二次創作小説(紙ほか)
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- 女審神者の本丸
- 日時: 2019/10/09 20:29
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
新米審神者と刀剣の日常を書こう。
刀剣乱舞二次小説。
- Re: 女審神者の本丸 ( No.1 )
- 日時: 2019/10/09 20:55
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
「主〜、朝だぞ…あれ?」
審神者の部屋の前、加州清光は戸が全開であることに驚いた。中を覗いてみると
布団には審神者がいない。珍しい、彼女の寝相は悪くない。いつもなら布団を被って
仰向けで眠っているのに。
「清光?もしかして大将を起こしに来たのか?」
「薬研。そうなんだけど…主にしては珍しく戸が全開でさ。で、この通り」
薬研が部屋を覗き込む。そして眉を顰め「そういうことか」と呟く。
「実は…大将は俺たちの部屋でぐっすりだぞ」
「なっ!?」
薬研と共に藤四郎兄弟の部屋に来ると部屋の壁際でぐっすり眠る審神者がいた。
眠る審神者にそっと近寄り五虎退が彼女の体を揺らす。
「あ、あるじさま。もう朝ですよ」
「え!?い、今何時!?って…あれ?え?」
目を覚ました審神者は辺りを見回す。布団も、枕も無い。何があったんだろうか。
「まさか…大将。もしかして夜中に起きたのか…?」
「うん。なんか凄いトイレに行きたかった…あ!」
そういうことかと全員が納得した。ぐっすり眠っていた時に目を覚ましトイレに行った。
寝ぼけていたせいで部屋を間違えてしまったらしい。
- Re: 女審神者の本丸 ( No.2 )
- 日時: 2019/10/09 21:15
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
「君って女の子なのにスカートとか履かないね。珍しい」
私服の審神者を見て燭台切光忠はそう言った。女子といえばスカートやワンピースを
よく着ているのを見るからだろうか。
「え、だってスカートとか苦手だし」
「え?そうなの?」
「スカートとかフリフリしたのが好きな人もいるし私みたいな人もいるでしょ。
私、家族にも可愛いよりカッコイイ服の方が似合うって言われた」
「それに」と審神者は更に話を続ける。
「光忠はカッコイイだけどほら、五虎退とかなんて良い例じゃん。可愛い系男子、
というか短刀は大抵可愛いかもしれない」
話してるときにふと目線を横に向けるとジロジロと見ている光忠が首を傾げる。
「あー…君、身長高いのに座高が低いんだね。ってことは脚長かぁ」
「それは言われる。うち168ぐらいなんだけど、少し背が低い子の隣に座ると
その子のほうが高いんだよね…」
なんとなく声が落ちる。「まぁ脚長は良いのかも」と、突然明るくなったり。
- Re: 女審神者の本丸 ( No.3 )
- 日時: 2019/11/06 21:09
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
本丸の戸を閉める和泉守兼定は空を見た。黒い雲が広がっていて今にも大雨が降りそうだ。
「これだと一雨来そうだな兼定」
「長谷部か。確か今日はかなり強い雨らしいぜ雷もあるかもってさ」
「雷か」と呟いてから長谷部は戸を閉めて何処かに行った。兼定は首を傾げ戸を閉めた。
夕食は全員が同じ部屋で一緒に食べている。審神者は決まった席で食べていないので彼女の
気分などで真ん中に座ったり時には端っこに座ったりしているが今日は真ん中に座って
食べていた。
「なぁ…なんか主ソワソワしてるんだが…」
兼定は隣に座る加州清光に小声で話す。兼定よりも前から彼女を見ていた彼なら
何か知っているかもしれないと踏んだ。彼は眉を顰める。ゴロゴロと音がしている外を
見てから答えた。
「実はな…」
そう言いかけた。大きな雷が近くに落ち電気が消えた。大きな声がして驚いた。
暗いので誰が驚いているのか分からなかったが恐らく…。声が高かったため審神者だろうと
察した。
「主はちょっと雷が苦手でな…」
「そう言うことだったのか」
少しして電気が戻った。全員の視線が審神者の方に向いた。
「あの…主?もう電気は戻りましたよ?」
清光にそう言われ審神者はビクビクしながらも目を開けた。ホッと審神者は表情を
緩めた。そして慌てて掴んでいた両隣の数珠丸恒次と江雪左文字の腕を放し二人に
謝る。
「成程…今日真ん中に座ってたのは気分じゃなくて雷が怖かったのか!大丈夫だよボクたちが
いるし…あ!じゃあ今日、ボクと一緒に寝ようよ!」
「い、いや!大丈夫だって!一人で眠れるから!」
頬を赤らめる審神者を全員が笑って、さらに彼女の頬が赤くなった。
- Re: 女審神者の本丸 ( No.4 )
- 日時: 2019/11/07 21:16
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
「凄い…!」
机と向き合って鉛筆を動かす審神者を左文字兄弟は覗き込んでいた。数十分後、紙には
三人が描かれていた。
「これは…僕たち三人を描いたのですか?」
「まあね。いやぁ久しぶりに絵を描いたけど案外覚えてるもんだね。本当なら色塗りも
するんだけど…どうする?色、塗る?」
審神者は絵を見せて聞いた。小夜は絵を手に取り目を輝かせる。
「いいえ、見た限り疲れているのでしょう。これだけでも凄いです。この絵は宝に
させて頂きます」
「…ありがとう」
小夜が照れくさそうに礼を言った。それに審神者も少し照れながら「どういたしまして」と
返した。夜になった。審神者が風呂に入っている間。
「あれ?鳴狐は?」
「なんかあったときのために見張りだって。兼さん、もしかして羨ましいなぁって
思ってるの?」
「ばっ!ンなワケねえだろ!」
国広の言葉を振り切った。風呂場の前、鳴狐は横目で戸を見る。
「いやぁ、審神者も女の人ですね!本当は覗きにあったりして恥ずかしい思いをしたくないん
ですよね?」
お供の狐が彼の言葉を代弁する。審神者は笑っていた。
「そりゃあね、私もれっきとした女だよ。普段話すのは良いけど流石に裸は、ね?周りは
男子ばっかりなわけだし?下心があってきたら嫌じゃん。だけど鳴狐は覗きなんて絶対
しないだろうと思ったから」