二次創作小説(紙ほか)
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- 東京喰種−夢月−
- 日時: 2019/01/29 21:10
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
人間の女作家、月待美音は一人の喰種と出会う。
その日から彼女は多くの喰種や事件に巻き込まれる。
【第一章】出会いから >>01-08
【第二章】動く >>09-14
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.2 )
- 日時: 2019/01/26 14:31
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
美音はテレビを見ていた。喰種関連の放送が多いが…。
美音は時計を見て家を出た。つい先日、再会した咲斗と「あんていく」で会う約束を
していたのだ。
〜あんていく〜
店の扉を開けると珈琲の匂いがほんのり漂っていた。
近くのカウンターで一人の女性と話している咲斗を見つけた。
咲斗「美音か、ちゃんと時間は守るんだな」
美音「貶されてるの?」
???「この子は咲斗の恋人?なんていうの?私は入見カヤよ」
咲斗「オイ、コイツは別に恋人じゃ」
美音「幼馴染です。私は月待美音って言います」
???「ふーん、無愛想な奴にも一応友達っているんだ」
咲斗「董香ほど乱暴な女はほとんどいない」
董香「はぁ!?首飛ばされたいわけ!?」
董香の怒りを無視し咲斗はカヤから渡されたカップに入っている珈琲を一口飲んだ。
美音はノートパソコンを開き、あるページを開いた。
カヤ「自殺願望をお持ちの方、募集…?」
美音「CCGで言われてる掲示板です。これ、自殺したい人は色々そこに行く日とか
その時の服装とか書いてるんです。で、この場所に行った人が死んでるんです。そこに
行っても死体もないから。この掲示板を作ったであろう喰種をCCGは自殺者と呼んでいます」
董香「自殺したいって奴、ホントにいるんだ」
美音「まぁ世の中、ありますよ。だって気に入らない奴がいたら嫌でしょう?とか、この人が
気に入らないからって虐めとかは起きていますから」
咲斗「…Sレート、か。少し興味が湧いた」
また別の客が入ってきてカヤたちは二人から離れた。
???「そこに自殺するなら男のほうが喰種は喜ぶらしいよ?」
二人の間から顔を覗かせた男がそう言った。咲斗は彼から何かを感じた。
咲斗「なら翌日の夜、お邪魔させてもらおうか…」
美音「??」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.3 )
- 日時: 2019/01/26 15:11
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
その翌日の夜、上に紺色の上着を羽織った美音は困惑しつつ歩いていた。
美音「ねぇホントに大丈夫なの?」
咲斗「人間であるお前の匂いがあれば簡単に釣れるだろ」
美音「まさか戦うために?」
咲斗「最近はそこまで戦闘はしてない。腕が鈍りそうだ」
美音は長いため息を吐いた。待ち続けて数十分、美音は大きく伸びをしてから欠伸をする。
夜11時。
咲斗「釣れたな」
美音「え?」
咲斗「昨日は助言、助かった。お陰でアンタを釣ることができた」
美音「昨日?ってことは…あの時の」
咲斗の背中から赤黒い鱗赫が二本現れる。男は甲赫と鱗赫を持っている。美音がゆっくりと
後ろに下がっていく。
???「仕方ない予定変更だ。喧嘩は売られたら買う、今回は腹ごしらえができそうだ」
咲斗「眠らせてやるよ、永遠になぁ!!」
咲斗の鱗赫を男は甲赫で弾いた。弾いたすぐあと、男は咲斗との距離を縮め殴り掛かった。
その拳を咲斗は両腕を交差させ防ぐも壁まで吹き飛ばされた。咳き込む咲斗に休む間も
与えず彼の脇腹を男の先端が鉤爪のような形をした鱗赫が抉り取った。
レートは同じだが相手のほうが戦闘経験豊富なようだ。それは咲斗も分かっていた。
咲斗「…お前如き余裕で倒せるって顔だな」
???「そう見えるかい?」
咲斗「見えるから言うんだ…」
咲斗は自ら自身の右腕を斬り落とした。思わぬ行動に男が驚いた。男はその腕を拾い上げると
マジマジとそれを見つめた。
???「細身の割には筋肉質なんだな」
咲斗「それで十分だろ。俺は帰る」
???「ちょっと待った。折角だし互いに名乗ろうよ、俺は五十嵐世影」
咲斗「…咲斗」
それだけ言い残し咲斗は美音を抱き抱え家の屋根に跳び乗り去っていく。
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.4 )
- 日時: 2019/01/26 17:39
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
あんていく、美音は最近ここに寄るようになった。
芳村「そうか美音ちゃんは咲斗君と幼馴染か」
美音「はい。昔私が住んでいた家の近くには同い年の子もいなくて近所だった咲斗さんと
よく遊んでいたんです」
芳村「そうか、だからこそ彼は君にだけ少しずつ心を開き始めているのかもしれないね」
芳村はカップを拭く手を止めた。
芳村「君と彼が再会したのは一週間ぐらい前だよね。それよりも前の彼は私たちの
誰とも口をきこうとはしなかった」
それを聞いて美音は驚いた。
カヤ「本当よ。あの頃は彼も暴食だったからっていうのもあったかもしれないけど
とても怖かったわ。殺されるかと思った」
芳村「…彼を支えてあげられるのは君だけかもしれない」
美音が店を出ていき数分後に咲斗がやってきた。いつものようにカウンターに座り
珈琲を頼み本を読み始めた。
董香「アンタその本の作者って」
ニシキ「美音って奴だろ」
咲斗「…」
二人の言葉に耳も貸さず本と向かい合っている。
芳村「二人とも仕事をしなさい。読書の邪魔をするわけにはいかないだろう」
店長である彼にそう言われ渋々二人は仕事に戻った。彼らが去ると咲斗は本に栞を挟み
彼に話しかけた。
咲斗「…入れ違いだったのか」
芳村「美音ちゃんとかい?彼女も作家だからね仕事があるんだろう。君は彼女のことが
好きなのかい?」
咲斗はサッと視線を逸らした。好きだ、とは言いたくないようだ。だが彼の気持ちを察した
芳村はそっと微笑んだ。
咲斗「俺は喰種だし…アイツを好きになることはできない」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.5 )
- 日時: 2019/01/26 18:20
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
???「へぇアンタがあの黒狐か?」
トンネルにはチカチカと灯りが光っている。そこで咲斗は一人の青年に声を掛けられた。
その男はニヤニヤと笑っている。
咲斗「…」
咲斗の目が微かに見開かれる。
???「俺は暴食の黒狐のことを知ってるぜ。なぁ、もう一度暴れてみないか?俺ぁ見たくて
仕方ねえ」
咲斗「…無駄な戦闘は控えてるんだ。Sレートの蝙蝠、蛇足だが俺はお前より上だ。
つい最近SSレートに引き上げられた」
そう言って咲斗は何事もなかったかのように歩いていく。そんな彼を蝙蝠は引き留めた。
???「いいのか?もう俺はお前の匂いを覚えたぜ?SSレート黒狐、水城咲斗。俺は蝙蝠、
三雲竜星だ。っと話の続きだが俺は欲を抑えるのが苦手でね。下手したらお前の大切な奴を
殺しちまうかもな?」
咲斗が足を止めた。瞬間、咲斗の腰辺りから赤黒く鋭い鱗赫が竜星に襲い掛かる。
それを見た竜星は笑みを浮かべ鱗赫を躱し反撃する。
竜星「お前の知り合いってのは月待美音って奴か?随分と可愛らしいし、美味そうじゃねえか」
咲斗「だから何だ、それぐらいじゃ俺は暴れたりしねえよ」
竜星「じゃあこうすりゃあいいか?」
竜星の腰から一本の青みを帯びた赤い鱗赫が伸び何かを絡めとる。それを見て咲斗は目を
見開く。
竜星「気絶してるだけだ。コイツを見れば少しぐらい——ガァッ!?」
咲斗の鱗赫で竜星が薙ぎ倒された。咲斗は美音を抱き抱え竜星を睨んだ。咳き込む竜星は
苦笑し降参と呟く。
美音「ん…って、さ、さささ咲斗さん!?」
- Re: 東京喰種−夢月− ( No.6 )
- 日時: 2019/01/27 15:01
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
CCG本部、喰種たちのカウンセリングを終え美音は同じく喰種たちのカウンセリングをする
牧田瑠海に声を掛けられた。
瑠海「大人気だね美音さんの本」
美音「うん…まさかここまでとはっていうのが本音だよ」
近くの椅子に座り美音はあることを心配する。
美音「瑠海ちゃん、盗撮っていう喰種とは何か関係があるの?」
盗撮、その喰種は瑠海に異常なほど執着している。彼女を盗撮していたところを喰種捜査官が
見つけたところその捜査官が喰種に殺された。
瑠海「小さい頃に引っ越してきたのが彼で、一緒に遊んだりしてたの。そういう美音さんもでしょ」
美音「あー…うん」
彼女だけ美音が黒狐、咲斗との関係を知っていた。
美音「話は変わるけどさ喰種を人間に戻す方法とかあればいいのにね」
瑠海「うん…そうすればコクリアにいる人たちもきっと幸せになれたのに…」
美音と瑠海が見てきた喰種は普通の精神状態の喰種から廃人状態など様々だった。酷い人では
ずっと俯いたまま何も話さないなどもある。
仕事も終わり瑠海に「あんていく」を紹介した。
瑠海は嬉しそうに店内を見ていた。
瑠海「ここが美音さんがいつも来ているお店か。確かに作家さんがいそうな場所」
芳村「美音ちゃん、咲斗君なら奥の窓側の席にいるからね」
美音「あ、なんかいつもすみません」
瑠海「咲斗って…あの人?あの人、喰種には見えないけど」
小声で瑠海が呟く。
美音「うん…って私が咲斗さんのことを話したってのは内緒にしてね」