二次創作小説(紙ほか)

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女審神者の本丸
日時: 2019/10/09 20:29
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

新米審神者と刀剣の日常を書こう。

刀剣乱舞二次小説。

Re: 女審神者の本丸 ( No.5 )
日時: 2019/11/09 23:28
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

「主、私のようなものは邪魔にならないでしょうか?」

太郎太刀が気にしていることはすぐに察することが出来た。

「あぁ大きいもんね太郎ってさ。大きい方が得するときもあるんじゃない?知ってる?
以外と人間の女の人は大きい人が好きな人もいるんだよ。それに加えて性格まで良いと来たら
もう満点だわ…!」
「は、はぁ…そうなのですか」
「そうそう。人間には扱えないけど人型なら五感があって話したり動いたりすることが出来れば
後はどうでもいいの。ポジティブに考えよう!」

「それに」と審神者は更に話を続ける。

「太郎さん、カッコいいと思いますよ。付喪神って割と美男が多いんです、なぁ!?」

バランスを崩した審神者は階段を滑り落ちた。背中を打ち付ける寸前に太郎太刀が審神者の
手を取り上に引き上げる。

「ありがとう太郎さん」
「礼には及びません主。異性の好み、というのがあると聞くのですが…主は、どんな方が
好みなのですか?」

廊下を歩きながら太郎太刀は少し照れくさそうに聞いてきた。この生活に慣れていてあまり
そう言うことは考えたことが無かった。

「…優しい人、とか?」
「因みに…この中に主の好みはいるのですか?」

太郎太刀は身を屈め耳元で囁く。審神者も囁いた。太郎太刀は少し驚き、顔を赤くした。
残念ながら盗み聞きしようとしていた鶴丸国永等には聞こえなかったらしい。

Re: 女審神者の本丸 ( No.6 )
日時: 2019/12/19 21:36
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

数人の刀剣男士たちが不思議そうに見ていた。身なりを整え、せかせかと歩く審神者。

「主さん、どうしたんでしょう?」
「五虎退か?すまないが午前中は静かにしているよう短刀たちに伝えてくれるか?」
「三日月さん…わ、分かりました!」

五虎退は廊下を走っていく。少しすると戸を叩く音がした。丁度そのタイミングで審神者は
到着した。戸を開くとそこには二人の男が立っていた。長い黒髪を一つに結んでいて
背も審神者より頭一つ分、高い。もう一人は三日月と同じ刀剣男士だ。彼は天下五剣、
鬼切安綱という。彼もまた平安時代の貴族のような姿だが違うのは性格、マイペースな
三日月と違いポーカーフェイスで冷徹な事をすることもある。彼の審神者の名は黒神静哉。

「静哉さん…お久しぶりです」
「おぉ、大きくなったなぁ…咲耶」

審神者同士が挨拶を交わす。

「三日月も相変わらずのマイペースだな」
「じじいを急かされても困るぞ鬼切。はて、今日は何故ここに?」
「決まってんだろ?従妹を見に来た、それだけ」

何やらギクシャクしているようだ。遠くから見守っている刀剣男士たちも感じ取っていた。

「何だか不穏な空気だな…」
「…ひと悶着あったらしい。今の主とあの人と、どちらがここの家を継ぐかってね」

一期一振は話し出した。

「才能ならあの人の方が上、だけど今の主のお爺様は孫に継がせたいと言い張ったらしい。
私たちも彼女とは幼い頃からの付き合いだからね」

話が終わった。向こうも話が終わったようだ。いつも通り、審神者が笑顔でこっちに走って来た。

Re: 女審神者の本丸 ( No.7 )
日時: 2019/12/20 18:55
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

「幼い孫がいるときにその話をするのか…静哉」

猫背で正座をしている老人、先代の審神者である。

「何故俺が後継ぎではないんだ。あの子よりも俺の方が優れているはずだ!」

老人の審神者は三日月以外には席を外し孫の相手をしているように言いつけた。

「優れている、優れていないの話ではない。既に政府でも継承が決まっている。…すまんのぅ、

静哉…」

静哉は歯軋りをする。あんな子どもが審神者になりすぐ家を継ぐのが気に入らなかった。

****
「ねぇ…三日月」
「どうした?主。何やらもの言いたげな顔だ。じじいで良ければ聞いてよいぞ」

審神者はふと手を止めた。

「静哉さんと私は…何か争うようなことがあったの?」

三日月も一瞬、動きを止めた。だがすぐに微笑んで返す。

「さぁて、主の可愛さに嫉妬を抱いているんだろう」
「‥‥そっか。ごめんね」

審神者も困ったような笑顔を浮かべた。

Re: 女審神者の本丸 ( No.8 )
日時: 2019/12/21 22:35
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

刀を簡単に手入れしまた飾る。

「あんたは…今の生活どう思ってるんだ?」

突然、そんなことを聞いてきた山姥切国広に審神者は顔を向ける。

「もう、当たり前の事を聞かれても困るよ!楽しいに決まってるじゃん。楽しくなかったら
今頃ぐれてるよ。山姥切もここの生活は楽しいっしょ?」
「そ、それは…否定しない。だが写しである俺が…邪魔してるんじゃ」
「別に?…そんな暗い顔しないで。折角綺麗な顔してるんだからさ」

「き、綺麗って言うな!」と顔を真っ赤にする山姥切を余所に審神者は悪戯っぽい笑みを
向けて立ち上がる。

「お、大将。山姥切といたんだな。兄弟たちが大将と遊びたいって言ってたぜ。行ってやれよ」

歩いてきた薬研藤四郎はそう言った。彼はそう言ってから暫く二人を見ていた。そしてふと
笑う。

「つい最近まで俺よりも小さかったのに今じゃ山姥切と同じぐらい大きいんだな。もしかすると
越しちゃうかもな!」
「いやいやぁそれは無いっしょ。いやでも後1㎝!169だから170で止まりたいかなぁ…。って
みんなを待たせてるんだっけ?私、行くね」

そう言って彼女は廊下を早足で歩いていく。あっという間に遠くへ行ってしまった。

「なあんか時が経つのって早いんだな…ちょっと前までは子どもだったし。そう思うだろ?」

薬研は山姥切に話を振る。彼もまた幼い頃の審神者を知っている。

Re: 女審神者の本丸 ( No.9 )
日時: 2019/12/21 23:55
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

夜になり入浴の時間。審神者は一番最後に入ることになっている。

「あ〜あ主さんが小さいときは一緒に入れたのに…どうして今はダメなんだ?」

愛染国俊は湯船につかり大きなため息を吐いた。

「そりゃあ無理に決まってるさ。主はんはもう立派な大人の女性、自分たちとは色々
違うから恥ずかしさってのがあるに決まってますわぁ」

愛染の零した言葉に明石国行は審神者の心を知っているように話し出した。

「で、でも!」
「まぁまぁ愛染、落ち着いて。主に無理強いして嫌な思いさせたくないでしょ?」

大和守に言われて彼は口を閉じた。更に鳴狐が続ける。

「恥ずかしさもあるかもしれませんがもう一つ。あの二人がいるからじゃないでしょうか?」

あの二人とは千子村正と亀甲貞宗の事だ。なるほど、と全員が納得してしまった。

「それに最近、わたくしの部屋にあるじどのが来まして。理由を問うとですね…
亀甲貞宗に襲われそうだから今日だけ一緒に眠らせてくれないかと!」
「あぁ、そんな事を僕も言われたよ。村正に狙われてるから匿ってくれってね」

燭台切までもそう言いだした。彼らがもう少し自制心を持ってくれれば審神者も心を
許してくれるかもしれない。


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