弓と太刀、主に弓の扱いを頼みたいんですけど」
美音も深く頭を下げた。
紅牙「…分かった。僕に出来ることなら頑張ってみるよ」
美音「いいんですか?」
紅牙「うん。僕的にも君に色々聞いてみたかったんだ、よろしくね」
美音はまた頭を深く下げ感謝の言葉を告げた。
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.10 )
- 日時: 2019/01/27 20:27
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
特訓初日、弓の引き方と姿勢など基礎的なことを紅牙は教えた。実際弓矢を放すと
的の真ん中とはいかないがとても惜しいところには当たった。
紅牙「…初めてにしては上出来だ。扱い方を覚えちゃえば右に出る人はいないだろうね」
美音「そうですか?ここで出来てもきっと本番、殺されかけた時は出来ないと思います」
美音は弓を引く手の力を緩めた。
紅牙「美音さんの髪、細くてクルクルしてるね。癖毛かい?」
紅牙は美音の髪を見ながら聞いた。美音は頷く。彼女の家系は全員癖毛で特に祖父母は酷い。
紅牙「…美音さんのカウンセラーとして力を見込んで上の人たちは君をクインクス班に
入れたのかもしれない」
美音「そうなんですかね?」
紅牙「きっとそうさ。じゃあ今日はこれでお終いにしよう。ハイセ君、今度手合わせしないか?」
ハイセ「はい、是非!今度彼女と来た時にでも」
****
新たに董香が開いた喫茶店「:re」に美音と咲斗はやってきた。
美音「あんていくみたい…」
董香「まぁ喫茶店だし。ていうか咲斗、よくCCGに入れたな」
咲斗「美音の土下座が決定打だろ」
少し間を開け咲斗はある話を持ち出した。
咲斗「…ノーマスクって喰種を知ってるか」
四方「少しだけならな。マスクをしていないからそう言う呼称で呼ばれている。そいつ
赫者らしいじゃないか」
四方はカップを洗いながらそう話した。
董香「どうしてその話を持ち込んできたわけ?」
美音「仕事のためです。風の噂でノーマスクがアオギリの樹に入ったと、今回ナッツクラッカー
という喰種の討伐が仕事になっているので」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.11 )
- 日時: 2019/01/27 21:07
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ナッツクラッカーの居場所を突き止め、一足早く美音と紅牙が先に潜入していた。
ハイセ『美音さん、潜入しました?』
美音「うん、とりあえずね」
紅牙「さてと…このまま会場に突撃するワケだけど大丈夫?クインケの準備」
美音は頷いた。緊張気味だが彼女はすでに構えていた。紅牙は太腿にあるホルダーから
サバイバルナイフを抜いた。
紅牙「じゃあ僕はこれで前線で戦う。援護は任せたよ」
美音「了解です」
そしてタイミングを見計らい勢いよく扉を開け美音は弓矢を放った。その矢は空中で
爆発し会場を慌てふためかせるには十分だった。
???「女の人、新米の捜査官だね」
紅牙「美音さん!ッ!?」
美音「紅牙さん!(あの喰種…絢都って言う人…!?)あ、私は私でどうにかします!」
美音はそう言い切り振り向きざまに太刀、宵月を振るった。男はそれを軽々と躱すと
赫子を出す。骨のようなモノの先に鎌のような刃がついた鱗赫だ。
美音「私には分かります。貴方がノーマスク、ユウさんですね。実際に見て感じました。
優しい喰種ですね。でも仕事上、私は戦わざるを得ないので…」
ユウ「じゃあ殺されるのも覚悟はあるんだね…いいよ」
美音は身体を反らし赫子を躱し弓矢を放った。弓矢を放ちながら彼女は廊下を走っていく。
それをユウは追いかける。屋上の一階下の場所で美音は足を止めた。
ハイセ『美音さん、美音さん!今どこですか?』
美音「屋上の下の階で交戦中です!どうにか退けたら下に行きますね。行けたら」